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第12話 運命裁定は独壇場
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王宮の大広間は、人で溢れかえっていた。
貴族、騎士、そして一般市民まで。皆が固唾を呑んで、これから始まる運命裁定を見守っている。
「うわー、すごい人ね」
私は紫のドレスの裾を整えながら呟いた。王妃様が「裁定ではこれを着なさいね」と用意してくれたものだ。王妃様お気に入りアピールをしておいた方が有利に運ぶはず、とのこと。
相変わらずな方だが、ありがたい。
「番の在り方を問う裁定なんて、前代未聞だからな」
隣のシュレツも正装している。騎士団長の礼服は凛々しく似合っている。
壇上には、すでにベオが占星守護院のあの正装のローブをひるがえして立っていた。そして――
「皆様ごきげんよう!」
甲高い声が響く。ナルラが薄桃色のドレスをひらひらさせながら、壇上に上がってきた。そしてビシッと、私を指さす。
「今日で姉様の悪事も終わりですわよ!」
「悪事って……」
呆れていると、ナルラは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「番を薬で操作するなんて、神への冒涜! きっと厳しい罰が下されますわ!」
「そう?」
「ええ! そして、シュレツ様も本来の番である私の元に――」
「それはない」
シュレツの冷たい声に、ナルラがビクッとなった。
「な、なぜですか! 姉様の薬の効果が消えれば!」
「薬が消えても、俺の気持ちは変わらない」
「ぐう、そ、そんな……」
動揺するナルラを無視して、私たちは被告席に着いた。
やがて、占星守護院の長老たちが入場し、裁定が始まった。
「これより、ミーニェ・フォルクハルトの番操作薬に関する運命裁定を開始する!」
ベオが朗々と宣言した。
「告発者、ナルラ・フォルクハルト。申し立てを!」
ナルラが嬉々として前に出た。
「姉は、神が定めた運命を薬で捻じ曲げました! 私とシュレツ様は、正式に番として認定されていたのに、姉は薬を使ってそれを奪ったのです!」
観衆がざわめく。ナルラは調子に乗るように勢いよく続けた。
「しかも、他の方にも薬を配り、運命を次々狂わせています! これは許されない暴挙ですわ!」
「なるほど」
ベオが頷いた。
「では、被告人。反論を」
私は立ち上がった。深呼吸をして、はっきりと言った。
「まず、一つ確認させてください」
全員の視線が集まる。
「ナルラ、あなたは今、第二王子の婚約者よね?」
「え? そ、それはそうですけど……」
「その方も、あなたの番でしょう?」
「ま、まあ……」
「なのに、なぜ、まだシュレツにこだわるの?」
単純な質問に、ナルラが言葉を詰まらせた。
「だ、だって、シュレツ様の方が、その……」
「好み?」
「ち、違います!」
「財産?」
「違います!」
「じゃあ、なぜ?」
ナルラの顔が真っ赤になった。そして――
「だって、欲しいんですもの!」
会場が静まり返った。
「両方欲しいの! 第二王子もシュレツ様も! だって、私は可愛いんだから、複数の番がいてもおかしくないでしょう!?」
あまりの発言に、観衆から失笑が漏れた。
「つまり」
私は冷静に指摘した。
「愛ではなく、所有欲ということね」
「な、何をおっしゃいま――」
「ご覧ください? これこそが、今の番システムの問題よ」
私は観衆に向き直った。
「番は『運命』という美しい言葉で飾られているけど、実際はどう? 政治の道具にされ、財産目当てに利用され、時には愛のない結婚を強制される」
頷く人々が見えた。特に若い世代に。しかし一部の占星術師から声が上がる。
「だが我ら占星術師が見る神聖な絆はどう説明する。あれは確かに存在する魂のつながり。それを神の運命と言わず何と申すか」
私は占星術師を見ると、まず彼らを肯定した。
「あなたたちが見ているものは、確かに存在する。ただ、それは『運命』ではない」
「……何?」
ベオが眉をひそめた。
「番の相性。それは魔術回路の共鳴現象よ」
懐から研究資料を取り出す。
「見て。これは番とされる人々の魔力波長データ。確かに類似性がある」
「それは……」
「占星術は、この魔力の共鳴を感知して、相性を判定している。つまり」
私は微笑んだ。
「占星術の運命調査は、間違いなく、立派な魔力探知技術なのよ」
ベオの目が見開かれた。
「でも、問題はその解釈」
私は続け、資料をめくる。
「魔力が共鳴するから運命の相手、という決めつけ。でも実際は?」
グラフを示しながら説明する。
「共鳴するからといって、必ずしも恋愛関係に向いているわけじゃない。魔法を使う時の相性は良いというデータがあるけれど、それだけね。ただ、魔力相性がいいのであれば、もっと色々な関係性を結べるはずなのよ。戦場で活躍する相方、ともに魔法を使う友、魔力薬を作る時の作業者ペアなんかもいいかも」
「つまり……」
「番システムは、可能性を一つに限定してしまっている」
「……」
ベオが押し黙った。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
ナルラが慌てたように割り込んできた。
「そんな難しい話はどうでもいいんです!」
「頭がついていかないなら黙っていたら?」
「うっ……そ、そんなことより、要は、姉様が薬で番を変えたことが問題でしょう!?」
「あー……じゃあ、その薬についても説明するわ」
私は新たな資料を広げた。
「さっき言った通り、番というのは魔力回路の問題なのよ。なら、魔力回路の波長を調整すれば番は上書き可能。ただそれだけ。つまり、強制的に恋愛感情を作るわけじゃない」
私はしっかりとベオを見た。
「これが真実よ」
「……しかしお前はシュレツを実際に狂わせ……」
ベオの表情が揺らいだ。その時――
「ちょっと待て」
シュレツが立ち上がった。
「それについては、俺も話せることがある」
「シュレツ様!」
ナルラが期待の眼差しを向けたが、シュレツは当然のように私の隣に立った。
「ベオ、お前に聞きたい。俺とナルラが番だったとして、それが俺を幸せにしたと思うか?」
「それは……運命に従えば、いずれ」
「いずれ?」
シュレツの声が強くなった。
「ベオ、お前は知っていたはずだろう。俺には、すでに心に決めた相手がいたんだ」
「え?」
観衆がざわめき、ベオが苦い顔をした。
「ずっと探していた命の恩人――それがミーニェだった……とつい先日わかった」
「な……!」
ベオが目を見開く。ええ、まあ、それに関しては私たちも驚いたわ、本当に。
シュレツが、あの日の話を始めた。マルガラの毒で倒れていた自分を、幼い薬師が救ってくれたこと。
「俺は、ずっとその子を探していた。そして」
シュレツが優しく私を見た。
「こうして、再会した」
会場が息を呑んだ。
「俺たちはそうやって、出会い、選び、決められた運命を上書きした」
「選んだ……」
ベオが呟いた。
「そうだ。なあ、ベオ。君にもう一度聞く。決められていただけの番であるナルラと、出会って選んで番になったミーニェ。どちらが正しく俺にとって『愛』か」
私も立ち上がって、シュレツの手を取った。
「ベオ、あなたは『平穏な世界を守りたい』のでしょう。ならば、守るべき世界は、愛に満ちているべきじゃない?」
「……」
再び黙り込むベオ。観衆からは拍手が起こり始めた。ナルラが慌てたように涙目で叫ぶ。
「え、ちょ、ちょっと待って、私は……!」
私は観衆に向かって声を張り上げた。
「誰もが自由な『愛』を自分でつかみ取っていいのよ。薬は、それを可能にした!」
拍手が大きくなった。ベオは複雑な表情で立ち尽くしている。観衆の多くが、私たちを支持しているのは明らか。
ナルラはただ悔しそうに拳を握りしめていた。
貴族、騎士、そして一般市民まで。皆が固唾を呑んで、これから始まる運命裁定を見守っている。
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私は紫のドレスの裾を整えながら呟いた。王妃様が「裁定ではこれを着なさいね」と用意してくれたものだ。王妃様お気に入りアピールをしておいた方が有利に運ぶはず、とのこと。
相変わらずな方だが、ありがたい。
「番の在り方を問う裁定なんて、前代未聞だからな」
隣のシュレツも正装している。騎士団長の礼服は凛々しく似合っている。
壇上には、すでにベオが占星守護院のあの正装のローブをひるがえして立っていた。そして――
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甲高い声が響く。ナルラが薄桃色のドレスをひらひらさせながら、壇上に上がってきた。そしてビシッと、私を指さす。
「今日で姉様の悪事も終わりですわよ!」
「悪事って……」
呆れていると、ナルラは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「番を薬で操作するなんて、神への冒涜! きっと厳しい罰が下されますわ!」
「そう?」
「ええ! そして、シュレツ様も本来の番である私の元に――」
「それはない」
シュレツの冷たい声に、ナルラがビクッとなった。
「な、なぜですか! 姉様の薬の効果が消えれば!」
「薬が消えても、俺の気持ちは変わらない」
「ぐう、そ、そんな……」
動揺するナルラを無視して、私たちは被告席に着いた。
やがて、占星守護院の長老たちが入場し、裁定が始まった。
「これより、ミーニェ・フォルクハルトの番操作薬に関する運命裁定を開始する!」
ベオが朗々と宣言した。
「告発者、ナルラ・フォルクハルト。申し立てを!」
ナルラが嬉々として前に出た。
「姉は、神が定めた運命を薬で捻じ曲げました! 私とシュレツ様は、正式に番として認定されていたのに、姉は薬を使ってそれを奪ったのです!」
観衆がざわめく。ナルラは調子に乗るように勢いよく続けた。
「しかも、他の方にも薬を配り、運命を次々狂わせています! これは許されない暴挙ですわ!」
「なるほど」
ベオが頷いた。
「では、被告人。反論を」
私は立ち上がった。深呼吸をして、はっきりと言った。
「まず、一つ確認させてください」
全員の視線が集まる。
「ナルラ、あなたは今、第二王子の婚約者よね?」
「え? そ、それはそうですけど……」
「その方も、あなたの番でしょう?」
「ま、まあ……」
「なのに、なぜ、まだシュレツにこだわるの?」
単純な質問に、ナルラが言葉を詰まらせた。
「だ、だって、シュレツ様の方が、その……」
「好み?」
「ち、違います!」
「財産?」
「違います!」
「じゃあ、なぜ?」
ナルラの顔が真っ赤になった。そして――
「だって、欲しいんですもの!」
会場が静まり返った。
「両方欲しいの! 第二王子もシュレツ様も! だって、私は可愛いんだから、複数の番がいてもおかしくないでしょう!?」
あまりの発言に、観衆から失笑が漏れた。
「つまり」
私は冷静に指摘した。
「愛ではなく、所有欲ということね」
「な、何をおっしゃいま――」
「ご覧ください? これこそが、今の番システムの問題よ」
私は観衆に向き直った。
「番は『運命』という美しい言葉で飾られているけど、実際はどう? 政治の道具にされ、財産目当てに利用され、時には愛のない結婚を強制される」
頷く人々が見えた。特に若い世代に。しかし一部の占星術師から声が上がる。
「だが我ら占星術師が見る神聖な絆はどう説明する。あれは確かに存在する魂のつながり。それを神の運命と言わず何と申すか」
私は占星術師を見ると、まず彼らを肯定した。
「あなたたちが見ているものは、確かに存在する。ただ、それは『運命』ではない」
「……何?」
ベオが眉をひそめた。
「番の相性。それは魔術回路の共鳴現象よ」
懐から研究資料を取り出す。
「見て。これは番とされる人々の魔力波長データ。確かに類似性がある」
「それは……」
「占星術は、この魔力の共鳴を感知して、相性を判定している。つまり」
私は微笑んだ。
「占星術の運命調査は、間違いなく、立派な魔力探知技術なのよ」
ベオの目が見開かれた。
「でも、問題はその解釈」
私は続け、資料をめくる。
「魔力が共鳴するから運命の相手、という決めつけ。でも実際は?」
グラフを示しながら説明する。
「共鳴するからといって、必ずしも恋愛関係に向いているわけじゃない。魔法を使う時の相性は良いというデータがあるけれど、それだけね。ただ、魔力相性がいいのであれば、もっと色々な関係性を結べるはずなのよ。戦場で活躍する相方、ともに魔法を使う友、魔力薬を作る時の作業者ペアなんかもいいかも」
「つまり……」
「番システムは、可能性を一つに限定してしまっている」
「……」
ベオが押し黙った。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
ナルラが慌てたように割り込んできた。
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「あー……じゃあ、その薬についても説明するわ」
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「いずれ?」
シュレツの声が強くなった。
「ベオ、お前は知っていたはずだろう。俺には、すでに心に決めた相手がいたんだ」
「え?」
観衆がざわめき、ベオが苦い顔をした。
「ずっと探していた命の恩人――それがミーニェだった……とつい先日わかった」
「な……!」
ベオが目を見開く。ええ、まあ、それに関しては私たちも驚いたわ、本当に。
シュレツが、あの日の話を始めた。マルガラの毒で倒れていた自分を、幼い薬師が救ってくれたこと。
「俺は、ずっとその子を探していた。そして」
シュレツが優しく私を見た。
「こうして、再会した」
会場が息を呑んだ。
「俺たちはそうやって、出会い、選び、決められた運命を上書きした」
「選んだ……」
ベオが呟いた。
「そうだ。なあ、ベオ。君にもう一度聞く。決められていただけの番であるナルラと、出会って選んで番になったミーニェ。どちらが正しく俺にとって『愛』か」
私も立ち上がって、シュレツの手を取った。
「ベオ、あなたは『平穏な世界を守りたい』のでしょう。ならば、守るべき世界は、愛に満ちているべきじゃない?」
「……」
再び黙り込むベオ。観衆からは拍手が起こり始めた。ナルラが慌てたように涙目で叫ぶ。
「え、ちょ、ちょっと待って、私は……!」
私は観衆に向かって声を張り上げた。
「誰もが自由な『愛』を自分でつかみ取っていいのよ。薬は、それを可能にした!」
拍手が大きくなった。ベオは複雑な表情で立ち尽くしている。観衆の多くが、私たちを支持しているのは明らか。
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