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第六話
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彩女。
元々彼女は伊賀の忍であり、徳川家康に忠誠を誓うくのいちであった。
彼女の任務は千姫を落ちゆく大坂城から逃すこと。
家康は関ヶ原の直後、秀頼を亡き者にしようなどとは考えてはいなかった。
家康は秀吉を尊敬し、その意志を受け継ぐ政策を行っており、彼の子である秀頼は今川氏真同様に隠居させようと考え、生かそうと考えていたのだ。
しかし、それは叶わなかった。
権力欲と破滅的な思考を合わせ持つ淀君がいる限り、わかり合うことは不可能。
彼女はいずれ、欲望が抑えきれなくなり豊臣の名を利用して反乱を起こすだろう。
本多忠勝など頼りになる重臣が亡くなり、自分自身の命の先も短くはない。
慈悲深く、聡明な一面を見せる秀頼。
そんな彼を担ぎ上げ、淀君は天下を握る。
彼らは徳川家の最大の敵となる……豊臣家を潰さねばならない。
彼は優秀なくのいちである彩女に命じて、場内の様子などの報告し、落城後、千姫を連れてくる。
彩女。
彼女は稀有な美少女であり聡明な彼女を当初は淀君も気に入っており、くのいちであることに気づかず側室の一人として迎え入れた。
だが、家康の思惑通りにいかなかった。
秀頼は無垢な笑顔を見せて、彼女を迎え入れた。
「長旅であったであろう? 何か食べたいものはないか? 栄螺はどうだ? 美味いぞ」
少年の眼差し。
今まであった男たちの欲望の視線はない。
彩女は艶やかな身体と美貌の持ち主。
時として、彼女はそれを利用し暗殺を遂行してきた。
欲まみれの男たちに嫌悪感すらあり、人に失望していた。
しかし、
「私はこの城を出たことはない。ぜひ、外の世界を教えてくれ!」
秀頼は真摯に彩女と向き合い、人として見ており、食事や寝るところも彼女好みのものを取り揃えた。
彼女に訪れた凪のように平和な日々。
そんな毎日であるが、秀頼が刺客に襲われたことがある。
彩女は鮮やかな剣技で刺客たちを討ち取った。
この時代、護身術を使える女性は数多いる。
強い女性がいても驚きはない。
しかし、淀君はその美しい一閃に気づく。
ーー此奴も刺客の一人だったようですね。頃合いを見て秀頼を亡き者にしようとするでしょう。
しかし、一方の秀頼も
「ありがとう! 彩女」
純粋な感謝の気持ち。
彩女は素直に嬉しくなり俯き微笑む。
さらに彼は
「彩女……美しい一閃である。是非、私にも教えてくれ!」
と彼女の剣技に対し、純粋な芸術としての美しさ、自身の身や家族を守るための強さを見出し、教えを乞うた。
そして、その日より、彩女から剣を習う。
彼女は秀頼を知れば知るほど、いずれ殺さねばならないことに躊躇いを覚え始める。
しかも、彼は高身長、今で言うモデルのような体型である彼は武術にのめり込み、日に日に美しい体に変化している。
少年と美しい男が混在した彼に彩女は"トキメキ"という感覚を知る。
ある日、秀頼は生まれて初めて母である淀君と口論をした。
彩女についてである。
「彩女のことは私が一番詳しく理解している。彩女に殺されるなら本望だ」
淀君は数万の彼女を罵倒する言葉が喉元まで、やってくるがそこで止まる。
恐らく、彩女を暗殺すれば秀頼は死を選ぶだろう。
二人の間には確かな愛情があり、邪魔できないのだ。
秀頼は彼女への愛によって成長することができた。
ーー少しばかり面倒なことになりそうですね……秀頼……貴方は目覚めてはいけないのですよ。
淀君は彩女と秀頼の関係を苦々しく思うが、心の奥底に秘めて去っていく。
秀頼には武術の才能があり全ての武具の性質を読み取り、至近距離からでも銃弾を交わす技も覚えた。
秀頼は無邪気に「彩女! できるようになったぞ! 褒めてくれ」
幼い頃から暗殺者として修羅場を見てきた彼女は初めて満面の笑みを彼に見せた。
彼の成長を喜び、そして、彼からの子どものような視線に微笑みで応じた。
もちろん、千姫に対する愛情はある。
しかし、同じくらいに彩女への愛情と熱情もある。
ーー私に一人は選べない。
千姫は20年近く共に連れ添ってきた仲で夫婦としての信頼関係が結ばれている。
だが、彩女に対しては嫉妬ではなく、同じ男を愛した女同士奇妙な情で結ばれていた。
ーー側室としてなら構いません。
千姫はこの時代のモラルの枠内にあると、彩女の存在を許していた。
そして、
彼女はある日、彩女を寝室に呼ぶ。
「どういうことですか?」
彩女は千姫に尋ねた。
しかし、彼女は艶やかな笑みを浮かべたまま
「三人で愉しみましょう」
と、千姫は彩女の手を繋ぎ、布団の中に誘った。
「お……おやめください!」
彩女の言葉は彼女に届いてはいない。
そのまま服を強引に脱がされていく……
彩女の力であれば、千姫を押し返すことは可能だろう。
しかし、何故か力が出ずにされるがままとなっていく。
「まぁ、美しく気品がある乳房ですね」
彩女の大きな乳房が肌寒い外気に触れた瞬間……秀頼がドタドタと駆け足の音を立てながらやってきた。
「千、どうした? 体調が悪いと聞いたが……」
息を切らせている。
本当に心配していたのだろう。
しかし、千姫は笑みを表情に浮かべたまま部屋の奥を見るように促す。
そこには恥ずかしさを感じ、乳房を隠した彩女がいた。
「彩女さんが秀頼様に抱かれたいと……」
秀頼は困惑する。
「な、何を! 其方は正室であり、秀忠殿の娘であるぞ……」
「構いません。今宵は三人で一つになりましょう」
千姫の顔は微笑んではいるが、それは狂気に満ちている。
ーー不思議だ。今宵の千は母上と酷似している。
織田信雄や大野治長、片桐且元と話しているときの顔……天下を巻き込もうとしている狂気の表情だ。
三人とも呆れているが、同時に淀君の欲に対する狂気に恐怖も感じていた。
ーー何を考えているのだ?
しかし、秀頼と彩女は愛し合っている。
「仕方ありません……抱いて……くれ」
彩女は好きな男に見せる裸体に恥ずかしさを覚える……
ーー私のこと……嫌いにならないで
という女心と共に羞恥心を押し殺して抱かれる覚悟をした。
秀頼は彩女を押し倒す。
「すまぬ……」
彩女は顔を赤らめながら視線を逸らす。
「謝るな……私を女に……してくれ」
二人は本能のままに抱き合い、彩女は秀頼の体の隅まで知りたくなり、菊門から陰嚢までを舐め、そのまま陰茎まで舐め尽くす。
彼女は愛しい男に縋る上目遣いで秀頼の陰茎を蕩けて消えそうなくらいの唾液で包み込んだ。
千も我慢ができず、逞しくなった秀頼の大胸筋をその筋膜に沿うように舐め始めた。
この夜は何度も三人で愛の絶頂を迎え、彼は二人に愛を注ぎ込んだ。
女陰にかかった性液を彼女たち二人で接吻しながら味わう。
ずっと三人で暮らせたら……秀頼は淀君の破滅的な考えから離れ始めていた。
そして、時は夏の陣である。
後藤又兵衛と真田信繁は見事に合流に成功し、伊達軍は壊滅寸前。
立花宗茂が前線の指揮を行っているという。
さらに藤堂軍の全滅が秀頼のいる大坂城にまで聞こえてくる。
「どうか、秀頼公の御出馬をっ!」
戦場から離れられない治長に代わり、秀吉の時代から馬廻衆として活躍し、秀頼の剣術稽古の友をしていた薄田兼相が懇願する。
「なりま……」
淀君が拒否しようとした瞬間。
秀頼の側にいる彩女が彼女の言葉を遮る。
「わかりました。すぐに向かいます」
兼相は安心して、戦場に戻る。
「何を! 貴方は何を言ったのか自分でわかっているのですか!? 愚か者め! 徳川の雌犬が」
淀君は彩女の頬を平手で叩く。
「はい、私は雌犬でございます。ただ、今は秀頼様に尻尾を振る醜い雌犬。主人が生き残るためなら、貴方様の足でも喜んで舐めましょう」
彩女の白い肌が赤く腫れている。
彼女を動かしているものは正義などの高貴なものではない。
秀頼への熱情……生物としての習性。
ーー秀頼様と私の邪魔をする奴は殺す
ただ、それだけだ。
司馬遼太郎氏は創作物の中でくのいちを惚れさせて利用することを"くのいちの術"と呼んでいた。
秀頼は知らないうちにそういった術を使っていたのだろうか?
いや、天才的な暗殺者である彩女にはそんなものは通じないだろう。
おそらく、生物としての欲望の対象……愛なのだろう。
目標を達成するなら「雌犬」と呼ばれようが構わない。
秀頼と彩女は共に戦場に向かって行く。
それをニヤニヤと笑みを浮かべる千姫に淀君は不快に思い、
「何がおかしい?」
千姫もまた徳川と織田の血が流れており、彼女もあの夜に覚醒していた。
冬の陣で大筒の玉が城を襲ってきても、今のように笑みを浮かべていた。
ーーここで死ぬならそこまであの世で秀頼様が来るまで鬼と戯れましょうか?
秀頼といれば怖くはないである。
戦場に秀頼が加わる。
彼は初陣に震えるが、鎧を着て武装した彩女と手を握り合い、采配を振るう。
「行けぇ!」
兵士たちは狂喜しながら幕府軍かかってゆく。
アドレナリンが分泌された兵士は痛みを感じない。
妖怪のように武器を振るい、武器がなくなれば歯で噛みつき、殺していく。
そして、武将の一人である毛利勝永は勇ましい秀頼の姿を見て涙を流していた……
続く
元々彼女は伊賀の忍であり、徳川家康に忠誠を誓うくのいちであった。
彼女の任務は千姫を落ちゆく大坂城から逃すこと。
家康は関ヶ原の直後、秀頼を亡き者にしようなどとは考えてはいなかった。
家康は秀吉を尊敬し、その意志を受け継ぐ政策を行っており、彼の子である秀頼は今川氏真同様に隠居させようと考え、生かそうと考えていたのだ。
しかし、それは叶わなかった。
権力欲と破滅的な思考を合わせ持つ淀君がいる限り、わかり合うことは不可能。
彼女はいずれ、欲望が抑えきれなくなり豊臣の名を利用して反乱を起こすだろう。
本多忠勝など頼りになる重臣が亡くなり、自分自身の命の先も短くはない。
慈悲深く、聡明な一面を見せる秀頼。
そんな彼を担ぎ上げ、淀君は天下を握る。
彼らは徳川家の最大の敵となる……豊臣家を潰さねばならない。
彼は優秀なくのいちである彩女に命じて、場内の様子などの報告し、落城後、千姫を連れてくる。
彩女。
彼女は稀有な美少女であり聡明な彼女を当初は淀君も気に入っており、くのいちであることに気づかず側室の一人として迎え入れた。
だが、家康の思惑通りにいかなかった。
秀頼は無垢な笑顔を見せて、彼女を迎え入れた。
「長旅であったであろう? 何か食べたいものはないか? 栄螺はどうだ? 美味いぞ」
少年の眼差し。
今まであった男たちの欲望の視線はない。
彩女は艶やかな身体と美貌の持ち主。
時として、彼女はそれを利用し暗殺を遂行してきた。
欲まみれの男たちに嫌悪感すらあり、人に失望していた。
しかし、
「私はこの城を出たことはない。ぜひ、外の世界を教えてくれ!」
秀頼は真摯に彩女と向き合い、人として見ており、食事や寝るところも彼女好みのものを取り揃えた。
彼女に訪れた凪のように平和な日々。
そんな毎日であるが、秀頼が刺客に襲われたことがある。
彩女は鮮やかな剣技で刺客たちを討ち取った。
この時代、護身術を使える女性は数多いる。
強い女性がいても驚きはない。
しかし、淀君はその美しい一閃に気づく。
ーー此奴も刺客の一人だったようですね。頃合いを見て秀頼を亡き者にしようとするでしょう。
しかし、一方の秀頼も
「ありがとう! 彩女」
純粋な感謝の気持ち。
彩女は素直に嬉しくなり俯き微笑む。
さらに彼は
「彩女……美しい一閃である。是非、私にも教えてくれ!」
と彼女の剣技に対し、純粋な芸術としての美しさ、自身の身や家族を守るための強さを見出し、教えを乞うた。
そして、その日より、彩女から剣を習う。
彼女は秀頼を知れば知るほど、いずれ殺さねばならないことに躊躇いを覚え始める。
しかも、彼は高身長、今で言うモデルのような体型である彼は武術にのめり込み、日に日に美しい体に変化している。
少年と美しい男が混在した彼に彩女は"トキメキ"という感覚を知る。
ある日、秀頼は生まれて初めて母である淀君と口論をした。
彩女についてである。
「彩女のことは私が一番詳しく理解している。彩女に殺されるなら本望だ」
淀君は数万の彼女を罵倒する言葉が喉元まで、やってくるがそこで止まる。
恐らく、彩女を暗殺すれば秀頼は死を選ぶだろう。
二人の間には確かな愛情があり、邪魔できないのだ。
秀頼は彼女への愛によって成長することができた。
ーー少しばかり面倒なことになりそうですね……秀頼……貴方は目覚めてはいけないのですよ。
淀君は彩女と秀頼の関係を苦々しく思うが、心の奥底に秘めて去っていく。
秀頼には武術の才能があり全ての武具の性質を読み取り、至近距離からでも銃弾を交わす技も覚えた。
秀頼は無邪気に「彩女! できるようになったぞ! 褒めてくれ」
幼い頃から暗殺者として修羅場を見てきた彼女は初めて満面の笑みを彼に見せた。
彼の成長を喜び、そして、彼からの子どものような視線に微笑みで応じた。
もちろん、千姫に対する愛情はある。
しかし、同じくらいに彩女への愛情と熱情もある。
ーー私に一人は選べない。
千姫は20年近く共に連れ添ってきた仲で夫婦としての信頼関係が結ばれている。
だが、彩女に対しては嫉妬ではなく、同じ男を愛した女同士奇妙な情で結ばれていた。
ーー側室としてなら構いません。
千姫はこの時代のモラルの枠内にあると、彩女の存在を許していた。
そして、
彼女はある日、彩女を寝室に呼ぶ。
「どういうことですか?」
彩女は千姫に尋ねた。
しかし、彼女は艶やかな笑みを浮かべたまま
「三人で愉しみましょう」
と、千姫は彩女の手を繋ぎ、布団の中に誘った。
「お……おやめください!」
彩女の言葉は彼女に届いてはいない。
そのまま服を強引に脱がされていく……
彩女の力であれば、千姫を押し返すことは可能だろう。
しかし、何故か力が出ずにされるがままとなっていく。
「まぁ、美しく気品がある乳房ですね」
彩女の大きな乳房が肌寒い外気に触れた瞬間……秀頼がドタドタと駆け足の音を立てながらやってきた。
「千、どうした? 体調が悪いと聞いたが……」
息を切らせている。
本当に心配していたのだろう。
しかし、千姫は笑みを表情に浮かべたまま部屋の奥を見るように促す。
そこには恥ずかしさを感じ、乳房を隠した彩女がいた。
「彩女さんが秀頼様に抱かれたいと……」
秀頼は困惑する。
「な、何を! 其方は正室であり、秀忠殿の娘であるぞ……」
「構いません。今宵は三人で一つになりましょう」
千姫の顔は微笑んではいるが、それは狂気に満ちている。
ーー不思議だ。今宵の千は母上と酷似している。
織田信雄や大野治長、片桐且元と話しているときの顔……天下を巻き込もうとしている狂気の表情だ。
三人とも呆れているが、同時に淀君の欲に対する狂気に恐怖も感じていた。
ーー何を考えているのだ?
