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本編
爆弾娘とハズレ針爺
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元気よく目覚める。
今日は、アズール商会に砂糖を買いに行く日だ。
サリさんが作ってくれた朝食のオムレツを食べる。
エルさんは爺さんと執務室にいるらしいので、例の登録に関しての話をしているのだろうと思う。
一緒に朝食を取っていたラジェに尋ねる。
「今日はアズール商会に行く予定だけど、ラジェも行くよね?」
「僕は今日……」
ラジェがキースな月光さんに視線を送る。
「本日、ラジェは私と共に魔法の強化をする予定です」
「魔法の強化? そんなことができるのですか? 私も――」
「ミリー嬢は強化の必要がありません。それに、今日は砂糖を買いに行く予定では?」
確かに砂糖を買いに行く予定だけど……月光さんの魔法の強化も気になる。ラジェも月光さんのレッスンを楽しみにしている感じだ。なんだか、一人だけ通り残された気分だ。
ラジェが笑顔で言う。
「完成しそうな魔法があるから、出来たらミリーちゃんに一番に見せるよ」
「分かった。それじゃあ、楽しみにしておくね」
気になる。けれど、ラジェが目をキラキラさせているので……その完成しそうな魔法というものを楽しみにすることにする。
爺さんとエルさんを部屋から出て来る。どうやら話はついたようだが、爺さんが首を動かしながら私に執務室に入るように促す。
朝食を口に詰め込み、爺さんの執務室へと向かう。
「そんなに口いっぱいに朝食を詰め込まずとも、ここで食えばよかっただろうに」
「もがもぐ」
「噛み終わるまで、私の話を聞け」
爺さんの話は思っていた通り、エルさんの話だった。エルさんは快く登録代行の話を引き受けてくれたらしい。代金はレシピごとに銅貨五枚を支払うことで話がついたらしい。レシピの数によるけど銀貨数枚から小金貨一枚の仕事だ。悪い条件ではないと思う。
「エルには、お主や商会の詳しい話はしておらん。だが、奴も阿呆ではない。それとなく察するであろう。だが、口は堅いので外部に漏れることはない」
爺さんは、エルさん夫妻を二人が子供のころから面倒を見ているという。月光さんやミカエルさんを然り、爺さんの傍にいる人たちはみんな信頼が厚い。爺さんの人柄……なのか? うーん。
爺さんを凝視していると、真顔で見返される。
「なんじゃい、ジッと見おって」
「いや、ギルド長の回りは良い人ばかりだなって思って」
朝食を飲み込んでから答えた。
「お主、それはなんだか私に問題があるような言い方ではないか?」
「そんなことはないですよ。褒めています」
爺さんはウニのような人なのかもしれない。外身は刺々しいが、中身は旨味が詰まっている的な? 絶対に怒るだろうから、本人には言わないけど。
代理登録の業務を担う上でエルさんから唯一希望された条件は、レシピを練習する時間がほしいというものだった。
それはそうだよね……どれも一通りしか作っておらず、しかもレシピの説明もそこまでしていないのだ。エルさんは、今日の時間を使い、カニのソース、ウニのパスタ、それからウニの茶わん蒸しを練習したいとのことだった。
「それじゃ、エルさんのために早速レシピの詳細を書き写しますね」
「この書き込み帳を使ってよいぞ」
必要な材料とレシピを丁寧に爺さんがくれたメモ帳に書く。分かりにくいだろう部分には、イラストを描いて追記をした。
爺さんがメモ帳を見ながら感心する。
「絵があると、私でも作れそうだな」
「レシピ本とかなら、絵があったほうが分かり易いですよね」
「レシピ本……ほぅ、確かに」
その時、メモ帳に集中していて爺さんの目がギラついたのには気づかなった。
メモ帳をエルさんに私、軽く説明をする。
「急なお願い事を承諾していただき、ありがとうございます」
「い、いえ。こちらこそありがとうございます」
エルさんが、ぎこちなさそうに私を見つめた。
「何か、レシピで分からないところがありますか?」
「そうではないです。なんだかお嬢様がそんなに畏まって対応されると、昔のエンリケ様にそっくりだなと思っただけです」
「え? そうかなぁ……」
えへへと笑うと、爺さんが後ろから何か言う。
「こんな爆弾娘と私が似ておるわけないだろ!」
「私もハズレ針爺じゃないので――」
ボソッと呟く。
「む! お主、今何か言ったであろう?」
「一言も言っておりません!」
「ぐぬぬ」
私たちのやり取りに、エルさんが微笑む。
「レシピの件はお任せ下さい。今日お帰りの際に、味見をおねがいします」
「はい! 味見ならいつでも喜んで!」
「カニのソースは多めに作るように」
爺さん、くれぐれも痛風には気を付けてほしい。
今日は、アズール商会に砂糖を買いに行く日だ。
サリさんが作ってくれた朝食のオムレツを食べる。
エルさんは爺さんと執務室にいるらしいので、例の登録に関しての話をしているのだろうと思う。
一緒に朝食を取っていたラジェに尋ねる。
「今日はアズール商会に行く予定だけど、ラジェも行くよね?」
「僕は今日……」
ラジェがキースな月光さんに視線を送る。
「本日、ラジェは私と共に魔法の強化をする予定です」
「魔法の強化? そんなことができるのですか? 私も――」
「ミリー嬢は強化の必要がありません。それに、今日は砂糖を買いに行く予定では?」
確かに砂糖を買いに行く予定だけど……月光さんの魔法の強化も気になる。ラジェも月光さんのレッスンを楽しみにしている感じだ。なんだか、一人だけ通り残された気分だ。
ラジェが笑顔で言う。
「完成しそうな魔法があるから、出来たらミリーちゃんに一番に見せるよ」
「分かった。それじゃあ、楽しみにしておくね」
気になる。けれど、ラジェが目をキラキラさせているので……その完成しそうな魔法というものを楽しみにすることにする。
爺さんとエルさんを部屋から出て来る。どうやら話はついたようだが、爺さんが首を動かしながら私に執務室に入るように促す。
朝食を口に詰め込み、爺さんの執務室へと向かう。
「そんなに口いっぱいに朝食を詰め込まずとも、ここで食えばよかっただろうに」
「もがもぐ」
「噛み終わるまで、私の話を聞け」
爺さんの話は思っていた通り、エルさんの話だった。エルさんは快く登録代行の話を引き受けてくれたらしい。代金はレシピごとに銅貨五枚を支払うことで話がついたらしい。レシピの数によるけど銀貨数枚から小金貨一枚の仕事だ。悪い条件ではないと思う。
「エルには、お主や商会の詳しい話はしておらん。だが、奴も阿呆ではない。それとなく察するであろう。だが、口は堅いので外部に漏れることはない」
爺さんは、エルさん夫妻を二人が子供のころから面倒を見ているという。月光さんやミカエルさんを然り、爺さんの傍にいる人たちはみんな信頼が厚い。爺さんの人柄……なのか? うーん。
爺さんを凝視していると、真顔で見返される。
「なんじゃい、ジッと見おって」
「いや、ギルド長の回りは良い人ばかりだなって思って」
朝食を飲み込んでから答えた。
「お主、それはなんだか私に問題があるような言い方ではないか?」
「そんなことはないですよ。褒めています」
爺さんはウニのような人なのかもしれない。外身は刺々しいが、中身は旨味が詰まっている的な? 絶対に怒るだろうから、本人には言わないけど。
代理登録の業務を担う上でエルさんから唯一希望された条件は、レシピを練習する時間がほしいというものだった。
それはそうだよね……どれも一通りしか作っておらず、しかもレシピの説明もそこまでしていないのだ。エルさんは、今日の時間を使い、カニのソース、ウニのパスタ、それからウニの茶わん蒸しを練習したいとのことだった。
「それじゃ、エルさんのために早速レシピの詳細を書き写しますね」
「この書き込み帳を使ってよいぞ」
必要な材料とレシピを丁寧に爺さんがくれたメモ帳に書く。分かりにくいだろう部分には、イラストを描いて追記をした。
爺さんがメモ帳を見ながら感心する。
「絵があると、私でも作れそうだな」
「レシピ本とかなら、絵があったほうが分かり易いですよね」
「レシピ本……ほぅ、確かに」
その時、メモ帳に集中していて爺さんの目がギラついたのには気づかなった。
メモ帳をエルさんに私、軽く説明をする。
「急なお願い事を承諾していただき、ありがとうございます」
「い、いえ。こちらこそありがとうございます」
エルさんが、ぎこちなさそうに私を見つめた。
「何か、レシピで分からないところがありますか?」
「そうではないです。なんだかお嬢様がそんなに畏まって対応されると、昔のエンリケ様にそっくりだなと思っただけです」
「え? そうかなぁ……」
えへへと笑うと、爺さんが後ろから何か言う。
「こんな爆弾娘と私が似ておるわけないだろ!」
「私もハズレ針爺じゃないので――」
ボソッと呟く。
「む! お主、今何か言ったであろう?」
「一言も言っておりません!」
「ぐぬぬ」
私たちのやり取りに、エルさんが微笑む。
「レシピの件はお任せ下さい。今日お帰りの際に、味見をおねがいします」
「はい! 味見ならいつでも喜んで!」
「カニのソースは多めに作るように」
爺さん、くれぐれも痛風には気を付けてほしい。
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