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17章
454話 本当の決着
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「それで、メンテやらアップデートが終わったから向こうに戻ると」
「何だかんだで結構楽しめたし、良い買い物したわ」
「某は向こうに行く予定は全くもってないのでこれでお別れだな」
「そうねえ」
だだっ広い草原を2機で飛び、いい具合の広さがある所に来て着地、柳生がそのまま少し先に降り立つと対面して機体を座らせる。
「あんたが強くて有名になってわたしゃ嬉しいよ」
「どういう目線なのか疑問だ」
「元チームメイトの目線かしらね」
「なるほど」
こっちもこっちで決勝戦の時と同じような武器構成の機体を直立の状態で停止。何だかんだで結構無茶してきたけど、こっちはこっちで結構派手にやってたわ。
「自爆は無し、一発勝負、どちらかが行動不能になったら決着」
「良いじゃない自爆、あれのおかげで良い感じにいったんだし」
「気に入ったのか」
「浪漫よ、浪漫」
T2Wの方でも散々言ってきたけど、何事にも趣と浪漫が無いと面白くない。とは言え、勝敗が絡んでくるのなら、その浪漫に対してしっかりしたリターンも欲しいって所だけど。
「効率と性能だけ求めるのも嫌いじゃないけど、やっぱ一つまみの浪漫は欲しいのよ」
「そういうものか」
「そういうもの」
そんな会話を続けている間に、柳生の機体がゆったりと立ち上がりいつものブレードを手に取って腰を落とす。ため息交じりにこっちも機体を立ち上げ、ハンドガンを構えて相対する。
「それじゃあ、そろそろやろうか『チャンピオン』」
「そうだな、決着をつけよう『チャンピオン』」
そう言うや否やハンドガンで射撃、その弾をいつものブレードで叩き斬り落とすとブーストを掛けてくるので射撃しながらのバック走。キンキンと甲高い音をさせて接近してくる所に、急転換で前ブースト、いきなりの接近にたじろいだ所をレッグソードを突きだし、ぎゃりぎゃりとブレードと擦らせる。
「その動きは見たが?」
「あんたの動きも知ってるっての」
刃同士で押し合いへし合いを続けてから一気に距離を離して一息入れる。
さて、どう動くかな。
「嵐の様に行ってしまったな」
相棒がログアウトしていなくなる様を見送ってから大きく一息ついて自分の機体をちらりと見る。あちこちが射撃による被弾でボコボコに、片腕、頭は吹っ飛ばされており、何と言っても自分の得物だったカーボンブレードが思い切りコックピット横を貫いて地面に串刺しになっている。
短い時間で此処まで強くなるというのは全然予想していなかったし、勝つという気迫は得られる物が多かった。自分自身このゲームを長い事やってきたが、そこそこマンネリになっていたのは否めない。何であの時、初狩りの話を聞いて誘ったのか、今でも不思議だ。
「義理堅い人物ではあった」
浪漫と言って置いて結局自爆は使わずに最後まで普通に戦いあって、決着をつけ、満足そうに行ってしまった。
「……それにしても、チャンピオンか……一人ではあまり価値が無い話だが」
この間のトーナメント、結果から言えば優勝。最後の最後に負けたと思ったらまさかの自爆で1機と半分吹っ飛ばして来るとは思わなかった。あれが無かったら確実に負けていた。そもそも自爆を使う理由が殆どないクロカバで、まさか使うとは思わなかった。ついでに言えば、今回はチームトーナメントなので、次の試合で優勝したのがいれば称号としてはそいつの物になる。
「良い感じに向こうがメンテとアプデがあれば、連覇も出来そうなんだがな」
言っていたもう1人が居ればもっと楽に勝てたが、また来る時までに強くなって置くというのも悪くない。一度つながった縁と言うのは中々切れない物だ。
「向こうでも元気にやると良い」
こっちはこっちでやっていくさ。
「何だかんだで結構楽しめたし、良い買い物したわ」
「某は向こうに行く予定は全くもってないのでこれでお別れだな」
「そうねえ」
だだっ広い草原を2機で飛び、いい具合の広さがある所に来て着地、柳生がそのまま少し先に降り立つと対面して機体を座らせる。
「あんたが強くて有名になってわたしゃ嬉しいよ」
「どういう目線なのか疑問だ」
「元チームメイトの目線かしらね」
「なるほど」
こっちもこっちで決勝戦の時と同じような武器構成の機体を直立の状態で停止。何だかんだで結構無茶してきたけど、こっちはこっちで結構派手にやってたわ。
「自爆は無し、一発勝負、どちらかが行動不能になったら決着」
「良いじゃない自爆、あれのおかげで良い感じにいったんだし」
「気に入ったのか」
「浪漫よ、浪漫」
T2Wの方でも散々言ってきたけど、何事にも趣と浪漫が無いと面白くない。とは言え、勝敗が絡んでくるのなら、その浪漫に対してしっかりしたリターンも欲しいって所だけど。
「効率と性能だけ求めるのも嫌いじゃないけど、やっぱ一つまみの浪漫は欲しいのよ」
「そういうものか」
「そういうもの」
そんな会話を続けている間に、柳生の機体がゆったりと立ち上がりいつものブレードを手に取って腰を落とす。ため息交じりにこっちも機体を立ち上げ、ハンドガンを構えて相対する。
「それじゃあ、そろそろやろうか『チャンピオン』」
「そうだな、決着をつけよう『チャンピオン』」
そう言うや否やハンドガンで射撃、その弾をいつものブレードで叩き斬り落とすとブーストを掛けてくるので射撃しながらのバック走。キンキンと甲高い音をさせて接近してくる所に、急転換で前ブースト、いきなりの接近にたじろいだ所をレッグソードを突きだし、ぎゃりぎゃりとブレードと擦らせる。
「その動きは見たが?」
「あんたの動きも知ってるっての」
刃同士で押し合いへし合いを続けてから一気に距離を離して一息入れる。
さて、どう動くかな。
「嵐の様に行ってしまったな」
相棒がログアウトしていなくなる様を見送ってから大きく一息ついて自分の機体をちらりと見る。あちこちが射撃による被弾でボコボコに、片腕、頭は吹っ飛ばされており、何と言っても自分の得物だったカーボンブレードが思い切りコックピット横を貫いて地面に串刺しになっている。
短い時間で此処まで強くなるというのは全然予想していなかったし、勝つという気迫は得られる物が多かった。自分自身このゲームを長い事やってきたが、そこそこマンネリになっていたのは否めない。何であの時、初狩りの話を聞いて誘ったのか、今でも不思議だ。
「義理堅い人物ではあった」
浪漫と言って置いて結局自爆は使わずに最後まで普通に戦いあって、決着をつけ、満足そうに行ってしまった。
「……それにしても、チャンピオンか……一人ではあまり価値が無い話だが」
この間のトーナメント、結果から言えば優勝。最後の最後に負けたと思ったらまさかの自爆で1機と半分吹っ飛ばして来るとは思わなかった。あれが無かったら確実に負けていた。そもそも自爆を使う理由が殆どないクロカバで、まさか使うとは思わなかった。ついでに言えば、今回はチームトーナメントなので、次の試合で優勝したのがいれば称号としてはそいつの物になる。
「良い感じに向こうがメンテとアプデがあれば、連覇も出来そうなんだがな」
言っていたもう1人が居ればもっと楽に勝てたが、また来る時までに強くなって置くというのも悪くない。一度つながった縁と言うのは中々切れない物だ。
「向こうでも元気にやると良い」
こっちはこっちでやっていくさ。
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