悪役令嬢に転生するも魔法に夢中でいたら王子に溺愛されました

黒木 楓

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2章

86話

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 ロウデスが、私に手を向けて話してくる。

「伴侶に相応しいリリアンは貰う――拒否権はない」

「ふざけるな!」

 レックス殿下が前に出て、ロウデスが肩をすくめる。

「この惨状を目にしても、私に勝てる気でいるのか?」

 そう言ったのは、周囲に倒れている魔法士達が優秀だからだ。
 魔法披露会を見るためにやって来た賢者の人達が戦うけど、復活したロウデスは圧倒していた。
 理事長と副理事長、ネーゼの三人は戦えていたけど、それでも今は倒れている。
 ロウデスの強さは圧倒的でも、レックス殿下は怯まず叫ぶ。

「貴様はネーゼ達との戦いで魔力を消費した。勝てるに決まっている!」

「それなら、その心を折るとしよう」

 ロウデスが宣言して――周囲の意識を失った人達から、魂の力を吸収していく。

「これは……ロウデスを倒さないと、数分すれば会場の人達は消滅します!」

「なっっ――」

 私が説明して、皆が唖然としながらロウデスを眺める。

「ラギルの中で見させてもらったが……下等な存在がどんなコミュニティを築いているのか、眺めていると愉しめたよ」

 ロウデスが話すけど、時間のない私達は話を聞く気はない。
 レックス殿下が剣を向けて、私、ロイ、カレンが杖を構える。

「興味深い知識も得たが、それを試すのはこの戦いが終わってからだ」

 私とカレンがいた世界、この世界がゲームだと知っても邪神は冷静だ。
 そして、ゲームでは最終決戦になる――邪神ロウデスとの戦いがはじまった。

   ◇◆◇

 復活した邪神ロウデスは、今まで出会ったどの魔法士よりも強力な存在だった。
 魔法を主に戦うことは知っているけど、ネーゼ達が相手の時は捨て身で接近戦をしている。
 ロウデスが接近しよう間合いを詰めてきたら、レックス殿下が即座に動いて止めていた。

 レックス殿下が負傷したら、私が回復魔法で治していく。
 ロウデスが後衛の私達に迫らないよう、レックス殿下が接近して戦っていた。
 私達はレックス殿下に当てないよう方向を気にしながら魔法を駆使するけど、ロウデスは瞬時に魔力で治していく。
 誰も負傷しない攻防が続き、応援に来た人は余波だけで倒れてしまう。
 それ程までの戦いになって――私達が劣勢だ。

「リリアンは理解できているようだな。やはり、私の伴侶に相応しい」

 魔法の強さは互角で押しているけど、問題はロウデスの魔力量が桁違いということだ。
 まだ数十秒しか経っていない戦いだけど、時間が経てばロウデスは周囲の人から魂を取り込んでしまう。
 倒す手段は回復させず仕留めるしかないけど……私達でもそれ程の力が出せず、徐々に追い詰められていた。
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