Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―

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第二章 ふた月前

32 投票日に芽生えた怨念

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「準備、いい? 」
「おけー! じゃ、マイク、おんっ! 」
「『10時になりました。
 あー、こちらは、KB-1(カー・ベー・アイン)バカロレア臨時放送局です! これより、試験放送を開始します!
 最初に本日、1月10日の帝都、催し物のご案内です・・・』」
「おい! 『あー』はイラン! 」
「あ、はい。」
「『あ、はい』もイランちゅうの! 」



 元老院の東隣。
 緑のキャンパスの一隅にある、理学部電波工学科の一室で、なにやら大きな機械の周りに数人の学生が固まっていた。
 みんなレシーバーをかけ、ひとりは計器を、ひとりはミキサーのカフを、ひとりがモニターを、一人が窓の縁に腰かけて、そこから見える遠く緑の芝生の真ん中でヘンな木の箱とにらめっこしてるヤツと手旗でやりとりしていた。
 もうひとりのメガネの女子学生が、顔より大きなマイクに向かって何やら喋っている。手には原稿らしき紙を持って。
 そして、その教室中でも一番偉そうな、腕組みして状況を見守っていた長いふわふわの赤毛の女子学生が、窓辺の手旗を持った男子学生を睨んだ。
 窓辺の学生が親指を立てた。
 赤毛の女子学生は大きく頷き、彼女もまたその場のみんなに無言で親指を立てた。

 今日、ルディー9年1月10日。

 この日は、帝国で初めてラジオの本放送が始まった日として歴史に残るだろう。

 チームの責任者、電波工学科講師として大学院の指導教官を務めているアン・マーグレットは、ホッと大きな息を吐いた。

「ヤヨイくんも軍隊に行っちゃったし、ミヒャエルも海軍に行っちゃったし。
 キミしか頼れる人がいないんだ!
 たのむぞ、アン! キミだけが、頼りなんだ! 」
「そこまで言われちゃったら、断れないじゃないですか、フェルミ先生・・・」

 気位が滅茶苦茶高い女である。
 体よくコロがされてるのも知らず、多少もったいぶったものの、アンが「帝国のラジオ放送ネットワークの構築」という困難な事業を引き受けて半年になる。

 冗談抜きで電波工学科に人材が不足しているのは事実だった。
 今も、ここにいない学生が、帝国全土と東西の外国まで行ってこの初のラジオ放送のために働いている。
 帝都から数千キロ。
 はるか北の同盟国クラスノシビルスク近郊にある第十三軍団前進基地にひとり。
 東の友好国、ノール王国の首都オスロホルムに海路向かったのがひとり。
 南のキール、ターラントの駅、マルセイユにひとりずつ。
 新たに帝国領土となった西の果て、ナイグンにひとり。
 北西のドンとの国境に展開する第17軍団の司令部にひとり。
 さしわたし7千キロ以上に及ぶ、旧ユーラシア大陸のほぼ七割にあたる広大な範囲に、学生たちを手回し式のラジオを持たせて送り、帝国初のラジオ放送のモニターをしているほどなのだ。



 もちろん、人材不足はアタマ数だけではない。
 つい2年前まではアンの同窓だった、ヤヨイやミヒャエルだけではない。フェルミ先生はじめ、多くの優秀な研究者・学生が工業技術院に引き抜かれていって研究室からいなくなっていたのだ。最先端の電波技術、「電波索敵装置」レーダーの研究・開発のためである。
 それなのに帝国からは、
「ぜひラジオ放送を実現したい! 協力をお願いする! 」
 だから、アンのような「人妻」も駆り出されているのだ。
 ヤヨイという、帝国の『軍神』と関わったばっかりに最新鋭の軍艦に乗せられ、思ってもみなかった「戦艦ミカサ」を巡る事件、軍事作戦に巻き込まれた。
 でも、過ぎてしまえばもう「武勇伝」で、「馴れ初め」。
 そのお陰で、高飛車過ぎる性格が災いして男に恵まれなかったアンにも、生涯を添い遂げるに値する素敵なだんな様、海軍士官の夫が出来た。
 そして、夫が航海中のヒマを後進の指導に当て、お国のために尽くしているのだった。

「『次に、選挙の話題です!
 本日正午より、元老院前広場でパラティーノ区元老院議員補欠選挙が行われます!
 正午より投票終了まで、元老院前広場には立ち入り禁止になりますのでご注意ください!
 次のお知らせは・・・』」







 元老院前広場の東。
 ややバカロレア側に寄った片隅に設えられた日時計を睨んでいた小学生廷吏のひとりが、石段を上がったはるか上、エンタシスの立ち並ぶ元老院会議場正面に立った議長、同じ帝都の小学生である、純白のテュニカ姿のルース・ギンズバーグ嬢を見上げ、声を上げた。



「12時です! 」
 少女議長は頷いた。
 傍らの内閣府役人に会釈し、彼女もまた、大きな声で宣言した。
「これにて、投票を締め切る! 廷吏は集計を! 」
 恒例ならば、議長と日時計係を除いた10人の廷吏が、広場の西と東にそれぞれ立った立候補者の周りに集まった「投票者」の数を数えるのだが・・・。
 それは、誰が見ても一目瞭然だった。
 西の、目の醒めるような蒼のマントのヴァイデンフェラーの周囲に集った「投票者」の圧倒的な数の顔役たちに比べるべくもない、東のモンゴメライ陣営にいた数人の顔役たちはバツが悪そうに西に移動した。
 それだけではない。肝心の、立候補者の姿さえいなかったからである。
 もはや、集計すら無用の状況であったのだった。
 だが、形式は形式だ。
 小学5年生の、議長職に就いて間もないギンズバーグ嬢には、投票のあるべき姿など配慮している余裕はなかった。
 傍らの役人に促されるまま、真剣な顔つきで石段を駆けあがってきた同じ5年生の男の子の口上を、やはり真剣な顔をして、受けた。
「投票総数、32! 西、ヴァイデンフェラ―、32! 東、モンゴメライ、ゼロ! 
 以上です! 」
 ギンズバーグ嬢は、宣した。
「集計の結果、ルディー9年度パラティーノ区元老院平民議員補欠選挙は、ヴァイデンフェラー候補を当選と認める! 
 当選者は、この後内閣府において当選証書を授与する。明日1月11日より元老院会議に参加を差し許すものである! 
 以上を持って、本日のパラティーノ区元老院議員選挙投開票を終了する! 」

 小学生とはいえ、廷吏として白い碁石を掴んだ者の中で最も声が聴きとりやすく、最も肝が太そうな子、という理由で議長に選ばれた。
 まだ11歳の女の子、ギンズバーグ嬢の声は壮大な石段と内閣他官庁のビルに反響し、広場の南、広場通りを挟んだ向こう、フォルム街にまで十分に届いた。
 投票中、候補者と有権者以外広場への立ち入りを制限されていたものの、もう投票は終わった。当選した候補者だけでなく、白いテュニカのかわいい廷吏たちも、内閣府の役人も建物の中に姿を消し、パラティーノ区の顔役たちも表情を緩めて高らかに笑いながら西の下町に帰ってゆき、警備の憲兵隊員もパトロールの当番以外、詰所に引き上げた。


『続いて、今入ったニュースをお伝えします。
 内閣府によりますと、正午から元老院前広場にて行われましたパラティーノ区元老院議員補欠選挙は元老院廷吏の立会いの許行われ、開票の結果、投票総数32、カテリーナ・ヴァイデンフェラー 得票32、リヒアルト・モンゴメライ 得票0。
 パラティーノ区の新元老院議員は 貿易会社経営、カテリーナ・ヴァイデンフェラー氏の当選、とのことです。
 以上を持ちまして、バカロレア臨時放送局の試験放送を終わります』
 




