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4 聖魔術師の幻影編
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それから一時間後。
私はデカくて厳つい専属護衛に両脇を固められた状態で、立食パーティーの場に姿を現していた。
出なきゃ帰れないのであるなら、ガッツリ食べてから帰らないと。
ふふ~ん。
自然と鼻歌が口をつく。
下手くそな私の鼻歌を聞いて、リュリュ先輩が近寄ってきた。リンクス隊長にグラスを持たせている。
「エルシア、機嫌、良さそうだね」
「うん、いい。凄くいい」
次に近寄ってきたのはソニアだ。ヴォードフェルム隊長を引き連れる様には、高位貴族の貫禄があった。
「良いことでもありましたの?」
「うん、これで国に帰れる」
私は二人の質問に機嫌よく答える。
「エルシア、もう帰るモードなんだ」
「だから、すでに制服でしたのね」
よく見なくても、二人はお披露目会のドレスのまま参加している。
そして当然のように私は制服だ。
辺りを見回すと、他にも何人か白いドレスの参加者がいて、それぞれが最後のパーティーを楽しんでいるようだった。
「エルシアの白いドレス、かわいかったのにぃ。もっと見たかったのにぃ」
むくれるリュリュ先輩がリンクス隊長から飲み物を受け取り、ぐぃっと一気に飲み干した。
見ていてスカッとするくらい良い飲みっぷりだけど、レディらしからぬ飲みっぷりでもある。
「こっちの方が気が楽だから」
私が何を言っても納得しないリュリュ先輩。今度は別の方面から攻めてくる。
「ダンスするなら、ドレスの方が絶対、良いって」
「立食パーティーでしょ? ダンスパーティーじゃないでしょ?」
食べるなら、ドレスより制服の方が絶対いい。パクパク楽に食べられる。
私はダンスには興味がなく、食べ物に集中しているというのに、リュリュ先輩は相変わらず、ダンスから離れようとしない。
「でも、踊りたい人は踊るんだよねー ほらほら、クラウド君だって踊ってる」
リュリュ先輩が中央の広々としたスペースを指差した。
すると、そこには何組か、踊っている男女の姿があって、そのうちの一組がクラウドとフォセル嬢だった。
格好いい系のクラウドとかわいい系のフォセル嬢。二人のダンスも様になっているし、何より、見目が良い。まさに絵になるカップルとはこの二人のことだ。
ダンスより食べ物派の私でさえ、この二人のダンスに目が釘付けになった。
同時にギュッと手が握られる。
グレイだ。
今は護衛中なので、素手ではなく革の手袋をしていて、革の感じがちょっとゴワゴワする。
身長差もあるので、私の手はグレイの手より少し低い位置にあるのに、そーっと手を伸ばしてギュッと握りしめてくれたらしい。
グレイを見上げてもグレイは何も言わない。まぁ、護衛中なので必要ないときは無言だけど。
ギュッとこちらからも握り返すと、心なしか、簡易兜から覗くグレイの耳が少し赤くなった。
グレイは基本こんなだ。何も言わない。
もちろん必要なことは言ってくれるけど、恋愛的なそういう類のことは言ったことがない。
だから私は、グレイにとって私は妹のようなものなんだと思っていた。
バルザード卿に言われるまでは。
グレイが私のことを大切にしてくれているのは分かるし、大事に思ってくれているのも分かる。でも、それ以上のことは何もない。
いっしょに寝ていても、優しく抱きしめる程度。むしろ、妹というより犬か猫のような扱い。
だから、バルザード卿に言われても、正直、本当なのかと疑わしいところは残っている。
でも。
バルザード卿の話が本当ではなくて、妹扱いであったとしても、グレイが私を大切にしてくれているのは本当のことなんだと改めて感じた。
いつも必要なときは必ずグレイがいる。
魔塔に捨てられ魔力暴走を抑えようと独りで耐えていた時も、助けてくれたのはグレイだ。
クズ男の前で暴走しかけたときも、グレイがかけつけてくれた。
そして、今も。
やっぱりグレイは私の同志で、大事なパートナーだ。
私は再び、クラウドの方に目をやる。
相変わらず、楽しそうに踊る二人。二人のところだけ、なんだかキラキラと煌めいているようにも見えた。
それでも。
眩しいものを見るような感じで二人を見ることはなくなったし、今まで感じていたチクッとする胸の痛みも、もやもやする気分も、嘘のようになくなっていた。
羨ましい気持ちはある。
いかにもお似合いの見目も良いカップルと、歴戦の猛者的ペアの私たちでは雲泥の差があるし。
クラウドのことも、顔は良くて格好いいからちょっと良いなぁと、思ったこともあったけど。
けっきょくのところ、クラウドは同僚で同期。それだけだ。
「あら、また、フォセル嬢と踊ってますわね。あの根性なし」
「うん? ソニア、今、なんか言った?」
「ヴォードフェルム副隊長が踊りたそうな目で、エルシアを見てますわよ」
私の近くにはいるけど、違う方を向いて喋るソニアの声は聞き取りづらい。
聞き返すと、今度は私の方を向いて喋ってくれたのに、さきほどとは違うことを言ってるような気がする。
私が再度聞き返す前に、話題の中心はフェリクス副隊長の方に変わってしまった。
「フェリクス君、なんで、声かけてこないのかねー」
「エルシアにバッサリ断られると分かってるんですわ」
まぁ、誘われても断るよね、当然。
私が答えるより先に、リュリュ先輩がソニアに答える。
「フェリクス君、エルシアに断られて嬉しそうにするよねー」
いや、そう返されると、口を挟みづらいんだけど。
答え損なった私が黙っていると、ソニアがさらに話を盛ってくる。
「会話が出来ただけでも嬉しいんでしょうね」
「フェリクス君、不憫すぎるー」
二人の会話を聞きながら、フェリクス副隊長を見ると、目が合った。
目が合っただけで、なんだか、嬉しそうな表情をするフェリクス副隊長。
その様子を見たソニアとリュリュ先輩は満足げな様子。
「まぁ、取り巻きのファンの女性がいなくて、エルシア一筋だと言うのなら、不憫だと評価して差し上げても構いませんけれど」
そうだった。
フェリクス副隊長には、訓練の観覧のたびにファンと称する女性の集団がやってくる。
彼女たちからキャーキャー言われて、まんざらでもない様子を、遠くから何度か見たことがあった。
「フェリクス君、自業自得ー」
続くリュリュ先輩の言葉に、私は深く同意するのだった。
それからはご飯三昧の私。
立食パーティーとは言っても、休憩用のソファーとローテーブルはあちこちに設けられていたので、一つに陣取る。
立食パーティーなので、料理は一口サイズ。
バルザード卿が料理を運び、グレイに周囲の安全を見張られながら、座ってご飯。ここに来てから大変だったもの。ご褒美と思って思いっきり食べた。
会場にレティーティア殿の姿はないし、エンデバート卿もようやく諦めたのか近くにはいない。
ただし、私に近寄ってくる人がゼロというわけでもなかった。
「エルシア」
横から声をかけられ、私は一口サイズのパイを飲み込む。
「あ、クラウド。お疲れ」
グレイが差し出すナフキンで口元を拭うと、私はクラウドを見上げた。
「あ、あぁ。お前、もう制服に着替えてたのか」
先ほどのキラキラしさが残ったままのクラウドがそばに立っている。
「立食パーティーだし」
何の用かと思ってクラウドが話し出すのを待っていると、クラウドは私の護衛を気にしながら、おずおずと話し出した。
「いや、その、せっかくのパーティーなんだから、一曲どうかと思って」
「ドレスじゃないから」
私はあっさり断る。
クラウドとフォセル嬢のキラキラしいダンスを見た後では、どうにも踊りたい気にはなれなかったから。
断られても、なおも食い下がってくるクラウド。
「学院や騎士団のパーティーなら、騎士服で踊ってるぞ」
服装を理由に断りはしたけど、そういう問題ではないのに。
ところで、騎士団はともかく学院でパーティーなんてあったっけ? 卒業パーティーだけじゃなくて?
「え? そうなの?」
「お前の代の魔術師コースだけ、新入生歓迎パーティーも、普段の学生パーティーも、卒業パーティーでさえ不参加だったんだよな」
「へー、そうなんだ」
私の代だけ仲間外れにされていたのは、私の爆発が原因か。クラウドの話を聞いていると、どんどん気分が冷める。
「で、どうだ、一曲?」
クラウドはその場で片膝をつくと、冷めた気分の私に向けて、手を伸ばしてきた。
私はデカくて厳つい専属護衛に両脇を固められた状態で、立食パーティーの場に姿を現していた。
出なきゃ帰れないのであるなら、ガッツリ食べてから帰らないと。
ふふ~ん。
自然と鼻歌が口をつく。
下手くそな私の鼻歌を聞いて、リュリュ先輩が近寄ってきた。リンクス隊長にグラスを持たせている。
「エルシア、機嫌、良さそうだね」
「うん、いい。凄くいい」
次に近寄ってきたのはソニアだ。ヴォードフェルム隊長を引き連れる様には、高位貴族の貫禄があった。
「良いことでもありましたの?」
「うん、これで国に帰れる」
私は二人の質問に機嫌よく答える。
「エルシア、もう帰るモードなんだ」
「だから、すでに制服でしたのね」
よく見なくても、二人はお披露目会のドレスのまま参加している。
そして当然のように私は制服だ。
辺りを見回すと、他にも何人か白いドレスの参加者がいて、それぞれが最後のパーティーを楽しんでいるようだった。
「エルシアの白いドレス、かわいかったのにぃ。もっと見たかったのにぃ」
むくれるリュリュ先輩がリンクス隊長から飲み物を受け取り、ぐぃっと一気に飲み干した。
見ていてスカッとするくらい良い飲みっぷりだけど、レディらしからぬ飲みっぷりでもある。
「こっちの方が気が楽だから」
私が何を言っても納得しないリュリュ先輩。今度は別の方面から攻めてくる。
「ダンスするなら、ドレスの方が絶対、良いって」
「立食パーティーでしょ? ダンスパーティーじゃないでしょ?」
食べるなら、ドレスより制服の方が絶対いい。パクパク楽に食べられる。
私はダンスには興味がなく、食べ物に集中しているというのに、リュリュ先輩は相変わらず、ダンスから離れようとしない。
「でも、踊りたい人は踊るんだよねー ほらほら、クラウド君だって踊ってる」
リュリュ先輩が中央の広々としたスペースを指差した。
すると、そこには何組か、踊っている男女の姿があって、そのうちの一組がクラウドとフォセル嬢だった。
格好いい系のクラウドとかわいい系のフォセル嬢。二人のダンスも様になっているし、何より、見目が良い。まさに絵になるカップルとはこの二人のことだ。
ダンスより食べ物派の私でさえ、この二人のダンスに目が釘付けになった。
同時にギュッと手が握られる。
グレイだ。
今は護衛中なので、素手ではなく革の手袋をしていて、革の感じがちょっとゴワゴワする。
身長差もあるので、私の手はグレイの手より少し低い位置にあるのに、そーっと手を伸ばしてギュッと握りしめてくれたらしい。
グレイを見上げてもグレイは何も言わない。まぁ、護衛中なので必要ないときは無言だけど。
ギュッとこちらからも握り返すと、心なしか、簡易兜から覗くグレイの耳が少し赤くなった。
グレイは基本こんなだ。何も言わない。
もちろん必要なことは言ってくれるけど、恋愛的なそういう類のことは言ったことがない。
だから私は、グレイにとって私は妹のようなものなんだと思っていた。
バルザード卿に言われるまでは。
グレイが私のことを大切にしてくれているのは分かるし、大事に思ってくれているのも分かる。でも、それ以上のことは何もない。
いっしょに寝ていても、優しく抱きしめる程度。むしろ、妹というより犬か猫のような扱い。
だから、バルザード卿に言われても、正直、本当なのかと疑わしいところは残っている。
でも。
バルザード卿の話が本当ではなくて、妹扱いであったとしても、グレイが私を大切にしてくれているのは本当のことなんだと改めて感じた。
いつも必要なときは必ずグレイがいる。
魔塔に捨てられ魔力暴走を抑えようと独りで耐えていた時も、助けてくれたのはグレイだ。
クズ男の前で暴走しかけたときも、グレイがかけつけてくれた。
そして、今も。
やっぱりグレイは私の同志で、大事なパートナーだ。
私は再び、クラウドの方に目をやる。
相変わらず、楽しそうに踊る二人。二人のところだけ、なんだかキラキラと煌めいているようにも見えた。
それでも。
眩しいものを見るような感じで二人を見ることはなくなったし、今まで感じていたチクッとする胸の痛みも、もやもやする気分も、嘘のようになくなっていた。
羨ましい気持ちはある。
いかにもお似合いの見目も良いカップルと、歴戦の猛者的ペアの私たちでは雲泥の差があるし。
クラウドのことも、顔は良くて格好いいからちょっと良いなぁと、思ったこともあったけど。
けっきょくのところ、クラウドは同僚で同期。それだけだ。
「あら、また、フォセル嬢と踊ってますわね。あの根性なし」
「うん? ソニア、今、なんか言った?」
「ヴォードフェルム副隊長が踊りたそうな目で、エルシアを見てますわよ」
私の近くにはいるけど、違う方を向いて喋るソニアの声は聞き取りづらい。
聞き返すと、今度は私の方を向いて喋ってくれたのに、さきほどとは違うことを言ってるような気がする。
私が再度聞き返す前に、話題の中心はフェリクス副隊長の方に変わってしまった。
「フェリクス君、なんで、声かけてこないのかねー」
「エルシアにバッサリ断られると分かってるんですわ」
まぁ、誘われても断るよね、当然。
私が答えるより先に、リュリュ先輩がソニアに答える。
「フェリクス君、エルシアに断られて嬉しそうにするよねー」
いや、そう返されると、口を挟みづらいんだけど。
答え損なった私が黙っていると、ソニアがさらに話を盛ってくる。
「会話が出来ただけでも嬉しいんでしょうね」
「フェリクス君、不憫すぎるー」
二人の会話を聞きながら、フェリクス副隊長を見ると、目が合った。
目が合っただけで、なんだか、嬉しそうな表情をするフェリクス副隊長。
その様子を見たソニアとリュリュ先輩は満足げな様子。
「まぁ、取り巻きのファンの女性がいなくて、エルシア一筋だと言うのなら、不憫だと評価して差し上げても構いませんけれど」
そうだった。
フェリクス副隊長には、訓練の観覧のたびにファンと称する女性の集団がやってくる。
彼女たちからキャーキャー言われて、まんざらでもない様子を、遠くから何度か見たことがあった。
「フェリクス君、自業自得ー」
続くリュリュ先輩の言葉に、私は深く同意するのだった。
それからはご飯三昧の私。
立食パーティーとは言っても、休憩用のソファーとローテーブルはあちこちに設けられていたので、一つに陣取る。
立食パーティーなので、料理は一口サイズ。
バルザード卿が料理を運び、グレイに周囲の安全を見張られながら、座ってご飯。ここに来てから大変だったもの。ご褒美と思って思いっきり食べた。
会場にレティーティア殿の姿はないし、エンデバート卿もようやく諦めたのか近くにはいない。
ただし、私に近寄ってくる人がゼロというわけでもなかった。
「エルシア」
横から声をかけられ、私は一口サイズのパイを飲み込む。
「あ、クラウド。お疲れ」
グレイが差し出すナフキンで口元を拭うと、私はクラウドを見上げた。
「あ、あぁ。お前、もう制服に着替えてたのか」
先ほどのキラキラしさが残ったままのクラウドがそばに立っている。
「立食パーティーだし」
何の用かと思ってクラウドが話し出すのを待っていると、クラウドは私の護衛を気にしながら、おずおずと話し出した。
「いや、その、せっかくのパーティーなんだから、一曲どうかと思って」
「ドレスじゃないから」
私はあっさり断る。
クラウドとフォセル嬢のキラキラしいダンスを見た後では、どうにも踊りたい気にはなれなかったから。
断られても、なおも食い下がってくるクラウド。
「学院や騎士団のパーティーなら、騎士服で踊ってるぞ」
服装を理由に断りはしたけど、そういう問題ではないのに。
ところで、騎士団はともかく学院でパーティーなんてあったっけ? 卒業パーティーだけじゃなくて?
「え? そうなの?」
「お前の代の魔術師コースだけ、新入生歓迎パーティーも、普段の学生パーティーも、卒業パーティーでさえ不参加だったんだよな」
「へー、そうなんだ」
私の代だけ仲間外れにされていたのは、私の爆発が原因か。クラウドの話を聞いていると、どんどん気分が冷める。
「で、どうだ、一曲?」
クラウドはその場で片膝をつくと、冷めた気分の私に向けて、手を伸ばしてきた。
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