Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―

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第四章 半月前

46 『ヤマト』の心

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 イマム先生はヤヨイが帝都のリセの生徒だったころの体育教師だった。

 そのころ、ヤヨイは小さくて弱くて孤独だった。
 小学生までは母のもとに居られたが、リセは全寮制。
 初めて母や兄弟たちと別れ、たったひとりになった。
 夜になると心細さがいや増し、極まった。小さくて可愛い下級生を揶揄ってくる上級生の男子が怖かった。だからよく、枕を抱いて寄宿舎の中庭に出ては夜空の月を見上げていた。

 イマム先生は筋骨たくましかった。ウワサで先生がカラテの師範であることを耳にした。一も二もなく、教えを請うた。
「先生、わたしにカラテを教えてください! でもこんなに小さくてはダメですか? 」
 先生は首を振った。
「いいや。カラダの大小は関係ない。技を極めれば、どんな大男でも一撃で倒すことができる。
 だが、どうしてカラテを習いたいのだ」
「わたし、強くなりたいんです! 強くなって、イヤな男の子をやっつけたいんです! 」
 先生は大きな声で笑った。
「うん、気に入った!
 ただし、鍛練はキビシイぞ。ついてこれるかな? 」
「絶対ついていきます! 絶対技を身に着けて、強くなります! 」
 厳しい稽古にヤヨイは必死に食らいついた。
 そしていつしかメキメキと上達し、やがて黒帯を締めるまでになった。
 ただし、稽古には付録があった。
 必死になって稽古に食らいついているうちに、ヤヨイは恋してしまったのである。イマム先生に。
 結局のところ、その恋は成就しなかったのだけれども。

 それから何年かが経ち、今の上司ウリル少将にスカウトされ、ヤヨイは皇帝直属のスパイ機関、特務部隊に入った。
 なんと、イマム先生は特務部隊司令官ウリル少将の異父弟であり、現皇帝陛下の甥御さまだったのだ。しかも、兄上であるウリル少将を援けて、今もときおりエージェントたちに稽古をつけに来る。
 世の中は、狭いものだと思った。
 

