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10章 妖精界での冒険
sidestoryⅢナタ4~リュートの過去2~
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「まあ、それからと言うものリュートの世話とチルの世話とで本当に大変だったよ、例えばチル何か15歳になっても「それ以上言わないで!」あはははは」
ハリムの言葉を遮るとチルは赤くした顔を深呼吸して元に戻して話を始めた
「じゃあ次はリュートが今の姿になった時の事だ」
皆は今更その口調で言われても威厳が全く感じられないと思っていた
「ちょっと待って!何でチルさんが知ってるの!?」
「そりゃ、家の窓から見てたから…ってもう良い!早く話すぞ!」
ーー6年前ーー
「おい、リュート!そっちはもう耕せたか?」
「うんお父さん!終わったよ!」
「よし!なら種まきだ!リュート、種を持ってきてくれるか?」
「うん!」
ハリムに言われた通りリュートは家の中から種の入った袋を持ってきた
「リュート、見てろ~、こうやって土を少し掘ってそこに種を入れてこう土を被せるんだ。やってみろ」
「うん、分かった!」
リュートがハリムの真似をして種まきをしているとチルが家から走って出てきた
「リュート!またゴミを散らかして~!」
「げ!姉ちゃん!」
リュートは種まきを中断して袋をその場に捨てて慌てて逃げ出した
「まて!」
チルはリュートが捨てた袋をリュートに投げつけ、見事リュートの頭に命中した
「わっ!」
リュートはそのまま倒れてチルに連行されている
「助けてお父さん!」
「はあ、リュート、部屋は片付けなさい」
「そんな~」
リュートはガックシと項垂れズルズルとチルに連れていかれた
ーー数分後ーー
「はあ、疲れた~」
「リュート!種まきは終わらしたから水を撒いてくれ!」
「分かった~!」
リュートはバケツを4個持って近くの湖へ行った
「はあ、ったく本当に姉ちゃんは世話焼きなんだからな~」
リュートはバケツで水を汲む度に溜め息を吐いて水を汲み終わるとバケツを片手に2つ持って家へ少しふらつきながら戻っていった
そして家へ着いた時にはもう夕時だった
「お父さ~ん!水を汲んできたよ~!」
「おお!リュート良くできたな~!」
ハリムがリュートの頭を撫でてバケツを受け取るとリュートは嬉しそうに小さくガッツポーズした
「さあ、もうすぐだ、手伝ってくれ」
「は~い!」
リュートは壁に立て掛けてある柄杓を2つ持って1つをハリムに渡して水撒きを再開しようとしたところ
「お父さ~ん!もうすぐ夕飯できるよ~!」
チルが窓から呼び掛ける
「これ終わったら行くから用意してくれ!」
「分かった~!」
リュート達が水撒きを半分以上しているとチルが出てきた
「夕飯出来たよ~」
「やった~!飯~!」
リュートが水撒きを止めて中へ入ろうとするとチルに髪を掴まれた
「痛い痛い!」
「リュート!早く水撒き終わらせないとご飯食べさせないよ!」
「ごめん!早く終わらせるから離して~!」
「よし!では許そう!」
チルが離すとリュートは柄杓を持って水撒きを始めた
それを見るとチルは溜め息を吐いて家の中へ戻っていった
「ったく、姉ちゃんは何でもかんでもやれやれって五月蝿いよ!」
「リュート、お姉ちゃんの言うことは正しいぞ、片付けや掃除はきちんとしないといけないぞ」
「分かってるけどさ~」
リュートとハリムが話していると馬車がやって来た
「おい、今日はここに泊めろ」
中から出てきたのは身分の高そうな赤色の服を着た男、つまり貴族だった
「…畏まりました」
ハリムが相手を見るとそう言ったのでリュートはムカッとしながらも我慢した
「む?なんだお前は?私に何か用か?」
「…ありません」
リュートが俯いて言うと貴族は「ふんッ」とふんぞり返って、護衛を一人連れて家の中へ入っていった
「偉いぞリュート」
「えへへ~」
リュートはハリムに頭を撫でられ気持ち良さそうにして水撒きを再開した
残りは少なかったのですぐに終わらせ家の中へ入った
「おい!飯はまだか!」
「小娘、飯を早急に用意せよ、この方はフロンティア国王の親戚であるぞ!」
「待ってください!お父さん達がくるまで!」
(なんで姉ちゃんまでこんな奴にペコペコ頭下げてんだよ…)
リュートの心の中で怒りが込み上げてきた
「…我慢しろ」
ハリムが耳打ちするとリュートは拳を握り締めて俯いた
「あ、お父さん!」
「そいつが来たのなら早く持ってこい!」
貴族はバンッとテーブルを蹴り飛ばした
「…我慢だ…」
そう言うハリムの声も少し怒りが籠っていた
「すみませんすみません…」
「お前は中々良い体をしているな…私の好みだ」
貴族がチルの胸へ手を伸ばすとリュートは怒りが爆発してその貴族へ走っていった
「このガキ!」
護衛がリュートを蹴り飛ばそうとするがいち早く床を横に蹴り避けるとすぐに護衛の首へ飛び付き、思いきり噛み付いた
「くそが!このガキ!ぶっ殺してやる!」
リュートの事など知らんとばかりに貴族の手はチルの胸へ触れようとしていた
「はあっ!」
「ぐわっ!」
リュートは貴族の方へ目を向けていて護衛の動きを見ていなかった
護衛が壁に立て掛けた槍を掴みそれでリュートの手の甲を刺し、リュートが手を離した途端に護衛はリュートを蹴り飛ばす
リュートが吹き飛ばされ壁にぶつかり血を吐き、リュートの胸ぐらを掴み護衛が怒りのままリュートの顔を殴ろうとするとチルがリュートを庇った
「待ってください!この子の代わりに何でもしますから!」
「はあ…はあ…姉ちゃん、こんな奴らの、はあ…はあ…言うこと聞かなくて良いよ…」
「バカ!あんたは何も分かってないんだから!大人しくしてなさい!」
チルがリュートの頭を小突くと貴族が前へ出た
「何でもするって言ったな?」
「…はい」
チルは震えて言うがリュートは貴族を睨んでいた
「なら、お前が私の愛人となるなら見逃してやっても構わない…どうだ?」
リュートがまた殴ろうとすると護衛が貴族の前に、そしてチルがリュートの手首を掴んだ
「姉ちゃん!」
「…リュート、あんたは黙ってなさい…」
チルは立ち上がり悔しそうな顔で俯いていた
「分かりました…」
「よし、なら今すぐ連れていこう…ランドン」
「はっ」
貴族が戻る際にリュートに耳打ちした
「残念だったな~、お前のせいであの娘は人生を私に捧げる事になって」
護衛はチルを馬車まで連れていった
「あ、あの野郎…」
リュートは青筋を浮かせて立ち上がった
「おい…リュート」
リュートは蹴り飛ばされたテーブルの足の1本取り家を出た
リュートは歩いていたがハリムはそれを止めることはなかった
「おい!入れたか!」
「はっ!入れました!」
「なら早く帰るぞ!」
貴族が馬車へ乗り込み、帽子を被った運転手へ怒鳴る
「早く馬車を出せ!」
すると運転手は一人の男を投げ捨てた
「生憎今日はもう夜遅く馬車を出せません」
運転手は振り返り帽子を脱ぎ捨てる
「き、貴様は!」
「ガキが!まだくたばってなかったか!」
リュートはテーブルの足を護衛へ投げつけ護衛の顔を蹴り、槍を手放した所で、槍を奪い護衛に矛先を向けた
「早く姉ちゃんを返せ」
「そのような子供1人に何をしている!早く殺ってしまえ!」
「で、ですが!」
「ええい!もうよい!私が直々に制裁を加えてやる!」
そして貴族はリュートを睨んだ
「ファイア!」
すると尋常じゃない速度で炎の球がリュートの眼前に迫った
ハリムの言葉を遮るとチルは赤くした顔を深呼吸して元に戻して話を始めた
「じゃあ次はリュートが今の姿になった時の事だ」
皆は今更その口調で言われても威厳が全く感じられないと思っていた
「ちょっと待って!何でチルさんが知ってるの!?」
「そりゃ、家の窓から見てたから…ってもう良い!早く話すぞ!」
ーー6年前ーー
「おい、リュート!そっちはもう耕せたか?」
「うんお父さん!終わったよ!」
「よし!なら種まきだ!リュート、種を持ってきてくれるか?」
「うん!」
ハリムに言われた通りリュートは家の中から種の入った袋を持ってきた
「リュート、見てろ~、こうやって土を少し掘ってそこに種を入れてこう土を被せるんだ。やってみろ」
「うん、分かった!」
リュートがハリムの真似をして種まきをしているとチルが家から走って出てきた
「リュート!またゴミを散らかして~!」
「げ!姉ちゃん!」
リュートは種まきを中断して袋をその場に捨てて慌てて逃げ出した
「まて!」
チルはリュートが捨てた袋をリュートに投げつけ、見事リュートの頭に命中した
「わっ!」
リュートはそのまま倒れてチルに連行されている
「助けてお父さん!」
「はあ、リュート、部屋は片付けなさい」
「そんな~」
リュートはガックシと項垂れズルズルとチルに連れていかれた
ーー数分後ーー
「はあ、疲れた~」
「リュート!種まきは終わらしたから水を撒いてくれ!」
「分かった~!」
リュートはバケツを4個持って近くの湖へ行った
「はあ、ったく本当に姉ちゃんは世話焼きなんだからな~」
リュートはバケツで水を汲む度に溜め息を吐いて水を汲み終わるとバケツを片手に2つ持って家へ少しふらつきながら戻っていった
そして家へ着いた時にはもう夕時だった
「お父さ~ん!水を汲んできたよ~!」
「おお!リュート良くできたな~!」
ハリムがリュートの頭を撫でてバケツを受け取るとリュートは嬉しそうに小さくガッツポーズした
「さあ、もうすぐだ、手伝ってくれ」
「は~い!」
リュートは壁に立て掛けてある柄杓を2つ持って1つをハリムに渡して水撒きを再開しようとしたところ
「お父さ~ん!もうすぐ夕飯できるよ~!」
チルが窓から呼び掛ける
「これ終わったら行くから用意してくれ!」
「分かった~!」
リュート達が水撒きを半分以上しているとチルが出てきた
「夕飯出来たよ~」
「やった~!飯~!」
リュートが水撒きを止めて中へ入ろうとするとチルに髪を掴まれた
「痛い痛い!」
「リュート!早く水撒き終わらせないとご飯食べさせないよ!」
「ごめん!早く終わらせるから離して~!」
「よし!では許そう!」
チルが離すとリュートは柄杓を持って水撒きを始めた
それを見るとチルは溜め息を吐いて家の中へ戻っていった
「ったく、姉ちゃんは何でもかんでもやれやれって五月蝿いよ!」
「リュート、お姉ちゃんの言うことは正しいぞ、片付けや掃除はきちんとしないといけないぞ」
「分かってるけどさ~」
リュートとハリムが話していると馬車がやって来た
「おい、今日はここに泊めろ」
中から出てきたのは身分の高そうな赤色の服を着た男、つまり貴族だった
「…畏まりました」
ハリムが相手を見るとそう言ったのでリュートはムカッとしながらも我慢した
「む?なんだお前は?私に何か用か?」
「…ありません」
リュートが俯いて言うと貴族は「ふんッ」とふんぞり返って、護衛を一人連れて家の中へ入っていった
