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12 ギルドで鑑定
しおりを挟む「あら、レン君! 焼きたてのパンをあげるよ!」
「ありがとう!」
アッシュと別れてから俺は、ツギノ町で自分の能力を伸ばそうと頑張っていた。
子供ということで、町の人は俺のことを気にしてくれて【パン屋】のおじさんからパンをもらったり、【お菓子屋】の店員さんからは手作りのお菓子などもらったり、していた。
町の人達は、良い人ばかりだった。居心地がよくて、このまま町の子になりそうな気分だったので気を取り直して頑張る。
「さて。どんな組み合わせで、何の薬が出来るか試してみるか」
アッシュにもらった【魔力のツボ】を使う。
【魔力のツボ】に薬草と図鑑に載っていた黄色い花を入れると傷薬(塗り薬)が出来た。これは植物図鑑に書いてあって作れた。
初心者が作る、一番簡単な薬の作り方らしい。
薬草と黄色い花はまだあったので、作ってみる。うまくできるかな……?
俺は宿屋の自分の部屋でテーブルの上に材料と【魔力のツボ】を置いた。そして薬草と黄色い花を【魔力のツボ】に入れてみる。
カパッとフタを外して中を見てみると、中で激しく渦を巻いていて光っていた。ツボの底が見えなかった。
「……これは見てはいけないものかな」
顔をツボから避けて、中へ薬草と黄色い花を入れてフタを閉めた。
「それから……。念じる! かな? 良い薬が出来ますように!」
ポン! 薬がツボから飛び出してきた!
「できた! よ――し! もう一回!」
俺はまた同じように、薬草と黄色い花をツボに入れて作った。
ポン!
「できた! もう一つ!」
ポン! 傷薬(塗り薬)が、三つできた!
「ふう……。動いてないのに疲れる。念じているだけなのに」
少し休憩して植物図鑑をパラパラとめくった。
「あれっ? う――ん。他に、この植物図鑑に載ってないのか……」
【止血と消毒の効果のある薬の作り方・傷薬】の作り方しか載ってなかった。
「でも傷薬の作り方は覚えたし!」
テーブルの上に広げた、手元にある薬草を分けていた。「あれ? これ、毒草じゃないか?」
布越しに持ってよく見てみると、やっぱり毒草だった。
「危ない……。毒草は【道具屋】に持っていくか。作った傷薬も売りに行こう」
俺はカバンを持って【道具屋】へ向かった。
『いらっしゃい!』
出迎えてくれたのは【道具屋】の店主。ハジメノ町の【道具屋】の店主とすごく似ていた。
「傷薬二つを売りたいのと、毒草を間違って採ってきたみたいで。それは売れますか?」
『傷薬は売れますが、毒草は【魔道具屋】へ持っていって売ってください。材料になりますから』
「ありがとう」
店主の話を聞いて、この後に【魔道具屋】へ行ってみることにした。
『おお! これは質の良い、傷薬ですね! あなたが作ったのですか?』
「そうですが……。質の良い傷薬?」
『そうですよ! この傷薬は上質なものです! ええ、間違いありません!』
フードを被っていて顔は見えないけれど、興奮しているみたい。
「お名前は、レンさんでしたかしら? ギルドで色々調べて……、鑑定してもらった方がいいですよ」
ギルドで鑑定か……。そうだな、調べてもらいたい。
「そしてまた、質の良い薬や他のモノを持ってきてください!」
「は、はい……」
【魔道具屋】の店主は、キラキラした目で毒草を受け取っていた。怖かった。持ってきたモノは、なかなか良い値で買い取ってもらえた。
「ふう。ギルドに行って鑑定してもらうか」
この町はまだ隅々まで調べていない。町を散策しながらギルドへ行くことにした。
【パン屋】、【お菓子屋さん】に【道具屋】【魔道具屋】。【宿屋】に【武器防具屋】もある。ハジメノ町は木でできた建物が多かったけれど、ツギノ町はレンガの壁の建物が多い。左右にお店が並んでいる。
『いらっしゃいませー!』
人で、にぎわっていた。俺は人を避けながら進んだ。商店街みたいなところを過ぎて行くと、住宅街だ。
「こうして見ると本当に異世界、ゲームの世界だな……」
だけどちゃんと俺も町の人も、生きている。不思議な感じだ。
【ギルド】
『いらっしゃい!』
美人なお姉さんが元気よく挨拶をしてくれた。
「あの、鑑定をしてほしいのですが……」
そういえばどんな風に鑑定するのか聞いてなかった。
「鑑定? まだだったんだ? もうとっくに済んでいたかと思ったわ」
お姉さんはカウンターの後ろから、一枚の紙を目の前に置いた。
「ちょうど冒険者のみんなは、依頼を受けに行ってギルドにいないわ。どんな鑑定が出ても平気よ?」
良かった、誰もいなくて。
「ん? 紙……ですか? 何を書くのですか?」
紙に何か書くのかと思ったけれど、筆記具がない。
「いいえ。手のひらを紙の上へ乗せてください」
紙の上に乗せるのか……。なにか呪文みたいのが書いてあるようなので魔法がかけられているのかな?
そっと、紙の上へ手のひらを乗せた。
「わあ!」
乗せた途端に魔法陣が浮かび上がって、眩しく光った!
「七色の光!?」
お姉さんは驚いている! なにか、やばいのかな!? 俺、何もしてないよ!
まだ光っている魔法陣は、手首より上に浮かび上がった。
『七色の光、七色の精霊……』
お姉さんは驚いた顔で俺を見ていた。
俺には、何が何だかわからなかった。
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