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第1章 ココどこですか?
森の中で懐かれた?!
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居住地を作る。
それには必ず木材が必要だ。しかし、俺の収納庫には草木しかない。
あの場所に木は生えてなかったのだ。
『矢作様、この国は現在圧倒的資材不足に陥っています。それは木材も同様です。
ご協力したくても、集めるには数ヶ月。下手すれば数年かかるやもしれません。』
圧倒的資材不足。
今でなければ、商談の好機とみて攻勢を仕掛けるのだが今はとにかく木材が欲しい。
村長の話の後、困る俺にキョウが耳寄りな話を持ちかけた。
『矢作、お前が出現したあの森奥深く行けば必ず木材はある。大丈夫だ。森を壊すことなく採れる場所があるから。』
キョウ、本当は凄い神狼だったのだな。
侮って申し訳なかった。
心から詫びた俺は大喜びで森へと向かった。
村人たちは入れない場所らしく、えらく心配されたけれど何せこちらは神狼様がついているのだ。
心配はない。
数時間前の俺のことを心の底から馬鹿だと言いたい。
キョウの言葉に乗せられるなんて。
見てみろ。
大量の大型動物に囲まれたじゃないか。
村長からあれは『放し飼いの動物園』じゃないと聞いた時のショック。
野生動物に餌をやる罪深さは、テレビの猿被害で何度も見ていたのに。
バナナやるんじゃなかったと反省した俺の前に、またもやオネダリなのか?!
ヨダレを垂らした姿は些か恐ろしい。
しかし、空腹の辛さを知る俺だ。ここは後で村長に謝るとして
ソーレ。
バナナとスイカと苺。
(この世界での呼び名は違う…らしいけど俺は気にしない。)
大型が腹いっぱいになる量だ。
少し多めに出したら…あっという間無くなった。
食べ過ぎじゃないか?
ほら!!思った通り苦しそうに身を捩り始めたじゃないか。
はっ!!もしかして動物には毒だったのか。知らぬ事とは言え、どうしたら。
こうなると薬草をやる訳にはいかないし。
うーむ。
ツンツン。
うーむ。
ツンツンツンツン。
煩いな。キョウの奴何度肩を叩けば気が済むのだ。俺は今忙しいのだ。
ツンツンツンツン…。
あーっもう!!
あれ?
キョウのヤツは耳の中じゃなかったか?
じゃあ、いったい誰が。。
『あっ、やっとこちらを向いて下さった。
この度は誠にありがとうございます。貴方様の下さった【ドレン】のお陰で私達にかけられた呪いが解けました。』
まさかの…捨て子ーーー!!!!
肌の色は緑色だけど、小学2年生くらいの身長しかない可愛らしい子供たちが1列に並んでいた。
呪いで親に捨てられたのか。
肌の色が緑色という事は、呪いはまだ全て解けた訳じゃないのだな。
『あの、聞いておられます?』
『あ、あぁ。本当に気の毒だったな。
ここからはおじさんに任せておけば良いからな。呪いもちゃんと解ける様にするから心配は要らないよ。』
小さい子と触れ合ったのは、パン屋でパンの耳を取り合って以来だ。いつもは睨まれるか泣かれるの2択だから気をつけなければいけないな。
『やっぱり聞いてない。嚮導様の言われる通りだったな。
矢作様。我々はこの森にいる限り再び呪いに乗っ取られる定めなのです。
助けて貰いながら頼み事をするなんて本当に申し訳ないのですが、必ず、必ずご恩返しします。ですので我々を保護してくださいませんか?』
保護。
やっぱり、捨て子か。
なんと言う事だ。
『親御さんは、守り人の村の人かな?』
『はっ??親はいません。と、言うか本当に聞いてますか?
我々に親はないのです。』
胸の奥が真っ黒に染め上げられる様な苦しい気持ちになる。
親は無い。
そうだな。捨てられたなら親ではないか。
『わかった。全て俺に任せなさい。それで、
仲間たちはまだ要るのかな?』
見たところ、6人くらいか。
子供たちは2部屋あれば大丈夫かな?
『なんと!!仲間たちも助けて下さるのてすか?【ドレン】はまだお持ちですか?
