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3章
外伝4「恋する(?)エイミーの砦騒動」
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「恋って、いったいなんなんだろう――」
朝日が差し込む砦の食堂、まだ誰もいない静かな時間。私はほうき片手にそんなことをぼんやり考えていた。
最近、夢の中で“誰か”と手を繋いで歩いている自分を見ることが増えた。
でも、顔はなぜかぼやけているし、名前も思い出せない。
目覚めるとちょっと胸が苦しくて、それが「恋」なのか、ただの寝不足なのか、自分でもよくわからない。
「――エイミー、そろそろ厨房手伝ってくれないか?」
カイラス団長のぶっきらぼうな声で、現実に引き戻される。
私はあわててほうきを立てかけ、団長に「おはようございます!」と元気よく頭を下げた。
「おう、今日も元気そうだな。朝食の卵焼き、もう焼けるか?」
「はい、ただいま準備します!」
朝の厨房は、団長のために特製卵焼きを焼き、ノクティアさんの好物のカモミールティーを用意するのが日課だ。
団長は黙ってコーヒーをすすり、ノクティアさんは新聞の代わりに魔導書を開いている。
こんな日常が、私はけっこう好きだ。
ふと、厨房の窓から外を見れば、兵士たちが訓練場で汗を流し、子どもたちが庭で鬼ごっこをしている。
その輪の中に、セレスタ使節団のレオナート様の姿を見つけて、私はなんとなく顔が熱くなった。
(レオナート様……やっぱり素敵だなぁ)
*
レオナート様は、私と同じセレスタからやってきた騎士団長。
どんなときも穏やかな笑顔を絶やさない。
砦の誰にでも優しいし、仕事もきっちりこなす。
ノクティアさんと並んで話すことが多いけど、私にも時々「君の紅茶は最高だ」と褒めてくれる。
そんな些細なことに、つい胸が高鳴ってしまう。
「エイミー、今日も頼むよ。君のおかげで朝が明るくなる」
そう言われた日には、一日中浮かれて失敗ばかり――なんてことも。
「私って、もしかして恋してるのかな……?」
でも、恋なんて遠い世界の話だと思っていた。
小さい頃から家族の世話、村の手伝い、砦に来てからはみんなの“お母さん”役。
自分が“女の子”として誰かを想うなんて、今まで考えたことがなかった。
……なのに最近は、夢の中の“誰か”を思い出そうとすると、どうしてもレオナート様の顔がちらつく。
*
そんなある日のこと。
「エイミーさん、これ、落としましたよ」
訓練帰りの兵士が、私のメモ帳を差し出してくれた。
「あっ、ありがとう! どこに落ちてた?」
「花壇のそばです。もしかして、またお花の世話してたんですか?」
私は赤くなりながら首を振る。
「い、いえ……朝ごはんのメニューを考えてて、そのまま……」
メモ帳には、団長の好物、ノクティアさんの飲み物、そしてレオナート様用の“バラの花束”と書きかけた跡があった。
(……なに考えてるの、私……)
恋心って、こんな風に日常のすきまに忍び込むものなんだろうか。
*
昼過ぎ。厨房でスープを煮込んでいると、ノクティアさんがひょっこり顔を出す。
「エイミー、今日もいい匂いね。あの……最近、ちょっと元気がないみたいだけど、大丈夫?」
「え? 私、元気です! むしろ元気すぎて……あの、ちょっと変な夢ばっかりで寝不足なんです」
ノクティアさんは意味ありげに微笑む。
「恋の悩み?」
「ええっ、な、なんで分かるんですか!?」
思わず大声が出て、スープの鍋がカランと鳴った。
「女の子は、恋をしてるときは分かるものよ。……エイミー、もし困ったことがあったら、私に何でも話してね」
ノクティアさんは本当に頼りになる。
私はうなずきながら、いつか恋の相談もしてみたいな、と思った。
*
午後、ちょっとした事件が起きた。
「団長、訓練場の水桶が足りません!」
「点呼用の名簿が一枚消えました!」
「厨房のスプーンがまた一本足りません!」
みんながあちこちから叫ぶたび、私はノートを片手に走り回る。
物が消えるのはもう“日常茶飯事”。私の頭は、恋と仕事の両方でぐるぐる回っていた。
「エイミーさん、これで何回目の捜索ですか?」
「五回目です!」
笑ってごまかしながらも、どこか心は上の空。
(レオナート様、今ごろ何してるのかな……)
と、ふと気が緩んで、バケツにつまづき尻もちをついてしまう。
「いたたた……」
その瞬間、後ろから大きな手が伸びてきた。
「大丈夫ですか、エイミーさん」
振り向けば、レオナート様。
「だ、大丈夫です! ちょっと転んだだけで――」
私が慌てて立ち上がろうとすると、レオナート様がそっと手を差し伸べてくれる。
「エイミーさんは、いつも砦のために頑張ってくれている。もし疲れたときは、遠慮なく休んでくださいね」
「はい……ありがとうございます……」
なんだか涙が出そうだった。
*
夕方。
食堂で夕食の準備をしていると、カイラス団長がやってきた。
「エイミー、今日はもう休め。夜は俺たちが片付けておくから」
「えっ、でも……」
「たまには女の子らしく、おしゃれしてみるのもいいぞ」
団長の言葉に、ノクティアさんとエイミーが顔を見合わせて、思わず吹き出す。
「カイラスがそんなこと言うなんて珍しいわね」
「ノクティア、俺だってたまには気を利かせるさ」
みんなが笑うと、どんな不安も吹き飛んでいく。
*
夜。
砦の外は静かな星空。私はこっそり庭に出て、ベンチに座った。
「……私、恋してるのかな」
目を閉じて、昼間の出来事をひとつひとつ思い返す。
失くしたメモ帳、転んだときのレオナート様の手、ノクティアさんの優しさ。
どれも胸があたたかくなる思い出ばかりだ。
「エイミーさん?」
声がして振り向くと、そこにはレオナート様が立っていた。
「こんな夜に外で何をしているんですか?」
「……ちょっとだけ、星を見ていました。最近、変な夢ばかり見るから、今夜はきれいな星が見たくて」
レオナート様は私の隣に腰を下ろし、しばらく黙って星空を見上げる。
「……エイミーさん」
「はい?」
「僕は、ここに来てよかったと思っています。砦のみんなが温かく迎えてくれて……エイミーさんにもたくさん助けられました」
私はあわてて手を振る。
「そ、そんな、私なんて! ただの台所番ですし、ちょっとドジで――」
「いいえ、君の優しさは、みんなの支えです。……これからも、よろしくお願いしますね」
その言葉が、なぜか涙が出そうなくらい嬉しかった。
*
自分の部屋に戻って、ベッドに倒れ込む。
「……ふふ、今日もいろいろあったなぁ」
ドジをしても、恋に悩んでも、誰かの役に立てる毎日がある。
そして、誰かを想う気持ちが、きっと“日常”をもっと大切にしてくれる。
(恋って、たぶん、こういうことなんだろうな)
“恋するエイミー”の砦騒動は、たぶん明日も続く。
でも、きっと明日も大丈夫。
みんなの笑顔があれば、どんなに不思議な夢を見ても、きっと乗り越えられる。
「よし、明日もがんばろう!」
エイミーの新しい一日が、また始まる。
朝日が差し込む砦の食堂、まだ誰もいない静かな時間。私はほうき片手にそんなことをぼんやり考えていた。
最近、夢の中で“誰か”と手を繋いで歩いている自分を見ることが増えた。
でも、顔はなぜかぼやけているし、名前も思い出せない。
目覚めるとちょっと胸が苦しくて、それが「恋」なのか、ただの寝不足なのか、自分でもよくわからない。
「――エイミー、そろそろ厨房手伝ってくれないか?」
カイラス団長のぶっきらぼうな声で、現実に引き戻される。
私はあわててほうきを立てかけ、団長に「おはようございます!」と元気よく頭を下げた。
「おう、今日も元気そうだな。朝食の卵焼き、もう焼けるか?」
「はい、ただいま準備します!」
朝の厨房は、団長のために特製卵焼きを焼き、ノクティアさんの好物のカモミールティーを用意するのが日課だ。
団長は黙ってコーヒーをすすり、ノクティアさんは新聞の代わりに魔導書を開いている。
こんな日常が、私はけっこう好きだ。
ふと、厨房の窓から外を見れば、兵士たちが訓練場で汗を流し、子どもたちが庭で鬼ごっこをしている。
その輪の中に、セレスタ使節団のレオナート様の姿を見つけて、私はなんとなく顔が熱くなった。
(レオナート様……やっぱり素敵だなぁ)
*
レオナート様は、私と同じセレスタからやってきた騎士団長。
どんなときも穏やかな笑顔を絶やさない。
砦の誰にでも優しいし、仕事もきっちりこなす。
ノクティアさんと並んで話すことが多いけど、私にも時々「君の紅茶は最高だ」と褒めてくれる。
そんな些細なことに、つい胸が高鳴ってしまう。
「エイミー、今日も頼むよ。君のおかげで朝が明るくなる」
そう言われた日には、一日中浮かれて失敗ばかり――なんてことも。
「私って、もしかして恋してるのかな……?」
でも、恋なんて遠い世界の話だと思っていた。
小さい頃から家族の世話、村の手伝い、砦に来てからはみんなの“お母さん”役。
自分が“女の子”として誰かを想うなんて、今まで考えたことがなかった。
……なのに最近は、夢の中の“誰か”を思い出そうとすると、どうしてもレオナート様の顔がちらつく。
*
そんなある日のこと。
「エイミーさん、これ、落としましたよ」
訓練帰りの兵士が、私のメモ帳を差し出してくれた。
「あっ、ありがとう! どこに落ちてた?」
「花壇のそばです。もしかして、またお花の世話してたんですか?」
私は赤くなりながら首を振る。
「い、いえ……朝ごはんのメニューを考えてて、そのまま……」
メモ帳には、団長の好物、ノクティアさんの飲み物、そしてレオナート様用の“バラの花束”と書きかけた跡があった。
(……なに考えてるの、私……)
恋心って、こんな風に日常のすきまに忍び込むものなんだろうか。
*
昼過ぎ。厨房でスープを煮込んでいると、ノクティアさんがひょっこり顔を出す。
「エイミー、今日もいい匂いね。あの……最近、ちょっと元気がないみたいだけど、大丈夫?」
「え? 私、元気です! むしろ元気すぎて……あの、ちょっと変な夢ばっかりで寝不足なんです」
ノクティアさんは意味ありげに微笑む。
「恋の悩み?」
「ええっ、な、なんで分かるんですか!?」
思わず大声が出て、スープの鍋がカランと鳴った。
「女の子は、恋をしてるときは分かるものよ。……エイミー、もし困ったことがあったら、私に何でも話してね」
ノクティアさんは本当に頼りになる。
私はうなずきながら、いつか恋の相談もしてみたいな、と思った。
*
午後、ちょっとした事件が起きた。
「団長、訓練場の水桶が足りません!」
「点呼用の名簿が一枚消えました!」
「厨房のスプーンがまた一本足りません!」
みんながあちこちから叫ぶたび、私はノートを片手に走り回る。
物が消えるのはもう“日常茶飯事”。私の頭は、恋と仕事の両方でぐるぐる回っていた。
「エイミーさん、これで何回目の捜索ですか?」
「五回目です!」
笑ってごまかしながらも、どこか心は上の空。
(レオナート様、今ごろ何してるのかな……)
と、ふと気が緩んで、バケツにつまづき尻もちをついてしまう。
「いたたた……」
その瞬間、後ろから大きな手が伸びてきた。
「大丈夫ですか、エイミーさん」
振り向けば、レオナート様。
「だ、大丈夫です! ちょっと転んだだけで――」
私が慌てて立ち上がろうとすると、レオナート様がそっと手を差し伸べてくれる。
「エイミーさんは、いつも砦のために頑張ってくれている。もし疲れたときは、遠慮なく休んでくださいね」
「はい……ありがとうございます……」
なんだか涙が出そうだった。
*
夕方。
食堂で夕食の準備をしていると、カイラス団長がやってきた。
「エイミー、今日はもう休め。夜は俺たちが片付けておくから」
「えっ、でも……」
「たまには女の子らしく、おしゃれしてみるのもいいぞ」
団長の言葉に、ノクティアさんとエイミーが顔を見合わせて、思わず吹き出す。
「カイラスがそんなこと言うなんて珍しいわね」
「ノクティア、俺だってたまには気を利かせるさ」
みんなが笑うと、どんな不安も吹き飛んでいく。
*
夜。
砦の外は静かな星空。私はこっそり庭に出て、ベンチに座った。
「……私、恋してるのかな」
目を閉じて、昼間の出来事をひとつひとつ思い返す。
失くしたメモ帳、転んだときのレオナート様の手、ノクティアさんの優しさ。
どれも胸があたたかくなる思い出ばかりだ。
「エイミーさん?」
声がして振り向くと、そこにはレオナート様が立っていた。
「こんな夜に外で何をしているんですか?」
「……ちょっとだけ、星を見ていました。最近、変な夢ばかり見るから、今夜はきれいな星が見たくて」
レオナート様は私の隣に腰を下ろし、しばらく黙って星空を見上げる。
「……エイミーさん」
「はい?」
「僕は、ここに来てよかったと思っています。砦のみんなが温かく迎えてくれて……エイミーさんにもたくさん助けられました」
私はあわてて手を振る。
「そ、そんな、私なんて! ただの台所番ですし、ちょっとドジで――」
「いいえ、君の優しさは、みんなの支えです。……これからも、よろしくお願いしますね」
その言葉が、なぜか涙が出そうなくらい嬉しかった。
*
自分の部屋に戻って、ベッドに倒れ込む。
「……ふふ、今日もいろいろあったなぁ」
ドジをしても、恋に悩んでも、誰かの役に立てる毎日がある。
そして、誰かを想う気持ちが、きっと“日常”をもっと大切にしてくれる。
(恋って、たぶん、こういうことなんだろうな)
“恋するエイミー”の砦騒動は、たぶん明日も続く。
でも、きっと明日も大丈夫。
みんなの笑顔があれば、どんなに不思議な夢を見ても、きっと乗り越えられる。
「よし、明日もがんばろう!」
エイミーの新しい一日が、また始まる。
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