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第91話
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エリアーナが、去った後。
空中庭園には、重く、そして、気まずい、沈黙だけが、残されていた。
ゼノは、まだ、怒りが、収まらない、といった、様子で、大和を、睨みつけている。
大和は、その、視線を、受け止めながら、必死に、思考を、巡らせていた。
一体、何が、いけなかったのか。
なぜ、あの、言葉が、彼女を、あそこまで、傷つけたのか。
彼は、自分の、脳内に、蓄積された、この、宇宙に来てからの、全ての、出来事を、もう一度、再生し、検証し始めた。
握力計を、壊した時の、船医たちの、驚愕。
廊下を、走っただけで、人が、吹き飛んだ、一件。
開かないはずの、扉を、指で、こじ開けたこと。
ビームを、打ち返し、デブリを、投げて、海賊船を、沈めたこと。
硬い、食材を、バターのように、切り分けたこと。
騎士団の、必死の、攻撃を、赤子の手を、ひねるように、あしらったこと。
巨大な、広告塔を、片手で、支えたこと。
地球の、常識を、話しただけで、神の、叡智だと、崇められたこと。
そして、クーデターでの、数々の、人間離れした、所業。
一つ一つの、出来事が、彼の、脳裏に、浮かび上がる。
その、全てにおいて、自分は、ごく、当たり前のことを、してきた、つもりだった。
だが、周囲の、反応は、常に、異常だった。
驚愕、恐怖、畏敬、そして、崇拝。
彼は、今まで、その、ギャップを、「この、宇宙の、人々が、虚弱で、文化が、未熟だからだ」と、結論づけてきた。
だが。
もし。
もし、そうじゃ、なかったら?
あの、エリアーナの、涙。
あの、ゼノの、本気の、怒り。
それは、「文化の違い」などという、言葉で、片付けられる、ものでは、なかった。
そこには、もっと、根源的な、何か、がある。
そうだ。
彼らは、俺を、見ているのではない。
彼らが、作り上げた、「英雄ヤマト」という、偶像を、見ているのだ。
神の如き、力を、持ち、神の如き、知恵を、持ち、そして、神の如き、慈悲を、持つ、完璧な、存在。
そんな、完璧な、存在が。
皇女からの、真摯な、求婚に、対して。
「まずは、友達から」などという、曖 fous で、誠意のない、答えを、返す。
それは、彼らの、世界観では、ありえない、裏切り行為だったのだ。
「……そっか」
大和の、口から、乾いた、声が、漏れた。
「……そういうこと、だったのか」
彼は、ついに、確信した。
勘違いを、されていたのは、彼らではない。
勘違いを、していたのは、自分自身だったのだ。
この、宇宙が、おかしいのではない。
俺の、故郷、「地球」が、そして、そこに住む、「地球人」という、種族が、この、宇宙の、基準から、見て、あまりにも、異常なのだ、と。
その、あまりにも、壮大で、そして、滑稽な、真実。
それに、この期に及んで、ようやく、彼は、たどり着いた。
「はは……」
思わず、乾いた、笑いが、こみ上げてくる。
笑うしかない。
これは、もはや、喜劇だ。
宇宙規模の、壮大な、勘違いの、コメディ。
そして、自分は、その、主役を、演じている、哀れな、ピエロだ。
その、悟りきったような、大和の、笑みに、ゼノは、さらに、眉を、ひそめた。
「……貴様。まだ、皇女殿下を、嘲笑うか」
「いえ、ゼノさん」
大和は、笑うのを、やめ、静かに、ゼノを、見据えた。
その、目には、もはや、困惑の、色は、なかった。
あるのは、全てを、受け入れた、者の、静かな、覚悟だけだった。
「少し、あなたたちと、ちゃんと、話を、する必要が、ありそうですね」
彼の、その、言葉に、ゼノは、戸惑いを、隠せなかった。
目の前の、男の、雰囲気が、また、変わったことに、彼は、気づいていた。
空中庭園には、重く、そして、気まずい、沈黙だけが、残されていた。
ゼノは、まだ、怒りが、収まらない、といった、様子で、大和を、睨みつけている。
大和は、その、視線を、受け止めながら、必死に、思考を、巡らせていた。
一体、何が、いけなかったのか。
なぜ、あの、言葉が、彼女を、あそこまで、傷つけたのか。
彼は、自分の、脳内に、蓄積された、この、宇宙に来てからの、全ての、出来事を、もう一度、再生し、検証し始めた。
握力計を、壊した時の、船医たちの、驚愕。
廊下を、走っただけで、人が、吹き飛んだ、一件。
開かないはずの、扉を、指で、こじ開けたこと。
ビームを、打ち返し、デブリを、投げて、海賊船を、沈めたこと。
硬い、食材を、バターのように、切り分けたこと。
騎士団の、必死の、攻撃を、赤子の手を、ひねるように、あしらったこと。
巨大な、広告塔を、片手で、支えたこと。
地球の、常識を、話しただけで、神の、叡智だと、崇められたこと。
そして、クーデターでの、数々の、人間離れした、所業。
一つ一つの、出来事が、彼の、脳裏に、浮かび上がる。
その、全てにおいて、自分は、ごく、当たり前のことを、してきた、つもりだった。
だが、周囲の、反応は、常に、異常だった。
驚愕、恐怖、畏敬、そして、崇拝。
彼は、今まで、その、ギャップを、「この、宇宙の、人々が、虚弱で、文化が、未熟だからだ」と、結論づけてきた。
だが。
もし。
もし、そうじゃ、なかったら?
あの、エリアーナの、涙。
あの、ゼノの、本気の、怒り。
それは、「文化の違い」などという、言葉で、片付けられる、ものでは、なかった。
そこには、もっと、根源的な、何か、がある。
そうだ。
彼らは、俺を、見ているのではない。
彼らが、作り上げた、「英雄ヤマト」という、偶像を、見ているのだ。
神の如き、力を、持ち、神の如き、知恵を、持ち、そして、神の如き、慈悲を、持つ、完璧な、存在。
そんな、完璧な、存在が。
皇女からの、真摯な、求婚に、対して。
「まずは、友達から」などという、曖 fous で、誠意のない、答えを、返す。
それは、彼らの、世界観では、ありえない、裏切り行為だったのだ。
「……そっか」
大和の、口から、乾いた、声が、漏れた。
「……そういうこと、だったのか」
彼は、ついに、確信した。
勘違いを、されていたのは、彼らではない。
勘違いを、していたのは、自分自身だったのだ。
この、宇宙が、おかしいのではない。
俺の、故郷、「地球」が、そして、そこに住む、「地球人」という、種族が、この、宇宙の、基準から、見て、あまりにも、異常なのだ、と。
その、あまりにも、壮大で、そして、滑稽な、真実。
それに、この期に及んで、ようやく、彼は、たどり着いた。
「はは……」
思わず、乾いた、笑いが、こみ上げてくる。
笑うしかない。
これは、もはや、喜劇だ。
宇宙規模の、壮大な、勘違いの、コメディ。
そして、自分は、その、主役を、演じている、哀れな、ピエロだ。
その、悟りきったような、大和の、笑みに、ゼノは、さらに、眉を、ひそめた。
「……貴様。まだ、皇女殿下を、嘲笑うか」
「いえ、ゼノさん」
大和は、笑うのを、やめ、静かに、ゼノを、見据えた。
その、目には、もはや、困惑の、色は、なかった。
あるのは、全てを、受け入れた、者の、静かな、覚悟だけだった。
「少し、あなたたちと、ちゃんと、話を、する必要が、ありそうですね」
彼の、その、言葉に、ゼノは、戸惑いを、隠せなかった。
目の前の、男の、雰囲気が、また、変わったことに、彼は、気づいていた。
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