 広場の石畳の上に居るのは、ぽかぽかと温められた石畳に暖を取りに来たハトたちだけだった。
 そのハトたちをじっと見つめるカーキ色の一団がフォルムの端に立ち尽くしていた。
 誰もが、無言だった。
 その無言の重苦しさに、フェルディナントは耐えられぬものを感じていた。
「では、本日は週番司令の任があるので連隊に戻ります」
 聞いていても居なくても、その場を離れたかった。
 サンダルの踵を鳴らし、敬礼をし、フェルディナントは広い通りを横切って広場の端の厩に行き、預けていた馬を曳きだし、東に向かった。
 馬に乗っても、まだヴェリンガー大尉らの見えざる手が肩に重くのしかかっているような錯覚をした。


 一昨日。
 投票日を明日に控えた日。
 フェルディナントがモンゴメライ大将を支援するため、何度目かの外出申請をしに第一大隊長たる彼の上司、アグン少佐に届け出た。
 申請は受理されたが、一言があった。
「先日、旅団長閣下より大隊長以上に訓示があった」
 少佐は、皇帝陛下と同じ南の国、ズーキヒェスラントのご出身だ。
「アグン」という名前は南の国の言葉で「大きい」という意味だと聞いていた。
 その名の通り、体格体重共に大きい、巌のような体躯の持ち主だ。声も、太い。
 近衛に転属されてきただけあって、陛下への忠誠も、揺るぎない。
「近衛の中でも、特にわが『憂国騎士』は、陛下への忠誠を絶対とし、世の政治には関わらぬことを信条とする、と・・・。
 しかるに最近、一部士官の政治活動への介入が、目立つ、と。
 特に名は出なかったが、貴様らのこと言っているのは明白だった」
 少佐のがっしりした手が、肩に置かれた。
「マズいぞ! フェリー!
 貴様の陸士での成績も、今までの軍歴も、すべてオジャンになるぞ!
 これが最後だ!
 貴様のために言う! もう、第一の連中とは手を切れ! 
 いいな? 」



 少佐は正論を仰っている。
 選挙は終わったんだ。校長は、負けた。
 もう、ぼくにせねばならないこと、できることはない!
 少佐の言うとおり、これからはもう、彼らとは一線を引こう。これ以上かかわりを持つと、この身が危ない!


 帝都では年が明けてすぐぐらいの今が一年で最も寒い時期になる。風も冷たい。
 だが、騎乗のフェルディナントは、少しウェーブのかかる亜麻色の短い髪の下にじっとりと、イヤな汗をかいていた。
 
 
 



















 アサシン・ヤヨイシリーズ ひとくちメモ

 63  コールサインについて


「コールサイン(英語: call sign)は、日本の電波法上では『呼出符号』と呼ばれ、識別信号(英語: identification signal)の一つを構成している。国際電気通信連合(ITU)が無線通信規則に従って、コールサインのプリフィックスの割り当てを決定している。このため、ITUプリフィックスとも呼ばれる。コールサインは、数文字のアルファベットおよびアラビア数字から構成し、各国家は、その国家に割り当てられたプリフィックスから始まるコールサインを、自国の無線局に割り当てる。」by wikipedia

 例えば、日本放送協会 NHKラジオ第一放送のコールサインは、
「東京放送局のコールサイン“JOAK"の“J"は、明治41年、逓信大臣名の公達で、海岸局の局名符号の第一文字として定められたものですが、大正2年、国際無線電信条約が発効の際、日本の無線局の符号は、第一文字はすべて国際識別符号“J"を冠することとなりました。」
 ちな、大阪放送局は「JOBK」です。

