10 / 15
第10話 占星術師、到来
しおりを挟む
朝の研究室に、重々しいノックの音が響いた。
「はーい、どうぞ」
薬の調合中だった私は、手を止めずに返事をする。ちらと横目で見ると、扉が開き、見知らぬ男性が入ってきた。
濃紺のローブに、銀の刺繍で星座が描かれている。布の多い、動きにくそうな服。占星守護院の正装だ。男性は灰色の髪を真面目そうに整え、鋭い灰色の瞳で私を見据えていた。
「ミーニェ・フォルクハルト殿ですね」
「ええ、そうですけど」
私は試験管を置いて振り返った。
「私は占星守護院のベオ・クラウディウス。番の神聖性に関する運命裁定告知のため、参りました」
「あー、ナルラがさっそく告発したのね……」
ため息をつくと、ベオと名乗った男性は眉をひそめた。
「これは重大な問題です。今まで被害は少なかったため見逃しておりましたが……告発があった以上、もはや無視できません。番を人為的に変更する薬など……」
「ふーむ……」
なるほど、ナルラからの告発を無視すると、この薬を許可してしまったことになり、占星守護院としての立場がない、と。
これは意外と厄介。私は肩をすくめた。そして、ちら、と椅子を見やる。
「お茶でも飲みながら話しましょうか? 立ち話も疲れるでしょう?」
「……結構です」
「変なものは何も入れないわよ?」
「信用できません」
冗談だったのだけれど、返ってきたのは固い返事。堅物ね。
「そう。じゃあ単刀直入に聞くけど、番の上書きの何が問題なの?」
「何が、ですって?」
ベオの声が少し震えた。怒っているようだ。
「番とは、神が定めた運命の絆。それを薬で操作するなど――」
「待って」
私は手を挙げて彼の言葉を遮った。
「神が定めた? 本当に? それって誰が証明したの?」
「な……!」
「私の研究の結果、番は魔術的な相性の問題と分かっているの。魔術回路の波長が合うかどうか。それを『運命』と呼んでいるにすぎない」
「そんなわけはない!」
ベオが声を荒げた。おや、意外と感情的な人なのかしら。
「何千年もの歴史が証明しています! 番は神が定めたものと! 番として結ばれた者たちはみな幸せになり、逆らった者は――」
「不幸になった?」
私は首を傾げた。
「それって、社会がそう仕向けたからじゃない?」
「……え」
「番じゃない相手と結婚したら、周りから白い目で見られて、結果的に不幸になっただけなんじゃ?」
ベオが少し目を見開いて、言葉に詰まった。その時、扉が勢いよく開いた。
「ミーニェ!?」
血相を変えたシュレツが飛び込んできた。そして、ベオの姿を見て――凍りついた。
「……ベオ」
「シュレツ」
二人は見つめ合った。なにやら空気が重い。
「えっと、知り合い?」
私の問いに、シュレツが苦い顔で答えた。
「……昔からの、友人だ」
「友人、か」
ベオが自嘲的に笑った。
「番を裏切るような者をもはや友人と呼ぶ気はない」
「裏切った、だと?」
シュレツの表情が険しくなった。
「俺は自分の意思で、ミーニェを選んだんだ」
「運命から逃げただけだろう!」
ベオがローブを揺らしながら、一歩前に出た。
「ナルラ・フォルクハルト殿との番を拒否、さらには薬で新たな番を作る……昔のお前なら、そんな神を裏切るようなことは――」
「昔の俺?」
シュレツが冷たく笑った。
「お前こそ変わったな、ベオ。占星守護院の犬になり下がって」
「なんだと!」
一触即発の雰囲気。かちゃ、と剣の音と魔法の光が見えて、私は慌てて二人の間に入った。
「ちょっとちょっと、落ち着いて! ここ研究室よ! どれだけ貴重な素材があると思ってるの!? とりあえず座って!」
半ば強引に二人を椅子に座らせる。シュレツとベオは、まだ睨み合っていた。
「それで、ベオさん? あなたは占星術師、なのよね?」
「ええ……あなたのような、運命に逆らう者を取り締まっています」
「取り締まるって。まるで私が犯罪でもしたかのような言い方ね」
「……っ。自覚も、ないのですか……?」
静寂が研究室を包んだ。ベオは拳を握りしめ、震えていた。
「……お前のせいなんだ」
ベオが低い声で呟いた。
「え?」
「シュレツが変わったのは、お前のせいだ」
ベオはそう言うと、私をじっと見た。
「騎士学校で共に学んだ頃、シュレツは素晴らしい模範的な騎士だった。それなのに――」
「……」
「今では自分の身勝手で、運命を上書きした。シュレツがそんな奴になるなんて」
「俺が変わったんじゃない」
シュレツが静かに言った。
「俺は、やっと自分に正直になっただけだ」
「正直?」
「ああ。お前には分からないだろうな」
シュレツは私を見て、優しく微笑んだ。
「本当に大切な人と出会うということが」
「……ッ!」
「ミーニェを責めるのはやめろ。彼女を傷つけるなら、例えお前でも――」
「シュレツ……お前……っ! くっ……」
ベオの顔がひどく歪んだ。そしてはぁ、と息を吐き出す。
「……運命裁定は後日、正式に行います」
彼は立ち上がり、ローブを翻した。
「必要な書類を準備しておいてください」
「……ベオ」
シュレツが呼び止めたが、ベオは振り返らなかった。
「占星守護院の名のもと、正しく裁かれなさい。シュレツ……お前もだ」
そう言い残して、ベオは研究室を出て行った。重い沈黙の後、シュレツがため息をついた。
「すまない。厄介なことになった」
「昔からの友人、なのよね?」
「ああ……幼馴染だ。同じ平民出身で、ともに騎士を目指していた。二人で平穏な日々を守る騎士になろうと誓って」
シュレツは遠い目をした。
「騎士学校で過ごす中で、俺は剣の才を見出されたが……ベオは魔法の方に才があってな」
「それで占星術師に?」
「ああ。あいつなりに夢をかなえる道だったのだろう。『人の運命を正しく導き、約束された平穏な日々を守るのだ』と言っていた」
なるほど……なかなかに複雑な状況。彼は彼なりの、信念があるということか。
「ベオさんと、喧嘩になったのは、番の上書きのせい?」
「……」
シュレツが目を伏せた。
「ナルラとの番が決まった時、あいつは祝福してくれた。でも俺は……」
「あー、受け入れられなかった、のよね?」
「そうだ。だからあの日、君と番を上書きした。そのあと彼と顔を合わせた時に言われたんだ――『運命から逃げるなんて、見損なった』と」
シュレツは少し困ったように髪をかきあげると弱弱しく笑った。
「口論になって、それ以来……」
「そう……」
つまり、二人の仲違いは、ベオが言っていた通り……私が原因なのは間違いないというわけだった。
「……シュレツ」
「なんだ?」
「後悔してる? 番の上書きしたこと」
「まさか」
シュレツは私の手を取った。
「言っただろう。君を傷つけるなら、彼とて許さない」
「……争いは避けたいけれど……でも、そうね、運命裁定、受けて立ちましょう」
私の宣言に、彼は少し肩の力を抜いた。
「ふふ、君らしい」
「だって、私たちは間違ってないもの。そうよね?」
私は彼の手を握り返し、強気に笑顔を見せる。
「運命なんかに負けないわ」
シュレツも優しく笑い返す。
「ああ、そうだな」
この先、どんな展開が待っているか分からない。でも、この人と一緒なら、きっと大丈夫。
まったく負ける気はしないわ――!
さあ、歴史にあぐらをかいた占星術師たちに、目にモノみせてあげましょう!
「はーい、どうぞ」
薬の調合中だった私は、手を止めずに返事をする。ちらと横目で見ると、扉が開き、見知らぬ男性が入ってきた。
濃紺のローブに、銀の刺繍で星座が描かれている。布の多い、動きにくそうな服。占星守護院の正装だ。男性は灰色の髪を真面目そうに整え、鋭い灰色の瞳で私を見据えていた。
「ミーニェ・フォルクハルト殿ですね」
「ええ、そうですけど」
私は試験管を置いて振り返った。
「私は占星守護院のベオ・クラウディウス。番の神聖性に関する運命裁定告知のため、参りました」
「あー、ナルラがさっそく告発したのね……」
ため息をつくと、ベオと名乗った男性は眉をひそめた。
「これは重大な問題です。今まで被害は少なかったため見逃しておりましたが……告発があった以上、もはや無視できません。番を人為的に変更する薬など……」
「ふーむ……」
なるほど、ナルラからの告発を無視すると、この薬を許可してしまったことになり、占星守護院としての立場がない、と。
これは意外と厄介。私は肩をすくめた。そして、ちら、と椅子を見やる。
「お茶でも飲みながら話しましょうか? 立ち話も疲れるでしょう?」
「……結構です」
「変なものは何も入れないわよ?」
「信用できません」
冗談だったのだけれど、返ってきたのは固い返事。堅物ね。
「そう。じゃあ単刀直入に聞くけど、番の上書きの何が問題なの?」
「何が、ですって?」
ベオの声が少し震えた。怒っているようだ。
「番とは、神が定めた運命の絆。それを薬で操作するなど――」
「待って」
私は手を挙げて彼の言葉を遮った。
「神が定めた? 本当に? それって誰が証明したの?」
「な……!」
「私の研究の結果、番は魔術的な相性の問題と分かっているの。魔術回路の波長が合うかどうか。それを『運命』と呼んでいるにすぎない」
「そんなわけはない!」
ベオが声を荒げた。おや、意外と感情的な人なのかしら。
「何千年もの歴史が証明しています! 番は神が定めたものと! 番として結ばれた者たちはみな幸せになり、逆らった者は――」
「不幸になった?」
私は首を傾げた。
「それって、社会がそう仕向けたからじゃない?」
「……え」
「番じゃない相手と結婚したら、周りから白い目で見られて、結果的に不幸になっただけなんじゃ?」
ベオが少し目を見開いて、言葉に詰まった。その時、扉が勢いよく開いた。
「ミーニェ!?」
血相を変えたシュレツが飛び込んできた。そして、ベオの姿を見て――凍りついた。
「……ベオ」
「シュレツ」
二人は見つめ合った。なにやら空気が重い。
「えっと、知り合い?」
私の問いに、シュレツが苦い顔で答えた。
「……昔からの、友人だ」
「友人、か」
ベオが自嘲的に笑った。
「番を裏切るような者をもはや友人と呼ぶ気はない」
「裏切った、だと?」
シュレツの表情が険しくなった。
「俺は自分の意思で、ミーニェを選んだんだ」
「運命から逃げただけだろう!」
ベオがローブを揺らしながら、一歩前に出た。
「ナルラ・フォルクハルト殿との番を拒否、さらには薬で新たな番を作る……昔のお前なら、そんな神を裏切るようなことは――」
「昔の俺?」
シュレツが冷たく笑った。
「お前こそ変わったな、ベオ。占星守護院の犬になり下がって」
「なんだと!」
一触即発の雰囲気。かちゃ、と剣の音と魔法の光が見えて、私は慌てて二人の間に入った。
「ちょっとちょっと、落ち着いて! ここ研究室よ! どれだけ貴重な素材があると思ってるの!? とりあえず座って!」
半ば強引に二人を椅子に座らせる。シュレツとベオは、まだ睨み合っていた。
「それで、ベオさん? あなたは占星術師、なのよね?」
「ええ……あなたのような、運命に逆らう者を取り締まっています」
「取り締まるって。まるで私が犯罪でもしたかのような言い方ね」
「……っ。自覚も、ないのですか……?」
静寂が研究室を包んだ。ベオは拳を握りしめ、震えていた。
「……お前のせいなんだ」
ベオが低い声で呟いた。
「え?」
「シュレツが変わったのは、お前のせいだ」
ベオはそう言うと、私をじっと見た。
「騎士学校で共に学んだ頃、シュレツは素晴らしい模範的な騎士だった。それなのに――」
「……」
「今では自分の身勝手で、運命を上書きした。シュレツがそんな奴になるなんて」
「俺が変わったんじゃない」
シュレツが静かに言った。
「俺は、やっと自分に正直になっただけだ」
「正直?」
「ああ。お前には分からないだろうな」
シュレツは私を見て、優しく微笑んだ。
「本当に大切な人と出会うということが」
「……ッ!」
「ミーニェを責めるのはやめろ。彼女を傷つけるなら、例えお前でも――」
「シュレツ……お前……っ! くっ……」
ベオの顔がひどく歪んだ。そしてはぁ、と息を吐き出す。
「……運命裁定は後日、正式に行います」
彼は立ち上がり、ローブを翻した。
「必要な書類を準備しておいてください」
「……ベオ」
シュレツが呼び止めたが、ベオは振り返らなかった。
「占星守護院の名のもと、正しく裁かれなさい。シュレツ……お前もだ」
そう言い残して、ベオは研究室を出て行った。重い沈黙の後、シュレツがため息をついた。
「すまない。厄介なことになった」
「昔からの友人、なのよね?」
「ああ……幼馴染だ。同じ平民出身で、ともに騎士を目指していた。二人で平穏な日々を守る騎士になろうと誓って」
シュレツは遠い目をした。
「騎士学校で過ごす中で、俺は剣の才を見出されたが……ベオは魔法の方に才があってな」
「それで占星術師に?」
「ああ。あいつなりに夢をかなえる道だったのだろう。『人の運命を正しく導き、約束された平穏な日々を守るのだ』と言っていた」
なるほど……なかなかに複雑な状況。彼は彼なりの、信念があるということか。
「ベオさんと、喧嘩になったのは、番の上書きのせい?」
「……」
シュレツが目を伏せた。
「ナルラとの番が決まった時、あいつは祝福してくれた。でも俺は……」
「あー、受け入れられなかった、のよね?」
「そうだ。だからあの日、君と番を上書きした。そのあと彼と顔を合わせた時に言われたんだ――『運命から逃げるなんて、見損なった』と」
シュレツは少し困ったように髪をかきあげると弱弱しく笑った。
「口論になって、それ以来……」
「そう……」
つまり、二人の仲違いは、ベオが言っていた通り……私が原因なのは間違いないというわけだった。
「……シュレツ」
「なんだ?」
「後悔してる? 番の上書きしたこと」
「まさか」
シュレツは私の手を取った。
「言っただろう。君を傷つけるなら、彼とて許さない」
「……争いは避けたいけれど……でも、そうね、運命裁定、受けて立ちましょう」
私の宣言に、彼は少し肩の力を抜いた。
「ふふ、君らしい」
「だって、私たちは間違ってないもの。そうよね?」
私は彼の手を握り返し、強気に笑顔を見せる。
「運命なんかに負けないわ」
シュレツも優しく笑い返す。
「ああ、そうだな」
この先、どんな展開が待っているか分からない。でも、この人と一緒なら、きっと大丈夫。
まったく負ける気はしないわ――!
さあ、歴史にあぐらをかいた占星術師たちに、目にモノみせてあげましょう!
84
あなたにおすすめの小説
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
22時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
女嫌いな騎士が一目惚れしたのは、給金を貰いすぎだと値下げ交渉に全力な訳ありな使用人のようです
珠宮さくら
恋愛
家族に虐げられ結婚式直前に婚約者を妹に奪われて勘当までされ、目障りだから国からも出て行くように言われたマリーヌ。
その通りにしただけにすぎなかったが、虐げられながらも逞しく生きてきたことが随所に見え隠れしながら、給金をやたらと値下げしようと交渉する謎の頑張りと常識があるようでないズレっぷりを披露しつつ、初対面から気が合う男性の女嫌いなイケメン騎士と婚約して、自分を見つめ直して幸せになっていく。
【完結】『推しの騎士団長様が婚約破棄されたそうなので、私が拾ってみた。』
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【完結まで執筆済み】筋肉が語る男、冷徹と噂される騎士団長レオン・バルクハルト。
――そんな彼が、ある日突然、婚約破棄されたという噂が城下に広まった。
「……えっ、それってめっちゃ美味しい展開じゃない!?」
破天荒で豪快な令嬢、ミレイア・グランシェリは思った。
重度の“筋肉フェチ”で料理上手、○○なのに自由すぎる彼女が取った行動は──まさかの自ら押しかけ!?
騎士団で巻き起こる爆笑と騒動、そして、不器用なふたりの距離は少しずつ近づいていく。
これは、筋肉を愛し、胃袋を掴み、心まで溶かす姉御ヒロインが、
推しの騎士団長を全力で幸せにするまでの、ときめきと笑いと“ざまぁ”の物語。
数多の令嬢を弄んだ公爵令息が夫となりましたが、溺愛することにいたしました
鈴元 香奈
恋愛
伯爵家の一人娘エルナは第三王子の婚約者だったが、王子の病気療養を理由に婚約解消となった。そして、次の婚約者に選ばれたのは公爵家長男のリクハルド。何人もの女性を誑かせ弄び、ぼろ布のように捨てた女性の一人に背中を刺され殺されそうになった。そんな醜聞にまみれた男だった。
エルナが最も軽蔑する男。それでも、夫となったリクハルドを妻として支えていく決意をしたエルナだったが。
小説家になろうさんにも投稿しています。
氷の公爵家に嫁いだ私、実は超絶有能な元男爵令嬢でした~女々しい公爵様と粘着義母のざまぁルートを内助の功で逆転します!~
紅葉山参
恋愛
名門公爵家であるヴィンテージ家に嫁いだロキシー。誰もが羨む結婚だと思われていますが、実情は違いました。
夫であるバンテス公爵様は、その美貌と地位に反して、なんとも女々しく頼りない方。さらに、彼の母親である義母セリーヌ様は、ロキシーが低い男爵家の出であることを理由に、連日ねちっこい嫌がらせをしてくる粘着質の意地悪な人。
結婚生活は、まるで地獄。公爵様は義母の言いなりで、私を庇うこともしません。
「どうして私がこんな仕打ちを受けなければならないの?」
そう嘆きながらも、ロキシーには秘密がありました。それは、男爵令嬢として育つ中で身につけた、貴族として規格外の「超絶有能な実務能力」と、いかなる困難も冷静に対処する「鋼の意志」。
このまま公爵家が傾けば、愛する故郷の男爵家にも影響が及びます。
「もういいわ。この際、公爵様をたてつつ、私が公爵家を立て直して差し上げます」
ロキシーは決意します。女々しい夫を立派な公爵へ。傾きかけた公爵領を豊かな土地へ。そして、ねちっこい義母には最高のざまぁを。
すべては、彼の幸せのため。彼の公爵としての誇りのため。そして、私自身の幸せのため。
これは、虐げられた男爵令嬢が、内助の功という名の愛と有能さで、公爵家と女々しい夫の人生を根底から逆転させる、痛快でロマンチックな逆転ざまぁストーリーです!
【悲報】氷の悪女と蔑まれた辺境令嬢のわたくし、冷徹公爵様に何故かロックオンされました!?~今さら溺愛されても困ります……って、あれ?
放浪人
恋愛
「氷の悪女」――かつて社交界でそう蔑まれ、身に覚えのない罪で北の辺境に追いやられた令嬢エレオノーラ・フォン・ヴァインベルク。凍えるような孤独と絶望に三年間耐え忍んできた彼女の前に、ある日突然現れたのは、帝国一冷徹と名高いアレクシス・フォン・シュヴァルツェンベルク公爵だった。
彼の目的は、荒廃したヴァインベルク領の視察。エレオノーラは、公爵の鋭く冷たい視線と不可解なまでの執拗な関わりに、「新たな不幸の始まりか」と身を硬くする。しかし、領地再建のために共に過ごすうち、彼の不器用な優しさや、時折見せる温かい眼差しに、エレオノーラの凍てついた心は少しずつ溶かされていく。
「お前は、誰よりも強く、優しい心を持っている」――彼の言葉は、偽りの悪評に傷ついてきたエレオノーラにとって、戸惑いと共に、かつてない温もりをもたらすものだった。「迷惑千万!」と思っていたはずの公爵の存在が、いつしか「心地よいかも…」と感じられるように。
過去のトラウマ、卑劣な罠、そして立ちはだかる身分と悪評の壁。数々の困難に見舞われながらも、アレクシス公爵の揺るぎない庇護と真っ直ぐな愛情に支えられ、エレオノーラは真の自分を取り戻し、やがて二人は互いにとってかけがえのない存在となっていく。
これは、不遇な辺境令嬢が、冷徹公爵の不器用でひたむきな「ロックオン(溺愛)」によって心の氷を溶かし、真実の愛と幸福を掴む、ちょっぴりじれったくて、とびきり甘い逆転ラブストーリー。
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる