飼われる側って案外良いらしい。

なつ

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2.救い?

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よし…先ずは大人しく飯を食べる。食べたらお礼はするだろ?で、ちゃんと休むって伝えて、それから…

僕は仕事に行く。

よし、これでいこう

脳内でシュミレーションを行いこっそり意気込み、何事も無かったかのようにだし巻き玉子を箸で掴み口へ運ぶ。
崩れかけのそれは見た目こそ少し不格好だが、甘めで紫ヶ崎の好みの味だった。

美味しい、し…あたたかい。

漬物を齧る。小さな口に白米も一緒に詰め込み夢中で咀嚼し飲み込み、味噌汁を啜った。
しっかりとした食事をとるのはいつぶりだろうか。紫ヶ崎が今の職場に就職して最初の頃は、せめて身体だけはと自炊をしていた。しかしそれも出来なくなるくらい忙しくなり心はすり減り、何も出来なくなっていたしする気もなくなってしまった。

「ふふ、良かった」

心底安心したといった声音にハッとして顔を上げる。

「……後で何か金品やお金を要求されても出せませんよ、僕」

素直な美味しいの代わりにそんな可愛げの無い言葉を吐いた。

「いいよ、俺はそんなのより紫ヶ崎君の信頼と安心と笑顔が欲しいかな」

多すぎるだろ。ていうかそんなの、って。金銭に対してそんなのって…感覚が違いすぎる…

「そーですか」

色々突っ込みたいところはスルーして、食事を続ける。
正直味は悪くない、どころかかなり気に入っていた。満面の笑みでずっと見つめられる居心地の悪さを除けば、間違いなく人生の中で1番穏やかな食事となっただろう。思わずふぅ、と気が抜けそうになる。それから静かに食べ進め最後にお茶を飲み完食。

「食べれたね?よしよし、偉い偉い」

此方へ伸びた手に一瞬目を瞑りかけ、やめた。素早く体ごと反らせばタルアは酷く悲しそうな顔をする。

「そんな顔されても…子供ではないので頭を撫でられても嬉しくないです」

「えっ、君って成体なの!?幼体じゃなくて!?」

「はっ?失礼な、誰が幼体だって!?どこからどう見ても成人男性だろうが!」

目を見開き何を言い出すかと思えば遠回しにチビだという失礼極まりない発言に、我慢ならないとテーブルを掌で思いっきり叩き立ち上がる。怒りのままにこれまでの勝手な諸々についても一言物申そうと口を開きかけ────、

「大体貴方はッ…ぅ…」

閉じた。

力なく床に座り込み口元を抑える。

「し、紫ヶ崎くん?紫ヶ崎くん、大丈夫…っ!?」

「きもち、わる…といれ…」

よく考えなくても分かることだった。何年もろくな食事をとっていない、1日1、2食の人間の胃が急にまともなご飯を受け付けられる訳無いなんてこと。
タルアは眉を顰める紫ヶ崎をゆっくり抱き上げると、トイレへ連れていった。

「ありがとうございます…ここで、いいんで…」

降ろして、という意を込めタルアを見る。
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