139 / 171
第二部 家庭編
ペイキンのギルドマスター
しおりを挟む俺はオーガスト。千年帝国チーナの帝都ペイキンの冒険者ギルドマスターだ。
このところ、サンドワームが帝都付近で発生している。
そのせいで国防大臣から冒険者ギルドと魔術ギルドに討伐命令が下った。
もちろん帝国府の方でも動いているようだが、こちらも冒険者達に討伐依頼を出さねばならない。
サンドワームは獰猛でヒトを襲う。更に土地の水分を奪う本当に厄介極まるモンスターだ。
全く魔術ギルドと共闘とは面倒な話だ。いつもあの亜人のギルマスはアレやこれやと口うるさい。今回の件で立場をわからせてやるとするか。
冒険者ギルドに居る最適なメンバーは‥‥‥やはりSランクのサイラスのパーティーだな。剣の腕は一流、魔法だって四属性持ちのテトラマジシャンでもある。素行は少し問題あるが、実力は問題無い。
早速呼び出す、が女を囲って昼間っからやりたい放題してるので遅くなりそうだな。
魔術ギルドのクリスの推薦は‥‥‥ネロ? なんだコイツ? なになに、隣のヤーパンの冒険者? そんな遠くから呼んでどうするんだ?
そしてSランク!? 本当かよ。あんな小さい国にSランク?
しばらくしてサイラスと仲間たちがやって来た。昼間っから呑んでいるから酒臭い。
「ギルマス~、指名依頼だって? 俺達を指名するなんざ随分と困ってんのか?」
「あぁ、その通りだ。サンドワームが大量発生してしまってな‥‥‥、お前達に頼るしか無さそうなんだ」
「ヒャハハ! 砂ミミズなんぞ敵じゃねぇぜ。大船に乗ったつもりでいてくれ! ヒャハハ!」
ーーしばらくしてーー
ギルドの一階の酒場が騒がしい。何事だ?
サイラスの奴、また新人冒険者にでも絡んでいるのか? 全く困った奴だ。
どうやら、猫獣人の冒険者二人に絡んでいるみたいだな。見覚えが無いな、やはり新人か‥‥‥
「お前らみたいな新人を可愛がってやるって言ってんだよ」
「うちらだってSランクパーティーニャ! バカにするニャ!」
「あん? お前らもSランク? 嘘ついてんじゃねーよ! お前らはいいとこBランクだろ!?」
「ちきしょう、こいつら‥‥‥」
Sランク? サイラス達以外にいたか?
いや、この国にはあと一人しかいないはずだ。
そう言えばさっきの誰だっけ? んーと、そうだ! ネロって冒険者の仲間か?
おっと、これ以上の騒ぎはマズイ。
止めに入ろうか。
「旦那! こいつら黙らせてくれよ!」
猫獣人の一人がそう叫んだ途端、意識が飛んだ。
目が覚めたが‥‥‥‥‥‥
何が起きたのかわからん。
受付嬢によると、サイラスのパーティーと俺が急に倒れたそうだ。
何が有った? 後方から来た黒髪の冒険者が何か動いたようにも見えたが‥‥‥。
「‥‥‥あのクソ猫どもがぁーーー!!!! 舐めたマネしやがってぇーー!!!!」
「あの黒い男に不意打ちされたみたいねっ! やってくれるわ‥‥‥許さない‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥殺す」
あーあ、サイラス達キレてるよ。こうなるとどうやって止めようかな。
ギルドの外で何かする分には、ギルド不介入だし‥‥‥
何者か知らないけど、ご愁傷様‥‥‥
1
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む
凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる