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王都学院 編
卒業&プロポーズ
しおりを挟む卒業直前に二人への気持ちに気付いてしまった。
日本では倫理的にまずいだろうが仮にどちらかを嫁にもらい、もう一人は他の人に、というのが納得出来ない、というより我慢出来ない。
この国は基本的に一夫多妻が常識らしいので問題はないのだ、経済的に支えられるなら。15年もこっちにいると染まるんだなぁ。
そんな訳で二人とも気持ちがあるなら結婚してもらいたい。他の人がいいなら仕方ないが。
もちろん今すぐに、と言うわけではない。親同士や色々あるし、ましてやシャルは王族だし。
子爵の三男である俺が二人を嫁にもらえるのかって? この世界の冒険者はSランクであれば王族、貴族の身分を超えて結婚も出来るのだ。俺は水神級の加護もあり冒険者としては有能らしいので、シャルパパ、マリアパパからも内々に婚約的な話はもらっている。
あとは本人たちの気持ち次第だと思う。
卒業式だ。特にする事はない、座って話聞いて立って礼して座るくらいのものだ。これで会うのが最後になる人もいるだろうけど、進路が同じとか仲が良いとかじゃなければ連絡してまで会おうとは思わないのが学校の友達だ。
そんな事より大事なイベントがある、告白だ。
クリフに相談したらそう言う場合は二人同時に告白するそうだ。そういうところは異世界なんだなぁ。変わってんなぁ。
二人とも呼び出す、だいたい二人でいるので揃って来る。
やばい、緊張する。
前世でも残念ながら御縁が無くて、告白なんてした事ないからな。
「何?ネロ、どうしたの?」
「なんか用?」
二人とも卒業式なので特別な衣装だ。
「あの、二人ともとても綺麗だね」
「そう?ありがとう」
「へへー、奮発しちゃったんだ。可愛いでしょ?」
ああ、うん。本当に綺麗だし可愛いよ。
「二人にお願いがあるんだ。これからもずっと一緒にいて欲しい。だから、結婚を前提にお付き合いして下さい」
「「‥‥‥」」
目標は完全に沈黙、これは大滑りか?
沈黙が長い、長く感じる‥‥‥。
でも二人とも赤くなってきた。
「はい」 とシャル。
「もちろん」 とマリア。
「「て、言うか遅い‼︎」」怒られた。
「ワタシはそのつもりだったわよ、じゃなきゃ旅行とか行かないでしょ?」
「私だってそうよ、こんなに一緒にいたらそうに決まってるでしょ?」
あ、コレは日本人特有の「告白されてないから付き合ってません理論」に染まっている俺のせいだな。
まぁでもこれで他人に取られる事は無くなるだろう、全くないとは限らないけど。
次は経済面の充実だがそれは問題ないのだ。以前にサラに言われるまで気が付かなかったのだが、ポーションを作って売れば良かったのだ。盲点だった。
で、一通り落ち込んでからギルドに相談しに行った。大きいお金の話なので相手はギルマスだった。
「少量なら買い取ってもいいが、大量に定期的に、となると製薬ギルドとの関係もあるから難しいな。製薬ギルドに卸してみたらどうだ?」
紹介状を書いてもらって製薬ギルドへ行ってみた。
「ポーションだけでなくミドルポーション、マナポーションも出来るなら引き取り出来ます」
そして味や香りも俺の物の方が質が良かったので、少し色を付けてくれたらしい。
コレを二年間続けた、今はとりあえず移転とかはしないのでこれからも続けて定期収入になるだろう。
どうせ夜の訓練でポーション類は作るからな、有り余ったポーション類でお金が入って来るなら一石二鳥というものだ。
それに加えて冒険者としての魔石収入、討伐報酬、依頼収入、マチルダ先生のバイト収入とあるので今は結構なリッチマンだぜ。
あとは住むところか。家でも買うか?来週には寮を出ないと行けないしな。
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