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フィルの驚いた一日
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私はウェストール領都メッサーラの衛生監査官フィルと申します。
先日の驚いた件について報告書をまとめているところであります。
つい昨年まで流刑地として有名だった辺境爵領の西の果ての村、テオドール。ここが急速に発展を遂げている事は聞いて知っておりました。
ある人物がそこに現れてからそうなったと。
その方の名は『エドガー・テオドール』 先日モンスターの群れの襲撃を村民たちだけで食い止めたと。
モンスターの群れはその規模にもよりますが自然災害と言っても過言ではない現象。それまでの村の設備では到底防ぐことなど不可能だったはずです。
噂では短期間で村の民をまとめ上げ、城壁と見間違う程の壁を作り要塞を建てて、見た事もない魔道具を作り出してモンスターの群れを撃退した、と。
にわかには信じられない話なのでわたくし自身も疑っておりました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
テオドール村の境界線に着く直前に立て看板がありました。
『テオドール村に御用の方はここで止まり、名を名乗り、身分証となるものを掲げてください』
テオドール村要塞の壁が遠くに見えますけどね。
「このような指示、無視して進みましょう! 辺境領の役職の方に対して失礼であります」
「‥‥‥そうですね。まさかあそこから攻撃される事もないでしょうし」
ここから名を名乗り、身分証を掲示したとしても聞こえないし見えないでしょうに。
わたくし達は馬車を進めました。
200メートルくらいでしょうか、少し進んだところにまた立て看板があります。
再度馬車を止めて看板を読みます。
『【警告】 先程証明されて無い方はここでお引き取りください。ここからは進めません。【生命の危険】 お疑いの方は落ち葉を摘んで掲げてみてください』
‥‥‥? 落ち葉?
「全くしつこいな。こんな指示に従う必要も有りませんよ」
「いや‥‥‥そういえば‥‥‥」
テオドール村に入る時の決まりとかなんとか。行商人か誰かが話していたような‥‥‥。
「ふぅ、フィルさんも慎重過ぎますよ。たかが外れの流刑者の村ですよ。『落ち葉を摘んで掲げて‥‥‥?』 これでいいんですかい?」
護衛兵の方が戯れにと落ち葉を摘んで頭より高く上げた瞬間‥‥‥
ビシュッ!!!!
落ち葉が指で摘んだ部分以外は粉々に砕け散りました。
「‥‥‥え?」
「‥‥‥は?」
落ち葉を掲げてくれた兵士は驚いて尻餅をついてしまいました。
わたしは急いで身分証を取り出しテオドール村に向かって掲げて叫びます。
「メッサーラから来ました衛生監査官のフィルと申します!! これが身分証です!!」
‥‥‥これでいいのかな?
その後は何事もなかったので馬車を進めて行きましたが何事もなく‥‥‥。
テオドール村の壁と門が近くなりました。壁はこんなに高いのですね。メッサーラとそう変わりないです。
門で簡単な検問を受けます。
「ようこそ、テオドール村へ。メッサーラの衛生監査官さんですね。先程は危なかったそうですね」
「‥‥‥え?」
「あのまま進んでいたらお付きの方の頭がさっきの落ち葉のようになってたでしょうから」
それを聞いて私と先程の兵士は青ざめてしまいました。
なんでも監視塔の上には超凄腕の狙撃?をする人がいてあの距離から落ち葉だけを狙い撃ったのだと。特別な目で見えているし、風の精霊によってこちらの会話も聞こえていたと後で聞きました。
なりすましを防ぐために声を出させて身分証を掲示するらしいです。
モンスターなどは問答無用で撃ち殺すらしい。なんと恐ろしい防衛システム‥‥‥。
ともかくようやくテオドール村に入る事が出来ました。
「失礼。皆さんの体温を測らせていただきますね」
ピッ! ピッ! ピッ!! と全員の額に何かを当てていきました。
「皆さん体温は正常で問題有りませんね。ここからは皆さんこれで手を消毒してください。これは酒精です、手を擦り合わせるようにしてください、すぐに乾きますんで。あとマスク、布で口と鼻を覆ってください。行政官様からの通達ですのですみません」
これは何をしてるのでしょうか? 行政官様に聞いてみましょうか?
