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第十九話 再会と結成
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翌朝。俺はフロンティアの北門で、約束の時間よりも少し早くリオを待っていた。朝日が石畳を照らし、街は新たな一日の始まりを告げている。行き交うプレイヤーたちの顔も、どこか活気に満ちて見えた。
昨夜の出来事が、まだ夢のように感じられる。金策の悩みから一転、高額な依頼と、新たな冒険への期待。そして何より、俺の創造物の価値を心から認めてくれる仲間。俺のM.M.O.での毎日は、確実に色鮮やかなものに変わりつつあった。
「おっはよー、ユーさん!早いね!」
背後から、元気な声が飛んできた。振り返ると、リオが巨大なリュックサックを揺らしながら、ぶんぶんと手を振っている。
「おはようございます、リオさん。準備は万端ですか?」
「もちろん!最高のピッケルと、鉱石を入れるための特大マジックバッグも用意してきたよ。気分はもう、億万長者だね!」
彼女はそう言って、悪戯っぽく笑った。その天真爛漫な笑顔は、見ているこちらまで明るい気分にさせてくれる。
「それで、もう一人の護衛の方は?」
俺が尋ねると、リオは「ああ、その人なら……」と辺りを見回した。
「約束の時間には正確な人だから、もうすぐ来るはずだよ。なんせ、騎士様だからね」
「騎士……?」
その言葉に、俺の脳裏に一人の人物の姿が浮かんだ。白銀の鎧、流れるような銀髪、そして氷のように澄んだ青い瞳。まさか。そんな偶然があるはずない。
だが、俺の淡い予感は、すぐに現実のものとなった。
門の向こうから、朝日を浴びてきらきらと輝く、見慣れた鎧が近づいてくる。その凛とした立ち姿と、揺るぎない足取りは、間違いなく彼女のものだった。
「……カエデさん」
俺が思わず呟くと、彼女は俺の存在に気づいて、わずかに目を見開いた。その表情には、驚きと、ほんの少しの気まずさが浮かんでいるように見えた。
「なんだ、二人って知り合いだったの?」
リオが、俺とカエデの顔を交互に見て、面白そうに目を細める。
カエデは俺の隣まで来ると、軽く会釈をした。
「ユー。また会ったな」
「ええ……まさか、リオさんが雇った腕利きの前衛って、カエデさんだったとは」
驚いた。だが、それ以上に、心のどこかで納得している自分もいた。フロンティア周辺で、彼女ほどの腕を持つプレイヤーはそうはいないだろう。リオが護衛を頼む相手として、これ以上ない人選だ。
リオは、そんな俺たちの様子を見て、満足げに頷いた。
「そう!私がスカウトした、最強の聖騎士、カエデさんだよ!彼女の剣技と、ユーさんのユニークなモンスター。この二つが合わされば、ゴブリンの洞窟なんて楽勝だと思わない?」
どうやらリオは、俺たちが以前に会っていることまでは知らなかったらしい。純粋に、それぞれの能力を評価して声をかけた結果が、この偶然の再会に繋がったのだ。
カエデは、少しバツが悪そうに視線を逸らした。
「……商人リオから依頼を受け、護衛として参上した。聖騎士のカエデだ。ユー、今回は、ビジネスパートナーとしてよろしく頼む」
その口調は、以前のようなツンとしたものではなく、どこかぎこちない。彼女もまた、俺との再会を予想していなかったのだろう。
「こちらこそ、よろしくお願いします。カエデさん、リオさん」
俺は差し出された手を、固く握り返した。
こうして、期せずして三人のパーティが結成された。
奇想天外な発想力を持つ、モンスターメイカーの俺、ユー。
トップクラスの戦闘技術を誇る、聖騎士のカエデ。
そして、アイテムの価値を見抜く千里眼と、卓越した商才を持つ商人、リオ。
職業も、性格も、戦い方もバラバラな三人。だが、奇妙なバランスで成り立っているようにも思えた。
「よし、じゃあ自己紹介も済んだことだし、早速出発しよう!目指すはゴブリンの洞窟、その最深部!星屑の鉱石は、このリオ様がいただくよ!」
リオが元気よく号令をかける。彼女がいるだけで、パーティの雰囲気がぱっと明るくなる。彼女は、天性のムードメーカーなのかもしれない。
俺たちは北門をくぐり、ゴブリンの洞窟へと向かった。道中、カエデはほとんど口を開かなかったが、時折、俺が足元に連れているスライムに、ちらりと視線を送っているのが分かった。
「ユー、そのスライムは?」
ついに、彼女が口を開いた。俺が連れていたのは、擬態スライムとオブシダン・スライム。そして、もう一体。道中の素材で即興で創り出した、索敵用のスライムだった。
「こいつは【ソナー・スライム】です。音波を出して、周囲の地形や敵の位置を探知できるんです」
俺が説明すると、カエデだけでなく、リオも「へえ!」と目を輝かせた。
「便利だね、それ!ダンジョン攻略にはもってこいじゃない!」
「あなたの創造術は……本当に、奥が深いな」
カエデが、感心したように呟いた。その声には、もう以前のような侮蔑の色は微塵もなかった。
俺たちは、他愛ない話をしながら洞窟への道を進む。
カエデとの再会は、少し気まずかった。だが、それ以上に、嬉しかった。もう一度、彼女と共に戦えることが。今度は、一時的な共闘ではない。正式な仲間として、同じ目的のために。
ゴブリンの洞窟の入り口は、山の麓にぽっかりと口を開けた、不気味な洞穴だった。中からは、湿った空気と、獣のような生臭い匂いが漂ってくる。
「さて、と。ここからが本番だね」
リオが、リュックサックからランタンを取り出して灯りをともす。
カエデは、レイピアを抜き放った。その切っ先は、洞窟の暗闇をまっすぐに見据えている。
俺は、三体のスライムを呼び出し、臨戦態勢を整える。
「行きましょう。俺たちの最初の冒険へ」
俺の言葉に、二人は力強く頷いた。
モンスターメイカー、聖騎士、商人。
三人の歯車が、今、確かに噛み合った。俺たちのパーティの伝説は、この薄暗い洞窟の中から、静かに始まろうとしていた。
昨夜の出来事が、まだ夢のように感じられる。金策の悩みから一転、高額な依頼と、新たな冒険への期待。そして何より、俺の創造物の価値を心から認めてくれる仲間。俺のM.M.O.での毎日は、確実に色鮮やかなものに変わりつつあった。
「おっはよー、ユーさん!早いね!」
背後から、元気な声が飛んできた。振り返ると、リオが巨大なリュックサックを揺らしながら、ぶんぶんと手を振っている。
「おはようございます、リオさん。準備は万端ですか?」
「もちろん!最高のピッケルと、鉱石を入れるための特大マジックバッグも用意してきたよ。気分はもう、億万長者だね!」
彼女はそう言って、悪戯っぽく笑った。その天真爛漫な笑顔は、見ているこちらまで明るい気分にさせてくれる。
「それで、もう一人の護衛の方は?」
俺が尋ねると、リオは「ああ、その人なら……」と辺りを見回した。
「約束の時間には正確な人だから、もうすぐ来るはずだよ。なんせ、騎士様だからね」
「騎士……?」
その言葉に、俺の脳裏に一人の人物の姿が浮かんだ。白銀の鎧、流れるような銀髪、そして氷のように澄んだ青い瞳。まさか。そんな偶然があるはずない。
だが、俺の淡い予感は、すぐに現実のものとなった。
門の向こうから、朝日を浴びてきらきらと輝く、見慣れた鎧が近づいてくる。その凛とした立ち姿と、揺るぎない足取りは、間違いなく彼女のものだった。
「……カエデさん」
俺が思わず呟くと、彼女は俺の存在に気づいて、わずかに目を見開いた。その表情には、驚きと、ほんの少しの気まずさが浮かんでいるように見えた。
「なんだ、二人って知り合いだったの?」
リオが、俺とカエデの顔を交互に見て、面白そうに目を細める。
カエデは俺の隣まで来ると、軽く会釈をした。
「ユー。また会ったな」
「ええ……まさか、リオさんが雇った腕利きの前衛って、カエデさんだったとは」
驚いた。だが、それ以上に、心のどこかで納得している自分もいた。フロンティア周辺で、彼女ほどの腕を持つプレイヤーはそうはいないだろう。リオが護衛を頼む相手として、これ以上ない人選だ。
リオは、そんな俺たちの様子を見て、満足げに頷いた。
「そう!私がスカウトした、最強の聖騎士、カエデさんだよ!彼女の剣技と、ユーさんのユニークなモンスター。この二つが合わされば、ゴブリンの洞窟なんて楽勝だと思わない?」
どうやらリオは、俺たちが以前に会っていることまでは知らなかったらしい。純粋に、それぞれの能力を評価して声をかけた結果が、この偶然の再会に繋がったのだ。
カエデは、少しバツが悪そうに視線を逸らした。
「……商人リオから依頼を受け、護衛として参上した。聖騎士のカエデだ。ユー、今回は、ビジネスパートナーとしてよろしく頼む」
その口調は、以前のようなツンとしたものではなく、どこかぎこちない。彼女もまた、俺との再会を予想していなかったのだろう。
「こちらこそ、よろしくお願いします。カエデさん、リオさん」
俺は差し出された手を、固く握り返した。
こうして、期せずして三人のパーティが結成された。
奇想天外な発想力を持つ、モンスターメイカーの俺、ユー。
トップクラスの戦闘技術を誇る、聖騎士のカエデ。
そして、アイテムの価値を見抜く千里眼と、卓越した商才を持つ商人、リオ。
職業も、性格も、戦い方もバラバラな三人。だが、奇妙なバランスで成り立っているようにも思えた。
「よし、じゃあ自己紹介も済んだことだし、早速出発しよう!目指すはゴブリンの洞窟、その最深部!星屑の鉱石は、このリオ様がいただくよ!」
リオが元気よく号令をかける。彼女がいるだけで、パーティの雰囲気がぱっと明るくなる。彼女は、天性のムードメーカーなのかもしれない。
俺たちは北門をくぐり、ゴブリンの洞窟へと向かった。道中、カエデはほとんど口を開かなかったが、時折、俺が足元に連れているスライムに、ちらりと視線を送っているのが分かった。
「ユー、そのスライムは?」
ついに、彼女が口を開いた。俺が連れていたのは、擬態スライムとオブシダン・スライム。そして、もう一体。道中の素材で即興で創り出した、索敵用のスライムだった。
「こいつは【ソナー・スライム】です。音波を出して、周囲の地形や敵の位置を探知できるんです」
俺が説明すると、カエデだけでなく、リオも「へえ!」と目を輝かせた。
「便利だね、それ!ダンジョン攻略にはもってこいじゃない!」
「あなたの創造術は……本当に、奥が深いな」
カエデが、感心したように呟いた。その声には、もう以前のような侮蔑の色は微塵もなかった。
俺たちは、他愛ない話をしながら洞窟への道を進む。
カエデとの再会は、少し気まずかった。だが、それ以上に、嬉しかった。もう一度、彼女と共に戦えることが。今度は、一時的な共闘ではない。正式な仲間として、同じ目的のために。
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リオが、リュックサックからランタンを取り出して灯りをともす。
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俺は、三体のスライムを呼び出し、臨戦態勢を整える。
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俺の言葉に、二人は力強く頷いた。
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そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
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