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本編
アジュールの冒険者ギルド
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冒険者ギルドの建物はシンプルだ。中に入ると人が多く、広い。
すぐにキョロキョロと歩き出した私の首根っこを爺さんが掴む。
「さっそく迷子になろうとするでない」
「初めて入ったので、興味深くて」
「まぁ、王都とさほど変わらない」
そうは言っても……王都の冒険者ギルドに行ったことがないので比べようがない。
猫亭で見ていた冒険者に比べると、アジュールの冒険者は大剣を持った冒険者が多いような気がする。
爺さんが冒険者ギルドの見学受付をしながらラジェたちの居場所を尋ねる間、冒険者ギルドを見回すと壁に大きく広げられたアジュールの街の地図を発見する。
(結構、細かく記してある)
爺さんは何か記入しているようだし、少し時間が掛かりそう……
地図を近くで見ようと爺さんからコッソリと離れる。地図は受付の横にあるし、そんなに離れてはいない。これくらいなら大丈夫、うん。
地図の前まで到着すると誰かとぶつかってしまう。
「お! おお? なんでここに子供がいるんだ?」
背中に大剣を持ち、体格も大きい臙脂色の髪の男性を見上げる。
男性のあまりの大きさに呆気に取られていると、焦りながら男性が尋ねる。
「だ、大丈夫か? 一人なのか?」
「あ! お祖父ちゃんの付き添いです」
こちらに気付いていない爺さんの後ろ姿を指差しながら言う。
「それなら祖父さんの横にいないとな。ウロウロしていると危ないぞ」
「でも、地図が見たくて」
「ああ、これか」
「見たことのない大判なので気になって」
「確かにな。覚えている限り、この地図はずっとここにあるから気にしたことなかったが……ちなみに俺たちがいる冒険者ギルドはここだ」
大剣の冒険者が地図を指差しながら言う。それは、先日訪れた商業ギルドから三街区ほど街の中心に行ったところにあった。
コの字になった地域をいくつか差しながら尋ねる。
「これは防波堤の役割があるのですか?」
「よく知っているな。そこで船を停泊させるのだ」
港は場所によって入り組んでおり、出航の際はたまに渋滞しているという。船のことは詳しく分からないけど、まとめ役は漁業ギルドがやっているという。アジュールに港があるので、他国からの輸入も盛んなのだ。砂糖輸入を手伝ってくれる漁業ギルドに心の中で感謝する。
「いろいろ教えていただき、ありがとうございます」
お礼をしながら男性の大剣を眺めていると、剣を鞘から出しながら見せてくれた。
「見るか?」
「こんなに大きい剣で何を仕留めるのですか?」
「そうだな……先週はオーカスを仕留めたな。苦戦したが、この剣のおかげで助かった」
オーカスが何か分からなかったけれど、説明を聞く限り大きなシャチっぽい魔物のようだ。しかし、オーカスってこんな剣でも苦戦するような大きさなんだ……蜂といい、異世界魔物のサイズ感が怖い。
急に圧を感じて後ろを振り向くと、爺さんに睨まれていた。
「お主は本当にチョロチョロと……」
「ち、地図を見ていただけです」
爺さんが大剣の男に視線を移し、胸元にあるネックレスに視線をやると笑顔で言う。
「ひ孫が世話になったな」
「いや、地図について答えただけだ」
そうして大剣の男とは別れたが、爺さんにしては愛想があった。聞けば、それなりに優秀な冒険者なので愛想よくしたと言う。まあ、あんな大剣を持っているし強そうだった。
爺さんが階段を上りながら言う。
「ラジェたちは屋上の練習場にいるそうだ」
「この建物、屋上もあるんですね」
屋上に上がると、そこにはキースな月光さんとラジェがいた。辺りには誰もいなかった。練習場はそこまで使われていないのだろうか?
二人とも遠目には何も動いていないようだったけど、ラジェから特に大きな魔力を感じた。
(何をしているんだろう?)