 
 そのイマム先生の隠し児だか落とし児が、今、目の前にいた。

 ゲンタローというその少し浅黒い肌が逞しい男の子は、ヤーパン系と南の国の血がほどよくミックスした、全身闘魂のカタマリのような子だった。
「ゲンタローには剣術の他カラテも仕込んでいますのじゃ。
 ヤヨイさん、少々、相手をしてやっていただけませんかな。あんたのイマム仕込みの技量を見てみたい」
「わかりました」
「え、こんなちっちゃい女とヤレってのかい? 間違ってコロしちゃったらどーすんの? 」
 ゲンタローくんは言った。あまりな自信家ぶりに少し、笑ってしまった。
「ええから! 手合わせしていただけ。もしかすると、お前程度じゃあ、試合にならんかもしれんぞ」
「はあ? 」
「だから、相手していただけと言うとる! そうすりゃ、強いか弱いかわかるじゃろうが! 」
 サブローさんがゲンタローくんの師匠なのだ。そしてたぶん、イマム先生の。
 お茶の椀を置き軍用サンダルを脱いで庭に出た。
 エンガワにはサブローさんとおばあさん、そして三毛のネコがお行儀よく座ってふたりの対戦を観戦していた。
 さして広くはない庭の真ん中でゲンタローくんと向かい合った。
「よろしくお願いします! 」
 ヤヨイが地面に膝をついて正座し礼をすると、彼もアタマを下げた。
 両者、改めて向かい合った。そして、彼は構えた。
 ヤヨイは立ち上がり、自然体でいた。
 すぐにはかかって来ない。15、6歳ぐらいにしては落ち着いていると言えるだろう。ヤヨイの隙を伺っている様子だが、元よりヤヨイは隙だらけでいた。
 そのうちに、「伺い」が「焦り」になり始めたのをヤヨイは見た。あまりに隙だらけで、どこから仕掛けたらいいのか、迷っている。
 ヤヨイから見て右に、ジリジリと寄り始めた。距離は3メートルもない。脚を回して来るなら、軸が左足で右で来るか。とすると、二の手は左の手刀か突き。ゲンタローくんは、左利きか・・・。
「いやあっ! 」
 叫びが迸(ほとばし)るのと、予想通りに右の回し蹴りが来るのとが同時だった。
 が、ヤヨイはわずかに上体を傾けてこれを躱し、さらに予想通りに左の手刀が来たがこれも皮一枚で躱して回転したゲンタローくんの背後に立った。技にキレがなく、スピードも全然遅かった。
 いとも簡単に攻撃が躱され、動揺しているのだろう。二の手までアッサリ躱されて、明らかに戸惑っていた。距離は彼が取った。額に汗をかき、息が上がっていた。
 ヤヨイはゆっくりと彼に向き直った。ふたたび、自然体。
 ニヤ、と笑ってやった。
 ゲンタローくんの勘筋がピクついた。挑発に乗ったのだ。
 彼の負けが決まった。
 先に冷静さを失った方が負けなのだ。
 案の定、彼は猛速で飛び込んできた。
 だが、端から組むつもりはない。
 サッと飛び上がり、彼を飛び越しついでに指でデコピンしてやった。
「あたっ! 」
「勝負ありっ! 」
 勢い余ってつんのめって倒れたゲンタローくんの後ろに降り立ち、サブローさんを見た。
 彼はうん、と頷いた。
「ゲンタロー。手合わせしていただいてよかったな。
 ヤヨイさんがホンキなら、お前は今頃首の骨を折られていた。
 お前は今、この里の外の世界を学んだんじゃ。感謝してきちんと礼をしろ」
 土の付いた着物を払い、彼は立ち上がった。
 さっきまでの傲岸はどこへやら。畏怖の色を浮かべた黒い眼が、ヤヨイへ注がれていた。
 でも。
「また、相手してくれ。その時は、絶対にあんたを叩きのめしてやる! 」
「こら! ゲンタロー! 」
 きっと悔しかったのだろう。だっ、と身を翻し、庭を駆け出て行ってしまった。
「ちょ、待ってよ、兄ちゃん! 」
 ペコ、とアタマを下げて、ナツコちゃんも後を追った。
「失礼しましたな。アレの継父はライプチヒに出稼ぎに出ているもんで。躾が行き届いておりませなんだ」
「いいえ」
「ヤヨイさんの技量はわかった。では、老骨ながら、お相手進ぜよう」
 そう言ってサブローさんは庭へ出てきた。奥さんが木刀を2本捧げて来てくれて、
「おじいさん、ほどほどになさいね。年寄りの冷や水ですよ。それに軍人さんにケガでもさせたら・・・」
「なに。ヤヨイさんは手練れだ。それにイマムの弟子。大事ない。
 さ、お取りなされ」
 ヤヨイも得物をとった。
「剣術はまったくの初めてです。よろしくお願いします! 」
 本当は北の異民族相手に諸刃のソードで立ち回りをしたが、教えてもらう立場だから言わなかった。
「なあに。剣もカラテも、芯は変わらんです。
 田舎もんですから、言葉で教えられん。もし、参考になるものがあれば、形から読み取って下され」
 そう言って右手に木刀を持ち、ヤヨイに礼をした。もちろん、ヤヨイも倣った。
 そして、「師匠」のやる通りに、ヤヨイも構え相対した。
 ヤヨイは知らなかったしサブローさんも言わなかったが、それは「青眼」の構えというものだった。切っ先を相手の顔に置く。ヤヨイから見たサブローさんは角の生えた鬼のように見える。
「切っ先をわしの左目に置きなされ。右目よりも気持ちが出やすい眼に。左目を見れば、相手が仕掛ける『気(ki)』がわかる」
 ああ、それはイマム先生も言っていた。『気』を読め、と。
 だが、しばらく構えを続けると、次第に木刀の重さが堪えてきた。
「重いでござろうな」
 サブローさんは言った。
「常はシラカシかホンアカガシを使う。それも重いが、これはさらに重いウバメガシで作らせた。腕の鍛練用に。鍛練せねば、なかなかに重い。やがて保持するのも苦痛になってくる」

