ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ

京衛武百十

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リリアテレサの章

埋葬

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<犬の動く死体>は、頭に銃弾を受けて横倒しになり、すぐに動かなくなった。

念の為、近付いてもう一発、弾丸を撃ち込んでおく。これで完全に頭の中の器官は破壊できた筈だ。

その様子を、リリア・ツヴァイは何とも言えない表情で見ていた。胸が締め付けられるような感覚を味わってるのが私にも分かる。完全に怪物と化したものであっても、犬は人間にとっては本当に古くからの<友達>であり<仲間>とも言える存在だったことが影響しているんだろうか。

しかし、いくら犬や人間の体を持っていても、こいつらは犬でもなければ人間でもない。そのどちらでもない<何か>だ。博士はその<何か>そのものをこの星の住人の一種だと思っていたようだけど、私にはそのような認識は与えられていないからやはり理解できない。

リリア・ツヴァイが気にしているので、私はその家のガレージにあったシャベルを使って庭に穴を掘り、そこにただの死骸となった犬を埋葬した。その上で、柵の一部を剥ぎ取って墓標代わりに突き立てておく。

こんなことをしなくても骨さえ残さず分解されるんだから放っておけばいいんだけど、人間の感覚としてはこうした方が納得がいくらしい。

シャベルは使えそうなのでリアカーに積んでおく。ガレージには自動車があったものの、もう一台止められるだけのスペースがあったのでリアカーをそこに置いた。雨が降ったりしても大丈夫なようにだ。

日も傾いてきたし、今日はこのままこの家に泊まることにする。

玄関のドアは開いたままだったので、ちょうどよかった。玄関が開いていたから、中で発症したとしても外に出ていけたんだろう。中には人間も姿も<塵の山>もなかった。ただ長いこと放置されていたから当然の、うっすらと埃が積もった人間の為の居住空間があっただけだった。

管理用のAIの反応もない。見れば、AI用のサーバーの電源が切られていた。たまにそういう人間がいるんだ。AIに管理されてるような気になるからと敢えて使わないようにする物好きなのが。

私はまた、メイトギアとしての本能とも言うべきものに従い、窓を開けて空気を入れ替えつつクローゼットから掃除機を取り出して一気に掃除を始めた。

家全体となるとさすがに時間の無駄なので、キッチンと一体となったリビングダイニングと寝室の一室とバスルームだけを、人間が生活するのに支障のない程度に清掃した。

当然、住宅にはアミダ・リアクターが設置されているので電気は心配要らないし、飲料水はやはり配達されるものを使っていたようだけれど生活用水の殆どは地下水を汲み上げていたようなので、浴槽に湯を張ることもできた。

更には、常温で長期保存が可能なようにパックされた食材が多数、大型の保冷庫に残されていたことにより、私は久々に料理の腕を揮うこともできたのだった。

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