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トーナメント地方予選編
黄色い液体
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黄色い液体の匂いを嗅いでみた。別に臭くはないな。
ビンの蓋を開けてほんの少しだけ右手に付けてみた、なんだかヌルヌルする。
その右手で蓋を摘んで栓をしようとしたらつるっと滑って蓋を落としてしまう。
やれやれ‥‥‥と呟きながらしゃがんで拾い直そうとしたがどうにも滑って拾えない。
くっそ‥‥‥なんでだよ。何度拾おうとしてもヌルヌルと滑って拾えない。
液体の入ったビンの方をテーブルに置きヌルヌルしてない左手で拾う。ようやくなんとかかろうじて蓋が拾えた。ふぅ‥‥‥。
さぁ、蓋をビンに閉め‥‥‥どうしよう、空いてる右手はヌルヌルだ。このままではビンが滑って掴めないのでは‥‥‥?
テーブルに置いてあるビンに右手を触れないように栓をするしかない。
慎重に‥‥‥慎重に‥‥‥。
バターンッ!! と激しくドアが開く。
「うぃーーっす! アル、起きれっかー!?」
ルーナが帰ってきた!
やばい、こんな面倒なタイミングで!!
そして呂律が回ってない。相当酔ってる!
「なぁーにをやっれんらっつーの!? アールー!!」
酔ってるからか普段より積極的に迫ってくる。
「ちょ、静かにしてくれ。今慎重な作業中なんだから‥‥‥」
「あぁーん? さっきからなーにをしれんの? そんなころしれねーれアライろ飲み直し‥‥‥」
ガターーンッ!!
よろけたルーナがテーブルに突っかかってビンの液体をぶち撒けた。うーわ、最悪だ‥‥‥。
「あぁーん、ごめんにょー! 溢しちゃっらー。あははははは‥‥‥」
俺とルーナに液体がかかってしまった。
その途端、足の踏ん張りが全く効かなくなる。
俺とルーナが揃って床に転ぶ。そして滑って立てない。
「あーれー? 上手く立れないぞぉー?」
「‥‥‥ルーナ、頼むから静かにしてくれ」
目の座ったルーナがこっちを睨む。
「そんなに静かにしれほしいんならー、アラシの口を塞げばいいんじゃないれすかねー?」
いや、目を閉じてスタンバイすな!
「う‥‥‥む、騒がしいのぅ。なんじゃ?」
ソフィアが起きた。
「あー! ソフィアだー! 元気ー?」
「あー、ルーナが帰って来たのか。夜じゃし騒いではいかんぞ。そんでアル殿は何をしとるんじゃ?」
ソフィアがベッドの上を這ってくる。
「ソフィア、この液体に触れるなよ! 大変な事になる」
「んー? なんじゃこれは?」
「多分これに触れると‥‥‥」
「あー! ソフィア裸らー! アライも脱ぐー」
「脱ぐな! 着てろ」
あー、もう! 話が進まない!
「ふむ‥‥‥何やらずいぶんとヌルヌルするのぅ、うわっ!」
「触るなって言ったのに! あぁ、もう‥‥‥」
ソフィアもベッドからずり落ちて俺たちに絡みあう。
「アルー、アライの服も脱がしれー」
「脱ぐなっつってんだろが!」
「‥‥‥ヌルヌルとして変な気分になってきたのぅ」
「気のせいだ! 早く寝ろ」
半裸のルーナと全裸のソフィア、ヌルヌルのせいなのか俺の服も脱げかかってる。『気のせいだ』とは言ったものの俺まで変な気分になってきた‥‥‥気がする。
なんだろう、この状況‥‥‥。
だいぶ時間が経った事で効果が無くなったようだ。ようやく物を掴んだり立ったり出来るようになった。恐ろしい効果だった。
ルーナもソフィアもそのまま床で寝ている。
もう疲れた‥‥‥。この二人はそのままでいいや。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝‥‥‥
「お客さん‥‥‥、昨日はずいぶんとお楽しみでしたねー」
「ちがぁぁぁぁぁう!!!」
ビンの蓋を開けてほんの少しだけ右手に付けてみた、なんだかヌルヌルする。
その右手で蓋を摘んで栓をしようとしたらつるっと滑って蓋を落としてしまう。
やれやれ‥‥‥と呟きながらしゃがんで拾い直そうとしたがどうにも滑って拾えない。
くっそ‥‥‥なんでだよ。何度拾おうとしてもヌルヌルと滑って拾えない。
液体の入ったビンの方をテーブルに置きヌルヌルしてない左手で拾う。ようやくなんとかかろうじて蓋が拾えた。ふぅ‥‥‥。
さぁ、蓋をビンに閉め‥‥‥どうしよう、空いてる右手はヌルヌルだ。このままではビンが滑って掴めないのでは‥‥‥?