目を凝らしてラジェの魔力が集中する足元を見れば、微量の砂の噴射の上に立っているのがわかった。隣のキースな月光さんも相変わらずかすかに浮遊しているけど、ラジェも同じく数センチ地面から浮いていた。風魔法を使わない浮遊だ……これは凄いと思う。
すぐにキョロキョロと歩き出した私の首根っこを爺さんが掴む。
「さっそく迷子になろうとするでない」
「初めて入ったので、興味深くて」
「まぁ、王都とさほど変わらない」
そうは言っても……王都の冒険者ギルドに行ったことがないので比べようがない。
猫亭で見ていた冒険者に比べると、アジュールの冒険者は大剣を持った冒険者が多いような気がする。
爺さんが冒険者ギルドの見学受付をしながらラジェたちの居場所を尋ねる間、冒険者ギルドを見回すと壁に大きく広げられたアジュールの街の地図を発見する。
(結構、細かく記してある)
爺さんは何か記入しているようだし、少し時間が掛かりそう……
地図を近くで見ようと爺さんからコッソリと離れる。地図は受付の横にあるし、そんなに離れてはいない。これくらいなら大丈夫、うん。
地図の前まで到着すると誰かとぶつかってしまう。
「お! おお? なんでここに子供がいるんだ?」
背中に大剣を持ち、体格も大きい臙脂色の髪の男性を見上げる。
男性のあまりの大きさに呆気に取られていると、焦りながら男性が尋ねる。
「だ、大丈夫か? 一人なのか?」
「あ! お祖父ちゃんの付き添いです」
こちらに気付いていない爺さんの後ろ姿を指差しながら言う。
「それなら祖父さんの横にいないとな。ウロウロしていると危ないぞ」
「でも、地図が見たくて」
「ああ、これか」
「見たことのない大判なので気になって」
「確かにな。覚えている限り、この地図はずっとここにあるから気にしたことなかったが……ちなみに俺たちがいる冒険者ギルドはここだ」
大剣の冒険者が地図を指差しながら言う。それは、先日訪れた商業ギルドから三街区ほど街の中心に行ったところにあった。
コの字になった地域をいくつか差しながら尋ねる。
「これは防波堤の役割があるのですか?」
「よく知っているな。そこで船を停泊させるのだ」
港は場所によって入り組んでおり、出航の際はたまに渋滞しているという。船のことは詳しく分からないけど、まとめ役は漁業ギルドがやっているという。アジュールに港があるので、他国からの輸入も盛んなのだ。砂糖輸入を手伝ってくれる漁業ギルドに心の中で感謝する。
「いろいろ教えていただき、ありがとうございます」
お礼をしながら男性の大剣を眺めていると、剣を鞘から出しながら見せてくれた。
「見るか?」
「こんなに大きい剣で何を仕留めるのですか?」
「そうだな……先週はオーカスを仕留めたな。苦戦したが、この剣のおかげで助かった」
オーカスが何か分からなかったけれど、説明を聞く限り大きなシャチっぽい魔物のようだ。しかし、オーカスってこんな剣でも苦戦するような大きさなんだ……蜂といい、異世界魔物のサイズ感が怖い。
急に圧を感じて後ろを振り向くと、爺さんに睨まれていた。
「お主は本当にチョロチョロと……」
「ち、地図を見ていただけです」
爺さんが大剣の男に視線を移し、胸元にあるネックレスに視線をやると笑顔で言う。
「ひ孫が世話になったな」
「いや、地図について答えただけだ」
そうして大剣の男とは別れたが、爺さんにしては愛想があった。聞けば、それなりに優秀な冒険者なので愛想よくしたと言う。まあ、あんな大剣を持っているし強そうだった。
爺さんが階段を上りながら言う。
「ラジェたちは屋上の練習場にいるそうだ」
「この建物、屋上もあるんですね」
屋上に上がると、そこにはキースな月光さんとラジェがいた。辺りには誰もいなかった。練習場はそこまで使われていないのだろうか?
二人とも遠目には何も動いていないようだったけど、ラジェから特に大きな魔力を感じた。
(何をしているんだろう?)
目を凝らしてラジェの魔力が集中する足元を見れば、微量の砂の噴射の上に立っているのがわかった。隣のキースな月光さんも相変わらずかすかに浮遊しているけど、ラジェも同じく数センチ地面から浮いていた。風魔法を使わない浮遊だ……これは凄いと思う。
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