悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇

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乱射する悪役令息

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『ハアハア殺さねば!』

「どうしてこんなことに」

 様子がおかしかったとはいえ、父親がまさか自分に対して危害を加えるとは思っておらず、ミラは苦悶の声を上げながら戦う様子を見つめる。
 今の所ステラが善戦している。
 大丈夫かと思い、身内の裏切りで酷いダメージを負った自分の精神を立ち直らせることを優先しようとするとステラが震えていることに気づいた。
 その姿が昔の兄の姿によく似ており、無理をしているのだとわかった。
 自分の精神のことよりステラを支えなければいけないと直感した。

「ステラ。私も戦います。本来私が始末がつけなければいけないことですから。無理はしないでください」

 ミラの手がステラの手に触れるとステラの怯えが緩和され震えがおさまり始めた。
 恐ろしい相手と一人だけで戦わないと覚悟していただけにミラが戦ってくれると思うだけでものしかかってきていた精神的な負担が軽くなった。
 ミラはステラの額に浮かぶ汗をハンカチで拭うと中級風魔法『乱風』を発動させて、光剣を捌く黒鎧の手足の動きを阻害する。

『グオおおお!!』

 黒鎧の手足が風圧で動きを鈍らせた瞬間を見逃さずにステラが五つの光剣を黒鎧の胴体に突き刺すとエドランの叫び声が響いた。

「やった……!」

 大きなダメージが入ったことを確信すると黒鎧から闇の大精霊の笑い声が聞こえ始めた。

『周りをよく見なさいよ! 戦うので必死で気づかなかったあ!! 囲まれているわよ! これからどうなっちゃうのかしらねえ?』

 黒鎧から目を離して周囲を見ると木々の間から魔族の鎧が周囲を取り囲むように出てくるのが見えた。

『おいマジかよ』『こんなのねえだろ』『あたし達五人なのにこんなの無理でしょ』

「っ!!」

 ロイド達が絶望した声を上げ、ステラが絶望に耐えるように歯を食いしばるとミラがステラの手を握った。

「大丈夫です。兄様が来ます。兄様は言ったことは必ず守りますから」

 ミラがそう言うと銃の乱射音とともに取り囲んでいる魔族の鎧の一部が崩され、その先に弾帯を纏ってガトリングを乱射する量産鎧の姿が見えた。

「兄様!」「シド様」

『『『シド!』』』


  
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