転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー

芍薬甘草湯

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冒険者 編

ドラゴンをクエストする

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「わかったニャ、行くニャ」
「あちしも行くよ」

 二人が決断してくれた。
 よっしゃ、ドラゴン狩りだ。ドラゴンの肉は相当珍しいらしい。なら、サプライズにピッタリだ。なのでナタリーにも秘密にしておいた。その日は俺、ローズ、サラでダンジョンに潜ると言っておいた。

 そういえば火山ガスとかあるよな、いつもより入念な準備にマスクとゴーグルも用意しておこう。

 レッドドラゴンがいるという火山地帯にやってきた、硫黄臭がすごい。ローズとサラは辛そうだ。

「ネロ、臭いニャ、卵が腐った匂いニャ」
「あちしらは旦那達より鼻が効くから辛いよ」

「マスクとゴーグルを着けよう、そんで少し待ってろ」

 火山ガスの腐卵臭は確か硫化水素だった気がする、まぁ簡単に言えば毒だ。ほんの少しなら大丈夫だが長時間吸うのは不味かろう。

 解毒ポーションを取り出し霧状に散布する。しばらくすると腐卵臭が消えた、大丈夫かな?

「ニャー、臭いが消えたニャ」
「旦那、なんかしたのかい」
「とりあえず解毒ポーションを散布してみた、これからまだまだ続きそうだからな。ポーションを鼻の中にも散布しよう」

 通常ポーションを鼻に点鼻する、前世で花粉の時期よく使ってたな、もちろんポーションではなくステロイド系の薬だったけど。

「ニャー、ネロ何したニャ?」
「普段より鼻が調子いいぜ」
「ポーション点鼻薬は効くんだなぁ、これも商売になるかなぁ?」

「瘴気が強くなってきた、そろそろドラゴンの縄張りだろうぜ」
「もう少し散布しておくか。あと‥‥‥そうだな、マスクにも纏わせておこうか」

 解毒ポーションミストを二人のマスクに纏わせる、戦闘中にポーションミストの範囲を超えてしまうかも知れないからな。

「全然苦しくないぜ」
「普段と変わりないニャ」


「なんだか全然出てこないな、本当にいるのか?」

「そんな事言ってると出るニャ」
「足跡があるぜ、これを辿って行けばいるんじゃないか?微かに匂いもするし」

 ドラゴンを狩りにわざわざ来たのだ、出てもらわないと困る。ミストサーチも同時に展開しているが硫化水素の影響かイマイチわかりにくい。この状況だからサラの索敵はありがたい。

 事前に決めていた作戦はこうだ。

 不意を付ける状況なら不意打ちで。

 同時に遭遇してしまったらローズとサラに撹乱してもらう。
 二人とも素早いのでドラゴンの大振りの攻撃は当たるまい。ドラゴンブレスの対策として二人には俺の作った俺式アイスシールドを持たせてある。
 ドラゴンブレスに耐えられないかも知れないが無いよりはマシだろう。俺は闇のマントがあるのでブレスも大丈夫だろう。

 いた!サラのお陰で不意を付けそうだ。オプションをドラゴンの鼻先まで飛ばすと珍しそうに注目している。そりゃ見た事ないだろうな、どれ、少し試してみるか?

ババッ

 オプションからウォーターバレットを放つ、当たると同時に蒸発した。まぁそうだろうな、予定通りだ。

 ドラゴンが怒り出す、オプションを喰らおうと噛みつきに来た。
 これも予定通り、大口を開けたところに狙い済ませたアイスピラーを撃ち込む、口の大きさくらいのヤツだ。ドラゴンの後頭部から氷柱の先端が飛び出る。

 ドラゴンがゆっくりと、倒れる。
 よし、倒せたみたいだ。キラキラして消滅していく。
 ドロップ品は牙、爪、鱗、血、皮。


 ローズとサラが飛びついて来た。嬉しいのだろう、ドラゴンの討伐は他のモンスターと意味が違ってくる。

「やったぜ、あちし達『ドラゴンバスターズ』だ‼︎」「ネロ凄すぎるニャ‼︎愛してるニャ!」
 身体を擦り付け、顔を舐め回された。


 だが俺の顔は沈んでいる。気付いた二人が心配してくる
「旦那、嬉しくないのか?」
「ネロ、どうしたニャ?」

「‥‥‥肉がねぇ‼︎‼︎」
「「ニャ‼︎」」

「もう一頭狩るぞ!」
「「ニャ⁉︎」」
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