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第31話:大地に刻む、生命の水路
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アークライト共同体の未来を左右するであろう、大規模なインフラ整備計画が動き出した。その第一歩は、セレスティアが中心となって練り上げた計画の共有から始まった。
「まず、安定した水源の確保が最優先ですわ」
リアムの小屋(もはや「領主執務室」と呼んだ方がいいかもしれない広さになっていた)で開かれた会議で、セレスティアは広げた羊皮紙――リアムが創造した測量結果に基づく簡易的な地図――を指しながら説明を始めた。その表情は真剣で、瞳には知的な光が宿っている。
「現在利用している泉は、水量は安定していますが、今後の人口増加や農地拡大を考えると、到底足りません。より大規模な水源、できれば川のような安定した水流が必要ですわ」
しかし、問題はこの辺境の森に、都合よく利用できる川が存在するかどうかだった。
「ルナ、何か心当たりは?」リアムが尋ねる。
ルナは目を閉じ、しばし精神を集中させた後、静かに首を振った。
「この拠点の周辺には、残念ながら大きな川や湖はないようですわ。地下水脈はいくつか感じられますが、それを安定して地上に汲み上げるのは、私の魔法だけでは難しいかと……」
「ふむ、ならば水源そのものを『創造』するか、あるいは既存の地下水脈を強化して利用するか……」リアムが呟く。
「水源の創造、となると、相当な魔力が必要になるのではないか?」ドルガンが懸念を示す。「それに、ただ水を出すだけでは意味がない。持続的に、安定した水量を供給する『仕組み』そのものを創り出さねばならんじゃろう」
「ええ、そこが鍵ですわ」セレスティアが同意する。「リアムの力で、例えば『尽きることなく清らかな水が湧き出る湖』のようなものを創造できれば理想的ですが……可能かしら?」
「……やってみないと分からない」リアムは慎重に答えた。「『尽きない』という概念は難しいかもしれないが、『周辺の地下水脈から効率的に水を集め、浄化し、一定量を放出し続ける人工水源』という概念なら、あるいは……。かなりの魔力消費は覚悟しないといけないだろうけど」
議論の結果、まずは拠点の北側、少し小高くなった丘の麓あたりに、リアムが《概念創造》で新たな水源を創り出すことを試みることになった。そこから、拠点内の畑や生活用水エリア、そしてドルガンの工房へと水を引くための水路を建設する。
計画は壮大だった。水源の創造だけでもリアムにとっては大きな挑戦であり、水路建設も、距離や地形を考えると容易ではない。
「水路の建設には、当然、人手も資材も必要になりますわ」セレスティアが指摘する。「資材はリアムの力で補えるとしても、労働力は……現在いる難民の方々に協力してもらうしかありませんわね。ドルガン殿には、水路の構造や耐久性に関する技術的な助言をお願いしたいですわ」
「うむ、任せておけ」ドルガンは力強く頷いた。「水圧に耐え、長持ちする水路の作り方なら、ドワーフの知恵があるわい」
計画は承認され、翌日から早速、準備が始まった。
まず、ルナが魔法を使って、予定されている水源地点と水路ルートの精密な測量と地質調査を行った。彼女の魔法は、目に見えない地下の状態を探るのにも役立った。
「この辺りの地盤は比較的安定しているようですわ。地下水脈も、リアムが言っていたように、いくつか確認できます」
次に、リアムが水源創造に挑んだ。これは、これまでで最大級の《概念創造》となる可能性があった。彼は数日間、魔力を最大限に溜め、精神を集中させた。ルナとセレスティアが心配そうに見守る中、リアムは丘の麓に立ち、両手を地面にかざした。
「――創造する! 『集い、清め、恵みをもたらす、生命の源泉』よ!」
リアムの体から、眩いばかりの魔力の光が溢れ出し、地面へと注ぎ込まれていく。大地が震え、周囲の空気が揺らぐ。彼の顔は蒼白になり、全身から汗が噴き出す。莫大な魔力が消費されていくのが、見ている者にも伝わってきた。
どれほどの時間が経っただろうか。やがて魔力の奔流が収まった時、そこには奇跡のような光景が広がっていた。
丘の麓に、直径十メートルほどの、透き通った水を湛える美しい湖――いや、泉と呼ぶにはあまりにも大きく、豊かな水源――が出現していたのだ。水は、湖底からこんこんと湧き出ており、常に一定の水位を保っているように見える。そして、湖の縁の一か所からは、清らかな水が溢れ出し、小さな流れとなって地面を滑り始めていた。これが、水路の始まりとなる。
「……できた……!」