テーブルに置いてあるビンに右手を触れないように栓をするしかない。
慎重に‥‥‥慎重に‥‥‥。
バターンッ!! と激しくドアが開く。
「うぃーーっす! アル、起きれっかー!?」
ルーナが帰ってきた!
やばい、こんな面倒なタイミングで!!
そして呂律が回ってない。相当酔ってる!
「なぁーにをやっれんらっつーの!? アールー!!」
酔ってるからか普段より積極的に迫ってくる。
「ちょ、静かにしてくれ。今慎重な作業中なんだから‥‥‥」
「あぁーん? さっきからなーにをしれんの? そんなころしれねーれアライろ飲み直し‥‥‥」
ガターーンッ!!
よろけたルーナがテーブルに突っかかってビンの液体をぶち撒けた。うーわ、最悪だ‥‥‥。
「あぁーん、ごめんにょー! 溢しちゃっらー。あははははは‥‥‥」
俺とルーナに液体がかかってしまった。
その途端、足の踏ん張りが全く効かなくなる。
俺とルーナが揃って床に転ぶ。そして滑って立てない。
「あーれー? 上手く立れないぞぉー?」
「‥‥‥ルーナ、頼むから静かにしてくれ」
目の座ったルーナがこっちを睨む。
「そんなに静かにしれほしいんならー、アラシの口を塞げばいいんじゃないれすかねー?」
いや、目を閉じてスタンバイすな!
「う‥‥‥む、騒がしいのぅ。なんじゃ?」
ソフィアが起きた。
「あー! ソフィアだー! 元気ー?」
「あー、ルーナが帰って来たのか。夜じゃし騒いではいかんぞ。そんでアル殿は何をしとるんじゃ?」
ソフィアがベッドの上を這ってくる。
「ソフィア、この液体に触れるなよ! 大変な事になる」
「んー? なんじゃこれは?」
「多分これに触れると‥‥‥」
「あー! ソフィア裸らー! アライも脱ぐー」
「脱ぐな! 着てろ」
あー、もう! 話が進まない!
「ふむ‥‥‥何やらずいぶんとヌルヌルするのぅ、うわっ!」
「触るなって言ったのに! あぁ、もう‥‥‥」
ソフィアもベッドからずり落ちて俺たちに絡みあう。
「アルー、アライの服も脱がしれー」
「脱ぐなっつってんだろが!」
「‥‥‥ヌルヌルとして変な気分になってきたのぅ」
「気のせいだ! 早く寝ろ」
半裸のルーナと全裸のソフィア、ヌルヌルのせいなのか俺の服も脱げかかってる。『気のせいだ』とは言ったものの俺まで変な気分になってきた‥‥‥気がする。
なんだろう、この状況‥‥‥。
だいぶ時間が経った事で効果が無くなったようだ。ようやく物を掴んだり立ったり出来るようになった。恐ろしい効果だった。
ルーナもソフィアもそのまま床で寝ている。
もう疲れた‥‥‥。この二人はそのままでいいや。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝‥‥‥
「お客さん‥‥‥、昨日はずいぶんとお楽しみでしたねー」
「ちがぁぁぁぁぁう!!!」
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