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息子の友達ほな安心か
しおりを挟む「学園長!」
「これ! 犯罪者の巣窟に真っ先に飛び込むな! そういう荒事はこの無礼な小娘にやらせるんじゃ!」
「荒事になった途端、女の後ろに隠れようとするなんて最低ですよ」
「黙れ! 護衛も含めることで孫の秘書に認めてやったことを忘れたか!」
後方で下衆なやり取りが行われているがマウントのことが心配でしょうがないユーデリカはアジトの中を探していく。
「ち、火放ってやがった。あぶねえ」「派手にやりやがって」
「おお、これはゴージャス様、ご機嫌麗しゅう!」
入り口付近を見まわすと奥から不機嫌な顔をした騎士たちと共にゴテゴテとした宝石の指輪やオリハルコン製だろう怪しげな輝きを放つ頭冠を身につけたいかにも成金そうな男が奥から出てきた。
「貴様はカース子爵家の。なにゆえこのような場所におる?」
「し、し! かつての盟友であるセレブ様の領地で族が蔓延って悪さをしていると風の噂で聞きましてな。亡き友に報いたくこうして足を運ばせて頂いた次第であります」
成金男──カース子爵は畜生を追い払うような手つきでユーデリカを手で追い払うとニヤケ面でゴージャスの元に近づいていく。
合点がいっているのか、ユーデリカの父バローと話した時とは打って変わって言葉にしきりにうなづいている。
「他領のことでありながら見上げた心がけじゃ。さすがはセレブと最後まで行動を友にした盟友よ」
「お褒めにいただき光栄。どうやらそちらも同じように動かれているようですな。特にお孫様が頑張られているようでもうすでに見聞きしたものがいます」
「ふん。別にそういうわけでもないわ。儂は孫をこの忌まわしい街から保護しようとしとるだけで」
「そうなのですか。心中お察し致します。これも何か縁です。ここの犯罪組織の処置と同時にお孫様の捜索は我々が引き受けましょう」
「む、そうか。セレブの盟友であるお主なら儂も安心して任せられる。それでは任せたぞ」
「御意」
明らかに怪しい男なのだが完全にゴージャスは信用しているようでトントン拍子に話が進んでいく。
どう考えてもユーデリカにはこの成金が信用ならない人物に思えるのだが、その予想に反してしっかり安心しきったゴージャスは元来た道を戻り始めた。
「あのご隠居様……」
勇気を出してユーデリカがゴージャスに声をかけるが聞こえていないようでそのままいってしまう。
「ハァ」
それまで黙ってことの成り行きを見守っていたミユキはゴージャスに向けて大きなため息を吐いた。
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