リアムは、その場に膝をつき、荒い息を繰り返した。魔力をほぼ使い果たし、立っているのもやっとの状態だった。
「リアム!」ルナが駆け寄り、彼の体を支える。
「すごい……本当に、水源を創り出してしまったのね……!」セレスティアも、驚きと感動を隠せない様子で、目の前の光景を見つめていた。
水源確保という最大の難関は、リアムの《概念創造》によって突破された。次は、水路の建設だ。
セレスティアは、ルナの測量結果とドルガンの助言に基づき、詳細な水路の設計図を作成した。単純な溝ではなく、水漏れを防ぎ、耐久性を高めるために、底と側面を特殊な石材(これもリアムが創造する)で覆う構造にする。
ドルガンは、水路の勾配やカーブの設計、水門の設置場所などに、専門的な知識を提供した。
そして、実際の建設作業には、リアムが一時的に受け入れた難民たちが動員された。もちろん、強制ではない。セレスティアが丁寧に計画の意義を説明し、協力を求めた。完成すれば、彼ら自身の生活も向上するという言葉に、多くの者が自発的に参加を申し出た。
ミリアも、持ち前の体力と俊敏さを活かして、率先して土運びや石材の運搬を手伝った。彼女の明るく前向きな姿は、他の作業者たちの士気を高めるのに一役買った。
リアムは、魔力が回復するのを待ちながら、必要な石材や工具を《概念創造》で供給し、時には自らも建設作業に加わった。アルフレッドは、セレスティアの指示に従い、測量や進捗管理の補助を正確にこなした。
それは、まさにコミュニティ全体の総力を挙げたプロジェクトだった。身分も種族も様々な人々が、一つの目標に向かって汗を流す。その光景は、セレスティアにとっても新鮮であり、貴族社会では決して見ることのできない、力強いエネルギーを感じさせるものだった。
水路は、一日数メートルのペースで、ゆっくりと、しかし着実に拠点へと伸びていった。それは、大地に刻まれる生命の線であり、彼らの未来へと続く希望の道筋でもあった。
夕暮れ時、作業を終えた人々が、新しくできた水源のほとりで汗を拭い、明日への活力を得るために休息する。その傍らで、リアム、ルナ、セレスティア、ドルガン、ミリアが、完成しつつある水路を見つめながら、次の計画について語り合っている。
まだ道半ば。しかし、彼らの顔には疲労よりも充実感が浮かんでいた。この辺境の地に、確かな生活の基盤が築かれつつある。その確信が、彼らを力強く支えていた。水路が完成した時、このコミュニティは、また一つ大きな成長を遂げることになるだろう。大地に響く槌音と人々の声は、未来への確かな足音のように聞こえた。
「まず、安定した水源の確保が最優先ですわ」
リアムの小屋(もはや「領主執務室」と呼んだ方がいいかもしれない広さになっていた)で開かれた会議で、セレスティアは広げた羊皮紙――リアムが創造した測量結果に基づく簡易的な地図――を指しながら説明を始めた。その表情は真剣で、瞳には知的な光が宿っている。
「現在利用している泉は、水量は安定していますが、今後の人口増加や農地拡大を考えると、到底足りません。より大規模な水源、できれば川のような安定した水流が必要ですわ」
しかし、問題はこの辺境の森に、都合よく利用できる川が存在するかどうかだった。
「ルナ、何か心当たりは?」リアムが尋ねる。
ルナは目を閉じ、しばし精神を集中させた後、静かに首を振った。
「この拠点の周辺には、残念ながら大きな川や湖はないようですわ。地下水脈はいくつか感じられますが、それを安定して地上に汲み上げるのは、私の魔法だけでは難しいかと……」
「ふむ、ならば水源そのものを『創造』するか、あるいは既存の地下水脈を強化して利用するか……」リアムが呟く。
「水源の創造、となると、相当な魔力が必要になるのではないか?」ドルガンが懸念を示す。「それに、ただ水を出すだけでは意味がない。持続的に、安定した水量を供給する『仕組み』そのものを創り出さねばならんじゃろう」
「ええ、そこが鍵ですわ」セレスティアが同意する。「リアムの力で、例えば『尽きることなく清らかな水が湧き出る湖』のようなものを創造できれば理想的ですが……可能かしら?」
「……やってみないと分からない」リアムは慎重に答えた。「『尽きない』という概念は難しいかもしれないが、『周辺の地下水脈から効率的に水を集め、浄化し、一定量を放出し続ける人工水源』という概念なら、あるいは……。かなりの魔力消費は覚悟しないといけないだろうけど」
議論の結果、まずは拠点の北側、少し小高くなった丘の麓あたりに、リアムが《概念創造》で新たな水源を創り出すことを試みることになった。そこから、拠点内の畑や生活用水エリア、そしてドルガンの工房へと水を引くための水路を建設する。
計画は壮大だった。水源の創造だけでもリアムにとっては大きな挑戦であり、水路建設も、距離や地形を考えると容易ではない。
「水路の建設には、当然、人手も資材も必要になりますわ」セレスティアが指摘する。「資材はリアムの力で補えるとしても、労働力は……現在いる難民の方々に協力してもらうしかありませんわね。ドルガン殿には、水路の構造や耐久性に関する技術的な助言をお願いしたいですわ」
「うむ、任せておけ」ドルガンは力強く頷いた。「水圧に耐え、長持ちする水路の作り方なら、ドワーフの知恵があるわい」
計画は承認され、翌日から早速、準備が始まった。
まず、ルナが魔法を使って、予定されている水源地点と水路ルートの精密な測量と地質調査を行った。彼女の魔法は、目に見えない地下の状態を探るのにも役立った。
「この辺りの地盤は比較的安定しているようですわ。地下水脈も、リアムが言っていたように、いくつか確認できます」
次に、リアムが水源創造に挑んだ。これは、これまでで最大級の《概念創造》となる可能性があった。彼は数日間、魔力を最大限に溜め、精神を集中させた。ルナとセレスティアが心配そうに見守る中、リアムは丘の麓に立ち、両手を地面にかざした。
「――創造する! 『集い、清め、恵みをもたらす、生命の源泉』よ!」
リアムの体から、眩いばかりの魔力の光が溢れ出し、地面へと注ぎ込まれていく。大地が震え、周囲の空気が揺らぐ。彼の顔は蒼白になり、全身から汗が噴き出す。莫大な魔力が消費されていくのが、見ている者にも伝わってきた。
どれほどの時間が経っただろうか。やがて魔力の奔流が収まった時、そこには奇跡のような光景が広がっていた。
丘の麓に、直径十メートルほどの、透き通った水を湛える美しい湖――いや、泉と呼ぶにはあまりにも大きく、豊かな水源――が出現していたのだ。水は、湖底からこんこんと湧き出ており、常に一定の水位を保っているように見える。そして、湖の縁の一か所からは、清らかな水が溢れ出し、小さな流れとなって地面を滑り始めていた。これが、水路の始まりとなる。
「……できた……!」
リアムは、その場に膝をつき、荒い息を繰り返した。魔力をほぼ使い果たし、立っているのもやっとの状態だった。
「リアム!」ルナが駆け寄り、彼の体を支える。
「すごい……本当に、水源を創り出してしまったのね……!」セレスティアも、驚きと感動を隠せない様子で、目の前の光景を見つめていた。
水源確保という最大の難関は、リアムの《概念創造》によって突破された。次は、水路の建設だ。
セレスティアは、ルナの測量結果とドルガンの助言に基づき、詳細な水路の設計図を作成した。単純な溝ではなく、水漏れを防ぎ、耐久性を高めるために、底と側面を特殊な石材(これもリアムが創造する)で覆う構造にする。
ドルガンは、水路の勾配やカーブの設計、水門の設置場所などに、専門的な知識を提供した。
そして、実際の建設作業には、リアムが一時的に受け入れた難民たちが動員された。もちろん、強制ではない。セレスティアが丁寧に計画の意義を説明し、協力を求めた。完成すれば、彼ら自身の生活も向上するという言葉に、多くの者が自発的に参加を申し出た。
ミリアも、持ち前の体力と俊敏さを活かして、率先して土運びや石材の運搬を手伝った。彼女の明るく前向きな姿は、他の作業者たちの士気を高めるのに一役買った。
リアムは、魔力が回復するのを待ちながら、必要な石材や工具を《概念創造》で供給し、時には自らも建設作業に加わった。アルフレッドは、セレスティアの指示に従い、測量や進捗管理の補助を正確にこなした。
それは、まさにコミュニティ全体の総力を挙げたプロジェクトだった。身分も種族も様々な人々が、一つの目標に向かって汗を流す。その光景は、セレスティアにとっても新鮮であり、貴族社会では決して見ることのできない、力強いエネルギーを感じさせるものだった。
水路は、一日数メートルのペースで、ゆっくりと、しかし着実に拠点へと伸びていった。それは、大地に刻まれる生命の線であり、彼らの未来へと続く希望の道筋でもあった。
夕暮れ時、作業を終えた人々が、新しくできた水源のほとりで汗を拭い、明日への活力を得るために休息する。その傍らで、リアム、ルナ、セレスティア、ドルガン、ミリアが、完成しつつある水路を見つめながら、次の計画について語り合っている。
まだ道半ば。しかし、彼らの顔には疲労よりも充実感が浮かんでいた。この辺境の地に、確かな生活の基盤が築かれつつある。その確信が、彼らを力強く支えていた。水路が完成した時、このコミュニティは、また一つ大きな成長を遂げることになるだろう。大地に響く槌音と人々の声は、未来への確かな足音のように聞こえた。
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