 NHKHPより
 https://www.nhk.or.jp/faq-corner/4housoubangumi/01/04-01-15.html

 ウィキペディアによれば、

 アメリカ合衆国 AA-AL, K, N, W 4局
 イギリス(及びイギリスの海外領土・王室属領) G, M, VP-VQ, VS, ZB-ZJ, ZN-ZO, ZQ, 2 8局
 フランス(及びフランスの海外県・海外領土) F, HW-HY, TH, TK, TM, TO-TQ, TV-TX 7局
 カナダ  CF-CK, CY-CZ, VA-VG, VX-VY, XJ-XO,VO(ニューファンドランド島) 6局
 インドネシア JZ, PK-PO, YB-YH, 7A-7I, 8A-8I 5局
 韓国 DS-DT, D7-D9, HL, 6K-6N 4局
 中国 B[Note 2], XS, 3H-3U、VR(香港)、XX(マカオ)5局
 台湾 BM-BQ, BU-BX 2局
 日本 JA-JS, 7J-7N, 8J-8N 3局

 大小多くの島からなる国土のインドネシアを別にすれば、多くの植民地を持っていた旧5大国、現国連常任理事国の米英中仏、が多くの割り当てをもらっているのが特徴的です。
 世界中に派兵しているアメリカはともかく、韓国が4局と多いのも目立ちます。

 昔FEN(ファー・イースト・ネットワーク)には小生もお世話になりました。あの早口過ぎるニュースとヒットチューンにはよく耳を傾けたものです。
 同じように、映画「グッドモーニング・ベトナム」に見るように、ベトナム戦争時には現地のラジオ局が派兵された兵士向けに音楽を流してました。
 



 NHKアーカイブズ 第一章ラジオ放送始まる
 https://www.nhk.or.jp/archives/history/r-hososhi/01/





 史実 「二ニ六事件」メモ その10



 田中 勝(たなか まさる、1911年 (明治44年) - 1936年 (昭和11年)は、昭和初期の陸軍軍人。最終階級は砲兵中尉。二・二六事件に参加し、処刑された人物として知られている。

 山口県下関出身。幼い頃に実母と死別する。熊本陸軍幼年学校を経て、1933年(昭和8年)に陸軍士官学校を卒業。陸士在学中に肋膜炎を患ったため、卒業は一期遅れの45期である。この頃より革新思想への傾斜が顕著となり、養母の信子から磯部浅一との面会を止めるよう忠告される。1935年(昭和10年)に砲兵中尉となる。同年12月27日、又従妹の平山久子と結婚。同年末に小岩に転居する。

 1936年(昭和11年)2月以降、蹶起(決起)の打ち合わせのため、自宅を空けることが多くなる。夫妻で過ごす最後の夜となった2月24日には磯部浅一との打ち合わせに新妻を伴ったことが、磯部の記録に残されている。
 2月26日、二・二六事件において、下士官12名に夜間自動車行軍と靖国神社参拝を名目に、野戦重砲兵第7連隊の下士官12名を率いて市川を出発。この際、26日午前3時頃、東京三宅坂への移動途中に自宅に立ち寄っている。
靖国参拝、宮城遥拝の後、午前5時ごろ、自動車隊は陸相官邸に到着し、教育総監渡辺錠太郎及び東京朝日新聞(現朝日新聞東京本社)襲撃の部隊輸送に関与した。

 事件から3日後の2月29日付で従七位返上を命じられる。同年7月5日陸軍軍法会議にて叛乱罪で死刑判決を受けた。7月7日、面会が許可されて妻及び家族と面会し、妻の懐妊を知る。田中の本心を感じ取れなかった妻はもう一度一人で面会に現れ、田中はこれを喜ぶとともに「お前のことを考えたら、おれ、死にきれねえ」と心情を吐露した。7月12日、銃殺刑に処された。満25歳没。

 久子夫人は実家の下関に身を寄せ、同年10月に男児が誕生した。田中は遺書の中で、子の名前と、将来は「国家の干城」となすよう(=軍人にするよう)記していたが、息子は河野壽の兄・司の紹介でサラリーマンになった。久子夫人は資格を取り、幼稚園教諭となり定年まで勤めた。養母・信子は、勝の父の死去後、出家し円信尼となった。


 2.26事件一般社団法人物心会 田中勝
 https://busshinkai.or.jp/150/
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