「偉いぞリュート」
「えへへ~」
リュートはハリムに頭を撫でられ気持ち良さそうにして水撒きを再開した
残りは少なかったのですぐに終わらせ家の中へ入った
「おい!飯はまだか!」
「小娘、飯を早急に用意せよ、この方はフロンティア国王の親戚であるぞ!」
「待ってください!お父さん達がくるまで!」
(なんで姉ちゃんまでこんな奴にペコペコ頭下げてんだよ…)
リュートの心の中で怒りが込み上げてきた
「…我慢しろ」
ハリムが耳打ちするとリュートは拳を握り締めて俯いた
「あ、お父さん!」
「そいつが来たのなら早く持ってこい!」
貴族はバンッとテーブルを蹴り飛ばした
「…我慢だ…」
そう言うハリムの声も少し怒りが籠っていた
「すみませんすみません…」
「お前は中々良い体をしているな…私の好みだ」
貴族がチルの胸へ手を伸ばすとリュートは怒りが爆発してその貴族へ走っていった
「このガキ!」
護衛がリュートを蹴り飛ばそうとするがいち早く床を横に蹴り避けるとすぐに護衛の首へ飛び付き、思いきり噛み付いた
「くそが!このガキ!ぶっ殺してやる!」
リュートの事など知らんとばかりに貴族の手はチルの胸へ触れようとしていた
「はあっ!」
「ぐわっ!」
リュートは貴族の方へ目を向けていて護衛の動きを見ていなかった
護衛が壁に立て掛けた槍を掴みそれでリュートの手の甲を刺し、リュートが手を離した途端に護衛はリュートを蹴り飛ばす
リュートが吹き飛ばされ壁にぶつかり血を吐き、リュートの胸ぐらを掴み護衛が怒りのままリュートの顔を殴ろうとするとチルがリュートを庇った
「待ってください!この子の代わりに何でもしますから!」
「はあ…はあ…姉ちゃん、こんな奴らの、はあ…はあ…言うこと聞かなくて良いよ…」
「バカ!あんたは何も分かってないんだから!大人しくしてなさい!」
チルがリュートの頭を小突くと貴族が前へ出た
「何でもするって言ったな?」
「…はい」
チルは震えて言うがリュートは貴族を睨んでいた
「なら、お前が私の愛人となるなら見逃してやっても構わない…どうだ?」
リュートがまた殴ろうとすると護衛が貴族の前に、そしてチルがリュートの手首を掴んだ
「姉ちゃん!」
「…リュート、あんたは黙ってなさい…」
チルは立ち上がり悔しそうな顔で俯いていた
「分かりました…」
「よし、なら今すぐ連れていこう…ランドン」
「はっ」
貴族が戻る際にリュートに耳打ちした
「残念だったな~、お前のせいであの娘は人生を私に捧げる事になって」
護衛はチルを馬車まで連れていった
「あ、あの野郎…」
リュートは青筋を浮かせて立ち上がった
「おい…リュート」
リュートは蹴り飛ばされたテーブルの足の1本取り家を出た
リュートは歩いていたがハリムはそれを止めることはなかった
「おい!入れたか!」
「はっ!入れました!」
「なら早く帰るぞ!」
貴族が馬車へ乗り込み、帽子を被った運転手へ怒鳴る
「早く馬車を出せ!」
すると運転手は一人の男を投げ捨てた
「生憎今日はもう夜遅く馬車を出せません」
運転手は振り返り帽子を脱ぎ捨てる
「き、貴様は!」
「ガキが!まだくたばってなかったか!」
リュートはテーブルの足を護衛へ投げつけ護衛の顔を蹴り、槍を手放した所で、槍を奪い護衛に矛先を向けた
「早く姉ちゃんを返せ」
「そのような子供1人に何をしている!早く殺ってしまえ!」
「で、ですが!」
「ええい!もうよい!私が直々に制裁を加えてやる!」
そして貴族はリュートを睨んだ
「ファイア!」
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