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第一部 祝福の儀編
スライム対策検討会議
しおりを挟むしかしあのスライムというやつは厄介だ。相性が悪過ぎる。基本的に水属性の攻撃が効かないのだ。
スコールだと水分を吸収して気持ち大きくなる。スチームだとプルプルするだけである。ウォーターバレットだと一瞬穴が開くようだがすぐに周りが修復し始める。アイスボールはそのまま飲まれるしアイスピラーは少し効いていそうだが溶かされて吸収されていく。ウォーターレーザーは一瞬だとバレット以下、長時間出して穴が空くがそのあとそのままくっついた。ダメージがあるのかもしれないが見た目だけは普通に戻っている。さて、どうしたものか。
物理攻撃系の人たちはどう倒しているのか?代表として脳き‥‥‥もとい体力系男子、ポール兄さんに聞いてみる。もちろんママンには内緒だ。
「あー? スライムなんて雑魚に苦戦してんのか? 凄い加護貰っても相性悪いとダメなんだな。」
はい、その通りです。早く教えろ下さい。
「俺は剣で攻撃するしかないけど、別にこれといって何もないぞ。普通に切るだけだ」
さ、参考にならねぇ。時間の無駄だった。魔法を使うピーター兄さんに聞いてみよう。
「スライムの倒し方? 特に意識した事ないけどな」
クッソ、コイツもか!
「でも水神の祝福があっても水属性だと倒せないのが興味深い。一緒に調べてみようか?」
「あ、ありがとう‼︎」
なにこの人、中身もイケメンやん。やっぱりアナタがここの次期当主です。
「スライムは基本的に物理攻撃があまり効かない。だから魔法で攻撃するのが一般的なんだけど、水属性は効果がない、と。俺の場合はファイアⅠで問題なく倒せる。ブリザードIは確かにあまり試してないな。サンダーⅠで倒した事もあった気がする」
「ポール兄さんは剣で普通に倒すって言ってたよ。」
「あいつの場合は、剣速が半端ないからな。物理攻撃は斬系統、突系統、打系統、体術に分類出来て、スライムは打系統と体術には異常に抵抗値が高いんだよ。魔法の系統で言うと火、水、風、土、光、闇の六属性に俺の炎、氷、雷の三属性が検証出来そうだな。よし、今度俺も一緒に行って実験してみよう。」
ありがたい、ピーター兄さんが一緒ならママンも許可してくれるだろう。俺が倒せない場合もピーター兄が対応してくれそうだ。パーティー的に前衛がいないのが不安ではあるが二人ともソロで狩りが出来るので問題はないだろう。
スライム狩りの日が来た。ピーター兄と一緒に水辺に向かう。スライムは水辺近くに多く生息しているからだ。
『ミストサーチ』
警戒は怠らない。隣を見るとピーター兄が目を見開いて固まっている。どうした?
「ネロ、コレはお前の魔法か? こんな魔法知らないぞ。」
「そう?便利そうだから作ってみたんだけど」
「ああ、そう。神級だものな。オリジナル魔法を作れても不思議じゃないのか」
顔が引き攣ってるけど、兄さん。
「かかった」
この感じはウェアラットっぽいな、お前には用がない。
『ウォーターバレット』
見えた瞬間に瞬殺だ、何匹も狩っていたので魔法の技術自体が上がっている気がする。
急所を狙って当てられるのでウェアラットもゴブリンも最近は一撃で倒せるようになっている。
「おい!! 何してんだ。急に危な‥‥‥って、えっ!?」
「ウェアラットがいたから狩っといたよ」
「なんだ? お前‥‥‥」
それからも邪魔なモンスターが何匹か出て来たので瞬殺する。いちいち魔石を拾うのが面倒なので触手みたいなのを作った。これで狩りの効率がさらに良くなるだろう。
ピーター兄はなんか落ち込んでた。
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