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王都
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「まもなく王都に着きますぞ。見えてまいりました」
あー、王都に着いてしまう‥‥‥。
やだなぁ。
一応王都出身の俺は物珍しいものがある訳でもないし、観光しようという気分にもならない。
極め付けは実家だ。なるべくなら近づきたくない。しかしこの道を進んでいくと間違いなく実家の前の道を通る‥‥‥はず。
なんせ追放されたからなぁ‥‥‥、帰りたいなんて気持ちになるはずもなく。
ストライク家が近づいてきたらなるべく見ないように目を閉じてやり過ごそう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
門を抜けて王宮へと向かう道を通る。そろそろ目を閉じておこう‥‥‥。
と思っていたらまた馬車が急停車した。
「何事か!?」
「‥‥‥男が飛び出してきましたのでやむを得ず」
パーシヴァルさんの質問に答える御者の兵士。
「こら、そこの! 危ないであろう、早く退きなさい」
「‥‥‥はい」
力なく答える声には聞き覚えがあった。
窓を開けて覗いてみる。
「‥‥‥アドルフ?」
思わず声に出た名前に反応する男性が確認のために寄ってきた。
「‥‥‥もしかしてエドガー様!?」
アドルフ‥‥‥実家のストライク家で雇っている使用人の一人だ。貧乏五爵家なのに見栄っ張りだから使用人を何人か雇っていたのだ。
「やはりエドガー様!! エドガー様がお帰りになった!!」
おい、バカ、やめろ!! 声がデカい!
周りにも聞こえるだろうが!
俺は口に指を当てて弁明する。
「シーッ、アドルフ! 帰ってきた訳じゃないから!!」
「えっ‥‥‥」
予想と外れて急に落胆するアドルフ。
それを見たティナが一言。
「アドルフさん! エドガー様は叙爵の為に王都に来たんですよ!!」
うぉーい!! さらに余計な事言いよった。
ティナは従者仲間だったアドルフを励ます為に言ったんだろうけど!
それは分かるしその気持ちはとても良いことなんだけど!
せっかく静かにやり過ごそうと思ってたのに‥‥‥。
「おぉ! その若さで叙爵される活躍をされるとは‥‥‥さすがはエドガー様だ!」
感激してるのは良いんだけど地声がでかいんだよ。
「エドガー様‥‥‥? ストライク家の?」
「えっ、叙爵?」
「もともと貴族だろ?」
周りにもバレちゃったじゃんか。あーあ。
野次馬的な人たちが馬車に集まってきちゃったよ。
このままじゃ進めない。
「ほれほれ! お主らにはどうでも良かろう、散りなさい」
パーシヴァルさんや兵士さんが野次馬を散らせてくれた。
「アドルフ、どうしたんだい? 道の真ん中で。馬車が通るから危ないよ」
「それが‥‥‥エドガー様! ストライク家はもうおしまいです!!」
え? どういう事だ?
あー、王都に着いてしまう‥‥‥。
やだなぁ。
一応王都出身の俺は物珍しいものがある訳でもないし、観光しようという気分にもならない。
極め付けは実家だ。なるべくなら近づきたくない。しかしこの道を進んでいくと間違いなく実家の前の道を通る‥‥‥はず。
なんせ追放されたからなぁ‥‥‥、帰りたいなんて気持ちになるはずもなく。
ストライク家が近づいてきたらなるべく見ないように目を閉じてやり過ごそう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
門を抜けて王宮へと向かう道を通る。そろそろ目を閉じておこう‥‥‥。
と思っていたらまた馬車が急停車した。
「何事か!?」
「‥‥‥男が飛び出してきましたのでやむを得ず」
パーシヴァルさんの質問に答える御者の兵士。
「こら、そこの! 危ないであろう、早く退きなさい」
「‥‥‥はい」
力なく答える声には聞き覚えがあった。
窓を開けて覗いてみる。
「‥‥‥アドルフ?」
思わず声に出た名前に反応する男性が確認のために寄ってきた。
「‥‥‥もしかしてエドガー様!?」
アドルフ‥‥‥実家のストライク家で雇っている使用人の一人だ。貧乏五爵家なのに見栄っ張りだから使用人を何人か雇っていたのだ。
「やはりエドガー様!! エドガー様がお帰りになった!!」
おい、バカ、やめろ!! 声がデカい!
周りにも聞こえるだろうが!
俺は口に指を当てて弁明する。
「シーッ、アドルフ! 帰ってきた訳じゃないから!!」
「えっ‥‥‥」
予想と外れて急に落胆するアドルフ。
それを見たティナが一言。
「アドルフさん! エドガー様は叙爵の為に王都に来たんですよ!!」
うぉーい!! さらに余計な事言いよった。
ティナは従者仲間だったアドルフを励ます為に言ったんだろうけど!
それは分かるしその気持ちはとても良いことなんだけど!
せっかく静かにやり過ごそうと思ってたのに‥‥‥。
「おぉ! その若さで叙爵される活躍をされるとは‥‥‥さすがはエドガー様だ!」
感激してるのは良いんだけど地声がでかいんだよ。
「エドガー様‥‥‥? ストライク家の?」
「えっ、叙爵?」
「もともと貴族だろ?」
周りにもバレちゃったじゃんか。あーあ。
野次馬的な人たちが馬車に集まってきちゃったよ。
このままじゃ進めない。
「ほれほれ! お主らにはどうでも良かろう、散りなさい」
パーシヴァルさんや兵士さんが野次馬を散らせてくれた。
「アドルフ、どうしたんだい? 道の真ん中で。馬車が通るから危ないよ」
「それが‥‥‥エドガー様! ストライク家はもうおしまいです!!」
え? どういう事だ?
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