7 / 72
46時間TV 編
46時間TV 6~両想い~
しおりを挟む
かっきーが泣き止むのを待ってから、私たちは玄関から一段上がった床に座っていた。
2人で肩を寄せ合って、手を繋ぎながら。
まるで外の世界では時間が止まったみたいに、静かで穏やかな時間が流れていた。
さっきまで大泣きしていたからだろうか、少し鼻声のかっきーがゆっくりと話し始める。
遥香「私ね…好きってどういう気持ちなのか、ずっと分からなかったんだ…私たちの曲の歌詞にはあんなにたくさん出てくる言葉なのにね。男の人と付き合ったこともないし、誰かを特別に好きだって思ったこともない。もしかして私、女の子が好きなのかなって考えたこともあるけど、ハッキリとは分からなくて…」
さくら「うん…なんか、ちょっと分かるかも…」
遥香「私の周りの女子には、女の子が好きっていう子はいなかったから…それで、自分は周りの子とは違うって誰かに知られるのが怖くて…だから、友達の恋愛話とか、男子の誰がカッコいいとか、そういう話に盛り上がるフリをしてたこともあったなぁ…」
その話を聞いて、私は新メンバーオーディションのCMに出ていたかっきーのセリフを思い出した。
『周りと違う色を好きって言うのが怖くて、無理して周りに合わせてたことがあった。そんな自分が嫌いだった』
そんなセリフだったと思う。
(あのセリフって、かっきーの実体験から生まれたんだね…)
遥香「でもね…今のグループに入って、さくちゃんと一緒に選抜に選んでもらって、一緒にいる時間が増えて、いつからかさくちゃんのことどんどん考えるようになっていって……もしかしたら、これが好きなのかなって思ってて、昨日キスしてハッキリ分かった」
さくら「うん…ありがとう。すごくうれしい…」
私は、繋いでいた手をもう一度強く握り直した。
遥香「私たち、これからどうなるのかな?アイドルグループで、グループ内恋愛って、聞いたことないけど…」
さくら「う~ん…事務所には、言わないほうがいいかな…」
遥香「うん……そう、だよね…」
事務所の大人たちやスタッフさんたちには、理解してもらえるような気がする。
でも、もしもグループの中にそういうメンバーがいるってことが世間にバレてしまったら。
私たちには想像できないくらいの影響を与えるかもしれなくて、たくさんの人に迷惑をかけるかもしれない。
遥香「メンバーは、どうかな…?みんなびっくりするだろうけど、引かれたり、反対されたり、そういうのはないと思うんだ」
さくら「うん、みんな優しいからね」
遥香「でも、どこから広まるか分からないから、やっぱり秘密にしておいたほうがいいのかな…」
さくら「そうだね…そうかもしれない」
メンバーに打ち明けるまでは良くても、問題はその先だ。
秘密を守ってもらうということは、それで負担をかけてしまう。
遥香「じゃあ、誰にも言わずに、二人だけの秘密にしておこうか……私たちが…その…」
さくら「ん…?」
遥香「特別な関係で…両想いってこと…」
さくら「うん…そうだね…」
両想い。
それだけで十分だった。
付き合ってるとか、恋人同士とか、私たちの関係を周りがどう呼ぶのかは分からない。
なんでもいい。
かっきーが私のことを好きでいてくれて、私もかっきーのことが大好き。
そういう関係。それでいい。
~続く~
2人で肩を寄せ合って、手を繋ぎながら。
まるで外の世界では時間が止まったみたいに、静かで穏やかな時間が流れていた。
さっきまで大泣きしていたからだろうか、少し鼻声のかっきーがゆっくりと話し始める。
遥香「私ね…好きってどういう気持ちなのか、ずっと分からなかったんだ…私たちの曲の歌詞にはあんなにたくさん出てくる言葉なのにね。男の人と付き合ったこともないし、誰かを特別に好きだって思ったこともない。もしかして私、女の子が好きなのかなって考えたこともあるけど、ハッキリとは分からなくて…」
さくら「うん…なんか、ちょっと分かるかも…」
遥香「私の周りの女子には、女の子が好きっていう子はいなかったから…それで、自分は周りの子とは違うって誰かに知られるのが怖くて…だから、友達の恋愛話とか、男子の誰がカッコいいとか、そういう話に盛り上がるフリをしてたこともあったなぁ…」
その話を聞いて、私は新メンバーオーディションのCMに出ていたかっきーのセリフを思い出した。
『周りと違う色を好きって言うのが怖くて、無理して周りに合わせてたことがあった。そんな自分が嫌いだった』
そんなセリフだったと思う。
(あのセリフって、かっきーの実体験から生まれたんだね…)
遥香「でもね…今のグループに入って、さくちゃんと一緒に選抜に選んでもらって、一緒にいる時間が増えて、いつからかさくちゃんのことどんどん考えるようになっていって……もしかしたら、これが好きなのかなって思ってて、昨日キスしてハッキリ分かった」
さくら「うん…ありがとう。すごくうれしい…」
私は、繋いでいた手をもう一度強く握り直した。
遥香「私たち、これからどうなるのかな?アイドルグループで、グループ内恋愛って、聞いたことないけど…」
さくら「う~ん…事務所には、言わないほうがいいかな…」
遥香「うん……そう、だよね…」
事務所の大人たちやスタッフさんたちには、理解してもらえるような気がする。
でも、もしもグループの中にそういうメンバーがいるってことが世間にバレてしまったら。
私たちには想像できないくらいの影響を与えるかもしれなくて、たくさんの人に迷惑をかけるかもしれない。
遥香「メンバーは、どうかな…?みんなびっくりするだろうけど、引かれたり、反対されたり、そういうのはないと思うんだ」
さくら「うん、みんな優しいからね」
遥香「でも、どこから広まるか分からないから、やっぱり秘密にしておいたほうがいいのかな…」
さくら「そうだね…そうかもしれない」
メンバーに打ち明けるまでは良くても、問題はその先だ。
秘密を守ってもらうということは、それで負担をかけてしまう。
遥香「じゃあ、誰にも言わずに、二人だけの秘密にしておこうか……私たちが…その…」
さくら「ん…?」
遥香「特別な関係で…両想いってこと…」
さくら「うん…そうだね…」
両想い。
それだけで十分だった。
付き合ってるとか、恋人同士とか、私たちの関係を周りがどう呼ぶのかは分からない。
なんでもいい。
かっきーが私のことを好きでいてくれて、私もかっきーのことが大好き。
そういう関係。それでいい。
~続く~
48
あなたにおすすめの小説
さくらと遥香(ショートストーリー)
youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。
その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。
※さくちゃん目線です。
※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。
※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。
※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる