42 / 69
第2章 矢作、村を出る?!
女の子は最強?!***草薙視点***
しおりを挟む
迷子です。
いや、マジで異世界怖い。
日暮れが迫るけど、明らかに場違いな場所にいます。
先輩と2人きりで。。。なんでこうなった??
今から3日前は確か…。
***3日前***
異世界の大門。
噂通りだ。
首都の周りを囲む壁は、石垣ながら首が痛くなる程の高さがある。
合金鋼とはいかないくても、金属製の大門の迫力はかなりのものだ。そして…。
検問待ちの列がやたら長い。
なんと、列の途中にテントまで見える。
マジか。。
『ててちょうさん、この列はあとどのくらい?』マッチョなのに、優しい目の村長さんは俺にとって聞きやすさNo.1なのだ。
『そうですね。私もあまり詳しくないのです。ラッセルさん、どのくらいでしょう?』
話を振られたラッセルさんは、通行手形の確認に忙しそうな手を止めて考え込むように顎に手を当てて暫く止まった。
えっ?この質問そんなに難しいの?
『あと3日くらいですかね。今回はかなり空いているので。』ニッコリ。
いや、ニッコリとかしてる場合?!
そんなの長すぎるよ。青ざめている俺に追い討ちがかかる。
『大丈夫です。そのうち、首都名物弁当屋が来ますよ。ま、我々には必要ないですけど。』
ラッセルさんのズレた回答に、さっきから目線を合わせられない人物が反応した。
『3日。。。』
こわっ!
右隣から、冷気が流れてきたじゃん。
諦めの悪いのも先輩らしいけど、先輩の暗さはえげつない。
ほら、馬車の中は静まりかえったよ。
盛り上げようとしてした質問の結末はコレだよ。
コスプレしてからの先輩の顔は直視厳禁。
無理無理無理。
あーー、もうこんな空気3日も耐えられないよ。
あっ!!
『そうだ、ジルさん。貴族さんだから早く大丈夫ね?』名案思いついたよ。
ジルさんは、イケメンの上に貴族さまとか。モブの敵のような人だけど、こういう時は頼りになるな。
俺の問いかけに、1番前方で見張りをしていたジルさんが振り向いた。
おぉ、相変わらずイケメンのオーラすげっ。
『草薙殿。私のツテを使えば必ず我が家に捕まりますがよろしいですか?良い家族ではありますが何せ忠誠心の塊でして、息子のために匿うとか辞書にないと思います。
間違いなく、王様に私を含めて売り払われます。絶対オススメ出来ませんね。
まあ、ここでゆっくりして英気を養いましょう。』
貴族、怖っ。
『せめて、その間だけでもコスプレ止められないのか?!』
先輩、本当に限界みたいですね。
まぁ!3日もたない気持ちは俺も同じかも。
女性って本当にすげー。
肌がぜんっぜん、息してない。
顔、固まっちゃうよ、コレ。
スカートとかは、逆に足元がスースーして落ち着かないし。
『先程から、何度もこちらを伺うもの達が近づいております。今はこのままの方が安全です。』
ジルさんに言われて先輩は撃沈した。
これまでの旅で、幾度も先輩も俺も狙われた。油断大敵らしいけど、無理だよ。
安心安全の日本から来たんだよ!!
そんな、油断しても仕方ないじゃん。
朝、外でするトイレをちょっと離れた所にしたかっただけじゃん。
なのに、間一髪とか言われたんだ。
ジルさんがいなければ、俺はそのまま攫われてた…らしい。
『分かった。』
しょんぼりした先輩にジルさんがいつもの様に自爆した。
『そんなガッカリした顔しないで下さい。美人が台無しですよ。本当はこのままさらってお嫁さんにしたいくら…』
やめとけって。
先輩は硬派なんだから、冗談とか通じないよ。ま、ジルさんの場合本気モードっぽい所が怖いけど。
あっ!
ほら、先輩が化粧した鬼瓦になったじゃん。どうする、この空気。
。。と思ってたら救世主が!!
ナイス高尾ちゃん。
た、助かったよ。
空気を全く読まない高尾ちゃんが『腹減った』と呟いてくれたから先輩が動いた。
どうも高尾ちゃんに対して父性が爆発してるらしく、高尾ちゃんのご飯用意は絶対に人に譲らない。
『こんな馬車の中だから、今日はこれな。』
出た。
干物シリーズ。
干し柿、っぽいモノ。でも旨い。
甘さ控えめな干し柿とか最高だよな。数少ない備蓄も高尾ちゃんのためならサッと出す。マジで父性爆発中。
色々あったけど、なんとか3日後。
我々の番がきた!!
『ここからは皆様手筈通りにお願いします。』いつもより厳しい顔のラッセルさんが我々に言い含めて、門番さんに申告するために馬車の外に出た。
『ふむ。お前たちゴラン商会だな?書類はここに記入漏れがあるぞ。あ!!これは何だ?!』
ちゃんと絡んでる(袖の下用に絡むのは定番らしい。)
正式に絡んで、かなり高額たかってる。
ここまでは、予想通りだった。
だけど、やっぱり予想通りにはいかないのが世の常だ。
急に別室にラッセルさんが連行された。
大柄な門番に両腕を拘束されて拉致。
その瞬間、馬車の中に大勢の兵隊が踏み込んできた。ジルさんと村長は臨戦状態。
ルフさんが我々の前に陣取る。
鍛冶屋2人は、別働隊中。
もし、我々全員が拘束された時の保険。
いや、保険って払い出ししないから良いんだよ。これは不味いって。
先輩と2人、狭い馬車の中で大勢に囲まれて手を取り合う以外方法なし。先輩は肝が座ってるけどちょっと震えてた。
あ、俺の震えが移ったかな。
逮捕とかされるのかな。
それとも、本格的に攫われる??
『お前たち、異世界人をどこへやった!!』
1番大柄な男が、ジルさんの胸ぐらを掴んで凄む。でも悪役だな。髭もじゃで目つきも悪い。長年異世界モノ読んできたオタクを舐めるな。
間違いないな。
迫力はあるけど、きっとジルさんの敵じゃない。本当の力を出せば一瞬だ。
でも、多分俺たちに影響を及ぼさないように黙ってるんだな。
『あの…』
へっ?
まさかのここで先輩登場?!
『女!!貴様らは黙ってろ。後で取り調べるからな!!』
先程の髭もじゃの男が先輩に凄む。
や、や、止めた方が。
『私たち、長い列に困ってるのを途中から乗せて貰っただけなんです。無関係なので先に通っても良いですか?』
鋼だ。
前から思ってたけど【鋼の心臓】だ。
いや、【オリハルコンの心臓】かも。
震えて涙目の演技までした、先輩のうるうる目に何故かこっちがドキドキする。
不味い、後でシメられるかも。。
『お前たち、乗せてやった恩はどこいったんだ!!』
乗ったよ。ジルさんが先輩の演技に参加。
まさか、こんなクサイ芝居に騙される人間なんていな…『よし、女たちは行け!』
いた。
いました。
ここに馬鹿がいます。でもマジで馬鹿万歳。
『くーちゃん、早く鹿目亭に行きましょう。門番さんたちご苦労さまです。』
ぶりっ子する先輩に目が点になってたら、知ってる名前発見。
【鹿目亭】今夜の宿屋。
なるほど。ジルさん達に先に行くって伝えた訳か。さすが、先輩。
まだカタコトの俺は涙目で頷いて『うん』のみ。俺からバレたら先輩にどつかれる。
必死の演技にコロッと騙された門番達は、先輩の肩を抱いて馬車を降りるためのエスコート。
不思議に疑われない我々は、その場を後にした。もしかしたら泳がせてるだけかも。
そんな事を思ったりしながら先を急ぐ。
早歩きにならないように気をつけて、前から聞いてた街の地図を頭に入れた先輩の後をついて行く。
ついて行って大丈夫か?やたら、、曲がってばかりだけど本当に鹿目亭に着く?
『センパイ、あってる?』
『紐付き、ヤバい。』
紐付き?
うーん、何だろ。案件の時に、紐付き使ってたな。そうだ、別企業が裏側にいる時の暗号だ。
身体がピキっと固まった。
【つけられてる】って意味だな。
門番は見逃したんじゃない、やっぱり泳がせたんだ。
そうだと分かっても打つ手がない。
見知らぬ土地で、追い詰められてるのに逃げるしか方法がない。
もしかして、このまま捕まる?!
あーダメだ。嫌な予感ばかり過ぎる。
意識を振り払っても、先輩の手が汗ばんできていくから不安が増してくる。更に道は細くなって暗い路地にどんどん向かってる気もする。
追い込まれたな。
いや、ここに誘導されたのか。
緊張が身体を、走る。
この世界は日本と違う。全て命懸けだ。
その時!!
『あ、お姉ちゃん!!探したよ。
良かった、こっちこっち。』と目の前で先輩の手を取る人が現れた。
いや、人というより女の子か。
ニコニコした可愛い小学生くらいの女の子に手を引かれる先輩。
そして、あっという間に俺たちは明るい大通りに戻った。
『ほら、予約してくれたでしょ。【跳馬亭】にようこそ。久しぶりに来てくれて嬉しいよ!』
怒涛の展開。さすが異世界と言いたいけど、自分に起こるのは別!!
何故か気がつけば何故かボロボロの宿屋【跳馬亭】に泊まる予定になってる。
どこココ?
見張りは??
この女の子は??
『おばさん、ちゃんと客引きしたからお駄賃頂戴。』
おぉ、銀貨1枚とは客引き儲かるな。
しかしこの子は客引きだったのか。
小さいけど、しっかりしてるよ。ホント凄技過ぎる。
駄賃を受けとった途端、先輩の方に振り返ると手を差し出してきた。
『ふふふ。ちゃんと追って巻いたんだからお駄賃弾んでね。銀貨3枚は欲しいな。』
さすがに目が点の先輩は、それでも銀貨3枚を相手に渡す時に値切ってた。
『値切るなら、あのおじさんにこの場所教えようかな。。ふふふ
あっ、銀貨10枚ありがとうございます。口止め料込みで頂きます。』
先輩の1枚上手。
女の子って怖い!!!
いや、マジで異世界怖い。
日暮れが迫るけど、明らかに場違いな場所にいます。
先輩と2人きりで。。。なんでこうなった??
今から3日前は確か…。
***3日前***
異世界の大門。
噂通りだ。
首都の周りを囲む壁は、石垣ながら首が痛くなる程の高さがある。
合金鋼とはいかないくても、金属製の大門の迫力はかなりのものだ。そして…。
検問待ちの列がやたら長い。
なんと、列の途中にテントまで見える。
マジか。。
『ててちょうさん、この列はあとどのくらい?』マッチョなのに、優しい目の村長さんは俺にとって聞きやすさNo.1なのだ。
『そうですね。私もあまり詳しくないのです。ラッセルさん、どのくらいでしょう?』
話を振られたラッセルさんは、通行手形の確認に忙しそうな手を止めて考え込むように顎に手を当てて暫く止まった。
えっ?この質問そんなに難しいの?
『あと3日くらいですかね。今回はかなり空いているので。』ニッコリ。
いや、ニッコリとかしてる場合?!
そんなの長すぎるよ。青ざめている俺に追い討ちがかかる。
『大丈夫です。そのうち、首都名物弁当屋が来ますよ。ま、我々には必要ないですけど。』
ラッセルさんのズレた回答に、さっきから目線を合わせられない人物が反応した。
『3日。。。』
こわっ!
右隣から、冷気が流れてきたじゃん。
諦めの悪いのも先輩らしいけど、先輩の暗さはえげつない。
ほら、馬車の中は静まりかえったよ。
盛り上げようとしてした質問の結末はコレだよ。
コスプレしてからの先輩の顔は直視厳禁。
無理無理無理。
あーー、もうこんな空気3日も耐えられないよ。
あっ!!