しかし、秀頼と彩女は愛し合っている。
「仕方ありません……抱いて……くれ」
彩女は好きな男に見せる裸体に恥ずかしさを覚える……
ーー私のこと……嫌いにならないで
という女心と共に羞恥心を押し殺して抱かれる覚悟をした。
秀頼は彩女を押し倒す。
「すまぬ……」
彩女は顔を赤らめながら視線を逸らす。
「謝るな……私を女に……してくれ」
二人は本能のままに抱き合い、彩女は秀頼の体の隅まで知りたくなり、菊門から陰嚢までを舐め、そのまま陰茎まで舐め尽くす。
彼女は愛しい男に縋る上目遣いで秀頼の陰茎を蕩けて消えそうなくらいの唾液で包み込んだ。
千も我慢ができず、逞しくなった秀頼の大胸筋をその筋膜に沿うように舐め始めた。
この夜は何度も三人で愛の絶頂を迎え、彼は二人に愛を注ぎ込んだ。
女陰にかかった性液を彼女たち二人で接吻しながら味わう。
ずっと三人で暮らせたら……秀頼は淀君の破滅的な考えから離れ始めていた。
そして、時は夏の陣である。
後藤又兵衛と真田信繁は見事に合流に成功し、伊達軍は壊滅寸前。
立花宗茂が前線の指揮を行っているという。
さらに藤堂軍の全滅が秀頼のいる大坂城にまで聞こえてくる。
「どうか、秀頼公の御出馬をっ!」
戦場から離れられない治長に代わり、秀吉の時代から馬廻衆として活躍し、秀頼の剣術稽古の友をしていた薄田兼相が懇願する。
「なりま……」
淀君が拒否しようとした瞬間。
秀頼の側にいる彩女が彼女の言葉を遮る。
「わかりました。すぐに向かいます」
兼相は安心して、戦場に戻る。
「何を! 貴方は何を言ったのか自分でわかっているのですか!? 愚か者め! 徳川の雌犬が」
淀君は彩女の頬を平手で叩く。
「はい、私は雌犬でございます。ただ、今は秀頼様に尻尾を振る醜い雌犬。主人が生き残るためなら、貴方様の足でも喜んで舐めましょう」
彩女の白い肌が赤く腫れている。
彼女を動かしているものは正義などの高貴なものではない。
秀頼への熱情……生物としての習性。
ーー秀頼様と私の邪魔をする奴は殺す
ただ、それだけだ。
司馬遼太郎氏は創作物の中でくのいちを惚れさせて利用することを"くのいちの術"と呼んでいた。
秀頼は知らないうちにそういった術を使っていたのだろうか?
いや、天才的な暗殺者である彩女にはそんなものは通じないだろう。
おそらく、生物としての欲望の対象……愛なのだろう。
目標を達成するなら「雌犬」と呼ばれようが構わない。
秀頼と彩女は共に戦場に向かって行く。
それをニヤニヤと笑みを浮かべる千姫に淀君は不快に思い、
「何がおかしい?」
千姫もまた徳川と織田の血が流れており、彼女もあの夜に覚醒していた。
冬の陣で大筒の玉が城を襲ってきても、今のように笑みを浮かべていた。
ーーここで死ぬならそこまであの世で秀頼様が来るまで鬼と戯れましょうか?
秀頼といれば怖くはないである。
戦場に秀頼が加わる。
彼は初陣に震えるが、鎧を着て武装した彩女と手を握り合い、采配を振るう。
「行けぇ!」
兵士たちは狂喜しながら幕府軍かかってゆく。
アドレナリンが分泌された兵士は痛みを感じない。
妖怪のように武器を振るい、武器がなくなれば歯で噛みつき、殺していく。
そして、武将の一人である毛利勝永は勇ましい秀頼の姿を見て涙を流していた……
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