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1章
37話 計画3 例のあれ
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ロックラックとの死闘を済ませ、休憩でHPを回復、ついでにウサ銃のカスタマイズをし直しておく。それにしてもまさかここで銃剣の弱点が露呈するとは思っていなかった。
確かに今まで生物を相手にしていたから突き刺さったり、斬れたり出来ていたから問題なかった。今回の件に関しては完全に魔法生物って言うか硬い物体。硬い所に思い切り殴りつけたり、硬い物同士でぶつけ合ったら弾かれたり痺れたりするからそりゃそうよ。
「さーてと、蝙蝠の群生地は……ここだな」
松明を掲げマップのマーカーの付いた所にたどり着く。狙い通り蝙蝠が天井にびっちりと逆さになってぶら下っている。こういうのダメな人には思い切りダメな映像だよなあ……私はどっちかっていうと蝙蝠は可愛いと思う。とは言えゲーム上のモンスターなので攻撃してくるのなら無慈悲に叩き斬ってやる所存だが。
群生地の所は、もう洞窟って言ったら鍾乳洞、そんなテンプレートみたいなところだ。奥までは明かりが届かないので全貌が分からないのだが、奥は結構続いている。それでも今の所は奥の方に行く必要も無いし、狙いは蝙蝠の周りだから、今度でいいかな。
「さーて、狙いの物はあるかな?」
足元や壁回りに何もいないというのを確認してから壁面をじっくりと確認していく。採掘や採取ポイントが出てくれれば可能性は高いのだがあまり実りはない。
「そういえば採掘とかってマーカーありきだったけど、掘ったら何か出てくるとかあるんかな」
消えない様に松明を置いて、採掘つるはしで怪しそうなところをがんがんと掘ってみる。しばらく洞窟内に土を掘り返す音をさせるが特に変わったことは無し。なんなら穴掘っただけで終わる。
「うーん……糞尿がしみこんでて生成されてたとか期待したんだけど、ダメか……上から水滴とか垂れてるポイントないかな……」
松明を掲げて地面を這う様にしながらじろじろと見ていく。これだけみたら絶対にやばい奴だわ。
ロールプレイにしてもこんなドラゴニアンいたら怖いって。
「んー……湿ってるポイントはある……ちょっと待ってみる?」
どういう状況で湿っているのか分からないが天井の方に松明を向ければ蝙蝠がびっしり。うん、これが硝酸か蝙蝠の糞尿なのかは分からんな。
でもまあ、リアルではないとはいえ当たったらちょっと精神的ダメージやばそうだ。とりあえず見つけたポイントの近くに座ってしばらく待ってみる。
「……特に何にもないね……もうちょっと奥とか行ってみるか……」
何か垂れるわけでもなく、単純に湿気ていただけだったらしい。もうちょっとじっとりと濡れているかどうか確認しとけばよかった。
とりあえず群生地の奥の方へと歩みを進めつつ辺りを見回す。場所的には楕円型の広がりをしている。
そういえばダンジョンのマップに関してはマップのデータを貰うか踏破しないと開示されないらしい。流石にこの部分に関しては攻略済みだとしても情報の解禁はされない。今回に関しては砂丘の舎弟からもらったデータにマップがあったので、あの情報クランで手に入れていたマップデータという事になる。
「うーん……先に進むたびにちょっとずつ萎えていく」
さらに合わせてMREの追撃でテンションはダダ下がりだ。しかめっ面というかもう既に虚無顔で処理して食べ終わり、探索再開。何か良い物でもないかと思いながら先に進んで行くと、ちょっとだけテンションの上がる出来事が起きる。
「コボルト、ね……」
この間出会ったシェパード獣人の様な犬顔人型モンスターだ。ぼろぼろの片手剣と小さい盾を装備しており、しっかりマーカーは赤く、敵というのがひしひしと伝わってくる。このダンジョンでの上から二つ目に強い相手だが、初見の相手はロックラックのような事態になると事故率が高い。特に私の場合は戦い方が受け反撃が基本だし、人型相手というのは分が悪い気がする。
「銃格闘取ってみるか、取っておけばガンカタとか出来そうだし」
ガンカタと言えばあのカルト的人気のある映画の低予算を逆手に取った映像演出で、色んなゲームやらアニメにも出ている単純にカッコいい撃ち方だが、今更詳しく説明する程でもないくらいに有名な技だよね。銃撃+体術=ガンカタではあるが、あれはあくまで合わせ技だ。大量に銃弾使うだろうし浪漫が過ぎる。
「まあいいや、取ってみるか」
スキル名:銃格闘 レベル:1
詳細:【パッシブ】銃剣派生
近接戦闘用技術 カテゴリー「銃」を装備した状態での近接戦闘に補正
Notガンカタ
「ああ、これCQCとかそっち系か、銃剣派生だからスムーズに殴れたりコンビネーションできるようになるって事か?」
残念ながらガンカタは別だった。じゃあ何かといわれると、ガチの格闘術になるわけだ。ここ最近のでわかりやすいものと言うと犬を殺された暗殺者が暴れまわる映画とかああいうのを見ると分かりやすい。
今回に関しては銃剣を使った戦い方になるのでああいうのは出来ないが、どっちにしろ近接戦闘がしやすくなったと思っておけば大丈夫だろう。
「いつも通り此処は不意打ちとして……松明を置いて、構えて……」
コボルトはロックラックと違い視覚、聴覚を使っての探知方法だ。何て言ったって物陰からひっそりと移動してるのにこっちを向いたり、松明の明かりを認識しているのかちらちらと様子を伺いに来てるからだ。
わざと音を立て、コボルトと松明側へと誘導させ、近づいてきた所を角待ち。まずは銃剣での突き攻撃。斬撃音をさせ、犬らしい叫び声をあげたのを見てすぐに引いて構えなおす。
銃格闘やっぱり取っておいてよかったかもしれない、こういう動作自体も以前よりスムーズに構え直しが出来るようになった気がする。
こう見るとなかなかの犬だな、ガフガフと言いながら此方に斬りかかってくるのをいつも通りウサ銃での受け防御。から斬撃を横に流してそのまま肘打ち。肘を戻す動作と合わせて銃剣で斬撃し、後ろへと下がる。
「流石に生身の部分はダメージ低い方だけど、ヒットストップシステムで一瞬怯ませられるのいいじゃない?」
人型相手というのもあるのだろうけど、銃剣だけの時よりも自分の動きに補正が掛かる。それに加えて近接格闘術というだけあって受け防御も効果が良くなっている……気がする。
肘打ち斬撃のコンボを食らって怯んでいたコボルトだが、低い唸り声を発しながらぶんぶんと剣を振り回す。こういうのに限ってはちょっと対処が分からない、あとでこの手の動画を見て勉強しておこう。
とりあえずという様に今まで通りウサ銃で受け続け、相手の攻撃が途切れるのを必死に耐える。こいつの攻撃結構痛い、ダメージは受け防御で低く抑えているが連続攻撃でダメージが蓄積している。具体的に言うと13HP削られた。
「んんっ、なめん、なっ!」
連続攻撃の終わりに受け防御、そこから一度跳ねのける程ではない強さでウサ銃で押し込んでそれを引く際に袈裟斬り気味に戻して一撃。微調整とか繋がる攻撃できるようになってるだけで強くない?
相手が怯んでいる時にHPポーションを飲み、空容器をぶつけてみる。ダメージは無いけど一瞬だけ怯んだっぽい。
そうしてしばらく相手をしたが、斬りつける単純な攻撃だけしかしてこないので、いつもの受け反撃で対処しやすい相手だった。唯一厳しいのは連続系攻撃でのダメージ蓄積だろう、防御力が高いなら問題ないんだろうけど。
とりあえずポリゴン状に消えていくのを見て一息、一戦ずつの疲労感が半端ないわ。
「それにしても、収穫無しかあ……もうちょっと奥に行って何かないか見てみるか」
そうしてさらにダンジョンの奥に、道中出てくる蛇で銃格闘のコンボが入りずらいという欠点を見つけた。やっぱり人型とかそれなりに大きい相手に効果が強いみたいだ。後は拳銃とか手に入れればまた別の話になると思う。
そうやってしばらく教えてもらった群生地のさらに奥に、基本はいまだに変わらず、天井にはびっちりと蝙蝠、そして足元にロックラック。
「ううん、此処でガチるの結構辛そうだけど……しょうがない、やってやるか」
とりあえず松明を置いて、相手の探知範囲に入らないように気を付けてからさっきと同じように一撃加えるが、銃底での殴りを中心にしての攻撃になる。突進攻撃さえなければ横回転でのベイなブレード状態だが、移動距離と速度はないので銃格闘を使っての一定距離を保ちつつの打撃中心の不毛な殴り合いを続けるだけだ。
とは言え死ぬほど時間はかかるし精神的に疲れるし、なおかつ2,3回食らったらHP結構削られるのが厄介だ、まあ結局のところHPポーション2本追加で使った。これそろそろ帰らないと限界だわ。
そんな事を思いつつ、いつものポリゴン状になって消失しているのを見て一息。そしてログを確認した時に、不意打ちを貰った。
「あぁー……これ、もっと楽に倒す方法確立させなきゃならんなあ……」
インベントリの新規入手のマークがついたアイテム。
欲して止まない例のアレがドロップしていた。
名称:硝石
詳細:化学組成KNO3 主な用途は肥料や発火材
確かに今まで生物を相手にしていたから突き刺さったり、斬れたり出来ていたから問題なかった。今回の件に関しては完全に魔法生物って言うか硬い物体。硬い所に思い切り殴りつけたり、硬い物同士でぶつけ合ったら弾かれたり痺れたりするからそりゃそうよ。
「さーてと、蝙蝠の群生地は……ここだな」
松明を掲げマップのマーカーの付いた所にたどり着く。狙い通り蝙蝠が天井にびっちりと逆さになってぶら下っている。こういうのダメな人には思い切りダメな映像だよなあ……私はどっちかっていうと蝙蝠は可愛いと思う。とは言えゲーム上のモンスターなので攻撃してくるのなら無慈悲に叩き斬ってやる所存だが。
群生地の所は、もう洞窟って言ったら鍾乳洞、そんなテンプレートみたいなところだ。奥までは明かりが届かないので全貌が分からないのだが、奥は結構続いている。それでも今の所は奥の方に行く必要も無いし、狙いは蝙蝠の周りだから、今度でいいかな。
「さーて、狙いの物はあるかな?」
足元や壁回りに何もいないというのを確認してから壁面をじっくりと確認していく。採掘や採取ポイントが出てくれれば可能性は高いのだがあまり実りはない。
「そういえば採掘とかってマーカーありきだったけど、掘ったら何か出てくるとかあるんかな」
消えない様に松明を置いて、採掘つるはしで怪しそうなところをがんがんと掘ってみる。しばらく洞窟内に土を掘り返す音をさせるが特に変わったことは無し。なんなら穴掘っただけで終わる。
「うーん……糞尿がしみこんでて生成されてたとか期待したんだけど、ダメか……上から水滴とか垂れてるポイントないかな……」
松明を掲げて地面を這う様にしながらじろじろと見ていく。これだけみたら絶対にやばい奴だわ。
ロールプレイにしてもこんなドラゴニアンいたら怖いって。
「んー……湿ってるポイントはある……ちょっと待ってみる?」
どういう状況で湿っているのか分からないが天井の方に松明を向ければ蝙蝠がびっしり。うん、これが硝酸か蝙蝠の糞尿なのかは分からんな。
でもまあ、リアルではないとはいえ当たったらちょっと精神的ダメージやばそうだ。とりあえず見つけたポイントの近くに座ってしばらく待ってみる。
「……特に何にもないね……もうちょっと奥とか行ってみるか……」
何か垂れるわけでもなく、単純に湿気ていただけだったらしい。もうちょっとじっとりと濡れているかどうか確認しとけばよかった。
とりあえず群生地の奥の方へと歩みを進めつつ辺りを見回す。場所的には楕円型の広がりをしている。
そういえばダンジョンのマップに関してはマップのデータを貰うか踏破しないと開示されないらしい。流石にこの部分に関しては攻略済みだとしても情報の解禁はされない。今回に関しては砂丘の舎弟からもらったデータにマップがあったので、あの情報クランで手に入れていたマップデータという事になる。
「うーん……先に進むたびにちょっとずつ萎えていく」
さらに合わせてMREの追撃でテンションはダダ下がりだ。しかめっ面というかもう既に虚無顔で処理して食べ終わり、探索再開。何か良い物でもないかと思いながら先に進んで行くと、ちょっとだけテンションの上がる出来事が起きる。
「コボルト、ね……」
この間出会ったシェパード獣人の様な犬顔人型モンスターだ。ぼろぼろの片手剣と小さい盾を装備しており、しっかりマーカーは赤く、敵というのがひしひしと伝わってくる。このダンジョンでの上から二つ目に強い相手だが、初見の相手はロックラックのような事態になると事故率が高い。特に私の場合は戦い方が受け反撃が基本だし、人型相手というのは分が悪い気がする。
「銃格闘取ってみるか、取っておけばガンカタとか出来そうだし」
ガンカタと言えばあのカルト的人気のある映画の低予算を逆手に取った映像演出で、色んなゲームやらアニメにも出ている単純にカッコいい撃ち方だが、今更詳しく説明する程でもないくらいに有名な技だよね。銃撃+体術=ガンカタではあるが、あれはあくまで合わせ技だ。大量に銃弾使うだろうし浪漫が過ぎる。
「まあいいや、取ってみるか」
スキル名:銃格闘 レベル:1
詳細:【パッシブ】銃剣派生
近接戦闘用技術 カテゴリー「銃」を装備した状態での近接戦闘に補正
Notガンカタ
「ああ、これCQCとかそっち系か、銃剣派生だからスムーズに殴れたりコンビネーションできるようになるって事か?」
残念ながらガンカタは別だった。じゃあ何かといわれると、ガチの格闘術になるわけだ。ここ最近のでわかりやすいものと言うと犬を殺された暗殺者が暴れまわる映画とかああいうのを見ると分かりやすい。
今回に関しては銃剣を使った戦い方になるのでああいうのは出来ないが、どっちにしろ近接戦闘がしやすくなったと思っておけば大丈夫だろう。
「いつも通り此処は不意打ちとして……松明を置いて、構えて……」
コボルトはロックラックと違い視覚、聴覚を使っての探知方法だ。何て言ったって物陰からひっそりと移動してるのにこっちを向いたり、松明の明かりを認識しているのかちらちらと様子を伺いに来てるからだ。
わざと音を立て、コボルトと松明側へと誘導させ、近づいてきた所を角待ち。まずは銃剣での突き攻撃。斬撃音をさせ、犬らしい叫び声をあげたのを見てすぐに引いて構えなおす。
銃格闘やっぱり取っておいてよかったかもしれない、こういう動作自体も以前よりスムーズに構え直しが出来るようになった気がする。
こう見るとなかなかの犬だな、ガフガフと言いながら此方に斬りかかってくるのをいつも通りウサ銃での受け防御。から斬撃を横に流してそのまま肘打ち。肘を戻す動作と合わせて銃剣で斬撃し、後ろへと下がる。
「流石に生身の部分はダメージ低い方だけど、ヒットストップシステムで一瞬怯ませられるのいいじゃない?」
人型相手というのもあるのだろうけど、銃剣だけの時よりも自分の動きに補正が掛かる。それに加えて近接格闘術というだけあって受け防御も効果が良くなっている……気がする。
肘打ち斬撃のコンボを食らって怯んでいたコボルトだが、低い唸り声を発しながらぶんぶんと剣を振り回す。こういうのに限ってはちょっと対処が分からない、あとでこの手の動画を見て勉強しておこう。
とりあえずという様に今まで通りウサ銃で受け続け、相手の攻撃が途切れるのを必死に耐える。こいつの攻撃結構痛い、ダメージは受け防御で低く抑えているが連続攻撃でダメージが蓄積している。具体的に言うと13HP削られた。
「んんっ、なめん、なっ!」
連続攻撃の終わりに受け防御、そこから一度跳ねのける程ではない強さでウサ銃で押し込んでそれを引く際に袈裟斬り気味に戻して一撃。微調整とか繋がる攻撃できるようになってるだけで強くない?
相手が怯んでいる時にHPポーションを飲み、空容器をぶつけてみる。ダメージは無いけど一瞬だけ怯んだっぽい。
そうしてしばらく相手をしたが、斬りつける単純な攻撃だけしかしてこないので、いつもの受け反撃で対処しやすい相手だった。唯一厳しいのは連続系攻撃でのダメージ蓄積だろう、防御力が高いなら問題ないんだろうけど。
とりあえずポリゴン状に消えていくのを見て一息、一戦ずつの疲労感が半端ないわ。
「それにしても、収穫無しかあ……もうちょっと奥に行って何かないか見てみるか」
そうしてさらにダンジョンの奥に、道中出てくる蛇で銃格闘のコンボが入りずらいという欠点を見つけた。やっぱり人型とかそれなりに大きい相手に効果が強いみたいだ。後は拳銃とか手に入れればまた別の話になると思う。
そうやってしばらく教えてもらった群生地のさらに奥に、基本はいまだに変わらず、天井にはびっちりと蝙蝠、そして足元にロックラック。
「ううん、此処でガチるの結構辛そうだけど……しょうがない、やってやるか」
とりあえず松明を置いて、相手の探知範囲に入らないように気を付けてからさっきと同じように一撃加えるが、銃底での殴りを中心にしての攻撃になる。突進攻撃さえなければ横回転でのベイなブレード状態だが、移動距離と速度はないので銃格闘を使っての一定距離を保ちつつの打撃中心の不毛な殴り合いを続けるだけだ。
とは言え死ぬほど時間はかかるし精神的に疲れるし、なおかつ2,3回食らったらHP結構削られるのが厄介だ、まあ結局のところHPポーション2本追加で使った。これそろそろ帰らないと限界だわ。
そんな事を思いつつ、いつものポリゴン状になって消失しているのを見て一息。そしてログを確認した時に、不意打ちを貰った。
「あぁー……これ、もっと楽に倒す方法確立させなきゃならんなあ……」
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