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第二十話 四国の暗雲
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秀長が亡くなってから、秀吉の体調は一気に悪化していき、寝室から立てないことも多く、高熱や頭痛に悩まされていた。
そんな中、政務を行なっており、この日は長宗我部家の後継者についての報告が元親からされる。
この世界線では長男の信親が無事で軍事政務官の立場でもある。
信親は秀包たちと共に京や堺などでの仕事が多く、土佐の統治は元親と盛親が担当している。
秀吉は信親を気に入っており、いずれは五大老の一角と考えていた。
「信親もワシの子どもみたいなもんやきに、ワシも嬉しいわい。盛親も悪くないんやが、やっぱり側におる時間が長いから、すまんな」
和かな会話であった。
史実ではこの頃の元親は自暴自棄であったが、信親は生存しており活力がある。
また、信親と盛親の二人に羽柴性が与えられており関係は良好であった。
「で、親忠はおらんのか?」
元親の顔が一気に曇り、和やかな空気が一変する。
津野親忠は元親の三男であるが、父である元親に嫌われており、豊臣家に人質として差し出されていた。
そして、秀吉は人質としてやってきた各国の大名の子どもたちを手厚く保護した。
それは親忠も同じであり、彼の世話役には藤堂高虎が就任し教育などもキチンと施した。
秀吉にとって親忠も息子に近い存在。
冷遇されているの事実を辛く感じている。
「元親よぉ、親忠、ウチにくれんか?」
元親は困惑の表情を浮かべ、秀吉もそれを察して
「秀頼の教育係と秀次との取次役をしてほしいんや」
元親が否定の言葉を吐く前に信親が
「さすが、殿下。親忠の良きところをご存知のようで。私たちが了承しております。親忠も断らないでしょう」
と言う。
元親と親忠の仲は良くはないが、兄弟たちとの仲は良かった。
また親忠はコミュニケーション能力が高い点も秀吉や信親は見抜いており、秀次との引継役は適役であることは確実。
元親は不満ではあるが、信親と盛親は兄弟の栄転が決まり、嬉しくなる。
「盛親、私がいない間の土佐を任せたぞ」
「わかっちゅうよ! 皆と力を合わせて守ったるで!」
元親は兄弟たちの結束が強くなり、嬉しくなる。
このように秀吉は自身の命が終わるまで、反乱が起こらないように仲介役となり地方大名の間に入り、混乱を収拾していた。
ーー豊臣家を悪にしないため……
しかし、それを喜ばない連中がいた。
「津野親忠を豊臣家に?」
久武親直が忍びの者に尋ねる。
「はい」
その答えに親直は怒りの表情となる。
「アホが!? 親忠を亡き者にして、その功で城持ちになる予定がなくなるではないか!? せっかく、貴様ら伊賀者を使って混乱に陥れておったのに!」
伊賀者……そうである。
徳川家康家臣の伊賀者を使い、工作を仕掛けていた。
それにある程度の功はあり、元親と親忠の仲は険悪なものと変わっていった。
「ご安心下さいませ……元親、信親を亡き者にしても良いと、以前に申しましたな?」
「うむ。盛親を利用して、私も……」
忍びの者が素顔を見せる。
数々の修羅場を乗り越えてきたであろう傷だらけの顔と殺意で形成された様な眼……忍びの者が言う。
「この服部半蔵にお任せあれ」
続く
そんな中、政務を行なっており、この日は長宗我部家の後継者についての報告が元親からされる。
この世界線では長男の信親が無事で軍事政務官の立場でもある。
信親は秀包たちと共に京や堺などでの仕事が多く、土佐の統治は元親と盛親が担当している。
秀吉は信親を気に入っており、いずれは五大老の一角と考えていた。
「信親もワシの子どもみたいなもんやきに、ワシも嬉しいわい。盛親も悪くないんやが、やっぱり側におる時間が長いから、すまんな」
和かな会話であった。
史実ではこの頃の元親は自暴自棄であったが、信親は生存しており活力がある。
また、信親と盛親の二人に羽柴性が与えられており関係は良好であった。
「で、親忠はおらんのか?」
元親の顔が一気に曇り、和やかな空気が一変する。
津野親忠は元親の三男であるが、父である元親に嫌われており、豊臣家に人質として差し出されていた。
そして、秀吉は人質としてやってきた各国の大名の子どもたちを手厚く保護した。
それは親忠も同じであり、彼の世話役には藤堂高虎が就任し教育などもキチンと施した。
秀吉にとって親忠も息子に近い存在。
冷遇されているの事実を辛く感じている。
「元親よぉ、親忠、ウチにくれんか?」
元親は困惑の表情を浮かべ、秀吉もそれを察して
「秀頼の教育係と秀次との取次役をしてほしいんや」
元親が否定の言葉を吐く前に信親が
「さすが、殿下。親忠の良きところをご存知のようで。私たちが了承しております。親忠も断らないでしょう」
と言う。
元親と親忠の仲は良くはないが、兄弟たちとの仲は良かった。
また親忠はコミュニケーション能力が高い点も秀吉や信親は見抜いており、秀次との引継役は適役であることは確実。
元親は不満ではあるが、信親と盛親は兄弟の栄転が決まり、嬉しくなる。
「盛親、私がいない間の土佐を任せたぞ」
「わかっちゅうよ! 皆と力を合わせて守ったるで!」
元親は兄弟たちの結束が強くなり、嬉しくなる。
このように秀吉は自身の命が終わるまで、反乱が起こらないように仲介役となり地方大名の間に入り、混乱を収拾していた。
ーー豊臣家を悪にしないため……
しかし、それを喜ばない連中がいた。
「津野親忠を豊臣家に?」
久武親直が忍びの者に尋ねる。
「はい」
その答えに親直は怒りの表情となる。
「アホが!? 親忠を亡き者にして、その功で城持ちになる予定がなくなるではないか!? せっかく、貴様ら伊賀者を使って混乱に陥れておったのに!」
伊賀者……そうである。
徳川家康家臣の伊賀者を使い、工作を仕掛けていた。
それにある程度の功はあり、元親と親忠の仲は険悪なものと変わっていった。
「ご安心下さいませ……元親、信親を亡き者にしても良いと、以前に申しましたな?」
「うむ。盛親を利用して、私も……」
忍びの者が素顔を見せる。
数々の修羅場を乗り越えてきたであろう傷だらけの顔と殺意で形成された様な眼……忍びの者が言う。
「この服部半蔵にお任せあれ」
続く
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