他の緑色の球や、赤い実でも大丈夫ですが。』
まだ居たのか。
『まだまだ大量にある。種とっては収穫していたからな。
全員連れて来なさい。』
その時の歓喜の声は、心に響く温かなものだった。だから、連れてきた者達が、あまりにも大勢でも文句は言うまい。
全てのバナナが消え失せても種はある。
しかし、凄い人数だ。
まだ、住まいが完成していない(着工もしていない)状況なので完成までどうすれば良いのだろうか?
村長の家には入りきらない。
『矢作様。1度解けた呪いに再びかかるのにはかなりの時間が必要です。3ヶ月くらいは余裕ですよ。』
リーダーとなった捨て子(名前はないらしい)は頭が良い。
俺の疑問点を察して答えてくれる。
あぁ、草薙君が懐かしいなぁ。
色々文句言ってたけど、有能な部下だったしな。俺が居なくなって青木課長と喧嘩してなきゃいいけど。
リーダーに〚高尾〛と名付けた。
馴染みのある森…山の名前だ。
『タ、タカオ。良い名をありがとうございます。では、その時が来たらその名をお呼び下さい。皆を連れて参ります。』
あの時見た大型のヤツの他に、猪や兎、狐等少し見た目は違うけど日本にいた時見かけたヤツ等も仲間だったようだ。
呪いが解ければ、全員子供の姿になった。
肌の色は様々で、髭のついたままの子までいた。呪いの解け方は人それぞれのようだ。大きさもかなり違う。
子供たちは大小合わせて100人くらいか。
こうなると小さな子供たちとはいえ、家づくりが大変だな。
改めて決心した俺は更に森の奥へと向かった。
そして当初の目的の木材のため、そして森の健康の為に
「下刈り」「除伐」「間伐」を進める事にした。
森には適度な日光の当たる状況は大切だ。
密集し過ぎては、森は育たないと聞いた話だ。仕事の豆知識も中々役に立つな。
作業は簡単だ。
かなり広大な面積を1回で収納できるのだから。
一言、『下刈りされるべき草木収納』でOK。
この要領でたった3分で木材が大量に集まった。
さて、ここからが本領発揮だ。
職人さんに頼むには【設計図】が必要だ。
そして計画は緻密さが大切。
村長にとても良い職人さんを紹介してもらい、設計図の説明も終えて、家づくり、本格スタートだ!!
と、思ったら…
行商人が、やって来た。
厄介事と一緒に、だが。
それには必ず木材が必要だ。しかし、俺の収納庫には草木しかない。
あの場所に木は生えてなかったのだ。
『矢作様、この国は現在圧倒的資材不足に陥っています。それは木材も同様です。
ご協力したくても、集めるには数ヶ月。下手すれば数年かかるやもしれません。』
圧倒的資材不足。
今でなければ、商談の好機とみて攻勢を仕掛けるのだが今はとにかく木材が欲しい。
村長の話の後、困る俺にキョウが耳寄りな話を持ちかけた。
『矢作、お前が出現したあの森奥深く行けば必ず木材はある。大丈夫だ。森を壊すことなく採れる場所があるから。』
キョウ、本当は凄い神狼だったのだな。
侮って申し訳なかった。
心から詫びた俺は大喜びで森へと向かった。
村人たちは入れない場所らしく、えらく心配されたけれど何せこちらは神狼様がついているのだ。
心配はない。
数時間前の俺のことを心の底から馬鹿だと言いたい。
キョウの言葉に乗せられるなんて。
見てみろ。
大量の大型動物に囲まれたじゃないか。
村長からあれは『放し飼いの動物園』じゃないと聞いた時のショック。
野生動物に餌をやる罪深さは、テレビの猿被害で何度も見ていたのに。
バナナやるんじゃなかったと反省した俺の前に、またもやオネダリなのか?!
ヨダレを垂らした姿は些か恐ろしい。
しかし、空腹の辛さを知る俺だ。ここは後で村長に謝るとして
ソーレ。
バナナとスイカと苺。
(この世界での呼び名は違う…らしいけど俺は気にしない。)
大型が腹いっぱいになる量だ。
少し多めに出したら…あっという間無くなった。
食べ過ぎじゃないか?
ほら!!思った通り苦しそうに身を捩り始めたじゃないか。
はっ!!もしかして動物には毒だったのか。知らぬ事とは言え、どうしたら。
こうなると薬草をやる訳にはいかないし。
うーむ。
ツンツン。
うーむ。
ツンツンツンツン。
煩いな。キョウの奴何度肩を叩けば気が済むのだ。俺は今忙しいのだ。
ツンツンツンツン…。
あーっもう!!
あれ?
キョウのヤツは耳の中じゃなかったか?
じゃあ、いったい誰が。。
『あっ、やっとこちらを向いて下さった。
この度は誠にありがとうございます。貴方様の下さった【ドレン】のお陰で私達にかけられた呪いが解けました。』
まさかの…捨て子ーーー!!!!
肌の色は緑色だけど、小学2年生くらいの身長しかない可愛らしい子供たちが1列に並んでいた。
呪いで親に捨てられたのか。
肌の色が緑色という事は、呪いはまだ全て解けた訳じゃないのだな。
『あの、聞いておられます?』
『あ、あぁ。本当に気の毒だったな。
ここからはおじさんに任せておけば良いからな。呪いもちゃんと解ける様にするから心配は要らないよ。』
小さい子と触れ合ったのは、パン屋でパンの耳を取り合って以来だ。いつもは睨まれるか泣かれるの2択だから気をつけなければいけないな。
『やっぱり聞いてない。嚮導様の言われる通りだったな。
矢作様。我々はこの森にいる限り再び呪いに乗っ取られる定めなのです。
助けて貰いながら頼み事をするなんて本当に申し訳ないのですが、必ず、必ずご恩返しします。ですので我々を保護してくださいませんか?』
保護。
やっぱり、捨て子か。
なんと言う事だ。
『親御さんは、守り人の村の人かな?』
『はっ??親はいません。と、言うか本当に聞いてますか?
我々に親はないのです。』
胸の奥が真っ黒に染め上げられる様な苦しい気持ちになる。
親は無い。
そうだな。捨てられたなら親ではないか。
『わかった。全て俺に任せなさい。それで、
仲間たちはまだ要るのかな?』
見たところ、6人くらいか。
子供たちは2部屋あれば大丈夫かな?
『なんと!!仲間たちも助けて下さるのてすか?【ドレン】はまだお持ちですか?
他の緑色の球や、赤い実でも大丈夫ですが。』
まだ居たのか。
『まだまだ大量にある。種とっては収穫していたからな。
全員連れて来なさい。』
その時の歓喜の声は、心に響く温かなものだった。だから、連れてきた者達が、あまりにも大勢でも文句は言うまい。
全てのバナナが消え失せても種はある。
しかし、凄い人数だ。
まだ、住まいが完成していない(着工もしていない)状況なので完成までどうすれば良いのだろうか?
村長の家には入りきらない。
『矢作様。1度解けた呪いに再びかかるのにはかなりの時間が必要です。3ヶ月くらいは余裕ですよ。』
リーダーとなった捨て子(名前はないらしい)は頭が良い。
俺の疑問点を察して答えてくれる。
あぁ、草薙君が懐かしいなぁ。
色々文句言ってたけど、有能な部下だったしな。俺が居なくなって青木課長と喧嘩してなきゃいいけど。
リーダーに〚高尾〛と名付けた。
馴染みのある森…山の名前だ。
『タ、タカオ。良い名をありがとうございます。では、その時が来たらその名をお呼び下さい。皆を連れて参ります。』
あの時見た大型のヤツの他に、猪や兎、狐等少し見た目は違うけど日本にいた時見かけたヤツ等も仲間だったようだ。
呪いが解ければ、全員子供の姿になった。
肌の色は様々で、髭のついたままの子までいた。呪いの解け方は人それぞれのようだ。大きさもかなり違う。
子供たちは大小合わせて100人くらいか。
こうなると小さな子供たちとはいえ、家づくりが大変だな。
改めて決心した俺は更に森の奥へと向かった。
そして当初の目的の木材のため、そして森の健康の為に
「下刈り」「除伐」「間伐」を進める事にした。
森には適度な日光の当たる状況は大切だ。
密集し過ぎては、森は育たないと聞いた話だ。仕事の豆知識も中々役に立つな。
作業は簡単だ。
かなり広大な面積を1回で収納できるのだから。
一言、『下刈りされるべき草木収納』でOK。
この要領でたった3分で木材が大量に集まった。
さて、ここからが本領発揮だ。
職人さんに頼むには【設計図】が必要だ。
そして計画は緻密さが大切。
村長にとても良い職人さんを紹介してもらい、設計図の説明も終えて、家づくり、本格スタートだ!!
と、思ったら…
行商人が、やって来た。
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