ゲームの世界(異世界)へ、モブ(子供キャラ)として転移してしまった

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44 お城の図書館で

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  頬と額にある赤黒い石の結晶は痛々しくて、女の子だとよけいに辛いだろう。あんまりジロジロ見るのは失礼だから違うところを見た。

 『いつ頃だったでしょうか……』
お姫様は下を向いて、考えながら話し始めた。
『結界石に祈りを捧げていましたら……。突然、結界石が壊れてしまいました。何者かが、結界石を破壊したようです』
 手を握って、震えている。レミさんが近寄ってお姫様の手を握った。

 『結界石は赤黒い石へ変化してしまって、それからきりのようなものが拡がっていきました』
 「姫様、御無理をなさらずに……」
 コクンとお姫様は頷いた。
『その時、赤黒い霧のようなものがわたくしの全身を覆ってしまったのです』
 辛そうにお姫様は、一生懸命に説明してくれた。

 「辛いお話を聞かせてくれてありがとう御座います、姫様」
 結界石が赤黒い石に変化。それから赤黒い霧のようなものが、拡がっていった? それは……。

 「少し……、疲れました。休んでもいいかしら?」
 「はい。また後ほど」
 レミさんは合図をして、メイドさん達はレースを元に戻した。
 「では我々は退室いたします。ゆっくりお休みになられて下さいませ」
 礼をしてレミさんと姫様の部屋を出た。だいぶ体が弱っていた感じだった。呪い……か。

 お姫様の様子を見て、どうにかしてあげたいと思ったけれど……。お医者さんが診て治療できないことを、俺達ができるのか。
 「ん? レミさん、今度はどこへいくの?」
 お姫様のことを考えながらレミさんの後をついていったけれど、今度はどこへ行くのだろう? 行き先を聞いてなかった。
 「陛下に謁見できるのは少し時間がかかりますのでその前に、レン様に見ていただきたいものがあります」

 
  お城に中をぐるぐると進んでいった。俺一人だったら絶対に迷う。またしばらく歩いていくと大きな扉の前でとまった。
 「こちら、お城の中にある図書館です。特別に許可を取っておりますので入りましょう」
 ギギギギ……と重い扉が開いた。

 「わぁ……」
 床から天井近くまで、壁際に本棚があってぎっしりと本が並べてあった。レミさんは図書館の中へ入っていくと、係の人に話しかけていた。
 「鍵を借りてきました。行きましょう」
 レミさんに言われてついていった。

 床は絨毯が敷かれていて、さすがお城の図書館だなと思った。圧倒される本の数に上を向いていたら、首が痛くなった。
 「この奥の部屋になります」
 レミさんは奥の部屋の、扉の鍵を開けた。扉に『閲覧禁止・許可の無い者の立ち入り禁止』のプレートがあった。

 こちらは壁側に並べられた机の上に分類された本棚がたくさんあって、椅子に座って閲覧できるようになっている。さらにその奥に、厳重に透明なケースに守られてある厚い本があった。
 「こちら、厳重に保護されています。まだ触らないように。開けますので、お待ちになってください」
 レミさんが厳重に守られていると言った。俺から離れて、誰かを呼びにいった。

 興味津々で俺はジッと見た。ステータス画面が出てきて自動に鑑定していた。
 「へ? 道具も鑑定して見える?」

 【魔道具】
 ☆水晶を魔道具士が加工して、さらに三つのカギがつけられている(見えないようになっている)魔道具の箱。
 開けるには、魔道具士レベル三十以上が必要。トラップもかけられている。製作者:ロイ

 「なるほど。レベル三十以上か。しかも、トラップも仕掛けられている」
 腕の良い魔道具士が作ったのだろうと感心していた。あれ? ロイさんが作ったじゃん!

  「お待たせです、レン様」
 じっくりと魔道具を見ていたら、レミさんが戻ってきたので俺は振り向いた。
 「あ」
 見覚えのある人物がレミさんの後ろにいた。

 「先日ぶりだね! レン君」
 ローブを羽織った、滅ぼされそうになった町の【魔道具屋】店主のロイさんがいた。今日はローブ姿だけど、変わらずキラキラしていた。お城が似合う人ってなかなかいない。
 「こんにちは、ロイさん。この間はありがとうございました」
 俺はロイさんにお辞儀をした。

 「この【魔道具】はロイさんが作ったようですね」
 俺が厳重に透明なケースを指さした。
 「え? レン様、なぜそれを? 魔道具と、一言も言っていませんが……」

 あ、しまった。
 「こんなに厳重なら【魔道具】かな――、と思って!」
 また笑ってごまかした。ごまかせないような気がするけど。
 「そうか。……では、開けていくね」
 ロイさんがさっそく【魔道具】のケースを開け始めた。

 俺はこの【魔道具】に興味を持った。どうやって作ったのも気になるけれど、カギやトラップはどんなものなのか。見えないカギはどこにあるのか? ……など。

 ロイさんはカバンからいくつかの道具を取り出した。ドライバーやレンチなどが、ふわりと空中に浮いた。
 「まあ……!」
 レミさんは邪魔にならないように、ロイさんから離れた。

 「レン君、よく見ていて。君にも手伝ってもらうから」
 ロイさんはそういってまぶたを閉じた。少しも動かずに、神経を集中させていた。
 「俺も?」
 俺にもできるのか? 

 ロイさんは気にせず【魔道具】を開けるのに集中した。何か……。オーラのようなものがロイさんの体を包み始めた。

 
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