「テオドール村のエドガーです」
エドガー様にいきなり臣下の礼を取られました。
いやいや違う違う! 逆だから!
一介の衛生監査官(役人)と行政官(準貴族)じゃ立場が違います。あべこべです。
訂正したら立場を忘れていたとの事。
そんなの忘れるものなのかな?
応接室に案内されました。立派なソファです。買ったのかな? 高そうです。
座らせてもらったらその感触に驚いた。辺境の村の家具とは思えない。声には出さなかったですけど。
とりあえず疑問を投げ掛けました。テオドール卿には丁寧にお応えいただけました。
マスクという覆い布や入村時の消毒?に使った液体などについても教えていただきました。
あれぇ? 私がこの村に病気の予防について教えに来たはずなのに‥‥‥教わってる?
「‥‥‥‥‥‥そのような知識をどこで‥‥‥?」
と、つい疑問が口をついてしまい領主様にお会いした時の事を思い出しました。
テオドール村に来る際に領主ウェストール様から直々に呼ばれてわざわざ言われたのでした。
「エドガーの知識は底知れない。だがその事について追及する事は慎むように」
「はっ! しかしながらそれはどういう‥‥‥」
「会えばわかる」
私はつい口にしてしまった事を土下座して謝罪しました。エドガー様は快く許してくれました。ふぅ。
ひと段落したところで考えをまとめます。
この村の衛生レベルはおそらく世界一です。保健衛生所の職員ですら知らない事を知っているどころか実践しているのですから。
これが実践出来ればメッサーラの流行り病が早々に終息するかもしれない。いや、出来るに違いない!!
「エドガー様!! メッサーラにご同行願います!!」
「えぇっ!?」
えっ?
そんなに驚いてどうしたんですか?
先日の驚いた件について報告書をまとめているところであります。
つい昨年まで流刑地として有名だった辺境爵領の西の果ての村、テオドール。ここが急速に発展を遂げている事は聞いて知っておりました。
ある人物がそこに現れてからそうなったと。
その方の名は『エドガー・テオドール』 先日モンスターの群れの襲撃を村民たちだけで食い止めたと。
モンスターの群れはその規模にもよりますが自然災害と言っても過言ではない現象。それまでの村の設備では到底防ぐことなど不可能だったはずです。
噂では短期間で村の民をまとめ上げ、城壁と見間違う程の壁を作り要塞を建てて、見た事もない魔道具を作り出してモンスターの群れを撃退した、と。
にわかには信じられない話なのでわたくし自身も疑っておりました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
テオドール村の境界線に着く直前に立て看板がありました。
『テオドール村に御用の方はここで止まり、名を名乗り、身分証となるものを掲げてください』
テオドール村要塞の壁が遠くに見えますけどね。
「このような指示、無視して進みましょう! 辺境領の役職の方に対して失礼であります」
「‥‥‥そうですね。まさかあそこから攻撃される事もないでしょうし」
ここから名を名乗り、身分証を掲示したとしても聞こえないし見えないでしょうに。
わたくし達は馬車を進めました。
200メートルくらいでしょうか、少し進んだところにまた立て看板があります。
再度馬車を止めて看板を読みます。
『【警告】 先程証明されて無い方はここでお引き取りください。ここからは進めません。【生命の危険】 お疑いの方は落ち葉を摘んで掲げてみてください』
‥‥‥? 落ち葉?
「全くしつこいな。こんな指示に従う必要も有りませんよ」
「いや‥‥‥そういえば‥‥‥」
テオドール村に入る時の決まりとかなんとか。行商人か誰かが話していたような‥‥‥。
「ふぅ、フィルさんも慎重過ぎますよ。たかが外れの流刑者の村ですよ。『落ち葉を摘んで掲げて‥‥‥?』 これでいいんですかい?」
護衛兵の方が戯れにと落ち葉を摘んで頭より高く上げた瞬間‥‥‥
ビシュッ!!!!
