13 / 89
第十二話 覚醒の女剣士
しおりを挟む
完成した腕輪が放つ黒いオーラは、部屋の空気を支配していた。それはノアが今まで錬成してきたどんな道具とも違う、圧倒的な魔力の密度。まるで、それ自体が一つの生命体であるかのようだった。
「これが……俺の作ったもの……」
ノア自身も、自らの生み出したものに畏怖を感じていた。ルナは警戒を解かず、クロエは固唾を飲んで腕輪を見つめている。
「さあ、着けてみてくれ」
ノアは腕輪を手に取り、クロエに差し出した。失敗するかもしれないという恐怖よりも、彼女を救いたいという気持ちが勝っていた。
クロエは覚悟を決めた表情で頷くと、ゆっくりと腕輪を自らの利き腕にはめた。
その瞬間だった。
「うっ……くぅっ!」
クロエの体から、黒い魔力と、大剣から溢れ出す赤い魔力が渦を巻いて激しく噴き出した。二つの奔流が彼女の腕でぶつかり合い、凄まじい抵抗を生み出す。クロエは苦悶の表情を浮かべ、膝から崩れ落ちそうになった。
「ノア、これは……!?」
ルナが叫ぶ。失敗だ。誰もの脳裏に、その二文字がよぎった。
「落ち着いて、クロエ! その力を拒絶するな! それはもう、君の一部だ!」
ノアが必死に叫ぶ。その声に、クロエははっと我に返った。彼女は歯を食いしばり、荒れ狂う力に意識を集中させる。腕輪に刻まれた黒い紋様が、まるで脈打つように明滅を始めた。
すると、不思議なことが起こった。大剣から流れ込む制御不能の赤い魔力が、腕輪に吸い込まれていく。そして、腕輪の中で純化され、洗練された力として、穏やかにクロエの体へと還流していくのが分かった。
「あ……」
クロエの口から、驚きの声が漏れる。先ほどまでの激しい苦痛が嘘のように消え、代わりに経験したことのない高揚感が全身を駆け巡っていた。力が、満ちてくる。自分の手足のように、意のままに操れる力が。
彼女はゆっくりと立ち上がると、今まであれほど重く、呪わしいと感じていた大剣「ベルセルク」に手を伸ばした。
すっ、と何の抵抗もなく持ち上がる。まるで、羽のように軽い。
「信じられない……。こんなに軽いなんて……」
クロエは呆然と呟いた。彼女は大剣を構え、軽く素振りをする。風を切る音が、今までとは全く違う。力の暴発はない。全ての力が、剣先の一点に完璧に集約されているのが分かった。
「ノア、店の裏庭を借りるぞ!」
ルナが叫び、三人は店の裏へと駆け出した。そこには、打ち捨てられた岩や廃材が転がっている。
「クロエ、あの岩を狙ってみろ!」
ルナが指さした先には、馬車ほどもある巨大な岩塊があった。クロエはこくりと頷くと、大剣を静かに構える。
彼女の集中が高まるにつれ、腕輪の紋様が淡い光を放ち始めた。大剣の赤い紋様も、それに呼応するように脈打つ。呪いの力が、腕輪を通して完全に彼女の支配下に置かれていた。
「はっ!」
短い気合と共に、クロエは大剣を振り抜いた。それは、以前のような力任せの乱暴な一撃ではない。洗練され、無駄のない、美しい剣閃だった。
目に見える斬撃は飛ばない。だが、一瞬の静寂の後、少し離れた場所にあった巨大な岩塊が、音もなく真っ二つに割れた。その断面は、まるで鏡のように滑らかだった。
「…………」
ノアもルナも、言葉を失ってその光景を見つめていた。これが、本当にさっきまで力の暴走に悩んでいた少女の力だというのか。
「すごい……。すごい……!」
クロエ自身が、一番その威力に驚いていた。彼女は自分の両手を見つめ、それからノアの方を振り返る。その瞳は、感動と感謝で潤んでいた。
「これが……私の、本当の力……」
ルナは驚きから立ち直ると、専門家のような目でクロエと腕輪を分析し始めた。
「なるほどな。腕輪が過剰な魔力の流入を防ぐダムの役割を果たしている。それだけじゃない。腕輪はクロエの生命力を代償に、呪いの魔力をさらに増幅させ、制御可能なエネルギーに変換している……。ノア、お前が作ったのはただの制御装置じゃない。着用者の限界を強制的に突破させる、『限界突破装置(リミットブレイカー)』だ」
限界突破装置。その言葉に、ノアは自分の力の可能性の、ほんの入り口を垣間見た気がした。
クロエは、おもむろにノアの前まで歩み寄ると、その場に静かに膝をついた。そして、大剣を床に置き、騎士が王に忠誠を誓うように、深く頭を垂れた。
「ノア様」
彼女の呼び方が、変わっていた。
「この御恩は、一生忘れません。私に新たな力を、そして希望を与えてくださった。私のこの剣、この力、この命、全てはあなたのものです。どうか、これからの私を、あなたの剣としてお使いください」
その真摯な言葉と、絶対的な信頼を込めた眼差しに、ノアはただ戸惑うばかりだった。
「え、えっと……顔を上げてくれ、クロエさん」
「いいえ、クロエ、とお呼びください。ノア様」
こうして、ノアは意図せずして、強力すぎる力を持つ女剣士の絶対的な忠誠を手に入れた。
境界都市バザールの片隅で生まれた小さな工房。そこは、後に大陸全土の歴史を揺るがす「呪いのアイテム専門店」となる。その最初の従業員が誕生した瞬間だった。
「これが……俺の作ったもの……」
ノア自身も、自らの生み出したものに畏怖を感じていた。ルナは警戒を解かず、クロエは固唾を飲んで腕輪を見つめている。
「さあ、着けてみてくれ」
ノアは腕輪を手に取り、クロエに差し出した。失敗するかもしれないという恐怖よりも、彼女を救いたいという気持ちが勝っていた。
クロエは覚悟を決めた表情で頷くと、ゆっくりと腕輪を自らの利き腕にはめた。
その瞬間だった。
「うっ……くぅっ!」
クロエの体から、黒い魔力と、大剣から溢れ出す赤い魔力が渦を巻いて激しく噴き出した。二つの奔流が彼女の腕でぶつかり合い、凄まじい抵抗を生み出す。クロエは苦悶の表情を浮かべ、膝から崩れ落ちそうになった。
「ノア、これは……!?」
ルナが叫ぶ。失敗だ。誰もの脳裏に、その二文字がよぎった。
「落ち着いて、クロエ! その力を拒絶するな! それはもう、君の一部だ!」
ノアが必死に叫ぶ。その声に、クロエははっと我に返った。彼女は歯を食いしばり、荒れ狂う力に意識を集中させる。腕輪に刻まれた黒い紋様が、まるで脈打つように明滅を始めた。
すると、不思議なことが起こった。大剣から流れ込む制御不能の赤い魔力が、腕輪に吸い込まれていく。そして、腕輪の中で純化され、洗練された力として、穏やかにクロエの体へと還流していくのが分かった。
「あ……」
クロエの口から、驚きの声が漏れる。先ほどまでの激しい苦痛が嘘のように消え、代わりに経験したことのない高揚感が全身を駆け巡っていた。力が、満ちてくる。自分の手足のように、意のままに操れる力が。
彼女はゆっくりと立ち上がると、今まであれほど重く、呪わしいと感じていた大剣「ベルセルク」に手を伸ばした。
すっ、と何の抵抗もなく持ち上がる。まるで、羽のように軽い。
「信じられない……。こんなに軽いなんて……」
クロエは呆然と呟いた。彼女は大剣を構え、軽く素振りをする。風を切る音が、今までとは全く違う。力の暴発はない。全ての力が、剣先の一点に完璧に集約されているのが分かった。
「ノア、店の裏庭を借りるぞ!」
ルナが叫び、三人は店の裏へと駆け出した。そこには、打ち捨てられた岩や廃材が転がっている。
「クロエ、あの岩を狙ってみろ!」
ルナが指さした先には、馬車ほどもある巨大な岩塊があった。クロエはこくりと頷くと、大剣を静かに構える。
