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13章
338話 勇気ある撤退
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「さみぃ!」
吹雪も収まり、また歩き始めて数時間経った頃にはすっかり凍結済み。
まだ動けるので度合い的には中程度、防寒してても寒いものは寒い。
「凍結の状態異常をどう解除するかって問題もあるけど、温まりポイントでも作れるようにしたらいいかなあ……」
緊急事態の手段としては火炎瓶で自爆するってのがあるが、この間サメにやられた時にやって以来、まだ使っていないんだよな。
「それにしたって、体張り過ぎじゃないかな、私は」
とりあえず葉巻に火を付けてから、一応この状態で体張るしかないな。
一旦防寒コートを脱いで凍結の状態異常が一番ひどい状態にし、HPの減り方や動きの鈍さを確認し、メモ帳に記載しつつ、ヤバそうになった所で火炎瓶を足元に叩きつけて、その場で炎上。
凍結の状態異常から炎上に切り替わるわけだが、この炎上も今気が付いたら度合いが変わってるわ。大中小の度合いで、炎上の文字の前に記載されるのはちょっとした拘りか。
凍結に比べて炎上のダメージはボマーも入ってるのでかなり減りがやばいのですぐさまポーションを飲んで回復しつつ、雪原にごろごろと転がって消火。
ボマーついてるの思いっきり忘れてた、結構えぐい炎上ダメージを貰ったのですげえ焦った。こんなものをぼんぼん投げまくり、売りまくって辺り一面燃やし尽くしていたと思ったら、中々に悪い奴だな、私は。
とりあえず炎上が治まってから状態異常の所を確認すると、異常無しになっているので戦闘中はこの荒治療で対処するしかないか。HP消費するというのと、防具が焦げ臭くはなるが破損したりはしないので、問題なし。その辺の確認もメモ帳に記載し、すぐさま防寒具を着込んで凍結対策をして先に進んでいく。
「んー、防寒の度合いが表示されないから、どこまで着込めばいいのやら」
この辺は自分の凍結具合で確認するしかないってのはちょっと不親切。
どのくらいの防寒があって、どこまで防げるのかをマスクデータにするってのはどうなんだろう。とりあえずステータスを開きつつ、その辺りを見ながらざくざくと雪をかき分けながらエリア2を目指す。
「でかいな、オーク」
暫く歩いていたら遭遇した久々のモンスターなのだが、斧持ちのオークがのしのしと雪原を歩いている。うーん、アベレージ50の相手にCH1本だけで立ち回るのって厳しすぎる。
よくよく考えてみたら、突破しなきゃいけないってのに武器もまともに装備しないでこっそり行こうとしていた少し前の私を引っぱたくべきだった。
「ガチるにもCHと忍者刀だし、でかいって事は積雪もそこまで苦労しないだろうからなあ……」
普通の人が膝下くらいまで積もっていたらすごい体力や動きを奪われるのだが、3~4mあるオークのでかさじゃ足を取られるという事も無い。まあ、機動力も攻撃力も劣っている私が喧嘩を売ってどうするんだって話よ。
「やっぱ潜伏系スキル覚えるのもありだよなあ……」
こういう時にジャンキー組がいればいいんだけど、今回の探索に関してはなるべくうちのクラン員や、他の連中を連れまわして攻略はしない方針なんだよね。事あるごとに何か頼んで、作って、色々やってきたのもあるし、こういう探索の時は自分のペースでいきたいというのもある。
「……こっちに認識されずに倒せればいいって事なら」
ちょっと思いついたので火炎瓶に火を付けて、認識されないように身を屈めた状態で投擲で届く範囲に接近し、一本投げて着弾する間に、雪面に伏せ、少し体に雪を付けるようにしつつ伏せた状態で燃えるオークを視認する。
「こういう時はゲームだからいいけど、リアル雪原だったら距離感掴みにくいのよねー」
一応ダメージが入っているので、きょろきょろとオークが辺りを見回すが、私の事を視認できないので、炎上しながらもきょろきょろし続け、探知時間が過ぎたのか、またのしのしと歩き始める。