『そうだ、ジルさん。貴族さんだから早く大丈夫ね?』名案思いついたよ。
ジルさんは、イケメンの上に貴族さまとか。モブの敵のような人だけど、こういう時は頼りになるな。
俺の問いかけに、1番前方で見張りをしていたジルさんが振り向いた。
おぉ、相変わらずイケメンのオーラすげっ。
『草薙殿。私のツテを使えば必ず我が家に捕まりますがよろしいですか?良い家族ではありますが何せ忠誠心の塊でして、息子のために匿うとか辞書にないと思います。
間違いなく、王様に私を含めて売り払われます。絶対オススメ出来ませんね。
まあ、ここでゆっくりして英気を養いましょう。』
貴族、怖っ。
『せめて、その間だけでもコスプレ止められないのか?!』
先輩、本当に限界みたいですね。
まぁ!3日もたない気持ちは俺も同じかも。
女性って本当にすげー。
肌がぜんっぜん、息してない。
顔、固まっちゃうよ、コレ。
スカートとかは、逆に足元がスースーして落ち着かないし。
『先程から、何度もこちらを伺うもの達が近づいております。今はこのままの方が安全です。』
ジルさんに言われて先輩は撃沈した。
これまでの旅で、幾度も先輩も俺も狙われた。油断大敵らしいけど、無理だよ。
安心安全の日本から来たんだよ!!
そんな、油断しても仕方ないじゃん。
朝、外でするトイレをちょっと離れた所にしたかっただけじゃん。
なのに、間一髪とか言われたんだ。
ジルさんがいなければ、俺はそのまま攫われてた…らしい。
『分かった。』
しょんぼりした先輩にジルさんがいつもの様に自爆した。
『そんなガッカリした顔しないで下さい。美人が台無しですよ。本当はこのままさらってお嫁さんにしたいくら…』
やめとけって。
先輩は硬派なんだから、冗談とか通じないよ。ま、ジルさんの場合本気モードっぽい所が怖いけど。
あっ!
ほら、先輩が化粧した鬼瓦になったじゃん。どうする、この空気。
。。と思ってたら救世主が!!
ナイス高尾ちゃん。
た、助かったよ。
空気を全く読まない高尾ちゃんが『腹減った』と呟いてくれたから先輩が動いた。
どうも高尾ちゃんに対して父性が爆発してるらしく、高尾ちゃんのご飯用意は絶対に人に譲らない。
『こんな馬車の中だから、今日はこれな。』
出た。
干物シリーズ。
干し柿、っぽいモノ。でも旨い。
甘さ控えめな干し柿とか最高だよな。数少ない備蓄も高尾ちゃんのためならサッと出す。マジで父性爆発中。
色々あったけど、なんとか3日後。
我々の番がきた!!
『ここからは皆様手筈通りにお願いします。』いつもより厳しい顔のラッセルさんが我々に言い含めて、門番さんに申告するために馬車の外に出た。
『ふむ。お前たちゴラン商会だな?書類はここに記入漏れがあるぞ。あ!!これは何だ?!』
ちゃんと絡んでる(袖の下用に絡むのは定番らしい。)
正式に絡んで、かなり高額たかってる。
ここまでは、予想通りだった。
だけど、やっぱり予想通りにはいかないのが世の常だ。
急に別室にラッセルさんが連行された。
大柄な門番に両腕を拘束されて拉致。
その瞬間、馬車の中に大勢の兵隊が踏み込んできた。ジルさんと村長は臨戦状態。
ルフさんが我々の前に陣取る。
鍛冶屋2人は、別働隊中。
もし、我々全員が拘束された時の保険。
いや、保険って払い出ししないから良いんだよ。これは不味いって。
先輩と2人、狭い馬車の中で大勢に囲まれて手を取り合う以外方法なし。先輩は肝が座ってるけどちょっと震えてた。
あ、俺の震えが移ったかな。
逮捕とかされるのかな。
それとも、本格的に攫われる??
『お前たち、異世界人をどこへやった!!』
1番大柄な男が、ジルさんの胸ぐらを掴んで凄む。でも悪役だな。髭もじゃで目つきも悪い。長年異世界モノ読んできたオタクを舐めるな。
間違いないな。
迫力はあるけど、きっとジルさんの敵じゃない。本当の力を出せば一瞬だ。
でも、多分俺たちに影響を及ぼさないように黙ってるんだな。
『あの…』
へっ?
まさかのここで先輩登場?!
『女!!貴様らは黙ってろ。後で取り調べるからな!!』
先程の髭もじゃの男が先輩に凄む。
や、や、止めた方が。
『私たち、長い列に困ってるのを途中から乗せて貰っただけなんです。無関係なので先に通っても良いですか?』
鋼だ。
前から思ってたけど【鋼の心臓】だ。
いや、【オリハルコンの心臓】かも。
震えて涙目の演技までした、先輩のうるうる目に何故かこっちがドキドキする。
不味い、後でシメられるかも。。
『お前たち、乗せてやった恩はどこいったんだ!!』
乗ったよ。ジルさんが先輩の演技に参加。
まさか、こんなクサイ芝居に騙される人間なんていな…『よし、女たちは行け!』
いた。
いました。
ここに馬鹿がいます。でもマジで馬鹿万歳。
『くーちゃん、早く鹿目亭に行きましょう。門番さんたちご苦労さまです。』
ぶりっ子する先輩に目が点になってたら、知ってる名前発見。
【鹿目亭】今夜の宿屋。
なるほど。ジルさん達に先に行くって伝えた訳か。さすが、先輩。
まだカタコトの俺は涙目で頷いて『うん』のみ。俺からバレたら先輩にどつかれる。
必死の演技にコロッと騙された門番達は、先輩の肩を抱いて馬車を降りるためのエスコート。
不思議に疑われない我々は、その場を後にした。もしかしたら泳がせてるだけかも。
そんな事を思ったりしながら先を急ぐ。
早歩きにならないように気をつけて、前から聞いてた街の地図を頭に入れた先輩の後をついて行く。
ついて行って大丈夫か?やたら、、曲がってばかりだけど本当に鹿目亭に着く?
『センパイ、あってる?』
『紐付き、ヤバい。』
紐付き?
うーん、何だろ。案件の時に、紐付き使ってたな。そうだ、別企業が裏側にいる時の暗号だ。
身体がピキっと固まった。
【つけられてる】って意味だな。
門番は見逃したんじゃない、やっぱり泳がせたんだ。
そうだと分かっても打つ手がない。
見知らぬ土地で、追い詰められてるのに逃げるしか方法がない。
もしかして、このまま捕まる?!
あーダメだ。嫌な予感ばかり過ぎる。
意識を振り払っても、先輩の手が汗ばんできていくから不安が増してくる。更に道は細くなって暗い路地にどんどん向かってる気もする。
追い込まれたな。
いや、ここに誘導されたのか。
緊張が身体を、走る。
この世界は日本と違う。全て命懸けだ。
その時!!
『あ、お姉ちゃん!!探したよ。
良かった、こっちこっち。』と目の前で先輩の手を取る人が現れた。
いや、人というより女の子か。
ニコニコした可愛い小学生くらいの女の子に手を引かれる先輩。
そして、あっという間に俺たちは明るい大通りに戻った。
『ほら、予約してくれたでしょ。【跳馬亭】にようこそ。久しぶりに来てくれて嬉しいよ!』
怒涛の展開。さすが異世界と言いたいけど、自分に起こるのは別!!
何故か気がつけば何故かボロボロの宿屋【跳馬亭】に泊まる予定になってる。
どこココ?
見張りは??
この女の子は??
『おばさん、ちゃんと客引きしたからお駄賃頂戴。』
おぉ、銀貨1枚とは客引き儲かるな。
しかしこの子は客引きだったのか。
小さいけど、しっかりしてるよ。ホント凄技過ぎる。
駄賃を受けとった途端、先輩の方に振り返ると手を差し出してきた。
『ふふふ。ちゃんと追って巻いたんだからお駄賃弾んでね。銀貨3枚は欲しいな。』
さすがに目が点の先輩は、それでも銀貨3枚を相手に渡す時に値切ってた。
『値切るなら、あのおじさんにこの場所教えようかな。。ふふふ
あっ、銀貨10枚ありがとうございます。口止め料込みで頂きます。』
先輩の1枚上手。
女の子って怖い!!!
146
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
異世界おっさん一人飯
SILVER・BACK(アマゴリオ)
ファンタジー
サラリーマンのおっさんが事故に遭って異世界転生。
秀でた才能もチートもないが、出世欲もなく虚栄心もない。安全第一で冒険者として過ごし生き残る日々。
それは前世からの唯一の趣味である、美味しい食事を異世界でも食べ歩くためだった。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる
まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。
そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。
スキル【ファミレス】を使っていたら伝説になりました。
キンモクセイ
ファンタジー
スキル「ファミレス」を手にした。
ハズレスキルかと思い、主人公の思うがまま行動している。
そんな時に1人の少女と出会い、運命が変わる。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる