16 / 118
第16話:産業のコメ、鉄を作る
しおりを挟む
エリアーナ・フォン・ヴァイスという強力なパートナーを得て、アシュフォード商会は驚くべき速さでその形を整えていった。
彼女の仕事ぶりは、まさに冷徹かつ合理的。王都から呼び寄せた有能な文官を使い、帳簿の付け方から在庫管理、人員配置に至るまで、俺が感覚で進めてきた曖昧な部分を次々と明確なシステムへと落とし込んでいく。
「いいこと、リオ。あなたの仕事は最高の『製品』を作ること。私の仕事は、その製品から最高の『利益』を生み出すこと。役割分担は明確にしましょう」
応接室を改造した商会の仮オフィスで、エリアーナはきっぱりと言った。彼女の周りには、領内の産品に関する報告書や、近隣都市の市場価格をまとめた羊皮紙が山のように積まれている。
石鹸は、まず近隣の富裕層や旅館向けに販売する。ガラスは、王都の貴族や大聖堂に的を絞って売り込む。醤油と味噌は、その価値を理解させるため、まずは高級レストランと提携して、新しい食文化そのものを売り出す。
彼女が立てる販売戦略は、的確で、野心的で、そして何より俺が思いつきもしなかったものばかりだった。
だが、計画を進めるうちに、共通の大きな壁が立ちはだかった。
「生産が、需要に全く追いついていないわ」
エリアーナは、眉間に皺を寄せながら報告した。
「石鹸を作るための大鍋が足りない。醤油を仕込むための樽を作るための道具が足りない。ガラスを加工するための工具も、農地を拡大するための農具も、何もかもが足りていない。そして、今ある道具はすぐに刃こぼれしたり、壊れたりする。これでは話にならないわ」
彼女の指摘は、俺も痛感していたことだった。
全てのボトルネックは、一つの問題に集約される。
それは、この世界の「鉄」の品質の低さだった。
この世界で主流の製鉄法は、塊錬鉄法と呼ばれる原始的なものだ。鉄鉱石を炭と一緒に不完全に燃焼させ、海綿状の鉄の塊を取り出す。この方法は効率が悪く、出来上がった鉄にはスラグと呼ばれる不純物が多く含まれている。脆く、硬さにムラがあり、農具や工具の材料としてはあまりにも心許ない。
俺たちの改革は、常にこの脆弱な土台の上にあった。どんなに優れた設計図を描いても、それを形にする素材の質が低ければ、性能は頭打ちになる。
アシュフォード領の産業レベルを、もう一段階、いや二段階引き上げるためには、避けて通れない道があった。
産業の米、全ての工業の基礎となる、鉄。
そのものを作ることから、始めなければならない。
「エリアーナ、新しいプロジェクトを始める」
俺の言葉に、彼女は羊皮紙の山から顔を上げた。
「次の製品は、鉄だ」
「鉄ですって? 鉄なら、どこの鍛冶場でも作っているじゃない」
「違う。俺たちが作るのは、そんなものとは全くの別物だ。強靭で、粘りがあり、加工しやすい。本当の意味での『鋼』を生み出すんだ」
俺の脳裏には、前世の日本で見た、刀鍛冶のドキュメンタリーが鮮やかに蘇っていた。日本刀を生み出す、世界でも類を見ない高品質な鋼「玉鋼」。それを生み出すのが、伝統的な製鉄法「たたら製鉄」だった。
低温でじっくりと時間をかけて砂鉄を還元することで、不純物の少ない、極めて純粋な鉄を取り出す技術。この世界の高温で一気に燃やすだけの製鉄法とは、思想そのものが正反対だった。
「俺たちの手で、この領地に本物の鉄を生み出す。それが、全ての産業の土台を強固にする、最も確実な方法だ」
俺の真剣な眼差しに、エリアーナはゴクリと喉を鳴らした。彼女はすぐに、高品質な鉄がもたらす戦略的な価値を理解したようだった。
「……分かったわ。資金は、商会から最大限融通しましょう。あなたが必要だと思うものは、全て用意して」
彼女の力強い言葉に、俺は頷いた。
俺は再び、鍛冶屋の親方と大工の棟梁、そしてゴードンまで呼び集めた。水車小屋の成功以来、彼らは俺が「新しいことを始める」と聞くと、子供のように目を輝かせて集まるようになっていた。
俺は彼らの前で、新しい製鉄炉の設計図を広げた。
それは、ガラス溶解炉よりもさらに巨大で、複雑な構造をしていた。粘土で作られた箱型の炉本体、その両脇には「天秤鞴(てんびんふいご)」と呼ばれるシーソーのような形の巨大な送風装置が描かれている。
「こ、これはまた……とんでもない代物ですな」
大工の棟梁が、感嘆の声を漏らす。