「このゲームの良い所はこういうとこだよなあ」
一発殴ったら問答無用でこっちをターゲットして自分の指定位置から外れない限り付いてくるって物じゃない所よ。
「……何発食らわしたら死ぬかやってみよ」
また火炎瓶を投げ、潜伏してじっくり観察というのを5回ほど繰り返して撃破。
とりあえず南西エリア3-2に到達。
雪原のモンスター条件もある程度分かったのと、対処法を少しずつ理解、天候にも恵まれてエリアを進めたので良いが、此処からもまた道のりがなあ……。
「雪山かあ……」
双眼鏡で先を見ると、エリアの中頃くらいになると雪山に突入し始める。エリア3-3もあるので、あれは雪山中腹~頂上、ダンジョンがある感じなのかね。
防寒は良いとして、問題は雪山のほうだよ、何がヤバいって、投げ物は確実に使えない。爆破物は勿論の事だし、火炎瓶1つ投げてみろ、そこから滑って一気に雪ごと滑落か雪崩って可能性もぬぐえない。
「ゲームだからさくさくーっと登れるようにはなるんだろうけど……こりゃ雪山用の装備を作るかな」
そういえばアウトドアなんてほとんどしたことがないなあ……一応ゲームや小説、映画でなんとなーく、こういうのがいるんだろうなーってのは思うのだが、こういうのが得意な知り合いっていたかな?アウトドアやサバイバル好きの奴はこういうゲームをしないか?と、言ってもゲームだからこそ、そういうのを楽しめると言う人もいるから、探すか自力で調べるか、だな。ゲーム内資金なら腐るほど使えるので、そういうのを揃えろと言われればすぐにそろえてやれるんだが。
「ここらで一旦引いて、またアイテムや装備を揃えてアタックにしようか」
雪山前って事で3-2に安置があったのは嬉しい誤算だったが、これから先の事を考えればこの辺りで素直に撤退しよう。
「先は長いし、じっくり準備して攻略するのも楽しみの一つか」
インベントリから帰還スクロールを取り出して一旦ゼイテへと。
興味はあるけどリアルではやらないから雪山へのアタックってのは楽しいだろうな。
「さーて、調べものと、知り合いに当たってみるかな」
スピードクリアしたいのはそういうやつに任せりゃいいんだ。
私は私の歩幅で楽しむとしよう。
吹雪も収まり、また歩き始めて数時間経った頃にはすっかり凍結済み。
まだ動けるので度合い的には中程度、防寒してても寒いものは寒い。
「凍結の状態異常をどう解除するかって問題もあるけど、温まりポイントでも作れるようにしたらいいかなあ……」
緊急事態の手段としては火炎瓶で自爆するってのがあるが、この間サメにやられた時にやって以来、まだ使っていないんだよな。
「それにしたって、体張り過ぎじゃないかな、私は」
とりあえず葉巻に火を付けてから、一応この状態で体張るしかないな。
一旦防寒コートを脱いで凍結の状態異常が一番ひどい状態にし、HPの減り方や動きの鈍さを確認し、メモ帳に記載しつつ、ヤバそうになった所で火炎瓶を足元に叩きつけて、その場で炎上。
凍結の状態異常から炎上に切り替わるわけだが、この炎上も今気が付いたら度合いが変わってるわ。大中小の度合いで、炎上の文字の前に記載されるのはちょっとした拘りか。
凍結に比べて炎上のダメージはボマーも入ってるのでかなり減りがやばいのですぐさまポーションを飲んで回復しつつ、雪原にごろごろと転がって消火。
ボマーついてるの思いっきり忘れてた、結構えぐい炎上ダメージを貰ったのですげえ焦った。こんなものをぼんぼん投げまくり、売りまくって辺り一面燃やし尽くしていたと思ったら、中々に悪い奴だな、私は。
とりあえず炎上が治まってから状態異常の所を確認すると、異常無しになっているので戦闘中はこの荒治療で対処するしかないか。HP消費するというのと、防具が焦げ臭くはなるが破損したりはしないので、問題なし。その辺の確認もメモ帳に記載し、すぐさま防寒具を着込んで凍結対策をして先に進んでいく。
「んー、防寒の度合いが表示されないから、どこまで着込めばいいのやら」
この辺は自分の凍結具合で確認するしかないってのはちょっと不親切。
どのくらいの防寒があって、どこまで防げるのかをマスクデータにするってのはどうなんだろう。とりあえずステータスを開きつつ、その辺りを見ながらざくざくと雪をかき分けながらエリア2を目指す。
「でかいな、オーク」
暫く歩いていたら遭遇した久々のモンスターなのだが、斧持ちのオークがのしのしと雪原を歩いている。うーん、アベレージ50の相手にCH1本だけで立ち回るのって厳しすぎる。
よくよく考えてみたら、突破しなきゃいけないってのに武器もまともに装備しないでこっそり行こうとしていた少し前の私を引っぱたくべきだった。
「ガチるにもCHと忍者刀だし、でかいって事は積雪もそこまで苦労しないだろうからなあ……」
普通の人が膝下くらいまで積もっていたらすごい体力や動きを奪われるのだが、3~4mあるオークのでかさじゃ足を取られるという事も無い。まあ、機動力も攻撃力も劣っている私が喧嘩を売ってどうするんだって話よ。
「やっぱ潜伏系スキル覚えるのもありだよなあ……」
こういう時にジャンキー組がいればいいんだけど、今回の探索に関してはなるべくうちのクラン員や、他の連中を連れまわして攻略はしない方針なんだよね。事あるごとに何か頼んで、作って、色々やってきたのもあるし、こういう探索の時は自分のペースでいきたいというのもある。
「……こっちに認識されずに倒せればいいって事なら」
ちょっと思いついたので火炎瓶に火を付けて、認識されないように身を屈めた状態で投擲で届く範囲に接近し、一本投げて着弾する間に、雪面に伏せ、少し体に雪を付けるようにしつつ伏せた状態で燃えるオークを視認する。
「こういう時はゲームだからいいけど、リアル雪原だったら距離感掴みにくいのよねー」
一応ダメージが入っているので、きょろきょろとオークが辺りを見回すが、私の事を視認できないので、炎上しながらもきょろきょろし続け、探知時間が過ぎたのか、またのしのしと歩き始める。
「このゲームの良い所はこういうとこだよなあ」
一発殴ったら問答無用でこっちをターゲットして自分の指定位置から外れない限り付いてくるって物じゃない所よ。
「……何発食らわしたら死ぬかやってみよ」
また火炎瓶を投げ、潜伏してじっくり観察というのを5回ほど繰り返して撃破。
とりあえず南西エリア3-2に到達。
雪原のモンスター条件もある程度分かったのと、対処法を少しずつ理解、天候にも恵まれてエリアを進めたので良いが、此処からもまた道のりがなあ……。
「雪山かあ……」
双眼鏡で先を見ると、エリアの中頃くらいになると雪山に突入し始める。エリア3-3もあるので、あれは雪山中腹~頂上、ダンジョンがある感じなのかね。
防寒は良いとして、問題は雪山のほうだよ、何がヤバいって、投げ物は確実に使えない。爆破物は勿論の事だし、火炎瓶1つ投げてみろ、そこから滑って一気に雪ごと滑落か雪崩って可能性もぬぐえない。
「ゲームだからさくさくーっと登れるようにはなるんだろうけど……こりゃ雪山用の装備を作るかな」
そういえばアウトドアなんてほとんどしたことがないなあ……一応ゲームや小説、映画でなんとなーく、こういうのがいるんだろうなーってのは思うのだが、こういうのが得意な知り合いっていたかな?アウトドアやサバイバル好きの奴はこういうゲームをしないか?と、言ってもゲームだからこそ、そういうのを楽しめると言う人もいるから、探すか自力で調べるか、だな。ゲーム内資金なら腐るほど使えるので、そういうのを揃えろと言われればすぐにそろえてやれるんだが。
「ここらで一旦引いて、またアイテムや装備を揃えてアタックにしようか」
雪山前って事で3-2に安置があったのは嬉しい誤算だったが、これから先の事を考えればこの辺りで素直に撤退しよう。
「先は長いし、じっくり準備して攻略するのも楽しみの一つか」
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