89 / 115
ふたりの章
一般的な仕様
しおりを挟む
アミダ・リアクターのおかげで電気が使い放題だからか、家の中はエアコンが効いて快適な温度になっていた。
「は~、生き返る~」
リリア・ツヴァイが思わず声を漏らす。
その上で、
「お風呂、借りてもいいかな」
と声を掛けると、湯沸し器が作動。使っていいということだった。電気は、人間の感覚で言うならほぼ無尽蔵。水はどうやら地下水を汲み上げてるみたいだからそちらも無料ということで気前よく提供してもらえるらしい。
都市から離れた集落ではごく一般的な仕様だった。
もちろん、家主が『ここには立ち入らないでほしい』という設定を行えば解放しないようにもできるし、部屋ごとに鍵をかける設定もできる。ここも、家主の寝室らしき部屋については立ち入り禁止の警告が出ていた。
でも、客間が使えたから何の問題もない。風呂の後でコンビニから持ってきた食品で夕食にし、ベッドを借りる。
ちなみに、コンビニとかで商品を持ってきたことについては、私の登録番号を提示した上で、『緊急避難を要請します』と告げてきた。もう意味はないんだけど、店舗を管理するAIが手続き上求めてくることだから自動的に私も対応するんだ。
本来なら災害復旧の際に請求がきたりするんだけど、当然、今もなお災害は続いてる状態だから、請求は届いてない。もう結構な金額になってるんだけど、私のオーナーである博士にとってはポケットマネーにも満たない金額だから、もし請求が来たとしてもそれこそ痛くも痒くもないだろうな。
今さらこんなことを意識するのは、それまで、こういうのは私にとっては当たり前すぎてまったく気にしてなかったというのもあると思う。
これだけ私がロボットらしくなくなってきてるってことなのかもしれない。
ベッドで眠るリリア・ツヴァイをしばらく見詰めた後、私は、使ったところの掃除を始めた。一時避難で利用させてもらったとはいえ、使ったところは綺麗にするのが礼儀だから。明日、ここを発つ前にもう一度、掃除をする。こういうところはまだロボットらしいんだけど。
窓から外を見ると、結構な勢いで雪が降っていた。既に積もり始めたのも分かる。
『これは、リアカーだと移動が難しくなってくるかな』
人間なら雪を見るとムードとかを意識するのかもしれなくても、私はついつい実務的なことを気にしてしまう。こういうところもまだロボットっぽいのか。
朝まではまだ時間もあるし、何か準備ができればと思って、リアカーを置いてあるガレージへと向かった。
見ると、ガレージのシャッターの脇に、乱雑に紐でまとめられたスキー板があるのが目についた。明らかに不用品として処分する為にまとめられたものだと分かった。
それを見た瞬間、私は閃いたのだった。
「は~、生き返る~」
リリア・ツヴァイが思わず声を漏らす。
その上で、
「お風呂、借りてもいいかな」
と声を掛けると、湯沸し器が作動。使っていいということだった。電気は、人間の感覚で言うならほぼ無尽蔵。水はどうやら地下水を汲み上げてるみたいだからそちらも無料ということで気前よく提供してもらえるらしい。
都市から離れた集落ではごく一般的な仕様だった。
もちろん、家主が『ここには立ち入らないでほしい』という設定を行えば解放しないようにもできるし、部屋ごとに鍵をかける設定もできる。ここも、家主の寝室らしき部屋については立ち入り禁止の警告が出ていた。
でも、客間が使えたから何の問題もない。風呂の後でコンビニから持ってきた食品で夕食にし、ベッドを借りる。
ちなみに、コンビニとかで商品を持ってきたことについては、私の登録番号を提示した上で、『緊急避難を要請します』と告げてきた。もう意味はないんだけど、店舗を管理するAIが手続き上求めてくることだから自動的に私も対応するんだ。
本来なら災害復旧の際に請求がきたりするんだけど、当然、今もなお災害は続いてる状態だから、請求は届いてない。もう結構な金額になってるんだけど、私のオーナーである博士にとってはポケットマネーにも満たない金額だから、もし請求が来たとしてもそれこそ痛くも痒くもないだろうな。
今さらこんなことを意識するのは、それまで、こういうのは私にとっては当たり前すぎてまったく気にしてなかったというのもあると思う。
これだけ私がロボットらしくなくなってきてるってことなのかもしれない。
ベッドで眠るリリア・ツヴァイをしばらく見詰めた後、私は、使ったところの掃除を始めた。一時避難で利用させてもらったとはいえ、使ったところは綺麗にするのが礼儀だから。明日、ここを発つ前にもう一度、掃除をする。こういうところはまだロボットらしいんだけど。
窓から外を見ると、結構な勢いで雪が降っていた。既に積もり始めたのも分かる。
『これは、リアカーだと移動が難しくなってくるかな』
人間なら雪を見るとムードとかを意識するのかもしれなくても、私はついつい実務的なことを気にしてしまう。こういうところもまだロボットっぽいのか。
朝まではまだ時間もあるし、何か準備ができればと思って、リアカーを置いてあるガレージへと向かった。
見ると、ガレージのシャッターの脇に、乱雑に紐でまとめられたスキー板があるのが目についた。明らかに不用品として処分する為にまとめられたものだと分かった。
それを見た瞬間、私は閃いたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる