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幸せ
あたたかい記憶(以前は思い出せなかったんだがな)
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それにしても、彗は年齢を重ねるごとに鷹そっくりになっていくな。息子なのに。
雌である筈の姉の翔の方が、パッと見は母親に似た雰囲気も持ちながらもはっきり別個体と分かるんだが。
これはあれか? 『息子は母親に似る』ってやつか?
そういえば俺も、『母親に似ている』って言われたな。妹は子供の頃の父親の写真とそっくりだったが。
『そうか…俺もそんなことを普通に思い出すことができるようになったんだな……』
以前は、家族のことを思い出そうとすると、何か記憶に蓋でも付いているかのように断片的だったり曖昧だったり心を抉られるような辛い部分ばかりが思い出されたんだが、普通の家族についてのあたたかい記憶も思い出せるようになってきた気がする。
ここでの生活が、密達との暮らしが、俺を癒してくれたのかもしれない。いや、実際にそうなんだろう。
他人と対立して無闇に我を張って、『自分の気持ちに正直に』とか言って攻撃的になって、それで自分を追い詰めてたんだから何をしてるのか分かりゃしない。
それに対してここでは、命の危険はあるがそれらはすべて単純に生きる為の闘いであって、悪意に基いて誰かを傷付けてやろうとか貶めてやろうとか苦しめてやろうとかいうのじゃまったくなかった。ある意味じゃそれこそ、
『正々堂々、命のやり取りをしてる』
って感じだから、不思議と後腐れがないんだ。勝っても負けても自分の全力で立ち向かってのことだからな。
もちろん、死ぬのは望まないし死なせることも望んじゃいない。だが、アサシン竜がそうだったように、お互いに命を懸けてるんだから、考えようによっちゃ究極の<公平>ってやつかもしれないな。
それの前じゃ、小賢しい理屈なんて笑い話にもなりゃしない。
俺も、自分を納得させる為にあれこれ考えこんじゃいるが、決してそれに囚われてはいない。『ただの癖』ってだけで割り切れてる。
俺にとってここは、ある意味じゃ<天国>だったんだろうな。
まあ随分と血生臭い天国もあったもんだが。
それでも、俺はここが好きだ。
もちろん、便利な道具とエレクシア達の守りがあってこその話でもあるけどな。その辺りは格好つけるつもりもない。自分が弱っちくて情けない存在だって思い知らされてても、だからって卑屈になる必要も感じない。便利な道具やエレクシア達を利用すること自体が俺にとっての<全力>だって納得できる。
半ばやけくそで夢色星団に挑んだことは自分でも愚かだと思うが、後悔はしていない。
俺にとっての大切なもののすべてが、ここにはあるんだからな。
「な、密……」
「……?」
そう言って話しかけた俺を、彼女は不思議そうに見てたのだった。
雌である筈の姉の翔の方が、パッと見は母親に似た雰囲気も持ちながらもはっきり別個体と分かるんだが。
これはあれか? 『息子は母親に似る』ってやつか?
そういえば俺も、『母親に似ている』って言われたな。妹は子供の頃の父親の写真とそっくりだったが。
『そうか…俺もそんなことを普通に思い出すことができるようになったんだな……』
以前は、家族のことを思い出そうとすると、何か記憶に蓋でも付いているかのように断片的だったり曖昧だったり心を抉られるような辛い部分ばかりが思い出されたんだが、普通の家族についてのあたたかい記憶も思い出せるようになってきた気がする。
ここでの生活が、密達との暮らしが、俺を癒してくれたのかもしれない。いや、実際にそうなんだろう。
他人と対立して無闇に我を張って、『自分の気持ちに正直に』とか言って攻撃的になって、それで自分を追い詰めてたんだから何をしてるのか分かりゃしない。
それに対してここでは、命の危険はあるがそれらはすべて単純に生きる為の闘いであって、悪意に基いて誰かを傷付けてやろうとか貶めてやろうとか苦しめてやろうとかいうのじゃまったくなかった。ある意味じゃそれこそ、
『正々堂々、命のやり取りをしてる』
って感じだから、不思議と後腐れがないんだ。勝っても負けても自分の全力で立ち向かってのことだからな。
もちろん、死ぬのは望まないし死なせることも望んじゃいない。だが、アサシン竜がそうだったように、お互いに命を懸けてるんだから、考えようによっちゃ究極の<公平>ってやつかもしれないな。
それの前じゃ、小賢しい理屈なんて笑い話にもなりゃしない。
俺も、自分を納得させる為にあれこれ考えこんじゃいるが、決してそれに囚われてはいない。『ただの癖』ってだけで割り切れてる。
俺にとってここは、ある意味じゃ<天国>だったんだろうな。
まあ随分と血生臭い天国もあったもんだが。
それでも、俺はここが好きだ。
もちろん、便利な道具とエレクシア達の守りがあってこその話でもあるけどな。その辺りは格好つけるつもりもない。自分が弱っちくて情けない存在だって思い知らされてても、だからって卑屈になる必要も感じない。便利な道具やエレクシア達を利用すること自体が俺にとっての<全力>だって納得できる。
半ばやけくそで夢色星団に挑んだことは自分でも愚かだと思うが、後悔はしていない。
俺にとっての大切なもののすべてが、ここにはあるんだからな。
「な、密……」
「……?」
そう言って話しかけた俺を、彼女は不思議そうに見てたのだった。
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