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第6話 薬師令嬢、陰謀を暴く
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「ふーん、これが王国から支給された新しい体力増強剤?」
騎士団の医務室で、私は小瓶を光にかざしていた。
「はい。全騎士に配布するようにと」
副官が説明する。
「なんでも、最新の製法で作られた特効薬だとか」
「へぇ……最新の、ねぇ……」
くるくると瓶を回す。透明な液体が、光を反射してキラキラ光る。でも、何かが引っかかる。
「ミーニェ? どうかしたか?」
シュレツが心配そうに覗き込んできた。
「うーん……ちょっと気になることがあって」
「気になること?」
「この薬、匂いが変なの」
瓶の蓋を開けて、慎重に嗅ぐ。
普通の体力増強剤なら、ハーブの爽やかな香りがするはずだ。でも、これは——
「甘い……? いや、これは……」
「どうした?」
「ちょっと待って。分析してみる」
瓶を振りながら研究室に移動。
スポイトで一滴取り、試験紙に垂らす。紙の色が変わるのを見て、嫌な予感が確信に変わった。
「あ、これ、普通の体力増強剤じゃないわね」
「なんだと?」
「ちょっと待って。もっとちゃんと調べる」
各種試薬での反応、魔力測定、成分分離——三十分後、結果を見て青ざめた。
「最悪……」
「ミーニェ?」
「これ、体力増強剤に見せかけた毒薬よ」
「ど……毒薬だと!?」
シュレツの顔が険しくなった。私は頷いて説明する。
「正確には、遅効性の魔力弛緩剤。すぐには効果が出ないけど、一週間飲み続けると——」
「どうなる?」
「体の中の魔力素が狂う。力の流れがおかしくなり、最終的には剣も持てなくなる」
副官が真っ青になった。
「そんな……それでは、全騎士団が戦闘不能に……」
「しかも、巧妙なのは」
私は分析結果を示した。紙を彼らの目の前に掲げる。
「表面的には本当に体力増強剤の成分が含まれてるの。最初の数日は、むしろ調子が良くなる」
「……罠か!」
「ええ。気づいた時には手遅れ、という仕組み。だから毒薬という表現がぴったり。ジワジワとやられる」
シュレツが眉根を寄せると、拳を握りしめた。
「いったい誰がこんなことを……」
「それにも少し心当たりがある」
私は薬瓶の底を指差した。
「この製造番号。これはマンシエッキリアという特殊な花を使っている薬につけることが義務付けられている。副作用のある花だから」
「? それが?」
「この花はゴンデオグラーナという国でしか入手ができない。輸入ルートもほぼない」
「!」
「でも、ラベルは我が国の王室御用達」
つまり——
「内通者がいる……!?」
重い沈黙が研究室を包んだ。
「ミーニェ、解毒剤は作れるか?」
「もちろん。でも、それより先にやることがあるわ」
私はにやりと笑った。
「犯人を炙り出しましょう」
「え……どうやって?」
「簡単よ。この薬を『改良』するの」
新しい小瓶を取り出し、似たような液体を作り始める。
「これは?」
「無害な偽薬。でも、ある特殊な成分を混ぜてあるの」
「特殊な成分?」
「ふふふ……飲んだ人の汗が、青く光るようになる成分よ。昔遊びで作ったの」
シュレツと副官が顔を見合わせた。
「つまり?」
「内通者は薬を飲まない。飲んだふりをする。でも皆が飲んだかは、見ている」
「え? つまり偽物とすり替えて——」
「そう。偽物をちゃんと飲んだ人だけ、青く光る! 青く光ってる人は問題なし!」
なるほど、と二人が頷いた。
「しかし、それだと騎士団のほとんどが青く光るのでは?」
「面白いし、わかりやすくていいじゃない?」
シュレツは諦めたように肩をすくめた。
さっそく作戦を実行に移した。騎士団全員に、私が「改良」した薬を配布する。
「ミーニェ様のお墨付きなら安心だ!」
「ありがたい!」
みんな喜んで飲んでくれた。
そして、三日後——
「うわぁぁあ!?」
「青く汗が発光し……えっ!? ミーニェ様ぁー!」
阿鼻叫喚の騎士団。そんな中、一人だけ、汗が青く光っていない騎士が唖然としていた。
「お前か……!」
シュレツが近づく。彼は呆然とした後、嵌められたと気がついたらしい。観念したのか、その騎士——実は敵国のスパイだった——は目を閉じた。
「くそっ……」
「なぜこんなことを」
「金だよ。それと、お前らが憎かったからだ」
縛り上げられながら、スパイは吐き捨てた。
「優秀な騎士団長と、天才薬師の番。お前らさえいなければ——」
「黙れ」
シュレツの冷たい声が響いた。
「連行しろ」
事件が片付いた後、研究室で解毒剤を作っていると、シュレツが入ってきた。
「ミーニェ、ありがとう」
「どういたしまして」
「君がいなければ、騎士団は全滅していた」
「大げさよ。薬師として当然のことをしただけ」
「まぁ、代わりに全員青く発光したが」
「楽しかったでしょ?」
笑って見せたが、シュレツは真剣な顔のままだった。
「いや、君は本当にすごい。毒を見抜き、犯人まで特定した」
「いや、でも光らせたわよ?」
「あの騒動のおかげで、騎士団の中に裏切り者がいたという状況が明るみに出ても、士気が落ちなかった。そういう狙いだろう?」
「……買い被りすぎ」
シュレツが微笑んだ。
「俺は君のそう言うところも、好きなんだ」
「まったく、真面目なんだから」
二人で笑い合っていると、扉がノックされた。
「失礼します!」
騎士たちが、また山のような贈り物を持ってきた。
「ミーニェ様! 命を救っていただいて!」
「本当にありがとうございます! まぁ光りましたが」
「いいのよ、これくらい」
「いえ! 恩返しをさせてください!」
「恩返し?」
騎士たちがニヤニヤしながら言った。
「団長との結婚式、俺たちに準備させてください!」
「け、結婚式!?」
「そうだ! もう婚約してるんだから!」
「盛大にやりましょう!」
「ちょ、ちょっと待って! もしかしてちょっと怒ってる!?」
慌てる私を、シュレツが後ろから抱きしめた。
「いい機会だ。式を挙げよう」
「シュレツまで!」
「ミーニェ」
耳元で囁かれる。
「君は俺の誇りだ。皆に自慢したい」
「もう……」
顔が真っ赤になる。
でも、悪い気はしなかった。
騎士たちの笑い声に包まれながら、未来のことを考える。
きっと、騒がしくて楽しい結婚式になるだろう。そして、その後も——
薬師と騎士団長として、支え合っていく。
「ねえ、シュレツ」
「なんだ?」
「結婚したら、研究室は広くしてもらえる?」
「まったく君は!」
騎士団の医務室で、私は小瓶を光にかざしていた。
「はい。全騎士に配布するようにと」
副官が説明する。
「なんでも、最新の製法で作られた特効薬だとか」
「へぇ……最新の、ねぇ……」
くるくると瓶を回す。透明な液体が、光を反射してキラキラ光る。でも、何かが引っかかる。
「ミーニェ? どうかしたか?」
シュレツが心配そうに覗き込んできた。
「うーん……ちょっと気になることがあって」
「気になること?」
「この薬、匂いが変なの」
瓶の蓋を開けて、慎重に嗅ぐ。
普通の体力増強剤なら、ハーブの爽やかな香りがするはずだ。でも、これは——
「甘い……? いや、これは……」
「どうした?」
「ちょっと待って。分析してみる」
瓶を振りながら研究室に移動。
スポイトで一滴取り、試験紙に垂らす。紙の色が変わるのを見て、嫌な予感が確信に変わった。
「あ、これ、普通の体力増強剤じゃないわね」
「なんだと?」
「ちょっと待って。もっとちゃんと調べる」
各種試薬での反応、魔力測定、成分分離——三十分後、結果を見て青ざめた。
「最悪……」
「ミーニェ?」
「これ、体力増強剤に見せかけた毒薬よ」
「ど……毒薬だと!?」
シュレツの顔が険しくなった。私は頷いて説明する。
「正確には、遅効性の魔力弛緩剤。すぐには効果が出ないけど、一週間飲み続けると——」
「どうなる?」
「体の中の魔力素が狂う。力の流れがおかしくなり、最終的には剣も持てなくなる」
副官が真っ青になった。
「そんな……それでは、全騎士団が戦闘不能に……」
「しかも、巧妙なのは」
私は分析結果を示した。紙を彼らの目の前に掲げる。
「表面的には本当に体力増強剤の成分が含まれてるの。最初の数日は、むしろ調子が良くなる」
「……罠か!」
「ええ。気づいた時には手遅れ、という仕組み。だから毒薬という表現がぴったり。ジワジワとやられる」
シュレツが眉根を寄せると、拳を握りしめた。
「いったい誰がこんなことを……」
「それにも少し心当たりがある」
私は薬瓶の底を指差した。
「この製造番号。これはマンシエッキリアという特殊な花を使っている薬につけることが義務付けられている。副作用のある花だから」
「? それが?」
「この花はゴンデオグラーナという国でしか入手ができない。輸入ルートもほぼない」
「!」
「でも、ラベルは我が国の王室御用達」
つまり——
「内通者がいる……!?」
重い沈黙が研究室を包んだ。
「ミーニェ、解毒剤は作れるか?」
「もちろん。でも、それより先にやることがあるわ」
私はにやりと笑った。
「犯人を炙り出しましょう」
「え……どうやって?」
「簡単よ。この薬を『改良』するの」
新しい小瓶を取り出し、似たような液体を作り始める。
「これは?」
「無害な偽薬。でも、ある特殊な成分を混ぜてあるの」
「特殊な成分?」
「ふふふ……飲んだ人の汗が、青く光るようになる成分よ。昔遊びで作ったの」
シュレツと副官が顔を見合わせた。
「つまり?」
「内通者は薬を飲まない。飲んだふりをする。でも皆が飲んだかは、見ている」
「え? つまり偽物とすり替えて——」
「そう。偽物をちゃんと飲んだ人だけ、青く光る! 青く光ってる人は問題なし!」
なるほど、と二人が頷いた。
「しかし、それだと騎士団のほとんどが青く光るのでは?」
「面白いし、わかりやすくていいじゃない?」
シュレツは諦めたように肩をすくめた。
さっそく作戦を実行に移した。騎士団全員に、私が「改良」した薬を配布する。
「ミーニェ様のお墨付きなら安心だ!」
「ありがたい!」
みんな喜んで飲んでくれた。
そして、三日後——
「うわぁぁあ!?」
「青く汗が発光し……えっ!? ミーニェ様ぁー!」
阿鼻叫喚の騎士団。そんな中、一人だけ、汗が青く光っていない騎士が唖然としていた。
「お前か……!」
シュレツが近づく。彼は呆然とした後、嵌められたと気がついたらしい。観念したのか、その騎士——実は敵国のスパイだった——は目を閉じた。
「くそっ……」
「なぜこんなことを」
「金だよ。それと、お前らが憎かったからだ」
縛り上げられながら、スパイは吐き捨てた。
「優秀な騎士団長と、天才薬師の番。お前らさえいなければ——」
「黙れ」
シュレツの冷たい声が響いた。
「連行しろ」
事件が片付いた後、研究室で解毒剤を作っていると、シュレツが入ってきた。
「ミーニェ、ありがとう」
「どういたしまして」
「君がいなければ、騎士団は全滅していた」
「大げさよ。薬師として当然のことをしただけ」
「まぁ、代わりに全員青く発光したが」
「楽しかったでしょ?」
笑って見せたが、シュレツは真剣な顔のままだった。
「いや、君は本当にすごい。毒を見抜き、犯人まで特定した」
「いや、でも光らせたわよ?」
「あの騒動のおかげで、騎士団の中に裏切り者がいたという状況が明るみに出ても、士気が落ちなかった。そういう狙いだろう?」
「……買い被りすぎ」
シュレツが微笑んだ。
「俺は君のそう言うところも、好きなんだ」
「まったく、真面目なんだから」
二人で笑い合っていると、扉がノックされた。
「失礼します!」
騎士たちが、また山のような贈り物を持ってきた。
「ミーニェ様! 命を救っていただいて!」
「本当にありがとうございます! まぁ光りましたが」
「いいのよ、これくらい」
「いえ! 恩返しをさせてください!」
「恩返し?」
騎士たちがニヤニヤしながら言った。
「団長との結婚式、俺たちに準備させてください!」
「け、結婚式!?」
「そうだ! もう婚約してるんだから!」
「盛大にやりましょう!」
「ちょ、ちょっと待って! もしかしてちょっと怒ってる!?」
慌てる私を、シュレツが後ろから抱きしめた。
「いい機会だ。式を挙げよう」
「シュレツまで!」
「ミーニェ」
耳元で囁かれる。
「君は俺の誇りだ。皆に自慢したい」
「もう……」
顔が真っ赤になる。
でも、悪い気はしなかった。
騎士たちの笑い声に包まれながら、未来のことを考える。
きっと、騒がしくて楽しい結婚式になるだろう。そして、その後も——
薬師と騎士団長として、支え合っていく。
「ねえ、シュレツ」
「なんだ?」
「結婚したら、研究室は広くしてもらえる?」
「まったく君は!」
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