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追放編
いろいろ試す
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仕事中もスキルの事をずっと考えていた。まさか飛竜の糞から何か作れるとは思わなかった。
作業自体は慣れたものなので頭で別の事を考えていても問題なく作業がすすむ。
そこで一つ思いついた。この間採ってきた薬草と魔法水でもしかしたら何か出来るんじゃないか?
お昼休憩の合間に試してみた。魔法水の装置も魔道具としては高価だけど消耗品の水の魔石自体は大した金額じゃない。
まぁ、もし請求されたら支払おう。
右手に薬草、左手に魔法水をかけると予想通り声が聞こえた。もちろん【はい】だ。
パシュッ!!
出来た。色と匂いからしてこれはおそらくポーションだろうか?
薬草が常時依頼のある理由はポーションの原料としての需要があるからだろう。
ならば直接ポーションを納品しても良いのではなかろうか?
まぁ、それは相談してからにしよう。
あとはやはり【鑑定】のスキルが欲しいところだな。合成で何か作っても使い方がわからないままじゃ怖くて使えないよ。
よし、やはり『サーチラット』を倒して鑑定スキルをゲットするしかないか!! 明日一日はサーチラット狩りをしよう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「くっそ~、全然ダメだぁ‥‥‥」
翌日俺はサーチラット狩りに森に出かけた。
サーチラット自体は決して強くないのだがお供のモンスターを呼びだすらしい。万が一、強モンスターなんか呼ばれた日には死亡確定だからな。
だから俺が取った戦法はヒット&アウェイ。一撃を加えて倒せなかったら即座に逃げる作戦だ。
サーチラットは当たりどころが良ければ一撃で倒せる強さだからな。
結果はもちろん大外れ。倒せたのは一匹だけ。もちろんレアドロップの『鑑定の魔術書』なんか手に入るわけがなかった。でもなんとかして手に入れたいよな。
よしまだまだ続けよう!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
しまった。あと一匹倒したら戻ろうと繰り返してたら日がだいぶ傾いてきてしまった。このままだと夜になってしまう。急いで帰らないと‥‥‥。
そこでサーチラットに出くわした。幸か不幸かわからないが。どちらにせよ悠長に戦うつもりはない、街の方向に向かっているのだから切り付けて走り去るようにすればいい。
「ギィエエエエ!!」
は?
その叫びはもしかしてお供に知らされた?
その直後、進行方向にオークが現れた。
待ち構えてた、と言う方が正しいのかもしれないが。
しかも、でけぇ‥‥‥。
2メートルはあるんじゃないか?
Dランク以上の冒険者パーティーなら苦もなく倒せるだろうが、俺はFランクでしかもソロ。ましてや戦闘系ジョブですらない上に戦闘系のスキルもない。
やばい! 絶対やばい!! どうする?
と、俺は焦りから動揺して足を止めてしまった。あのまま走り抜けて足でも切り付けていれば撒くことが出来たかもしれないのに。
オークは手にした棍棒を力任せに振り回す。
周りの木々が何本も折れたがなんとか全力で避けられた。あんなのまともに食らったら間違いなく即死だ。
「ふー! ふー! くそ、こんなところで‥‥‥」
息が上がってきた。どうしたらいい?
「グワォォォ!!」
オークの雄叫び。それにより足が竦んで動かなくなってしまった。
ガタガタガタガタ‥‥‥
くっ! 身体が思い通りに動かない。
どうしたら‥‥‥?
ドカッ!!!!
バリバリッ!! パリーン!!
オークの前蹴りを完全に無防備な状態で食らった。派手に吹っ飛ばされ、細めの木の幹が折れた。全身が激しく痛い。
吹き飛ばされた衝撃で荷物もぶち撒かれてしまった。何かが割れる音もした。
オークが一歩ずつ近づいてくる。
「やめろぉ!! それ以上近づくな!」
俺の叫びも虚しく、オークの大きく振りかぶった一撃が俺の頭に振り下ろされた‥‥‥。
俺の人生、これで終わった‥‥‥か。
作業自体は慣れたものなので頭で別の事を考えていても問題なく作業がすすむ。
そこで一つ思いついた。この間採ってきた薬草と魔法水でもしかしたら何か出来るんじゃないか?
お昼休憩の合間に試してみた。魔法水の装置も魔道具としては高価だけど消耗品の水の魔石自体は大した金額じゃない。
まぁ、もし請求されたら支払おう。
右手に薬草、左手に魔法水をかけると予想通り声が聞こえた。もちろん【はい】だ。
パシュッ!!
出来た。色と匂いからしてこれはおそらくポーションだろうか?
薬草が常時依頼のある理由はポーションの原料としての需要があるからだろう。
ならば直接ポーションを納品しても良いのではなかろうか?
まぁ、それは相談してからにしよう。
あとはやはり【鑑定】のスキルが欲しいところだな。合成で何か作っても使い方がわからないままじゃ怖くて使えないよ。
よし、やはり『サーチラット』を倒して鑑定スキルをゲットするしかないか!! 明日一日はサーチラット狩りをしよう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「くっそ~、全然ダメだぁ‥‥‥」
翌日俺はサーチラット狩りに森に出かけた。
サーチラット自体は決して強くないのだがお供のモンスターを呼びだすらしい。万が一、強モンスターなんか呼ばれた日には死亡確定だからな。
だから俺が取った戦法はヒット&アウェイ。一撃を加えて倒せなかったら即座に逃げる作戦だ。
サーチラットは当たりどころが良ければ一撃で倒せる強さだからな。
結果はもちろん大外れ。倒せたのは一匹だけ。もちろんレアドロップの『鑑定の魔術書』なんか手に入るわけがなかった。でもなんとかして手に入れたいよな。
よしまだまだ続けよう!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
しまった。あと一匹倒したら戻ろうと繰り返してたら日がだいぶ傾いてきてしまった。このままだと夜になってしまう。急いで帰らないと‥‥‥。
そこでサーチラットに出くわした。幸か不幸かわからないが。どちらにせよ悠長に戦うつもりはない、街の方向に向かっているのだから切り付けて走り去るようにすればいい。
「ギィエエエエ!!」
は?
その叫びはもしかしてお供に知らされた?
その直後、進行方向にオークが現れた。
待ち構えてた、と言う方が正しいのかもしれないが。
しかも、でけぇ‥‥‥。
2メートルはあるんじゃないか?
Dランク以上の冒険者パーティーなら苦もなく倒せるだろうが、俺はFランクでしかもソロ。ましてや戦闘系ジョブですらない上に戦闘系のスキルもない。
やばい! 絶対やばい!! どうする?
と、俺は焦りから動揺して足を止めてしまった。あのまま走り抜けて足でも切り付けていれば撒くことが出来たかもしれないのに。
オークは手にした棍棒を力任せに振り回す。
周りの木々が何本も折れたがなんとか全力で避けられた。あんなのまともに食らったら間違いなく即死だ。
「ふー! ふー! くそ、こんなところで‥‥‥」
息が上がってきた。どうしたらいい?
「グワォォォ!!」
オークの雄叫び。それにより足が竦んで動かなくなってしまった。
ガタガタガタガタ‥‥‥
くっ! 身体が思い通りに動かない。
どうしたら‥‥‥?
ドカッ!!!!
バリバリッ!! パリーン!!
オークの前蹴りを完全に無防備な状態で食らった。派手に吹っ飛ばされ、細めの木の幹が折れた。全身が激しく痛い。
吹き飛ばされた衝撃で荷物もぶち撒かれてしまった。何かが割れる音もした。
オークが一歩ずつ近づいてくる。
「やめろぉ!! それ以上近づくな!」
俺の叫びも虚しく、オークの大きく振りかぶった一撃が俺の頭に振り下ろされた‥‥‥。
俺の人生、これで終わった‥‥‥か。
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