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6 辺境伯領の噴出編
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バチン!
ガツン!
侍女さんの衝撃的な言葉に驚いてる暇もなく飛んでくる石ころ。
「エルシア様、盾の陰に隠れてください」
「分かったわ!」
反射的に返事をしてから、思い直す。
「じゃなくて! 男って?!」
「そんな些細なことを気にかけている場合ではないと思いますが?」
侍女さんは衝撃に慣れてきたのか、呻いたのは最初の一撃だけで、後は普通に受け止めるようになっていた。
適応力が異様に高い。
何か訓練を受けているんだとは思っていたけど、想像以上だわ、これ。
能力だけでなく、他の部分についてもこの侍女さんは想像を軽く越えていた。
「男なら侍女さんじゃなくて、侍従さんじゃないの!」
「主、気にするのはそこなのか?」
ひょこっと現れたのはセラフィアスだ。
私が城門の外に出てからは、セラフィアスは「偵察だ」と言って、フラフラとあちこちを見て回っていたんだよね。
さきほどほ石ころも、セラフィアスで叩いていたら、手が痛いならなくて済んだかも。
「主は鎮圧に特化しているからな。性別みたいなどうでもいい物は、主の金眼には写らないんだよな」
「何その情報。初めて聞いたんだけど」
黒髪に金眼の私は、セラフィアスと同じく鎮圧に適しているらしい。
これはあくまでも、私個人の能力である。
私個人の能力が鎮圧だから、セラフィアスの主に適しているそうで。セラフィアスの主になったから、鎮圧の個人能力を得ているわけではないそうだ。
セラフィアスの話では、たまに、これを勘違いする人がいるんだとか。セラフィアスの主になれば、セラフィアスの鎮圧の能力が得られると。
そんな美味しい話なんて、あるわけないのに。
まぁ、とにかく。
セラの金眼と呼ばれる私の瞳は、ふつうの金眼より『視る力』が弱い。それは事実なんだろうからいいとして、他の金眼がどれだけ高性能なのかくらいは、情報として教えておいて欲しかったと思って、ムッとする。
それこそ、セラフィアスにとっては『どうでもいいこと』だから、今の今まで口にしなかったんだろう。
その証拠に、セラフィアスは「そんなに重要な話ではないだろ?」とあっけらかんとした表情をする。
見た目は十歳ほどのあどけなさが残る顔で、そう来られると、ムッとした気持ちも何もかも抜けてしまった。
「うん、まぁ、とにかく。驚きすぎてグレイを止めるのに集中できない」
「そんなに驚きですか、あたしが男であることが?」
「普通、驚くでしょ!」
そう。
頑丈な盾を操る侍女さんは、立派な成人男性だった。でも、見た目はどこからどう見ても女性。ここで私は嫌な予感がした。
「まさか、侍女さん全員、男?」
いやいや、私は頭の中の嫌な妄想を振り払う。
嫌な予感は当たることなく、侍女さんの言葉で否定された。
「まさか、あたしだけです」
だよね。でも、まだ心配なことが残っている。
「私の着替えや入浴の手伝いとかやったりは?」
「その業務に携わったら、あたし、グレイアド様に殺されますので」
だよねー ようやく私ははぁぁぁぁっと長い長い息を吐いた。
侍女さん、いや、女装の侍従さんと呼んだ方がいいのだろうか。彼は息を吐くように、自分の身の上話をし始める。
「あたし、女顔で身体つきも細くて。本当は騎士を目指していたんですが、騎士団に入れなかったんです。それで侍従をしていたんですが」
「待って、女顔で身体つきが細いのと、騎士団への入団は無関係でしょ!」
ムチャクチャな話につっこみを入れる私に向けて、女装の侍従さんは静かに首を振った。
「ベイオス様の方針なんです。騎士団入りできるのは、屈強な体格の男だけだというのは」