彼女の集中が高まるにつれ、腕輪の紋様が淡い光を放ち始めた。大剣の赤い紋様も、それに呼応するように脈打つ。呪いの力が、腕輪を通して完全に彼女の支配下に置かれていた。
「はっ!」
短い気合と共に、クロエは大剣を振り抜いた。それは、以前のような力任せの乱暴な一撃ではない。洗練され、無駄のない、美しい剣閃だった。
目に見える斬撃は飛ばない。だが、一瞬の静寂の後、少し離れた場所にあった巨大な岩塊が、音もなく真っ二つに割れた。その断面は、まるで鏡のように滑らかだった。
「…………」
ノアもルナも、言葉を失ってその光景を見つめていた。これが、本当にさっきまで力の暴走に悩んでいた少女の力だというのか。
「すごい……。すごい……!」
クロエ自身が、一番その威力に驚いていた。彼女は自分の両手を見つめ、それからノアの方を振り返る。その瞳は、感動と感謝で潤んでいた。
「これが……私の、本当の力……」
ルナは驚きから立ち直ると、専門家のような目でクロエと腕輪を分析し始めた。
「なるほどな。腕輪が過剰な魔力の流入を防ぐダムの役割を果たしている。それだけじゃない。腕輪はクロエの生命力を代償に、呪いの魔力をさらに増幅させ、制御可能なエネルギーに変換している……。ノア、お前が作ったのはただの制御装置じゃない。着用者の限界を強制的に突破させる、『限界突破装置(リミットブレイカー)』だ」
限界突破装置。その言葉に、ノアは自分の力の可能性の、ほんの入り口を垣間見た気がした。
クロエは、おもむろにノアの前まで歩み寄ると、その場に静かに膝をついた。そして、大剣を床に置き、騎士が王に忠誠を誓うように、深く頭を垂れた。
「ノア様」
彼女の呼び方が、変わっていた。
「この御恩は、一生忘れません。私に新たな力を、そして希望を与えてくださった。私のこの剣、この力、この命、全てはあなたのものです。どうか、これからの私を、あなたの剣としてお使いください」
その真摯な言葉と、絶対的な信頼を込めた眼差しに、ノアはただ戸惑うばかりだった。
「え、えっと……顔を上げてくれ、クロエさん」
「いいえ、クロエ、とお呼びください。ノア様」
こうして、ノアは意図せずして、強力すぎる力を持つ女剣士の絶対的な忠誠を手に入れた。
境界都市バザールの片隅で生まれた小さな工房。そこは、後に大陸全土の歴史を揺るがす「呪いのアイテム専門店」となる。その最初の従業員が誕生した瞬間だった。
11
あなたにおすすめの小説
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
無能と追放された鑑定士、実は物の情報を書き換える神スキル【神の万年筆】の持ち主だったので、辺境で楽園国家を創ります!
黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――勇者パーティーの【鑑定士】リアムは、戦闘能力の低さを理由に、仲間と婚約者から無一文で追放された。全てを失い、流れ着いたのは寂れた辺境の村。そこで彼は自らのスキルの真価に気づく。物の情報を見るだけの【鑑定】は、実は万物の情報を書き換える神のスキル【神の万年筆】だったのだ!
「ただの石」を「最高品質のパン」に、「痩せた土地」を「豊穣な大地」に。奇跡の力で村を豊かにし、心優しい少女リーシャとの絆を育むリアム。やがて彼の村は一つの国家として世界に名を轟かせる。一方、リアムを失った勇者パーティーは転落の一途をたどっていた。今さら戻ってこいと泣きついても、もう遅い! 無能と蔑まれた青年が、世界を創り変える伝説の王となる、痛快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる