アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯

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飛竜の里編

酒宴

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「ささ、勇者様。こちらにどうぞ‥‥‥」
 案内された長老(若い見た目)の部屋に席が用意されていた。 
 俺たちさっき来たばっかりなのに‥‥‥。

「勇者様がお着きである、料理を持てい!」
「ははっ!」

「勇者様にとっては粗餐かもしれませぬがどうぞ。特にメインのラッシュボアの肉料理は我ら自慢の一品でございます」

 粗餐なんてとんでもない、何人もがそれぞれご馳走を持ってくる。すごい量だ。
 まるで王様にでもなったみたいだ。

 次々と運ばれてきた料理の数々、だがそのボアの肉とやらは出てこなかった。

「おい‥‥‥メインのボア肉はどうした? 宴の時は必ず用意するものだろう?」
 長老が不満そうに周りに確認する。

「‥‥‥ボアは獲れませんでした。ここ数日ずっと獲れなくて‥‥‥」
「何故だ?」
 長老が問い詰める。

「‥‥‥弓が壊れてて。修理が間に合いませんでした」
「‥‥‥弓が? 何故壊れた?」

 聞かれたエルフの人は答えづらそうに口を開く。
「先日‥‥‥勇者様に‥‥‥」
 あ! と言いそうな表情の長老。思い出したらしい。
 というかそれって俺のせいじゃないか。

「‥‥‥なんかごめんなさい」
「うっ‥‥‥ぐっ‥‥‥いえ、勇者様に楯突いた我らの落ち度でございます」

 全く遠慮せずにムシャムシャと食べまくっているソフィア。
「エルフ達のメイン武器たる弓が壊れてて使えないとあらば防衛的にもまずかろうのぅ」
 ソフィアからの追加口撃だ。
 やめてくれ、俺のライフが減る‥‥‥。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ほ、ほら。これも美味しいなぁ。こっちも美味しいなぁ。こんなご馳走食べた事ないですよ」
 俺は盛り下がってしまった場をなんとかもりあげようと頑張った。

「‥‥‥申し訳ございません」
 平謝りの長老。

「ボア肉は美味だと聞く。飛竜の頃は肉は食さなかったがの、だからこそ進化した我は楽しみじゃったのだが。今日は食べられなくて残念じゃ!」
 それ以上はやめろ、ソフィア!!
 空気を読め!!

 楽しくなるはずの宴が俺の原因のせいで雰囲気が地の底まで沈んでしまい、逆に悲しくなった。

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