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第一部 祝福の儀編
スライム実験
しおりを挟むスライムのいる水辺近くに到着した。わらわらいるわ。ほっとくと増えるしな。ある意味経験値を稼ぐのに便利かも、倒せればな。
「さてとじゃあ検証していこう。まずは、『ファイアⅠ』!」
ピーター兄の手から火が出てスライムに当たる、弾けるように消えていく。
「問題ないな、次は『ブリザードI』!」
スライムが徐々に凍りつく。吹雪が止まったところでスライムが砕け散る、日光が反射してキラキラと綺麗だ。
「いけたな。次は『サンダーⅠ』!」
轟音と共に稲光がスライムに叩きつけられる。痙攣みたいに震えてから消滅した。
「全部大丈夫だったな。お前の魔法と近いのはブリザードIだが。」
「ピーター兄さん、仮説なんだけど。スライムの組織みたいのを変性させると倒せるのではないでしょうか?」
「ふむ、その理論だと剣で倒せる場合の説明がつかないが。」
「ポール兄さんはスライムの核の部分を切断しているのではないでしょうか?」
「成る程。核の部分が欠損すればスライムが生物として保たれないという事か。あり得るね。だとするとネロの魔法で倒すには‥‥。」
俺の出来る事を挙げていくと
1 水を出す
2 水の形を変える
3 水の温度、圧力を変える
4 水薬を作る
ん? ブリザードIで凍らせて倒せるのならばスライムの周りに水を纏わせて凍らせればいけるか?
水の形を変えてスライムを包むようにしてみる、あくまで触れないように。そして温度を下げる。包むように薄くしたので即凍結する、瞬間冷凍だ。
そのまま状態をキープ、まだだ、もう少し。中のスライムの動きが鈍る、凍り出す。あとちょいだ、よし、砕けた。スライムが消えていく、魔石が落ちる。
「何とか倒せました~。疲れた~。」
「はは、おつかれさん。見たこともない魔法だったけど大丈夫かい?」
「水の形を作るのが大変でした、MP自体はあまり減ってないです。」
その後も倒し方を検討する、MP効率で言えば包んで凍らせる先程の方法だが包み込んだスライムに触れないようにするのが大変で使い勝手が悪い。MP消費を考えないのならばウォーターレーザーを長時間出力して適当に微塵切りにして核を切断する方法だ。これなら精神的にはすごく楽だ。ただMPをバカ食いする。
スライムを倒せるようになったのでとりあえずこの平原では勝てないモンスターはいないだろう。一歩前進したと思って今日のところは夜の練習メニューをして休むことにしよう。
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