「これから俺たちは、鉄を作る。いや、『鋼』を作る。この炉は、そのための心臓だ。名を『高殿(たたら)』という」
俺は、たたら製鉄の原理を説明した。
鉄鉱石ではなく、川で採れる砂鉄を使うこと。低温で三日三晩、燃やし続けること。そして、この炉の最大の特徴である、天秤鞴について。
「このシーソーのような鞴を二人一組で交互に踏み続ける。そうすることで、炉の中に、途切れることのない安定した風を送り込むんだ。ガラス炉のように強力な風ではない。だが、長く、静かに燃え続ける炎こそが、砂鉄から最高の鉄を引き出す鍵になる」
職人たちは、真剣な顔で聞き入っていた。ガラス炉とは全く違うアプローチに、彼らの知的好奇心が刺激されているのが分かった。
「鉄の質が変わるってのは、本当ですかい、リオ様」
鍛冶屋の親方が、最も重要な点を突いてきた。
「ああ、本当だ。この炉から生まれる鉄は、お前たちが知っている鉄とは全く違う。鍛えれば鍛えるほどに強靭になり、鋭い刃物にも、頑丈な工具にも、精密な機械の部品にもなるだろう。お前たちの仕事が、根底から変わるはずだ」
その言葉が、決定打だった。
自分たちの技術を、さらに高みへと引き上げてくれる。その可能性に、職人たちの魂が震えたのだ。
「面白え! やってやろうじゃねえか、リオ様!」
「鉄作りなんざ、わしらの本職だ! 誰にも文句は言わせねえ!」
プロジェクトは、満場一致で採択された。
領地を巻き込んだ、四度目の挑戦が始まった。
ゴードンが率いる農夫たちは、領内の川という川を巡り、磁石を使って砂鉄を集め始めた。子供たちまでが、遊び感覚で砂鉄集めに参加している。
大工たちは、高殿を建てるための、水はけの良い高台を選定し、巨大な建屋の建設に取り掛かった。
そして鍛冶屋たちは、炉の心臓部である天秤鞴の製作と、炉壁に使う最高品質の粘土を探し始めた。
エリアーナは、商会の資金を惜しみなく投入し、食料や資材の補給路を確保した。彼女の完璧なロジスティクスが、プロジェクトを強力に下支えしている。
領地の全ての力が、一つの目標に向かって結集していく。
俺は建設が始まった高殿の基礎を眺めながら、静かな興奮を感じていた。
農業、衛生、食、動力、素材。そして、今度は全ての産業の根幹をなす、鉄。
このアシュフォード領は、もはや単なる貧乏貴族の領地ではない。それは、新しい時代を生み出すための、巨大な実験工場そのものだ。
この炉に火が灯る時、俺たちは単なる鉄ではなく、未来そのものを手に入れることになる。
その確信が、俺の胸に熱く燃え上がっていた。
彼女の仕事ぶりは、まさに冷徹かつ合理的。王都から呼び寄せた有能な文官を使い、帳簿の付け方から在庫管理、人員配置に至るまで、俺が感覚で進めてきた曖昧な部分を次々と明確なシステムへと落とし込んでいく。
「いいこと、リオ。あなたの仕事は最高の『製品』を作ること。私の仕事は、その製品から最高の『利益』を生み出すこと。役割分担は明確にしましょう」
応接室を改造した商会の仮オフィスで、エリアーナはきっぱりと言った。彼女の周りには、領内の産品に関する報告書や、近隣都市の市場価格をまとめた羊皮紙が山のように積まれている。
石鹸は、まず近隣の富裕層や旅館向けに販売する。ガラスは、王都の貴族や大聖堂に的を絞って売り込む。醤油と味噌は、その価値を理解させるため、まずは高級レストランと提携して、新しい食文化そのものを売り出す。
彼女が立てる販売戦略は、的確で、野心的で、そして何より俺が思いつきもしなかったものばかりだった。
だが、計画を進めるうちに、共通の大きな壁が立ちはだかった。
「生産が、需要に全く追いついていないわ」
エリアーナは、眉間に皺を寄せながら報告した。
「石鹸を作るための大鍋が足りない。醤油を仕込むための樽を作るための道具が足りない。ガラスを加工するための工具も、農地を拡大するための農具も、何もかもが足りていない。そして、今ある道具はすぐに刃こぼれしたり、壊れたりする。これでは話にならないわ」
彼女の指摘は、俺も痛感していたことだった。
全てのボトルネックは、一つの問題に集約される。
それは、この世界の「鉄」の品質の低さだった。
この世界で主流の製鉄法は、塊錬鉄法と呼ばれる原始的なものだ。鉄鉱石を炭と一緒に不完全に燃焼させ、海綿状の鉄の塊を取り出す。この方法は効率が悪く、出来上がった鉄にはスラグと呼ばれる不純物が多く含まれている。脆く、硬さにムラがあり、農具や工具の材料としてはあまりにも心許ない。
俺たちの改革は、常にこの脆弱な土台の上にあった。どんなに優れた設計図を描いても、それを形にする素材の質が低ければ、性能は頭打ちになる。
アシュフォード領の産業レベルを、もう一段階、いや二段階引き上げるためには、避けて通れない道があった。
産業の米、全ての工業の基礎となる、鉄。
そのものを作ることから、始めなければならない。
「エリアーナ、新しいプロジェクトを始める」
俺の言葉に、彼女は羊皮紙の山から顔を上げた。
「次の製品は、鉄だ」
「鉄ですって? 鉄なら、どこの鍛冶場でも作っているじゃない」
「違う。俺たちが作るのは、そんなものとは全くの別物だ。強靭で、粘りがあり、加工しやすい。本当の意味での『鋼』を生み出すんだ」
俺の脳裏には、前世の日本で見た、刀鍛冶のドキュメンタリーが鮮やかに蘇っていた。日本刀を生み出す、世界でも類を見ない高品質な鋼「玉鋼」。それを生み出すのが、伝統的な製鉄法「たたら製鉄」だった。
低温でじっくりと時間をかけて砂鉄を還元することで、不純物の少ない、極めて純粋な鉄を取り出す技術。この世界の高温で一気に燃やすだけの製鉄法とは、思想そのものが正反対だった。
「俺たちの手で、この領地に本物の鉄を生み出す。それが、全ての産業の土台を強固にする、最も確実な方法だ」
俺の真剣な眼差しに、エリアーナはゴクリと喉を鳴らした。彼女はすぐに、高品質な鉄がもたらす戦略的な価値を理解したようだった。
「……分かったわ。資金は、商会から最大限融通しましょう。あなたが必要だと思うものは、全て用意して」
彼女の力強い言葉に、俺は頷いた。
俺は再び、鍛冶屋の親方と大工の棟梁、そしてゴードンまで呼び集めた。水車小屋の成功以来、彼らは俺が「新しいことを始める」と聞くと、子供のように目を輝かせて集まるようになっていた。
俺は彼らの前で、新しい製鉄炉の設計図を広げた。
それは、ガラス溶解炉よりもさらに巨大で、複雑な構造をしていた。粘土で作られた箱型の炉本体、その両脇には「天秤鞴(てんびんふいご)」と呼ばれるシーソーのような形の巨大な送風装置が描かれている。
「こ、これはまた……とんでもない代物ですな」
大工の棟梁が、感嘆の声を漏らす。
「これから俺たちは、鉄を作る。いや、『鋼』を作る。この炉は、そのための心臓だ。名を『高殿(たたら)』という」
俺は、たたら製鉄の原理を説明した。
鉄鉱石ではなく、川で採れる砂鉄を使うこと。低温で三日三晩、燃やし続けること。そして、この炉の最大の特徴である、天秤鞴について。
「このシーソーのような鞴を二人一組で交互に踏み続ける。そうすることで、炉の中に、途切れることのない安定した風を送り込むんだ。ガラス炉のように強力な風ではない。だが、長く、静かに燃え続ける炎こそが、砂鉄から最高の鉄を引き出す鍵になる」
職人たちは、真剣な顔で聞き入っていた。ガラス炉とは全く違うアプローチに、彼らの知的好奇心が刺激されているのが分かった。
「鉄の質が変わるってのは、本当ですかい、リオ様」
鍛冶屋の親方が、最も重要な点を突いてきた。
「ああ、本当だ。この炉から生まれる鉄は、お前たちが知っている鉄とは全く違う。鍛えれば鍛えるほどに強靭になり、鋭い刃物にも、頑丈な工具にも、精密な機械の部品にもなるだろう。お前たちの仕事が、根底から変わるはずだ」
その言葉が、決定打だった。
自分たちの技術を、さらに高みへと引き上げてくれる。その可能性に、職人たちの魂が震えたのだ。
「面白え! やってやろうじゃねえか、リオ様!」
「鉄作りなんざ、わしらの本職だ! 誰にも文句は言わせねえ!」
プロジェクトは、満場一致で採択された。
領地を巻き込んだ、四度目の挑戦が始まった。
ゴードンが率いる農夫たちは、領内の川という川を巡り、磁石を使って砂鉄を集め始めた。子供たちまでが、遊び感覚で砂鉄集めに参加している。
大工たちは、高殿を建てるための、水はけの良い高台を選定し、巨大な建屋の建設に取り掛かった。
そして鍛冶屋たちは、炉の心臓部である天秤鞴の製作と、炉壁に使う最高品質の粘土を探し始めた。
エリアーナは、商会の資金を惜しみなく投入し、食料や資材の補給路を確保した。彼女の完璧なロジスティクスが、プロジェクトを強力に下支えしている。
領地の全ての力が、一つの目標に向かって結集していく。
俺は建設が始まった高殿の基礎を眺めながら、静かな興奮を感じていた。
農業、衛生、食、動力、素材。そして、今度は全ての産業の根幹をなす、鉄。
このアシュフォード領は、もはや単なる貧乏貴族の領地ではない。それは、新しい時代を生み出すための、巨大な実験工場そのものだ。
この炉に火が灯る時、俺たちは単なる鉄ではなく、未来そのものを手に入れることになる。
その確信が、俺の胸に熱く燃え上がっていた。
148
あなたにおすすめの小説
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!
たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。
途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。
鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒!
素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。
裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス
優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました
お父さんは村の村長みたいな立場みたい
お母さんは病弱で家から出れないほど
二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます
ーーーーー
この作品は大変楽しく書けていましたが
49話で終わりとすることにいたしました
完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい
そんな欲求に屈してしまいましたすみません
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
最も嫌われている最凶の悪役に転生ー物語の主人公に殺されるエンドを回避するため善行を積みます!ー
灰色の鼠
ファンタジー
大人気ソシャゲの物語の主要人物に転生したフリーターの瀬戸有馬。しかし、転生した人物が冷酷非道の悪役”傲慢の魔術師ロベリア・クロウリー”だった。
全キャラの好感度が最低値の世界で、有馬はゲーム主人公であり勇者ラインハルに殺されるバッドエンドを回避するために奮闘する———
その軌跡が、大勢の人を幸せにするとは知らずに。
薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜
鮒捌ケコラ
ファンタジー
入学式から3週間目にして『退学」を言い渡された。
(早くない?RTAじゃないんだからさ。)
自分で言うのもアレだけど、入学してからは結構真面目に通ってた。
けど、どうやら教員の不況を買ってしまったらしい。
幸か不幸か、退学まで1週間の執行猶予が与えられた。
けど、今更どう足掻いても挽回する事は不可能だろうし、
そもそも挽回する気も起こらない。
ここまでの学園生活を振り返っても
『この学園に執着出来る程の魅力』
というものが思い当たらないからだ。
寧ろ散々な事ばかりだったな、今日まで。
それに、これ以上無理に通い続けて
貴族とのしがらみシミッシミの薬師になるより
故郷に帰って自由気ままな森番に復職した方が
ずっと実りある人生になるだろう。
私を送り出した公爵様も領主様も、
アイツだってきっとわかってくれる筈だ。
よし。決まりだな。
それじゃあ、退学するまでは休まず毎日通い続けるとして……
大人しくする理由も無くなったし、
これからは自由気ままに、我儘に、好き勝手に過ごす事にしよう。
せっかくだし、教員達からのヘイトをカンストさせるのも面白そうだ。
てな訳で………
薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。
…そう息巻いて迎えた執行猶予満了日、
掲示板に張り出された正式な退学勧告文を
確認しに行ったんだけど……
どういう事なの?これ。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる