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第27回『マッチ棒 宝石 掌握』
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YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第27回『マッチ棒 宝石 掌握』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間7分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=DqEIwzFQIAs
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
~・~・~・~・~
夜のバーでQはXに手品を披露していた。
Qはカクテルを何杯も飲んでいるというのに、相変わらず鮮やかな手つきだった。
「ほら、よく見てろよ。このコインが……1、2、3!」
Qの右手にあったコインは瞬時に消え、Xが手元のナプキンをめくると消えたコインが現れた。
酔いも手伝ってXは歓声を上げた。
「おお、すげえな。どうやったんだよ。」
「ふっ、ディスイズ魔術さ。」
Qは不敵な笑みを浮かべながら両手を空中に揺らしてふざけた。
Qは人を驚かしたりだましたりするのが趣味で、いつも何かしらネタを仕込んでは会社帰りの飲みの場でその成果を見せるのを楽しみにしていた。
しかもその日の飲みの相手はノリがいいことで会社の中でも評判なXだったから、Qはどんどん調子づいていった。
「いつも理論や理屈で生きてるお前にはわからないだろうがな、この世には数式では説明できない理というのもあるのだよ。」
Xはグラスを傾けながら笑った。
Qはカウンターを見るとマッチ箱があることに気付き、マッチ棒をバラバラと取り出した。
そして手品を見せるときと変わらない手つきでマッチ棒をカウンターに並べ、数式を作り出した。
「数式と言えばこれだな。どうだ、X。この中からマッチ棒を1本だけ動かして数式を完成させてみろよ。」
「お、マッチ棒クイズか。懐かしいな。う~ん。」
Xは腕を組んで数式を真上から覗き込んだが、アルコールの回った頭ではなにも思い浮かばなかった。
「これ本当にできるのか?」
首をひねって考え込むXの姿にQは問題を出した甲斐があったとうれしくなった。
「当り前だ。ひっかけ問題じゃないぜ。」
Qは一休みするようにカクテルを一口飲むと、横にいたおじいさんに目が付いた。
このおじいさんは確か自分たちが来るよりも先にこの席に座っていて、ずっとスコッチをちびちびと飲んでいた。
飲むスピードがあんまりにもゆっくりすぎて、Qにはスコッチが一向に減っていないようにも思えた。
「どうです、おじいさん。僕たちの話は聞いてたでしょう? この問題解いてみませんか。」
Qは早くも音を上げつつあるXに物足りなさを感じたのか、それともこのおじいさんに興味を持ったのか、彼にマッチ棒クイズに参加するよう促してみた。
おじいさんはマッチ棒クイズを一瞥した後、マスターにお会計をしてゆっくりと立ち上がった。
QとXはおじいさんはそのまま帰るのかと思ったが、二人の間に立ち止まりその動きと同じくらいゆっくりとしゃべり出した。
「そうだな。なら儂がこれを解けるか賭けないか。金目の物ならなんでもいい。」
おじいさんの冗談とは思えぬ迫力に二人は酔いが醒めた。
「賭けるってのはちょっと……。それにもしおじいさんがこの問題を知っていたら……。」
なだめようとしているQにかまわずおじいさんはカウンターに手を伸ばし、しわくちゃの手でマッチ棒を全てつかみ取り拳をぎゅっと握りしめた。
「儂にこの問題は解けぬ。儂の負けだ。」
おじいさんが拳をぱっと開くとそこにはマッチ棒がなく、かわりに青く光る美しい宝石がカウンターに転がった。
QとXは夢でも見てるのかと声を上げることもできなかった。
「なるほど。確かに君の言うとおりだ。この世には数式で説明できぬ理がある。ならば君、その理を掌握する者ならば数式は成立させるのではなく破壊するべきだとは思わんかね。」
おじいさんはくるりと向きを変え、店のドアへと歩いていった。
「マッチから生まれたその宝石は本物だよ。楽しませてもらったお礼に取っておきなさい。」
~・~・~・~・~
~感想~
宝石と掌握で怪しげな雰囲気を連想し、また、マッチ棒クイズは数式を成立させるものなのでそれが成立しない錬金術師のような人の話にしました。
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第27回『マッチ棒 宝石 掌握』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約1時間7分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=DqEIwzFQIAs
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~・~・~・~・~
夜のバーでQはXに手品を披露していた。
Qはカクテルを何杯も飲んでいるというのに、相変わらず鮮やかな手つきだった。
「ほら、よく見てろよ。このコインが……1、2、3!」
Qの右手にあったコインは瞬時に消え、Xが手元のナプキンをめくると消えたコインが現れた。
酔いも手伝ってXは歓声を上げた。
「おお、すげえな。どうやったんだよ。」
「ふっ、ディスイズ魔術さ。」
Qは不敵な笑みを浮かべながら両手を空中に揺らしてふざけた。
Qは人を驚かしたりだましたりするのが趣味で、いつも何かしらネタを仕込んでは会社帰りの飲みの場でその成果を見せるのを楽しみにしていた。
しかもその日の飲みの相手はノリがいいことで会社の中でも評判なXだったから、Qはどんどん調子づいていった。
「いつも理論や理屈で生きてるお前にはわからないだろうがな、この世には数式では説明できない理というのもあるのだよ。」
Xはグラスを傾けながら笑った。
Qはカウンターを見るとマッチ箱があることに気付き、マッチ棒をバラバラと取り出した。
そして手品を見せるときと変わらない手つきでマッチ棒をカウンターに並べ、数式を作り出した。
「数式と言えばこれだな。どうだ、X。この中からマッチ棒を1本だけ動かして数式を完成させてみろよ。」
「お、マッチ棒クイズか。懐かしいな。う~ん。」
Xは腕を組んで数式を真上から覗き込んだが、アルコールの回った頭ではなにも思い浮かばなかった。
「これ本当にできるのか?」
首をひねって考え込むXの姿にQは問題を出した甲斐があったとうれしくなった。
「当り前だ。ひっかけ問題じゃないぜ。」
Qは一休みするようにカクテルを一口飲むと、横にいたおじいさんに目が付いた。
このおじいさんは確か自分たちが来るよりも先にこの席に座っていて、ずっとスコッチをちびちびと飲んでいた。
飲むスピードがあんまりにもゆっくりすぎて、Qにはスコッチが一向に減っていないようにも思えた。
「どうです、おじいさん。僕たちの話は聞いてたでしょう? この問題解いてみませんか。」
Qは早くも音を上げつつあるXに物足りなさを感じたのか、それともこのおじいさんに興味を持ったのか、彼にマッチ棒クイズに参加するよう促してみた。
おじいさんはマッチ棒クイズを一瞥した後、マスターにお会計をしてゆっくりと立ち上がった。
QとXはおじいさんはそのまま帰るのかと思ったが、二人の間に立ち止まりその動きと同じくらいゆっくりとしゃべり出した。
「そうだな。なら儂がこれを解けるか賭けないか。金目の物ならなんでもいい。」
おじいさんの冗談とは思えぬ迫力に二人は酔いが醒めた。
「賭けるってのはちょっと……。それにもしおじいさんがこの問題を知っていたら……。」
なだめようとしているQにかまわずおじいさんはカウンターに手を伸ばし、しわくちゃの手でマッチ棒を全てつかみ取り拳をぎゅっと握りしめた。
「儂にこの問題は解けぬ。儂の負けだ。」
おじいさんが拳をぱっと開くとそこにはマッチ棒がなく、かわりに青く光る美しい宝石がカウンターに転がった。
QとXは夢でも見てるのかと声を上げることもできなかった。
「なるほど。確かに君の言うとおりだ。この世には数式で説明できぬ理がある。ならば君、その理を掌握する者ならば数式は成立させるのではなく破壊するべきだとは思わんかね。」
おじいさんはくるりと向きを変え、店のドアへと歩いていった。
「マッチから生まれたその宝石は本物だよ。楽しませてもらったお礼に取っておきなさい。」
~・~・~・~・~
~感想~
宝石と掌握で怪しげな雰囲気を連想し、また、マッチ棒クイズは数式を成立させるものなのでそれが成立しない錬金術師のような人の話にしました。
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