落ち葉が指で摘んだ部分以外は粉々に砕け散りました。
「‥‥‥え?」
「‥‥‥は?」
落ち葉を掲げてくれた兵士は驚いて尻餅をついてしまいました。
わたしは急いで身分証を取り出しテオドール村に向かって掲げて叫びます。
「メッサーラから来ました衛生監査官のフィルと申します!! これが身分証です!!」
‥‥‥これでいいのかな?
その後は何事もなかったので馬車を進めて行きましたが何事もなく‥‥‥。
テオドール村の壁と門が近くなりました。壁はこんなに高いのですね。メッサーラとそう変わりないです。
門で簡単な検問を受けます。
「ようこそ、テオドール村へ。メッサーラの衛生監査官さんですね。先程は危なかったそうですね」
「‥‥‥え?」
「あのまま進んでいたらお付きの方の頭がさっきの落ち葉のようになってたでしょうから」
それを聞いて私と先程の兵士は青ざめてしまいました。
なんでも監視塔の上には超凄腕の狙撃?をする人がいてあの距離から落ち葉だけを狙い撃ったのだと。特別な目で見えているし、風の精霊によってこちらの会話も聞こえていたと後で聞きました。
なりすましを防ぐために声を出させて身分証を掲示するらしいです。
モンスターなどは問答無用で撃ち殺すらしい。なんと恐ろしい防衛システム‥‥‥。
ともかくようやくテオドール村に入る事が出来ました。
「失礼。皆さんの体温を測らせていただきますね」
ピッ! ピッ! ピッ!! と全員の額に何かを当てていきました。
「皆さん体温は正常で問題有りませんね。ここからは皆さんこれで手を消毒してください。これは酒精です、手を擦り合わせるようにしてください、すぐに乾きますんで。あとマスク、布で口と鼻を覆ってください。行政官様からの通達ですのですみません」
これは何をしてるのでしょうか? 行政官様に聞いてみましょうか?
「テオドール村のエドガーです」
エドガー様にいきなり臣下の礼を取られました。
いやいや違う違う! 逆だから!
一介の衛生監査官(役人)と行政官(準貴族)じゃ立場が違います。あべこべです。
訂正したら立場を忘れていたとの事。
そんなの忘れるものなのかな?
応接室に案内されました。立派なソファです。買ったのかな? 高そうです。
座らせてもらったらその感触に驚いた。辺境の村の家具とは思えない。声には出さなかったですけど。
とりあえず疑問を投げ掛けました。テオドール卿には丁寧にお応えいただけました。
マスクという覆い布や入村時の消毒?に使った液体などについても教えていただきました。
あれぇ? 私がこの村に病気の予防について教えに来たはずなのに‥‥‥教わってる?
「‥‥‥‥‥‥そのような知識をどこで‥‥‥?」
と、つい疑問が口をついてしまい領主様にお会いした時の事を思い出しました。
テオドール村に来る際に領主ウェストール様から直々に呼ばれてわざわざ言われたのでした。
「エドガーの知識は底知れない。だがその事について追及する事は慎むように」
「はっ! しかしながらそれはどういう‥‥‥」
「会えばわかる」
私はつい口にしてしまった事を土下座して謝罪しました。エドガー様は快く許してくれました。ふぅ。
ひと段落したところで考えをまとめます。
この村の衛生レベルはおそらく世界一です。保健衛生所の職員ですら知らない事を知っているどころか実践しているのですから。
これが実践出来ればメッサーラの流行り病が早々に終息するかもしれない。いや、出来るに違いない!!
「エドガー様!! メッサーラにご同行願います!!」
「えぇっ!?」
えっ?
そんなに驚いてどうしたんですか?
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