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第46話:誰もいないはずの自動ドア

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深夜、仕事帰りのコンビニでのことだった。

都会の喧騒もすっかり静まり返った午前一時過ぎ。
客の姿はなく、店員も奥に引っ込んでいた。

静まり返った店内。
冷蔵ケースの音と、BGMだけが空間に漂っている。

ふと背後で――

カラン……

と、小さな鈴の音が鳴った。

入口の自動ドアだ。
誰かが入ってきたのだと思って振り向く。

だが、誰もいない。

ガラス越しの外は街灯に照らされるだけで、人影はない。

「風で開いたのか……?」

そう思い、商品棚に視線を戻そうとしたその時――
目の端に、何かが映った。

ドアの前、透明なガラスのほんの向こう。
人の顔が、ぴたりと貼りついていた。

いや、顔――**のような“何か”**だ。
目は虚ろに開かれ、口は笑っているのに、笑っていない。

心臓が跳ねた。

だが次の瞬間、それはすっと消えた。

錯覚か、疲れているのか――
そう言い聞かせてレジへ向かう。

すると、レジ横のモニターに目がとまった。

自動ドアに設置された監視カメラの映像が、そこに映っていた。

そこには――

誰もいない自動ドアが、何度も開閉している様子が、繰り返されていた。

しかも、その映像の隅に、
白くぼやけた“手”のようなものが、
ドアを押さえているように見えた。

レジ奥から出てきた若い店員に話しかける。

「あの……さっきドアの前、何か変なもの見えたんだけど……」

すると彼は、気まずそうに笑って言った。

「……ああ、よく言われます。
あそこ、昔ちょっと、事故があったらしくて……」

「事故?」

「このコンビニの前に、保育園あったんですけどね。
昔、園児がひとり……飛び出して、トラックに……」

言い終わるか終わらないかのうちに――

カラン……

また、自動ドアが開いた。

誰も、いない。

けれど足元には、小さな赤い上履きが片方だけ、落ちていた。

――それは、どこにも売っていない。
どこにも“あるはずのない”サイズだった。

―――――――――――――――――――――――

あとがき
第46話『誰もいないはずの自動ドア』をお読みいただき、ありがとうございました。

自動で開くドアは、人が来たという“合図”です。
けれど、その合図に“人が伴わなかった”としたら――
あなたなら、それをどう解釈しますか?

次回は『第47話:消せない通話履歴、発信元:わたし』を予定しています。

―――――――――――――――――――――――

いいね・フォローのお願い
あなたが入ったコンビニ、自動ドアが開いたとき――
“本当に、あなた一人でしたか?”

いいねとフォローで、百話のその先の“気配”に、ぜひお付き合いください。
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