46 / 98
飛竜の里編
戦い終えて
しおりを挟む
「‥‥‥アタイはまだやれるぞ!」
「ルーナ、そう言うセリフはちゃんと立ち上がってから言うっすよ」
「ぐっ‥‥‥」
ルーナは立ってはいたがようやくといった感じで足がガタガタと震えていた。
俺もあそこで止めたのは良い判断だと思った。これ以上はどちらか、もしくはどちらもが大怪我じゃ済まなかった可能性もある。
「むぅ‥‥‥、我もまだ出来るが。この勝負は一旦お預けという訳じゃな。致し方ない」
ソフィアはあっさり引き下がってくれた。
俺はほっと胸を撫で下ろす。どうせやるならもっと実りのある事で勝負して欲しい。モンスターの討伐勝負とかさ。
ミリアが魔法空間から薬草を取り出してくれた。アリウスに頼んで水筒から魔法水を出してもらった。
合成してポーションを作り、二人にかけてあげた。
「‥‥‥ありがとな」
「アル殿、かたじけない」
ドラゴニュートだと普通のポーションで回復出来るみたいだな。
「二人とも動いて腹が減っただろう? みんなでメシでも食おう」
「良いっすね、賛成っす」
「‥‥‥楽しみです」
ジャックとミリアは即賛成してついて来てくれた。アリウスは二人をなだめてくれている。
「ほほう、人の街の料理!! 楽しみじゃ」
「‥‥‥ちっ!」
ソフィアはウキウキと、ルーナはしぶしぶついて来た。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
みんなでやって来たのは定宿の下の食堂だ。なんとかって言う犬の獣人を追い払った店だな。ここは特にルーナが気に入ってるからな。
ちょうど6人で座れる席が空いていた。
ルーナは俺の右隣、ソフィアは俺の左隣に座った。ミリアはソフィアの隣だ。
全員分のエール等とみんなで食べられる大皿料理を三種類ほど注文する。程なく注文した飲み物が届く。
アリウスが立ち上がって挨拶をする。
「えー、アルくんの無事帰還を祝いましょう。そしてこちらのお二人との親睦も。乾杯!」
「「「カンパーイ!!」」」
ルーナも一応空気を読んで杯を掲げてくれた。
「えー、このへんでお二人には自己紹介をしてもらいましょうか?」
アリウスとミリアの目が合う。
「えーと、じゃあワタシから。エルフ族のミリアです。弓と空間魔法を使います。よろしくお願いします」
パチパチパチ‥‥‥拍手の音が響く。
「質問良いっすか? 空間魔法ってどんな種類があるんすか?」
「オホン、まずは【空間収納】です。アル様の荷物も入っております」
「あー、そうだった。試したい事があるから今度付き合ってくれ」
「えー、アルくん。何か新素材手に入れたんですか?」
錬金術好きのアリウスがそこに食いついた。
「まぁね。アリウスも手伝ってくれると助かるよ」
「喜んで!」
「次は我だな? 我はソフィア、ドラゴニュートじゃ。先日アル殿に命を救われて恩返しのために同行いたした。この身体はまだ慣れておらぬが戦闘の面では協力出来るはずじゃ。よろしく頼む」
パチパチパチパチ‥‥‥再び拍手が起こる。
「あれで全力じゃないとか‥‥‥嫌味かよ‥‥‥」
ルーナがこっそりと呟いた。
「あー、お主。お主も人の中では相当な強者ぞ。また是非手合わせしようぞ、ほれ!」
ソフィアは先程の闘いが無かったかのような爽やかな雰囲気で杯を掲げた。
「っ! ‥‥‥おう」
褒められたのが効いたのか、毒気を抜かれたようになったルーナも杯を掲げて飲み干した。
「はーい、お待ちどう様! 木の葉鳥の串焼き盛りとポッグーの丸焼きでーす♪」
大皿料理も届いた。おぉ、豪快だな。
「オレッチが取り分けるっすよ。みんな取り皿をくれっす」
こういう時に料理を取り分けるのが一番上手いのはジャックだ。見た目も量もバランスよく綺麗に取り分けて盛り付けてくれる。
「お主、酒が空いとるではないか! こちらに代わりを二つじゃ」
ソフィアは飛竜だったのに注文とかも出来るようになったんだな。
エルフの里の宴とかで覚えたのかな?
ルーナとソフィアはだいぶ打ち解けたみたいで良かった。
「ルーナ、そう言うセリフはちゃんと立ち上がってから言うっすよ」
「ぐっ‥‥‥」
ルーナは立ってはいたがようやくといった感じで足がガタガタと震えていた。
俺もあそこで止めたのは良い判断だと思った。これ以上はどちらか、もしくはどちらもが大怪我じゃ済まなかった可能性もある。
「むぅ‥‥‥、我もまだ出来るが。この勝負は一旦お預けという訳じゃな。致し方ない」
ソフィアはあっさり引き下がってくれた。
俺はほっと胸を撫で下ろす。どうせやるならもっと実りのある事で勝負して欲しい。モンスターの討伐勝負とかさ。
ミリアが魔法空間から薬草を取り出してくれた。アリウスに頼んで水筒から魔法水を出してもらった。
合成してポーションを作り、二人にかけてあげた。
「‥‥‥ありがとな」
「アル殿、かたじけない」
ドラゴニュートだと普通のポーションで回復出来るみたいだな。
「二人とも動いて腹が減っただろう? みんなでメシでも食おう」
「良いっすね、賛成っす」
「‥‥‥楽しみです」
ジャックとミリアは即賛成してついて来てくれた。アリウスは二人をなだめてくれている。
「ほほう、人の街の料理!! 楽しみじゃ」
「‥‥‥ちっ!」
ソフィアはウキウキと、ルーナはしぶしぶついて来た。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
みんなでやって来たのは定宿の下の食堂だ。なんとかって言う犬の獣人を追い払った店だな。ここは特にルーナが気に入ってるからな。
ちょうど6人で座れる席が空いていた。
ルーナは俺の右隣、ソフィアは俺の左隣に座った。ミリアはソフィアの隣だ。
全員分のエール等とみんなで食べられる大皿料理を三種類ほど注文する。程なく注文した飲み物が届く。
アリウスが立ち上がって挨拶をする。
「えー、アルくんの無事帰還を祝いましょう。そしてこちらのお二人との親睦も。乾杯!」
「「「カンパーイ!!」」」
ルーナも一応空気を読んで杯を掲げてくれた。
「えー、このへんでお二人には自己紹介をしてもらいましょうか?」
アリウスとミリアの目が合う。
「えーと、じゃあワタシから。エルフ族のミリアです。弓と空間魔法を使います。よろしくお願いします」
パチパチパチ‥‥‥拍手の音が響く。
「質問良いっすか? 空間魔法ってどんな種類があるんすか?」
「オホン、まずは【空間収納】です。アル様の荷物も入っております」
「あー、そうだった。試したい事があるから今度付き合ってくれ」
「えー、アルくん。何か新素材手に入れたんですか?」
錬金術好きのアリウスがそこに食いついた。
「まぁね。アリウスも手伝ってくれると助かるよ」
「喜んで!」
「次は我だな? 我はソフィア、ドラゴニュートじゃ。先日アル殿に命を救われて恩返しのために同行いたした。この身体はまだ慣れておらぬが戦闘の面では協力出来るはずじゃ。よろしく頼む」
パチパチパチパチ‥‥‥再び拍手が起こる。
「あれで全力じゃないとか‥‥‥嫌味かよ‥‥‥」
ルーナがこっそりと呟いた。
「あー、お主。お主も人の中では相当な強者ぞ。また是非手合わせしようぞ、ほれ!」
ソフィアは先程の闘いが無かったかのような爽やかな雰囲気で杯を掲げた。
「っ! ‥‥‥おう」
褒められたのが効いたのか、毒気を抜かれたようになったルーナも杯を掲げて飲み干した。
「はーい、お待ちどう様! 木の葉鳥の串焼き盛りとポッグーの丸焼きでーす♪」
大皿料理も届いた。おぉ、豪快だな。
「オレッチが取り分けるっすよ。みんな取り皿をくれっす」
こういう時に料理を取り分けるのが一番上手いのはジャックだ。見た目も量もバランスよく綺麗に取り分けて盛り付けてくれる。
「お主、酒が空いとるではないか! こちらに代わりを二つじゃ」
ソフィアは飛竜だったのに注文とかも出来るようになったんだな。
エルフの里の宴とかで覚えたのかな?
ルーナとソフィアはだいぶ打ち解けたみたいで良かった。
77
あなたにおすすめの小説
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
不遇スキル『動物親和EX』で手に入れたのは、最強もふもふ聖霊獣とのほっこり異世界スローライフでした
☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が異世界エルドラで授かったのは『動物親和EX』という一見地味なスキルだった。
日銭を稼ぐので精一杯の不遇な日々を送っていたある日、森で傷ついた謎の白い生き物「フェン」と出会う。
フェンは言葉を話し、実は強力な力を持つ聖霊獣だったのだ!
フェンの驚異的な素材発見能力や戦闘補助のおかげで、俺の生活は一変。
美味しいものを食べ、新しい家に住み、絆を深めていく二人。
しかし、フェンの力を悪用しようとする者たちも現れる。フェンを守り、より深い絆を結ぶため、二人は聖霊獣との正式な『契約の儀式』を行うことができるという「守り人の一族」を探す旅に出る。
最強もふもふとの心温まる異世界冒険譚、ここに開幕!
墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ
ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた
いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう
その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った
だけど仲間に裏切られてしまった
生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい
そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる