異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯

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メッサーラへ

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 翌日は雨が降っていた。
「昨日はすみませんでした。面目有りません、エドガー様」
「気にしないでください。酒場も感染状況次第では営業時間を短縮しないといけませんし」

 食った呑んだよりも充分に払えば問題無かろう。なんなら補助金も出していたはずだ、日本政府は。

 フィルさんは酒が弱いわけではなくやはり連日の激務からの解放ですぐ酔って寝てしまったらしい。お疲れ様でございます。

「じゃあまたメッサーラに行ってきます!」
「お気をつけて!」

 今回は感染症を広めても良くないので最低人数で。テオドールから行くのは俺とティナだけだ。

「これも持っていきな!」
「‥‥‥おぉ、きっと役に立つよ。ありがとな、イブ」
 出がけにイブに荷物を渡された。中を見て納得、役に立ちそうだよ。

「では出発します!」
 お付きの兵士さんも昨日は少し休めたかな?
 昨日よりも肌ツヤが良い気がする。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「この辺の道は例年泥濘んでて雨天時は通れなかった記憶があるのですが‥‥‥」

「道を整備しました、な? ティナ」
「ええ、土嚢を使って固めて。あれも楽しかったですね」
「‥‥‥土嚢?」

 あとで詳しく話してやろう。
 例の泥濘みポイントは問題なく進めた。
 途中で休息とかを入れつつ約一日でメッサーラに到着した。

「手続きをして参ります。馬車でお待ちください」
 フィルさんは門の衛兵と話をしている。
 なんか少し揉めてるみたいだな。

「エドガー様、準貴族が急に来たので責任問題がとかなんとか言ってますね」
「あぁ、なるほど‥‥‥」

 今回の件、フィルさんの仕事としては衛生面の改善の指導教育だったのが何故準貴族を連れて来ているのかって話しで揉めているのだと思う。
 ちょっと貴族権限を使ってみるか。準だけどな。

「あー、テオドール行政官のエドガーであります。フィルさんは何も問題ありません。何か問題があればこの私、エドガーの一存だと言ってください。通ってもよろしいですか?」
「! ははっ!! お通ししろ!!」

 誰も不急の事態とはいえ責任取りたくはないもんな。大丈夫だ、俺だってもっと上に押し付けるさ。

「すみません、エドガー様」
「気にしないでください」
 一応俺の責任って事でスムーズに領都に入れた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 そのまま街を巡ってみた。以前来た時よりもずっと活気がなくなり街を歩いている人もまばらだ。
「不要不急の外出の禁止令を出しましたのでそのせいですね」
 そりゃ歩行者も減るだろうな。

「経済的にも大きな影響を‥‥‥。どうしましょうか?」
 ふむ‥‥‥、これはなかなか深刻な問題だな。
 ただこの領都メッサーラは人口が多いので問題、今回の場合は感染症対策をどうにかさえすれば反動で大きく回復するはずだ。

 考えながら進んでいたら見覚えのある店が。
 えーっと確か布製品とかを扱っている店だったような‥‥‥。
 馬車を止めてもらって降りてみてみるとなんとなく思い出せそうな感じが。

「ん? エドガー様?」
 背後から声がした、その声は‥‥‥?

「マッシュ!? お前マッシュか?」
「はい、マッシュです。以前はお世話になりまして‥‥‥」
 熊のように大きい身体の男はマッシュだった。
 見違えたように大人しくシャンとした姿になっていたが。

「お陰様で今はこちらの店で裁縫師として務めております」
「なんだかまるで別人だな」

 マッシュ‥‥‥裁縫‥‥‥マスク‥‥‥。

!!!!

「マッシュ! この覆い布に刺繍は出来るか?」
「え、ええ。もちろん‥‥‥」
 俺の唐突な質問に反応しきれてない感じのマッシュ。
 俺は紙に簡単に魔法陣を書き殴った。

「これだ!! マッシュ、こんな感じの刺繍なら一日でどれくらい出来る? 同じ裁縫師仲間も掻き集めてだ」
「魔法陣なんですか? こんなの見た事ないですね、これくらいならまぁ一人一日で10枚ってところでしょうか?」

「つまり10人なら100枚、100人なら1000枚だな」
「ま、まぁその仕事だけするならばですけど」

「わかった! また来る!! ありがとう」
「はぁ‥‥‥、お気をつけて」

 俺は馬車に飛び乗って指示を出す。
「ゲオルグ様の屋敷へ! 急ぎましょう」
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