侍従さんはそう言って、羨ましそうな目をグレイに向けた。
「筋肉はついているんですよ? でもどう頑張っても、ムキムキした筋肉に育たなくて」
盾を持つ方の腕の袖を捲り上げると、そこには細腕(とはいっても男性にしては、であるけど)ながら、引き締まった綺麗な筋肉が現れる。
どう見ても女性の腕ではない。だから、夏なのに長袖を着ていたのかと、改めて思いいたった。
「ムキムキじゃないと騎士になれないなんて、おかしくない?」
「仕方ありません、そういう方針なので」
うん、どういう方針なのよ、それ。
確かに、ベイオス閣下もムキムキだし、グレイもムキムキだし、ニグラートの騎士はみーんなムキムキだった。
その理由が、ベイオス閣下の方針だったとは。
「いや、絶対おかしい。だって、あなたって盾の扱い、凄いじゃないの。最初はぎこちなかったけど、短時間のうちに、見事に使いこなせるようになってるし」
私の言葉に顔を赤らめて、嬉しそうにする侍従さん。
筋肉はともかくとして、顔はどう見ても女性に見える。うっすらとお化粧をしているせいなのか、元々が美人なせいなのか。
筋肉はともかくとして、美人な面もちがとても羨ましい。
凄いのは本当のこと。今まで、侍従さんの力を認めてくれた人は誰もいなかったのだろうか。
だとしたら、とても悲しいことだと思う。
見た目のせいで、努力してもその努力が認められない。私も何度も味わったことだから。
「他の誰も認めてくれなくても、私が認めてるから。侍女さんの姿で私の護衛を兼ねるのなら、ちゃんと騎士の格好で私の護衛をすればいいわ」
私はきっぱりと言い切った。
グレイやベイオス閣下に反対されても、我が儘だと思われても、この女装の侍従さんを私の護衛騎士にしてもらおう。
実力が足りないなら、実力をつけてもらえばいい。
私の強い意思が伝わったのか、女装の侍従さんは驚いたような顔をして、それから泣きそうな顔になって、堪えるような顔を見せ、最後に下を向き、大きく頷いたのだった。
そんな会話をしている間も、グレイとギルダーの睨み合い、魔力のぶつかり合いは続いていて。
「主、そろそろヤバいぞ? 空間に亀裂が入りそうだ」
セラフィアスの声かけで、私はグレイたちに注意を戻した。
グレイもギルダーも気を見て、いったん距離を取りたがっている様子。
「あの二人が距離を取ったら、私、あの二人の間に駆け込むから」
「エルシア様、大丈夫ですか?」
「まぁ、まだ子どもだけど、魔力量ではぜんぜん負けてないから」
嘘はついてない。
魔力関連のことなら、グレイやギルダーに負けてはいない。問題は筋肉的な部分。物理では絶対負ける。
だからこそ、魔力で押す。
「あなたを巻き込まない自信はないから、私が動いたら、全力で壁まで走ってね?」
私は女装の侍従さんに念押しした。
侍従さんが頷くのと同時に、グレイが動く。
急に魔力を膨らませてギルダーを押した。押されたギルダーは押し返そうと同じく魔力をぐっと膨らませた。
今だ。
ザザザザザザザザ
グレイが音を立てて後ずさる。魔剣は構えたまま。
ギルダーが押し返そうと魔力を膨らませたのに合わせ、グレイが力を抜き、相手の押し返す力を利用する形で距離を取る。
見事なほど自然な動きでギルダーから離れたグレイ。
そして、私は後ずさったグレイと、押し返した体勢のギルダーの間に滑り込んだ。
よしっ。
ここまでは成功。
後は二人のケンカだか決闘だか戦争だか訳の分からない物を止めさせるだけ。
「シア!」「エルシア姫!」
二人の叫びに、
「主! 足元!」
なぜか、セラフィアスの焦った叫び声が加わる。
次の瞬間、私の足元が消えた。
「え?」
と、思ったときにはすでに遅かった。
「シアーーーーー!」
「主ぃぃぃーーー!」
目の前がふぃっと真っ暗になる。どうやら、穴に吸い込まれたようだ。
あれ?
大噴出の穴って、噴き出すんだから吸い込まないよね?
そんなことを考えているうちに、私は意識を失った。
ガツン!
侍女さんの衝撃的な言葉に驚いてる暇もなく飛んでくる石ころ。
「エルシア様、盾の陰に隠れてください」
「分かったわ!」
反射的に返事をしてから、思い直す。
「じゃなくて! 男って?!」
「そんな些細なことを気にかけている場合ではないと思いますが?」
侍女さんは衝撃に慣れてきたのか、呻いたのは最初の一撃だけで、後は普通に受け止めるようになっていた。
適応力が異様に高い。
何か訓練を受けているんだとは思っていたけど、想像以上だわ、これ。
能力だけでなく、他の部分についてもこの侍女さんは想像を軽く越えていた。
「男なら侍女さんじゃなくて、侍従さんじゃないの!」
「主、気にするのはそこなのか?」
ひょこっと現れたのはセラフィアスだ。
私が城門の外に出てからは、セラフィアスは「偵察だ」と言って、フラフラとあちこちを見て回っていたんだよね。
さきほどほ石ころも、セラフィアスで叩いていたら、手が痛いならなくて済んだかも。
「主は鎮圧に特化しているからな。性別みたいなどうでもいい物は、主の金眼には写らないんだよな」
「何その情報。初めて聞いたんだけど」
黒髪に金眼の私は、セラフィアスと同じく鎮圧に適しているらしい。
これはあくまでも、私個人の能力である。
私個人の能力が鎮圧だから、セラフィアスの主に適しているそうで。セラフィアスの主になったから、鎮圧の個人能力を得ているわけではないそうだ。
セラフィアスの話では、たまに、これを勘違いする人がいるんだとか。セラフィアスの主になれば、セラフィアスの鎮圧の能力が得られると。
そんな美味しい話なんて、あるわけないのに。
まぁ、とにかく。
セラの金眼と呼ばれる私の瞳は、ふつうの金眼より『視る力』が弱い。それは事実なんだろうからいいとして、他の金眼がどれだけ高性能なのかくらいは、情報として教えておいて欲しかったと思って、ムッとする。
それこそ、セラフィアスにとっては『どうでもいいこと』だから、今の今まで口にしなかったんだろう。
その証拠に、セラフィアスは「そんなに重要な話ではないだろ?」とあっけらかんとした表情をする。
見た目は十歳ほどのあどけなさが残る顔で、そう来られると、ムッとした気持ちも何もかも抜けてしまった。
「うん、まぁ、とにかく。驚きすぎてグレイを止めるのに集中できない」
「そんなに驚きですか、あたしが男であることが?」
「普通、驚くでしょ!」
そう。
頑丈な盾を操る侍女さんは、立派な成人男性だった。でも、見た目はどこからどう見ても女性。ここで私は嫌な予感がした。
「まさか、侍女さん全員、男?」
いやいや、私は頭の中の嫌な妄想を振り払う。
嫌な予感は当たることなく、侍女さんの言葉で否定された。
「まさか、あたしだけです」
だよね。でも、まだ心配なことが残っている。
「私の着替えや入浴の手伝いとかやったりは?」
「その業務に携わったら、あたし、グレイアド様に殺されますので」
だよねー ようやく私ははぁぁぁぁっと長い長い息を吐いた。
侍女さん、いや、女装の侍従さんと呼んだ方がいいのだろうか。彼は息を吐くように、自分の身の上話をし始める。
「あたし、女顔で身体つきも細くて。本当は騎士を目指していたんですが、騎士団に入れなかったんです。それで侍従をしていたんですが」
「待って、女顔で身体つきが細いのと、騎士団への入団は無関係でしょ!」
ムチャクチャな話につっこみを入れる私に向けて、女装の侍従さんは静かに首を振った。
「ベイオス様の方針なんです。騎士団入りできるのは、屈強な体格の男だけだというのは」
侍従さんはそう言って、羨ましそうな目をグレイに向けた。
「筋肉はついているんですよ? でもどう頑張っても、ムキムキした筋肉に育たなくて」
盾を持つ方の腕の袖を捲り上げると、そこには細腕(とはいっても男性にしては、であるけど)ながら、引き締まった綺麗な筋肉が現れる。
どう見ても女性の腕ではない。だから、夏なのに長袖を着ていたのかと、改めて思いいたった。
「ムキムキじゃないと騎士になれないなんて、おかしくない?」
「仕方ありません、そういう方針なので」
うん、どういう方針なのよ、それ。
確かに、ベイオス閣下もムキムキだし、グレイもムキムキだし、ニグラートの騎士はみーんなムキムキだった。
その理由が、ベイオス閣下の方針だったとは。
「いや、絶対おかしい。だって、あなたって盾の扱い、凄いじゃないの。最初はぎこちなかったけど、短時間のうちに、見事に使いこなせるようになってるし」
私の言葉に顔を赤らめて、嬉しそうにする侍従さん。
筋肉はともかくとして、顔はどう見ても女性に見える。うっすらとお化粧をしているせいなのか、元々が美人なせいなのか。
筋肉はともかくとして、美人な面もちがとても羨ましい。
凄いのは本当のこと。今まで、侍従さんの力を認めてくれた人は誰もいなかったのだろうか。
だとしたら、とても悲しいことだと思う。
見た目のせいで、努力してもその努力が認められない。私も何度も味わったことだから。
「他の誰も認めてくれなくても、私が認めてるから。侍女さんの姿で私の護衛を兼ねるのなら、ちゃんと騎士の格好で私の護衛をすればいいわ」
私はきっぱりと言い切った。
グレイやベイオス閣下に反対されても、我が儘だと思われても、この女装の侍従さんを私の護衛騎士にしてもらおう。
実力が足りないなら、実力をつけてもらえばいい。
私の強い意思が伝わったのか、女装の侍従さんは驚いたような顔をして、それから泣きそうな顔になって、堪えるような顔を見せ、最後に下を向き、大きく頷いたのだった。
そんな会話をしている間も、グレイとギルダーの睨み合い、魔力のぶつかり合いは続いていて。
「主、そろそろヤバいぞ? 空間に亀裂が入りそうだ」
セラフィアスの声かけで、私はグレイたちに注意を戻した。
グレイもギルダーも気を見て、いったん距離を取りたがっている様子。
「あの二人が距離を取ったら、私、あの二人の間に駆け込むから」
「エルシア様、大丈夫ですか?」
「まぁ、まだ子どもだけど、魔力量ではぜんぜん負けてないから」
嘘はついてない。
魔力関連のことなら、グレイやギルダーに負けてはいない。問題は筋肉的な部分。物理では絶対負ける。
だからこそ、魔力で押す。
「あなたを巻き込まない自信はないから、私が動いたら、全力で壁まで走ってね?」
私は女装の侍従さんに念押しした。
侍従さんが頷くのと同時に、グレイが動く。
急に魔力を膨らませてギルダーを押した。押されたギルダーは押し返そうと同じく魔力をぐっと膨らませた。
今だ。
ザザザザザザザザ
グレイが音を立てて後ずさる。魔剣は構えたまま。
ギルダーが押し返そうと魔力を膨らませたのに合わせ、グレイが力を抜き、相手の押し返す力を利用する形で距離を取る。
見事なほど自然な動きでギルダーから離れたグレイ。
そして、私は後ずさったグレイと、押し返した体勢のギルダーの間に滑り込んだ。
よしっ。
ここまでは成功。
後は二人のケンカだか決闘だか戦争だか訳の分からない物を止めさせるだけ。
「シア!」「エルシア姫!」
二人の叫びに、
「主! 足元!」
なぜか、セラフィアスの焦った叫び声が加わる。
次の瞬間、私の足元が消えた。
「え?」
と、思ったときにはすでに遅かった。
「シアーーーーー!」
「主ぃぃぃーーー!」
目の前がふぃっと真っ暗になる。どうやら、穴に吸い込まれたようだ。
あれ?
大噴出の穴って、噴き出すんだから吸い込まないよね?
そんなことを考えているうちに、私は意識を失った。
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