 早くもヤヨイの切っ先は小刻みにブレはじめた。それなのに、サブローさんのは微動だにしない。ピタ、と静止したまま、ヤヨイを睨みつけてくる。
「この構えの利点は、怖さ。相手を怖がらせ、自然に距離を取らせることにある。距離が出来れば、剣を交わさずに済む。剣を交わさなければ、殺すことも殺されることもなくなる」
 剣を構えて、殺さない?
「撃ち込んできなされ。どのようにでも」
 これ以上刀を保持するよりも撃ち込んだ方が・・・。
 でも、サブローさんにはまったく隙がない。
 いや、見ようによっては隙だらけのようにも見えるのだが、どこに撃ち込もうと返り撃ちに合う予感がする。だから、おいそれと手が出せない。幾多の戦場を潜ってきたヤヨイには、それがわかった。
 だいたいにして、サブローさんからは全くと言っていいほど、殺気が感じられない。
 それでいて、こちらの攻撃オプションが全て封じられている。そんな印象を受ける。
「剣もカラテも護身の術。相手を殺す術ではない。そこが最も大事なところですじゃよ。そして、『術』を『道』に高めてこそ、極めたと言える。わかりますかな? 」
「術を、道に・・・」
「左様ですじゃ。
 さっき峠でヒマゴたちを見ましたろう。
 ヤヨイさんはあいつらの気配に気づかなんだ。あれなども、『道』ですじゃ。極めれば、己の気配を消せるのです」
「気配を、消す・・・」
「極めれば、技に余裕も生まれる。相手と言葉を交わすこともできるやも。言葉を交わせれば、お互い矛を収めることもできるやもしれんです。
 お互いに傷つけあわず、かつ相手をして我が意のままに置くこともできる。
 戦わずして、勝つ! 
 それが戦いの極意、神髄ですじゃ! 」
「戦わずして、勝つ・・・」
 ああ、もうダメ。腕が痺れる。これ以上、持ってらんない・・・。
「ま、参りました・・・」
 ヤヨイは木刀を降ろした。
 サブローさんも木剣を収めた。
「初めてにしては、上出来ですじゃ!
 さ、夕餉にいたしましょう! 今晩は拙宅にお泊りなされ! 」



『ヤマトの村』のストーブは独特だった。
 土間から一段上がったところに炉が切ってあり、そこで火を焚き暖を取る。
 高い天井は煤だらけ。でも、そのお陰で屋根を葺いている枯草や梁に虫が来ない。生活の知恵、というヤツ。梁から手鉤が降りていて、そこに鍋をかけ、煮炊きをする。
 ヒマゴさんたちも戻った。パトロールのついでに野ウサギを獲ってきたと。
「おお! では今夜は深雪汁(マタギ)汁じゃな! 」
「マタギジル? 」
 ウサギの肉や骨を細かくすりつぶしてスープに入れるのだそうだ。大昔の猟師の料理だったと。都会育ちのヤヨイにとってはちょっと残酷に感じてしまうが、ここは『ヤマト』だ。郷に入れば郷のやり方がある。「マタギジル」は、美味しかった。
 ヒマゴさんは3人だったはずなのに、ひとりいなかった。
「ケンジローはもう所帯を持っておりますでな。去年徴兵から帰って来てヨメをもろうたんですじゃ」
「え、じゃあ、わたしと同い年くらいですか! 」
 2,3歳は若く見えた。リセを卒業したくらいかと。
「ヒマゴは他に2人おるんですがそっちも今兵隊に行っておりましてな。
 この2人も今年入隊します。この子らの親たち、まあ、わしのマゴたちや息子娘たちはみんな村を出ておりましてな。まだ徴兵前の子だもんでわしが預かっておるというわけなんですわ」

 その夜は賑やかな宴になった。

 三毛はなぜかヤヨイを気に入り、膝の上でスヤスヤ眠った。相変わらず、子供と動物には好かれる。
 サブローさんのヒマゴさんたちは、ヤヨイの二式アサルトライフルを手に取ってイジクリ回しながら任務のことを訊きたがった。が、立場上あまり詳しくは話せない。だからテキトーに答えた。
「おととしのチナ戦役は出征しましたか? 」
「はい。一時的に空挺部隊に配属になって。まあ、なんとかこなせました」
「くーてー部隊? 」
「帝国軍には空を飛ぶ船があるんです。そこから飛び降りて・・・」
「空を飛ぶ船?! 飛び降りる?! 」
「帝国軍にはそんな部隊があるんですか! オレ、志願しようかな! 」
 そこから先は話題を変えた。
 戦争の現実は、実際に体験してみないとわからないだろう。
「あの、サブローさん。どうしてこの村は『ヤマト』なんですか? 『ヤーパン』ではなく」
 白いお酒をいただいた。ほんのりと甘いが、結構、キツイ。
 陶器のボトルを自分の器にも傾けながら、サブローさんは話し始めた。
「わしのジイサンから聞いた話です。
 今はもうキールの沖合に沈んでしまったヤーパンは、ずっと昔そう呼ばれていたんだそうです。『ヤマト』とか『ヤシマ』とか『シキシマ』とか『アキツシマ』とか。
 島国だったからでしょうか。あまり争いごともなかったらしく、平和に暮らしておった、と」
「そうなんですか・・・」
「わしは小学校しか出ておりませんが、長生きしているといろんな人がいろんなことを教えてくださります。
 それで聞きましたが、大災厄で先祖たちが大陸に逃げて来た時はずいぶんと難儀したそうですじゃ。この里に『ヤマト』に伝わっておった剣術や武術が残っているのもその時の名残なのだそうです。
 でも、多勢に無勢。当時のチナ人たちはことのほか乱暴で、そのままでしたらわしもヤヨイさんもいまここでこうして穏やかに酒など飲んでいられなかったですろうなあ・・・。
 帝国や南の国がチナ人たちを追い払ってくれたお陰で、ようやくわれらの先祖も生き残れたと。
 イマムに技を伝えたのも、その先祖たちの受けた恩への、ささやかですがお礼でしてのう・・・」
 瓶に木の栓をし、サブローさんはしみじみと呟いた。
「今の皇帝陛下も、誰でも、どんな肌の色でも、チナ人でも、みんな仲良くと、そういう政治をしてくださっておると聞いとります」
「陛下の施政の根本は『帝国内の融和』ですからね」
「左様ですじゃ。願わくば、陛下の御代がこの先もずっと続いてほしいですのお・・・」
 
「イロリ」というストーブの傍に床を取ってもらった。
 床の中で、ヤヨイは掌を眺めた。
 北の異民族の騎馬隊と戦った折に涌いた、自分の中の得体の知れない滾り。
 帝都を離れ、荒野を渡り、この村に来るまではたしかにあったその猛々しいほどの滾りが、いつの間にか柔らかな塊に変わっているのに気付いた。
 柔らかいが、強い!
 これも、この『ヤマトの村』の霊力のようなもののおかげだろうか。
 来て、よかった・・・。
 以前には感じなかった、確かな手応え。しなやかな力のようなものが身体の中に備わったのを感じていた。


 翌朝。

「まあ! なんてキレイ!・・・」
 サブローさんの屋敷の外に大きなサクラの木が何本も咲き誇っているのに気付いた。
 来た時は夕暮れだったせいで気が付かなかったのだろう。

 コメの朝食をいただき、ヘルマンに荷を括りつけて支度をしていると、サブローさんが布に包まれた長いものをくれた。
「餞別じゃ。受け取ってくだされ」
「まあ! なんですか、これ? 」
 サブローさんが布を縛った紐を解いた。
 中から出てきたのは紅い鞘の、
「わしの父親の代に村の刀鍛冶が鍛えた刀ですじゃ」
「ええっ?! 」
「抜いて刀身をあらためてみなされ」
 Schwert シュウェート。英語方言ではSwordスウォード。
 北の異民族の細身や、昔帝国軍が正式剣にしていた諸刃の剣と違い、片刃の、白い波紋が特徴的な幅の広い剣だ。
 肉は薄いが、重い。しかも、刃を腹にしてやや反りがある。

「『ヤマト刀』です。
 昔、キールで古い巡洋艦が解体された時、竜骨の鋼鉄をもらって鍛えたもの、と聞いとります。
 本当ならばヤヨイさんほどの背丈ならばもっと長い、2尺3寸ほどがよろしいが、これは2尺1寸。60センチちょっとになりますかの。3尺刀を持つ者ならば、長いワキザシくらいの長さじゃ。短い方が疲れんし、接近戦に有利ですからのう 」
「でも、いいんですか、こんな、大切なものを・・・」
「いいのです。わしが差し上げたいのです。
 これは武士の魂。『戦わずして勝つ』の印ですじゃ。
 軍人さんはみんな陛下のご家来。この刀が陛下の御代をお守りする一助になれば幸いというものです。
 それに、イマムの弟子はわしにとってもマゴ弟子。手ブラで帰したとあっては恥になりますでの」
 サブローさんの目がまた、なくなった。

 と。
 遠くから複数の馬の蹄の音が朝もやをついて聞こえてきた。

 少尉殿~! ヴァインライヒ少尉殿~! 輸送船が到着しました! どこにおいでですかあ~っ! 

「おや、お迎えが来たようですのお。
 達者でな、ヤヨイさん。帝国の防人(さきもり)として日々鍛練し御励みなされ。
 そしてまたいつかここへおいでなされ。それまで、あの世に行くのを控えて待っておりますでの」
「ありがとうございました、サブローさん! 精進して、いつかまた、参ります!
 お元気で! 」
 サブローさんの家を出るところに、ゲンタローくんとナツコちゃんも見送りに来てくれた。
「ヤヨイ! また来いよ! んで、オレと勝負しろ! 逃げんな! 」
「この、バカもの! なんちゅう口の利き方しよるっ! 」
 サブローさんが思いっきりゲンタローくんのアタマをひっぱたいていたのが、ちょっと可笑しかった。

 こうして。
 岩のように確かで、太陽のようにあたたかな、とてつもなく大切なものを得たヤヨイは、『ヤマトの村』を後にした。













 アサシン・ヤヨイシリーズ ひとくちメモ

 68 ウバメガシ、そして「大和」について

 ウバメガシ(姥目樫、学名:Quercus phillyraeoides)は、ブナ科コナラ属に分類される常緑広葉樹の1種。
 カシの名前は「堅し木」に由来するという説があるほど、本種も硬く重い木材である。気乾比重は平均0.9程度だが、成長の良い良材ほど硬く重くなる。道管の配置による分類は放射孔材と呼ばれるもので、年輪は目立たない。また、辺材と心材の区別は不明瞭である。柾目にはトラのような模様(いわゆる杢)が現れ、これが美しいと評価されることが多い。杢は「虎斑」、「虎斑杢」、また見る角度によっては光の反射具合が異なり銀色に見えることから「銀杢」とも呼ばれる。また、板目面にはカシメ(樫目)と呼ばれるゴマ上の模様が見られる。これは放射組織が目立つためである。乾燥は難しく反りやすい。
 萌芽能力が高く、定期的に何度も収穫可能であることから、燃料用としては非常に優れている。また、人里近くに生えること、硬く重い木材で火持ちが良いということも、薪や木炭として非常に優秀である。焼き方によって黒炭、白炭のどちらにも加工できるが、通常は白炭に加工される。

 ウバメガシ 樹形は風衝地ということを加味しても暴れやすい
 Alpsdake - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=85567940による

 ウバメガシ 胴ぶきが見られ、萌芽力の高さを示す
 Alpsdake - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=85566123による




 大和(やまと)は、日本の古称・雅称。倭・日本とも表記して「やまと」と訓ずることもある。大和・大倭・大日本(おおやまと)とも呼ばれる。
 ヤマト王権が大和と呼ばれる地(現在の奈良県内)に在ったことに由来する。
 初めは「倭」と書いたが、元明天皇の治世に国名は好字を二字で用いることが定められ、倭と同音の好字である「和」の字に「大」を冠して「大和」と表記し「やまと」と訓ずるように取り決められた。
 元々はヤマト王権の本拠地である奈良盆地の東南地域が、大和(やまと)と呼称されていた。
『記紀』や『国造本紀』には、神武天皇の時代に豊玉彦命の後裔である椎根津彦を初代として倭国造が設置されたと伝わる。その後、ヤマト王権が奈良盆地一帯や河内方面までを支配するようになると、その地域(後の近畿・畿内)もまた大和と呼ばれるようになった。
 そして、ヤマト王権の本拠が所在した奈良盆地周辺を範囲とする令制国を大和国とした。さらには、同王権の支配・制圧が日本列島の大半(東北地方南部から九州南部まで)にまで及ぶに至り、それらを総称して大和と呼ばれるようになった。こうして日本列島、つまり日本国の別名として大和が使用されるようになった。

「やまと」の語源は諸説ある。
 山のふもと。
 山に囲まれた地域であるからという説。
 この地域を拠点としたヤマト王権が元々「やまと」と言う地域に発祥したためとする説。
「やまと」は元は「山門」であり山に神が宿ると見なす自然信仰の拠点であった地名が国名に転じたとする説。
「やまと」は元は「山跡」とする説。
 邪馬台国の「やまたい」が「やまと」に変化したとする説。
「やまと」は元は温和・平和な所を意味する「やはと」、「やわと」であり、「しきしま(磯城島)のやはと」から転訛して「やまと」となり、後に「しきしま」がやまとの枕詞となったとする説。
 アイヌ語で、“ヤ”は接頭語、“マト”は讃称で、高貴を意味する“ムチ”や祥瑞を意味する“ミツ”等と同根の語とする説。 

 以上、ウィキペディア

 以下、筆者加筆。
 
 226についていろいろ調べていますと、天皇家とかいわゆる『記紀』、「古事記」や「日本書紀」、あるいは支那の「魏志倭人伝」のような資料も視野に入ってきます。
 ウィキにもありましたが、「倭」というのは昔の支那で日本を指して言った名前なのですが、この字には「衰える」という意味もあるんですね。
「中華思想」というのは古代より現在まで、幾多の王朝が変わっても連綿と受け継がれている支那の思想なのですが、『東夷・西戎・南蛮・北狄(とうい・せいじゅう・なんばん・ほくてき)』と言いまして、「支那以外は全部野蛮人」という、そうした考えのもとに名付けられたもの、と言えます。

 要するに「中華のみが人間であって、それ以外はケダモノと同じだ」と。中華以外は蔑んで顧みない。いうものなんですね。
 つまり、「倭」は、「衰えて欲しい」という意味合いが籠ったアテ字、なのだということができます。悪意感じますね。
 その延長線上で、「帝」とか「皇」も四方の異民族には絶対に用いません。今でもです。支那の新聞とか、かつて支那の朝貢国だった朝鮮の新聞が我が国の天皇を失礼にも「日王」と表記、言い慣わすのにはそうした背景があるんですね。自分たちよりエラそうにするな、と。
「帝国内の融和」を唱え、「信義と尊厳」を重んじる「帝国」でも、この考えは受け入れられません。






日本文化研究ブログ
日本の異名・異称・別名とは? 由来や意味を解説
https://jpnculture.net/nihon-imyou/


 脇差の刀身と拵え。刀身は15世紀から16世紀前半の相州房宗作、拵えは18世紀作。メトロポリタン美術館蔵
 Unknown - The Metropolitan Museum of Arthttps://www.metmuseum.org/art/collection/search/27599, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=121077592による
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