地球育ちの俺、銀河帝国では『伝説の古代種族』らしい。~拾われた宇宙船で無自覚に無双してたら、皇女様に求婚されました~

夏見ナイ

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第89話

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「まずはお友達から……」

その、大和の、言葉を、聞いた、瞬間。
エリアーナの、世界から、音が、消えた。

おともだち……?

彼女の、頭の中で、その、単語が、虚しく、響き渡る。
彼女にとって、「結婚」とは、愛する、二人が、生涯を、共にする、という、神聖な、誓い。
そこに、「お試し期間」や、「友達」という、曖 fous な、概念が、入り込む、余地は、ない。

彼の、言葉は。
彼女の、純粋な、愛の、告白に対する、最も、残酷な、拒絶の、形に、聞こえてしまったのだ。

『あなたの、愛は、まだ、私を、納得させるには、足りない』
『結婚を、考えるには、値しない』
そう、言われたのと、同じだった。

彼女の、瞳から、光が、急速に、失われていく。
あれほど、輝いていた、希望の、光が、まるで、燃え尽きた、星のように、消えていく。

「あ……」

彼女の、小さな、唇から、か細い、声が、漏れた。
そして、次の瞬間。
その、大きな、瞳から、ぽろぽろと、大粒の、涙が、こぼれ落ち始めた。

「う……。うぅ……」

最初は、小さな、嗚咽だった。
だが、それは、すぐに、抑えきれない、しゃくり上げへと、変わっていく。

「ひっく……。うわあああああん!」

ついに、彼女は、子供のように、声を、上げて、泣き出してしまった。
その、あまりにも、悲痛な、泣き声に、大和は、完全に、我に返った。

「え!? えええええ!?」

な、なぜ!?
なぜ、泣いているんだ!?
俺は、何か、間違ったことを、言ったか!?
いや、言っていないはずだ!
あれは、完璧な、テンプレ回答だったはずだ!

大和の、脳内は、再び、パニックに、陥った。
目の前で、絶世の、美少女が、自分を、責めるように、泣きじゃくっている。
その、光景は、どんな、巨大兵器よりも、どんな、クーデターよりも、彼にとって、恐ろしかった。

「あ、あの、エリアーナ様!? ど、どうしたんですか!?」
「ご、ごめんなさい! 俺、何か、失礼なことを……!」

彼は、必死に、謝り、彼女を、慰めようとする。
だが、その、言葉は、火に、油を、注ぐだけだった。

「わ、私の、想いが……! ヤマト様には、迷惑、だったのですね……!」
「そ、そんなこと、ないです! ないですけど!」
「では、なぜ……! なぜ、お友達、などと、そんな、ひどいことを、仰るのですか……!」

話が、全く、噛み合わない。
大和は、完全に、お手上げだった。
女性を、泣かせた、経験など、皆無に、等しい、彼に、この、状況を、打開する、術は、なかった。

彼は、ただ、おろおろしながら、
「ち、違っ……! 違うんです! そういう意味じゃなくて!」
と、意味のない、弁解を、繰り返すことしか、できなかった。

遠くで、見守っていた、ゼノが、その、光景に、目を、剥き、
「き、貴様あああああっ!」
と、血相を、変えて、こちらに、向かって、駆け出してくる、その、足音が、聞こえてくるまで。
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