転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー

芍薬甘草湯

文字の大きさ
5 / 171
第一部 祝福の儀編

祝福の儀②

しおりを挟む
 気が付いたら偉い人っぽい人の前だった。
「こ、これは‥‥‥」
ん、どうした?なんか顔色悪くね?

「ネ、ネロ・ヴァッサー 『水神の祝福』‼︎」

一瞬会場が静まり返る。

「「「「「うおお~~~」」」」」
からの大歓声。耳痛ぇ。何? そんな凄いの?

「キミ!凄いことなのだぞ‼︎」 

 興奮した様子で顔を近づけてくる偉い人っぽい人。顔近いよ。あと唾飛ばすな。

「神級の加護は過去数例しか与えられておらん! 私が教皇になってからは初めてじゃ‼︎」
えっ? 教皇? 教皇って言った? ちゃんと偉い人じゃん。このジイ様。

「しかも加護でなく祝福となっておる。神級の祝福はおそらく史上初じゃ‼︎‼︎」  

 えーっと何が違うのかわからん。だから唾飛ばすなって。

 少し経っても会場はざわついている。
 なんか激しく人が行き交ってるし。
 俺のせい? なんかすいません。

「ネロ!」
 あ、ゲオルグが来た。
 なんか複雑な表情だな。

「父様、なんだか騒がしくなっちゃいましたね」
「お前のせいだろ。しかし信じられん。神級の祝福とは‥‥‥」

「これからどうなりますか?市場で遊んできても良いですか?」
「良いわけないだろ。おそらくこれから陛下にご報告が行ったあと呼び出されるんじゃないか?」

「えぇ~」
 なんてこった。 
 市場とか行きたかったのに‥‥‥

 しばらくしてピカピカ鎧の偉そうな人が俺達を呼びに来た。
「これから陛下にお会いになる。身支度はそのままで謁見の間まで御足労願いたい。」
「御意に」

 ゲオルグと同じ様に頭を下げる。そしてピカピカ鎧さんの後ろをついていき馬車に乗る。
 行きに乗ってきた馬車とは大違いのやつだ。
 大神殿と宮殿は少し距離があるようだ。

「謁見など碌にした事ないからな。大丈夫かな」
 不安そうなゲオルグ。

「直前に作法をお教えしますので、ご安心ください。ヴァッサー男爵。」
 同乗していたピカピカ鎧さんが微笑んでいた。あれ? この人殿下の護衛じゃなかったか?

「あの‥‥‥、貴方は? それと殿下は大丈夫なんですか?」
「ハハハ、これは失礼。私は王都近衛兵長クリフォード・クローバー伯爵と申します。お父上とは学院で机を並べておったのです。殿下の護衛は奴等で大丈夫でございますよ。」

 まぁ何人もいたから平気か。
 あの時ゲオルグが急いで頭を下げたのは、ピカピカ鎧さんが知り合いだったからか。

「それと先程は申し訳ありません。下級貴族などと言ってしまって。殿下の祝福の儀の結果を早急に知らせる様に仰せつかっておりましたもので。」
「いえ、事実ですので。お気になさらず、伯爵」
 ゲオルグも笑っていた。2人は本当は仲良かったんだろう。

「いや、しかし聡明な御子だ。さすがは男爵が父親なだけある。」
「いやいや、奥に似たのであろうよ。」

 2人で話が盛り上がってきたところで馬車が停まる。
 着いた様だ、外を見て驚愕した。

「でっけぇーー」

 でけぇ。王威を示すためなんだろう。
とにかくデカかった。ゲオルグも目を見開いて止まっている。しかもコレは門だ。行ったこと無いから知らないけどヴェルサイ○宮殿とかもこんな感じなんだろうか?
しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます

無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...