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第1章 ココどこですか?
第一村人発見?!
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登記簿謄本。
それは土地の所有にとって大切な書類。
それは全く知らないウィンドリアとか言う国でも同じ事。。だと思う。
この場所の名前すら知らないけれど、誰のものでもない場所なんて存在しないのだ。
1晩はココに仮宿作ったけど(但し天井なし)明日からもそれで良い訳が無い。ましてや、薬草まで勝手に採取したのだ。
まずは筋を通す。
本当は混乱していて叫びたい気持ちだが、このまま叫び続けても得るものはない。
第一村人と出会わなければ。
そう、意気込んでいた時もあった。
自信があったのだ。
普段、俺は自転車も自動車も使わない。電車だって2駅くらい余裕で徒歩の俺。
朝から歩けば、夜になる前には街並みくらい目に出来るはずと踏んだのだが。
ウィンドリアって、草原の国なのか?
山もない、川もない。
木だって生えてない。
動物も鳥も、いや虫だって見ないのだ。
はっ!!
もしかして【天国】か。来ちゃってたのか、俺。
詰んだな、コレ。
既に空は茜色。
今日何度目かの休憩をとろうと、座り込んで水を出す。
あの時、土壁を退けてお堀を見たら水が溜まって本物のお堀になってた。
それを収納庫に納めたら
飲料水 250t
表示さんは有難い。
お堀作ってほんとーに良かった。
害獣対策が思わぬ成果を出した。
貯めてなかったらヤバかった。真夏の気温だしな。
あれ?
喉乾くし、腹も減る。
やっぱり、ココが変な場所なのかな。
『せめて、何か生き物が居てくれたら。』
ため息混じりでそう呟いた。
『ちゃんと居るし。』
『そうか、居たのか。良かった』
。。。。
『ん?ええーーーー!!!』
振り向いた俺の目に飛び込んで来たのは
犬?
ミクロのサイズだけど、目を凝らせば
犬に見えるけど。
『はぁ、自分の想像力の無さを恥じろよ。
犬とかの訳ないじゃん。神狼だよ。
狼と犬の区別つかないとか。』
俺の肩の上にノミみたいに飛び上がった自称神狼が少し大きくなった。
『はぁ、こんなの相手にするなんて、疲れるなぁ。ま、やる事やらなきゃな。
一、お前は生きてる
二、ココは誰の土地でもないから収納した
ものは矢作のものになる
三、 第一村人はかなり遠くにいるので、
会いたいならあと30kmは歩け
分かったら、今夜の仮宿作りを早くしろ。
食事はお前が作れよ。もちろん俺の分もな。』
俺は会社では、無表情で分かりにくいとか言われたが今は驚愕の表情を隠せない。
言い終えた自称神狼が、あっという間に
それだけ言って消えたからだ。
ツッコミどころ満載だが、1番は食事を作れと命令して消えるとか。俺は神棚に置いた餅も直ぐ食べる男だ。居ないモノの為には作りたくない。
と、言うか食べ物はあの貴重な値切り品しかないのだがな、どうすれば。
悩む俺の耳に囁き声が聞こえた。
『はぁ、姿を見せるのは疲れるのだ。今はお前の耳の中にいる。ちゃんと食べるからさっさとしろ。』
神狼、まさかの耳の中とか、やめて欲しい。が、耳に何かがいる感覚は無い。
やっぱり【神】という名を持つからか。
しかし上から目線だな、まあ上から目線は慣れているけど。
得意技は無茶振りと言う上司と昨日まで殺りやっていたのだ。
あ、字を間違えた。(気持ち的には間違ってないのだが)
とりあえず、昨日より気楽にはなった。
勝手にやるのではなく、神狼のお墨付きなのだから。
さてと、収納庫の出番だ。
俺は昨日の要領で土壁とお堀を作る。少し土壁は低くして、今度は 土で作ったテーブルも用意した。
ここで食糧事情改善に本格的に乗り出す事にした。値切り品は最終手段だ。
考えた末に俺の出した解決策は草利用だ。
まずは
『収納庫より生で食せる草1kg取り出し』
ドサッ。
うむ、ちょっと取り出し過ぎたがココからもうひと工夫。
『生で美味しくない草 収納』
予想よりちょっと少なくなり過ぎだが、ほうれん草っぽい何かと、バジルっぽい何かが残った。まあ今晩の晩ご飯には十分だ。
少し凹ませた穴の上で野菜っぽい草を洗って1口。
『旨っ。野菜がこんなに旨いとか予想外。』
『そうだろ、そうだろ。
これは住民ならヨダレを垂らす高級品だからな。うん、美味い。』
声の方を見ればいつの間にか手のひらの上で神狼が野菜を頬張っていた。
くすぐったい手のひらの感覚に、少しだけ
嬉しい気持ちになっていたら。
『お前、笑えるのか。しかし不気味な笑い方だな。』
耳にタコが出来るほど言われてきたセリフを神狼からも言われるとは。
でも。
その夜は久しぶりによく寝た。
野菜の上で大の字の
第一村人 自称神狼と一緒に。
それは土地の所有にとって大切な書類。
それは全く知らないウィンドリアとか言う国でも同じ事。。だと思う。
この場所の名前すら知らないけれど、誰のものでもない場所なんて存在しないのだ。
1晩はココに仮宿作ったけど(但し天井なし)明日からもそれで良い訳が無い。ましてや、薬草まで勝手に採取したのだ。
まずは筋を通す。
本当は混乱していて叫びたい気持ちだが、このまま叫び続けても得るものはない。
第一村人と出会わなければ。
そう、意気込んでいた時もあった。
自信があったのだ。
普段、俺は自転車も自動車も使わない。電車だって2駅くらい余裕で徒歩の俺。
朝から歩けば、夜になる前には街並みくらい目に出来るはずと踏んだのだが。
ウィンドリアって、草原の国なのか?
山もない、川もない。
木だって生えてない。
動物も鳥も、いや虫だって見ないのだ。
はっ!!
もしかして【天国】か。来ちゃってたのか、俺。
詰んだな、コレ。
既に空は茜色。
今日何度目かの休憩をとろうと、座り込んで水を出す。
あの時、土壁を退けてお堀を見たら水が溜まって本物のお堀になってた。
それを収納庫に納めたら
飲料水 250t
表示さんは有難い。
お堀作ってほんとーに良かった。
害獣対策が思わぬ成果を出した。
貯めてなかったらヤバかった。真夏の気温だしな。
あれ?
喉乾くし、腹も減る。
やっぱり、ココが変な場所なのかな。
『せめて、何か生き物が居てくれたら。』
ため息混じりでそう呟いた。
『ちゃんと居るし。』
『そうか、居たのか。良かった』
。。。。
『ん?ええーーーー!!!』
振り向いた俺の目に飛び込んで来たのは
犬?
ミクロのサイズだけど、目を凝らせば
犬に見えるけど。
『はぁ、自分の想像力の無さを恥じろよ。
犬とかの訳ないじゃん。神狼だよ。
狼と犬の区別つかないとか。』
俺の肩の上にノミみたいに飛び上がった自称神狼が少し大きくなった。
『はぁ、こんなの相手にするなんて、疲れるなぁ。ま、やる事やらなきゃな。
一、お前は生きてる
二、ココは誰の土地でもないから収納した
ものは矢作のものになる
三、 第一村人はかなり遠くにいるので、
会いたいならあと30kmは歩け
分かったら、今夜の仮宿作りを早くしろ。
食事はお前が作れよ。もちろん俺の分もな。』
俺は会社では、無表情で分かりにくいとか言われたが今は驚愕の表情を隠せない。
言い終えた自称神狼が、あっという間に
それだけ言って消えたからだ。
ツッコミどころ満載だが、1番は食事を作れと命令して消えるとか。俺は神棚に置いた餅も直ぐ食べる男だ。居ないモノの為には作りたくない。
と、言うか食べ物はあの貴重な値切り品しかないのだがな、どうすれば。
悩む俺の耳に囁き声が聞こえた。
『はぁ、姿を見せるのは疲れるのだ。今はお前の耳の中にいる。ちゃんと食べるからさっさとしろ。』
神狼、まさかの耳の中とか、やめて欲しい。が、耳に何かがいる感覚は無い。
やっぱり【神】という名を持つからか。
しかし上から目線だな、まあ上から目線は慣れているけど。
得意技は無茶振りと言う上司と昨日まで殺りやっていたのだ。
あ、字を間違えた。(気持ち的には間違ってないのだが)
とりあえず、昨日より気楽にはなった。
勝手にやるのではなく、神狼のお墨付きなのだから。
さてと、収納庫の出番だ。
俺は昨日の要領で土壁とお堀を作る。少し土壁は低くして、今度は 土で作ったテーブルも用意した。
ここで食糧事情改善に本格的に乗り出す事にした。値切り品は最終手段だ。
考えた末に俺の出した解決策は草利用だ。
まずは
『収納庫より生で食せる草1kg取り出し』
ドサッ。
うむ、ちょっと取り出し過ぎたがココからもうひと工夫。
『生で美味しくない草 収納』
予想よりちょっと少なくなり過ぎだが、ほうれん草っぽい何かと、バジルっぽい何かが残った。まあ今晩の晩ご飯には十分だ。
少し凹ませた穴の上で野菜っぽい草を洗って1口。
『旨っ。野菜がこんなに旨いとか予想外。』
『そうだろ、そうだろ。
これは住民ならヨダレを垂らす高級品だからな。うん、美味い。』
声の方を見ればいつの間にか手のひらの上で神狼が野菜を頬張っていた。
くすぐったい手のひらの感覚に、少しだけ
嬉しい気持ちになっていたら。
『お前、笑えるのか。しかし不気味な笑い方だな。』
耳にタコが出来るほど言われてきたセリフを神狼からも言われるとは。
でも。
その夜は久しぶりによく寝た。
野菜の上で大の字の
第一村人 自称神狼と一緒に。
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